『キャーッ!!』
双子の妹の明日香が朝っぱらから騒いでいる。
ドタドタっと親が明日香の部屋に入って行くのが聞こえ、時計を見るとまだ6時前。
起きるにはまだ早すぎる時間だったので、二度寝をしようと目を閉じてゆらゆらした気分を味わっていると突然、ガチャッと部屋のドアが開いた。
〈晴人!起きてるか!?〉
はっきり開かない目を擦りながら見てみると、ドアのところで父がオレを呼んでいる。
「ん……なに??」
〈ちょっと起きてみろ?ベッドから降りて来い〉
「…ん…?…なんで?」
半開きの目でベッドから降りて床に立つ。まだフラフラ状態で父に近づくと、いきなり股間を鷲掴みにされた。
「ちょっ!…なに?なに??」
〈やっぱり。…とりあえずリビング行くぞ〉
訳がわからないまま父の後について階段を降りてリビングのソファに腰かけた。
ぼーっと時計を眺めていると、母に連れられて妹もリビングに入ってきた。
妹は股間を押さえながら小股でトコトコ歩いてオレの横に座った。
父は向かいのソファに座り腕組みをして目を閉じ、母はキッチンで牛乳をグラスに注いでオレ達の前に置いた。
妹を見ると何故だか涙目で顔が赤い。
オレ何か悪い事したっけ?…と回らない頭で色々と考えていたが、全く心当たりはない。