どうも、視線が低い…
歩こうとしたら、トランクスが脱げた…
下を見た俺の目の前に有り得ないものが写る…
ない、ない。竿も玉も毛すらもない。あるのは、白い肌と一本の筋だけ…急いで、洗面所に行き、鏡を覗きこむ。
鏡に写るのは、いつものむさ苦しい顔ではない。長い艶やかな黒髪の少女だ。
俺は、服を全部脱ぎ、体中を点検した。
まごう事無く、少女だ…年の頃は十歳位だろうか?陶器のような、滑らかで白い肌。細く長い手足。長く艶やかな黒髪。卵型の顔に大きくぱっちりとした瞳。色気すら感じる赤く窄まった唇。
まごう事無い、美少女だ…
俺は、しばし、鏡の前で鏡に写る姿にみとれていた…………
俺は、はたと気付いた…この姿に似合う服が無い。服だけじゃない、下着も靴も無い。
しばし考え、仕方が無い。とりあえず、在るもので代用しよう、今は夏だ何とかなるだろう。
俺は、顔を洗い、歯を磨き、髪をとかし、朝食を取った。
あぁ、どんな服を買おうか?俺は思いを馳せながら、珈琲を一口飲んだ…………
《 序章 完 》