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1:従姉妹そして姉
投稿者:
筑紫次郎
田圃の中に新しく出来たバイパスを久美子は、珍しげに眺めていた。盆休みで約1年ぶりに故郷に帰ってきた。もうじき黄金色に変わる緑色の田圃の景色が心を和ませてくれる。
「姉ちゃん、初めてだったこの道」 「うん、何か少しずつ変わっていくよね、この町も」 「遠い所じゃないから、もう少し帰ってくれば。少しは変わっているよ、この町も」 久美子は、駅に迎えに来てくれた健太郎とのドライブが楽しかった。健太郎は、携帯電話が鳴ると、車を路肩に寄せた。 「もう直ぐ着く。美歌もそっちで料理手伝うって言ってた」 実家の母からの電話だった。 「ミカって、健ちゃんの彼女?」 「春伯母さんとこの、美歌だよ。姉ちゃんに会いたいって言ってたよ」 美歌は、久美子と同い年の27歳、母方の従姉妹になる。子供の頃は、二つ下の健太郎と3人で一緒に良く遊んだが、ここ数年顔を会わせていない。健太郎の電話に久美子は違和感を覚えた。 「美歌ちゃん、年上だよ。呼び捨てにして」 「母さんに聞いてないの、付き合ってるんだよ美歌と」 久美子は、フロントガラスを突き抜け、全身に突風が当たった気がした。なぜ弟が年上の従姉妹と付き合っているのか、事態を理解するのに時間が掛かった、いや理解し受け入れられなかった。 「…お父さん達、何て言ってるの」 「親父は最初いい顔してなかったけど、母さんは、美歌となら嫁姑の問題も無いとか言って喜んでるよ。伯母さんの所は、伯父さんも”早く結婚して孫の顔見せろ”って言ってるし」 結婚という言葉が久美子の混乱に拍車をかけた。 「いつから付き合ってるの」 「1年位前かな、半年前に親にばれたかな」 久美子と美歌は常に比べられた、少なくとも久美子は今もそう思っている。何かにつけ美歌には負けたくなかった。学校の成績は、常に久美子が優っていた。進学校に進んだ久美子は、地方の中心都市で大学を出るとその街で就職した。美歌は、地元の短大に進み地元に残った。高校時代には、ほとんど会うことも無くなり疎遠になっていた。健太郎は久美子にとって自慢の可愛い弟だった。健太郎も久美子と同じ大学美進み、地元に戻り、実家から勤めに出ている。その二人が結婚する。久美子は、家に着くまで自分の中に起こっている混乱を静めるため、変わってないはずの故郷の景色を眺めた。車が家に着く頃には混乱は嫉妬という中心で渦を巻き始めていた。 久美子は家に着いても何か落ち着かなかった。美歌が甲斐甲斐しく母と料理をし、久美子が実家の客のようだった。健太郎と美歌を見ていると苛立ちが募っていく。夜になり健太郎が美歌を送っていくと、父と母に自分の近況を語った。”仕事が忙しく恋愛どころではない”と言う響きが、虚しく聞こえた。美歌と健太郎は今年中に結納をし、年明けに結婚させるつもりらしい。 父と母が寝ても、久美子は寝る事ができず、2階の自分の部屋で健太郎の帰りを待った。健太郎が帰ってきたのは、1時を過ぎていた。 「健ちゃん、お風呂まだだよね」 「いいよ」 「でも・・・・」 久美子は健太郎に近かよってやっと風呂に入ってきているのに気付いた、同時に嫉妬の渦がまたうねりを上げて、渦巻き始めた。 「ちょっと、馴れ初めを聞かせてよ」 久美子は健太郎を自分の部屋に呼んだ。 健太郎にとって姉久美子は、憧れの存在だった。学校では何時も学級委員の優等生で、凛とし美しく、そんな姉を誇りに感じた。美歌もまた優しい姉だった、弟のいない美歌は健太郎を本当の弟のように面倒をみてくれ、こっそり二人で遊びに行くことも有った。中学生になり、性の処理を覚えると、想像の中で何時も二人の姉を抱いた。久美子は何処までも神聖な存在であり続けたが、美歌とは禁忌と知りつつ結ばれた。そんな健太郎の心を美歌は見透かしていた。 「健ちゃん、久美子ちゃんを抱きたいんでしょ。いいんだよ」 その夜、美歌は健太郎に抱かれながら、そそのかす様に言った。 「そんな事できる訳無いだろう」 「きっと今日なら大丈夫だよ。食事中、久美子ちゃんにずっと睨まれてたの。私、久美子ちゃんの気持ち分かるの、ずっと恨まれたくない。久美子ちゃんを抱いて。そうしたら、きっと3人でまた仲良くなれるよ」 ベッドに腰を掛けた久美子の前にしゃがみこみ健太郎は話し始めた。姉には正直に話していたほうがいいと思った. 「本当は初めて美香とHしたのは、美歌が短大で俺が高校3年生の時。俺も美歌も初めてで上手く出来なかったけどね。こっちに帰ってきたら、また付き合いが始まったんだ」 「美歌ちゃんの事、子供の頃から好きだったの」 「うーん、姉ちゃんも美歌もずーっと好きだったよ」 ぶっきらぼうな返事に、久美子の苛立ちは、頂点に達し言葉になった。 「姉ちゃんも好きだった?ふーん、そうなんだ。じゃあ私ともHできるの」 その言葉が健太郎に与える意味を久美子は知らな過ぎた。健太郎は突然、久美子に押しかかりベッドに押し倒し唇を奪った。理性よりも先に久美子の体が、弟の舌を受け入れていた。健太郎は、深いキスを続けながら姉のTシャツを捲くり上げると、姉の胸をゆっくりと揉んだ。決して大きくは無い小ぶりな乳房へ唇をつけると執拗に乳首を舐めまわした。姉への愛撫を続けながら、二人の間を遮る物を全て取りさり、素肌の姉を抱いた。太腿の間に頭を入れると姉の秘所は、既に艶を帯びていた。そっと舌を這わし姉を味わった。久美子は、弟に決して見せてはいけない場所を見られ、舐められ異常なほどの悦楽に浸った。 「健ちゃん・・・・・・あぁ」 「姉ちゃん、入るよ」 健太郎が入ってくると久美子はこれまで経験したセックスと、健太郎との交わりが全く別の物だと悟った。全てが、溶け合うように繋がっていく、健太郎がゆっくりと久美子の中を動くと気が狂うほどの喜びが襲ってきた。それは絶対に思い描いてはいけない、しかしずっと待ち望んでいた物。何度上り詰めたか分からない程頂上を味わった。健太郎にとっても憧れ続けた姉を突き上げる毎に大きな喜びが増幅した。健太郎は今日2度目の放出を何とか姉の外へ出すまで、長い時間姉の体に溺れた。外が明るくなるまで、姉と弟の至福の時間は続いた。 昼近くに、目覚めた久美子は昨夜の健太郎の愛撫を思い出し、暫しの幸福に包まれた。が、急に恐ろしくなってきた。美歌と健太郎に対し途轍も無い罪を背負ったのではないか。美歌に対し、どんな顔をすればいいのか。 1階に降りていくと、健太郎と美歌が待っていた。 「久美子ちゃん、ごめんね、健ちゃん取って。でも私の気持ちわかってくれたでしょ?私も久美子ちゃんと同じなの。健ちゃんと一緒にいたいの。お願い許して」 「美歌は、俺の姉ちゃんへの気持ち知ってたんだ」 久美子は昨夜の事を美歌が知っている事に驚いた。 「久美子ちゃん。結婚したら、しばらくは二人で住むから泊まりにきて。昔みたいに3人で一緒に寝よう。健ちゃんには2人分頑張ってもらわなきゃね」 「美歌ちゃんは、それでいいの?」 美歌は少し恥ずかしそうに微笑んだ。美歌への頑なな気持ちが久美子の中から消えていった。”美歌に健太郎を取られたく無い”その気持ちが、美歌と距離をとり疎遠になった原因だったと気づいた。美歌と健太郎、そして久美子も同じ禁忌の快楽を知ってしまった。昨夜の喜びを、3人で共有できる幸せを久美子は感じた。 「健太郎をよろしくね。おめでとう」 久美子は心から祝福の言葉を二人に贈った。
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2014/02/17 11:22:43(7P59psCc)
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