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1:私を守る・・・ (第10話)
投稿者:
ユキダルマ
≪タイトル≫
もう待てないよ ≪本文≫ 何時頃に来れそう? 弘子に会いたくて死にそうだよ 一緒に住めたら毎日、弘子と抱き合えるのにな 毎日毎日、弘子のことを考えてる 愛してるよ弘子、世界中で一番愛してる 弘子がいないと生きていけないかも・・・ 弘子がいないから毎日一人でしちゃってるよ 早くきて 早く愛し合おうよ 早く弘子の体を見たい、さわりたい、味わいたい・・・ 愛してるよ弘子・・・ 弘子は恵里菜の朝食をテーブルに並べているときに届いたメールをキッチンで開き見ていた メールの文字は弘子の身体に手足となってまとわりつき、熟れたその身体をピタピタと愛撫していく キッチンカウンターからは上半身しか見えないのをいいことに、恵里菜が朝食をとる中、部屋着の上から陰部を指でなぞっていた ・・・そうだ、剃らないと・・・ ・・・彰宏は喜んでくれるかな・・・ここをいっぱい舐めてくれるかな・・・ ・・・ああ・・彰宏に会いたい・・・ 一刻も早く彰宏に会いたいという気持ちを募らせ、恵里菜が早く食事を終わらせ学校に行かないかと苛立たせながら下着を濡らしていた 恵里菜は家に兄の姿が見えないことを不思議に思いつつも、ヨーグルトのかかった薄く切られたバナナをフォークで食べながら、次の日曜日には大好きな兄と近くのショッピングセンターに行き、前から欲しいと思っていたキラキラと光る文字が書けるペンを買ってもらい、アイスクリームショップでイチゴのペーストが練りこまれたアイスとナッツがゴロゴロと入ったアイスのダブルを二人で食べようと心躍らせていた できればクラスの誰かに会ってカッコイイ兄を自慢して小さな優越感に浸りたいとも思っていた 「恵里菜、遅れるわよ」 ゆっくりと朝食をとっている恵里菜を弘子は急かした 恵里菜はテレビの左端に映る時刻を見て、慌てて残りのご飯を小さな口でかっこみ、「ごちそう様、行ってきます」と立て続けに挨拶をして出ていった 弘子は玄関ドアが締まる音を聞くと同時に食卓を片付けるよりも先に携帯電話をとり、10時までには行けることと、自分も彰宏に抱かれるのが待ち遠しい旨を返信した 「由奈っ、おはようっ」 「あ、おはようっ・・・」 校門の近くで由奈を見つけた恵里菜は、足早に近づき背中を叩いて声をかけた 1週間ほど前から妙に落ち着きがなく、特に恵里菜が話しかけると途端に口数が少なくなる背の大きな友人を案じ、積極的に話しかけるようにしていた 「今日のリボン可愛いね、どこで買ったの?」 「あ、うん・・ありがとう・・駅前のお店で買ったんだ」 「最近できたとこ?」 「そうそう、可愛いものいっぱい売ってたよ」 「そうなんだ、じゃあ今度お兄ちゃんと一緒に行って何か買ってもらおうっと」 恵里菜の兄のことが会話にあがり、ドキっとした由奈は、自分の変化を気づかれないよう恵里菜と逆方向に顔を向け、話を変えようとしたが、玄関に着いたので何も言わず上履きを取り、履き替えた 教室に二人で入ると既に登校し自分の席に座っていた瑞希が肘をついたまま手を振った 「おはよう」 「おはよう」 「早いね瑞希」 「うん、ちょっとね」 何かを含んだような言い方に二人は首を傾げながらそれぞれ自分の席に着いた 勉強の嫌いな恵里菜と瑞希にとって午前中にある4つの授業は苦痛でしかなく、毎時間どのようにヒマつぶしに没頭できるかが鍵だった 他方、勉強好きの由奈はどの時間も新たな発見があり、予習をしていても教師の発する言葉の一言一言に何かを感じ取って知識を膨らませていた 当然ながら由奈と二人の学力は日毎に差がついていき、その結果は季節ごとのテストで目に見える形となった 周りには様々なヒマつぶしを謳歌する者がいたが、何といっても携帯電話を持つ者こそがどの時間もヒマにならない瑞希曰くの「勝者」である 塾に通う由奈だけは、何かあったときのために親から携帯電話を与えられていたが、授業中に隠れて使用することなどなく、恵里菜曰くの「宝の持ち腐れ」であった そのため恵里菜と瑞希は、席が近かったこともあり、何十年も前から行われているアナログな伝達方法「手紙回し」で授業中に様々な会話を繰り広げていた たまに由奈にも回ることがあったが、由奈にとっては楽しい勉強の妨げになる行為であったため、その多くを返事を書かずにそのまま受け流していた 給食を食べ6時間目の授業が始まった頃、瑞希から恵里菜に可愛いメモ用紙の手紙が投げ渡された いとしのエリナちゃんへ なんかさぁ、ユナ変じゃなぃ? もしかして好きな人できたんじゃないかな? キャー 今日、部活ないからユナといっしょに3人で帰ろうよ そんでユナにはくじょうさせようよ ウフフ ジュルッ それと・・・ウチも話したいことがあるんだッ SEXYなみずほ様へ 分かったぁ でも今日、ソージ当番だからちょっと待っててネ でもさ、由奈に好きな人できるかなぁ? えりなは違うと思うけど でも、みずほ様のお話は聞きたーーーーい! センパイとのことだよね? キャー!キャー! 恵里菜は由奈のことよりも瑞希が話したいということに興味津々になっていた おそらく西川先輩との進展についてだろうと想像していた 3人の中で初めての処女喪失をした者が出たと思い、痛かったのか、血はどのくらい出たのか、避妊はどうしかのかなど、聞きたいことで頭に一杯にしていた 恵里菜も3人の中で最も子供っぽいが、性に対する関心は人並み程度にあり、特に友人の体験談は大好物である 恵里菜の掃除が終わるのを廊下で待っていた二人は、小遣いがいくら残っているかを話していた その残額によって、帰りにファストフード店でハンバーガーにフライドポテトとドリンクが付いて380円のセットを頼むか、ショッピングモールのフードコートでペットボトルのジュースを飲みながら100円のタイヤキを食べるかを決めようとしていたが、残金に乏しい二人は互いに金の無さに笑いあい、結局、ジュースだけを買うことにした しかし、恵里菜の掃除が終わることにより状況は一変した 恵里菜がファストフード店で使える500円券を3枚も持っていたのである 二人が聞くと、恵里菜の家には不定期にアンケートをとりにくる中年女性がおり、恵里菜の母がその度にもらう券を以前、くれたのだと言う 恵里菜はそれをいつか3人で食べにこうととっておいたもので、二人はありがたくその誘いに乗ることとした 3人は歩きながら恵里菜と友達で良かったと現金なことを言い煽てて、気分よくご馳走させようと盛り上げた ファストフード店に着くと、券を余しても意味がないので最大限活用しようと、490円するフライドチキンとチーズが挟まったバーガーのセットを3つ買い、ソファのある奧の席に座った 先に口火を切ったのは瑞希である 「ねぇねぇ、由奈さぁ・・・誰か好きな人いるでしょっ?」 「えっ、いないよ・・・」 「うそだぁ、だって由奈、なんか最近変だもん ねぇ恵里菜」 「うん、由奈おかしい」 「そんなことないよぉ」 「じゃあ何でわたしのことを避けるの?」 「え、そんな、避けてないよ・・」 由奈は自分でも恵里菜を避けていることを気にしていたが、恵里菜を見るとどうしても大樹のことを考え顔を赤くしてしまい、また、恵里菜が兄に恋をしていることも知っていたため、少なからず恋敵として見ていたことから、意思とは関係なく恵里菜と一線を引いてしまっていた 「いや、避けてるよゼッタイ」 「そんなことないって、恵里菜の気のせいだよ うーん・・でも、気になっている人はいるかも・・・」 「やっぱりぃっ! だれ、だれっ?」 逃げ切れないと思い、恋をしていることだけは打ち明けた 「うーん・・もうちょっと待って そのうち教えるから」 「えーーー教えてよぉ どんな人っ? 同じ学校っ?」 「ええっ? あ、うん・・年上・・かなっ・・」 「そうなのっ? 2年? 3年?」 「やぁぁ・・だから・・そのうち教えるって」 「やだやだ、今、聞きたいっ」 由奈と恵里菜の攻防は数分続いたが、瑞希は珍しく神妙な顔をして静観していた そんな瑞希の姿を見て、恵里菜は瑞希の言った言葉を思い出した 「そうだっ! 瑞希なんか話したいことあるって言ってたよね?」 「あ、うん・・そうそう・・」 「ヒロ・・西川先輩とのこと?」 「うそっ? まさかっ? あれ? あれでしょっ、あれっ!」 由奈が話を自分からそらすべく瑞希の話に食いついた 恵里菜はヒロ先輩と呼んでいいのが瑞希だけだと以前怒られたことを思い出し、慌てて言い直していた 二人は目を爛々とさせて瑞希を見つめる 「何さ、あれって・・違うよ、そんなんじゃないよ・・あのさぁ昨日ね・・」 「うん」 「ヒロ先輩と別れた」 「えっ?」 「だから、別れたんだってばっ!」 恵里菜と由奈は見つめ合い、瑞希に理由を問い詰めた 「どうして? あんなに仲良かったのに・・」 「うん・・昨日さぁ・・ヒロ先輩の家に行ったんだけどね・・」 「うん」 「最近いっつもなんだけど・・すぐ体を触ってくるのね」 「う・・ん」 「しよう、しようって、そればっかりでさぁ・・」 「うん・・」 「昨日、誰もいないから泊まっていけって言って・・ウチも親に恵里菜んちに泊まるって嘘ついて、何とか泊まることにしたのね」 「えっ? わたしんち?」 「うん、だから昨日泊まったことにしといてね」 「あ、うん・・瑞希のママから電話きたりするのかなぁ・・」 「たぶん、そこまではしないと思うけど・・念のためね」 「わかった・・それで?」 「うん、それでね、ヒロ先輩の部屋でテレビとか見てたら・・少しずつ近づいてきて、いつもみたいに触ってきたのね」 「・・いつもみたいにって・・どうなんでしょ恵里菜さん、こんなことでいいのかしらねぇ」 「そうですわ、ほんとに今どきの中学生はおかしいですわねぇ由奈さん」 恵里菜と由奈は恥ずかしさからかおどけた拍子で瑞希をからかい、瑞希はそれを見て睨んだ 「ごめんごめん、続けて続けて・・・瑞希さん」 瑞希はまだおどける恵里菜を再度睨み、まぁいいや、という顔をして話を続けた 「それでさぁ・・ウチも今日ならあげてもいいかなって覚悟してたのね」 「うん、うん」 「だから、ヒロ先輩のすることを拒否ったりしないで、なんでもさせてたのね」 「うん」 「・・・パンツもおろされて・・」 「やぁぁぁーーっ! ほんとにぃ?」 「うん・・」 「え? 瑞希、お風呂とか入ってたの?」 「ううん」 「うわぁー、私だったら入ってからにしたいかも・・」 「私も」 「仕方ないでじゃん、急にそうなったんだもん・・」 「あー・・急にねぇ・・・」 「そうだよ、ウチだって入りたかったよ・・でもさぁ・・」 「まぁまぁ・・それで?」 由奈が、恵里菜と瑞希の風呂を先に入るか否かの議論に口を挟み仲裁した 「うん・・それで・・ヒロ先輩ってば、フゥフゥ言いながらさぁ・・」 「言いながら?」 「あ、うん・・・あの・・・その・・・」 「ん?」 「あの・・あれ・・うん・・あぁ・・あの・・」 「え? 瑞希、なに言いたいの?」 「いや・・うん・・あ、あそこを・・・」 「!」 恵里菜と由奈は、普段から性について知り得た知識を明るく二人に話す瑞希が珍しく恥ずかしがっていると思いながら、何を言いたいのか分からずしつこく聞いたが、思いがけない言葉を発したため、3人で赤くなり黙ってしまった 「あー、あの・・・続けていい・・かな・・?」 「あ、うん・・どうぞ・・」 「うん・・それで・・そんなことをしてるうちにね」 「うん・・」 「ヒロ先輩が・・その・・あれ・・あれを・・出してきて・・」 「ふわぁぁーー・・」 「変な声ださないでよ」 「だって・・」 「まぁいいや、それでさぁ・・ヒロ先輩・・それを舐めろって」 「ひやぁあぁーーーっ!」 「だから、変な声出さないでって」 「いや・・うわぁあ、瑞希なんか大人だぁ・・」 「違うって、それが嫌で、怒って・・・それで別れたのっ」 「ああっ! そういうことなんだっ」 「うん・・だって、初体験なのに、そんなことさせようだなんてサイテーだと思わない?」 「うん、サイテー!」 「でしょっ」 「うん、別れて正解だよ・・・ちょっとおしっこしてくる」 「トイレに行くって言いなよ、恵里菜ぁ」 恵里菜は由奈にベーっとベロを出してトイレに向かった 二人になった由奈と瑞希はそんな恵里菜を見ながら、その可愛さに笑っていた 「そっかぁ・・瑞希も色々経験してるねぇ・・」 「うん・・それよりさぁ、由奈ぁ・・」 「んっ、なに?」 「由奈さぁ・・恵里菜のお兄さんが好きなんでしょ?」 「えっ、なにそれっ? なんでっ? だって瑞希会ったことないでしょっ?」 瑞希に言い当てられ、慌てながら否定したが、しどろもどろになってしまい誰にでも明らかなくらい不自然な言動をしていた 「だって、さっきの話聞いてたらさぁ・・年上なのは分かるけど、恵里菜に冷たくするのって意味わかんないじゃん・・こないだもイケメンだって言ってたし・・・あ、戻ってきた・・大丈夫、恵里菜には内緒にしておくから」 「・・・」 トイレから戻ってきた恵里菜は、由奈の恋の話など忘れ、瑞希の体験について掘り下げようと息巻き、席に座るなり瑞希に問い始めた 由奈はさっきまでの勢いが失せ、ただ黙って二人の話に相槌を打っていた
レスを見る(2)
2012/01/16 21:36:25(o4Z65lp6)
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