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或る猫の恩返し
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:超能力・超常現象等体験告白
ルール: 私は超能力者、そんな私の空想H体験告白
  
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1:或る猫の恩返し
投稿者: (無名)
「ハァ~ 駄目だこりゃ」

俺の名は木村達也。
今日もパチスロですってんてんだ。
流石の俺もここまで博才が無いと悲しくなってくる。
俺は今日もとぼとぼと家路を歩いていた。

すると、道端で子供たちが猫の首にロープを巻いて、引きずりまわしている。
これはいくら何でも可哀そうだ。
俺は子供たちに注意をした。

「あ~ 君たちさ~ あんまりよくないよ。 そういう事」

すると、子供たちが反論してきた。

「え~ なんで? だって一緒に遊んでるんだよ」

いや、そういう事じゃなくて

「かわいそうでしょ ほら 泣きそうじゃん」

しかし今度は屁理屈をこねて来る。

「だって猫は喋んなくて鳴くんだよ」

いい加減、頭に来た。
俺は奴らを恫喝した。

「まあまあまあ、ここはお兄さんの面子を立てて」

と言って、無理矢理に猫のロープを奪い取った。

「なんだよ、おじさんじゃん!」

と奴らは捨て台詞を残して去って行った。

「くっそ~ ふざけやがって」

俺は頭に来たが、奴らの逃げ足は速い。

「しかたねえ 許してやるか」

と強がって、そのまま猫を放してあげた。

「じゃあな~」

と言って俺は歩き始めると

「これこれ、そこのお人」

どこからか、爺さんの声がした。

俺は周囲を見渡すが誰も居ない。
また歩き出すと

「まあまあ、ちょっとお待ちなさいって、そこのお若いの」

若いという言葉が気に入った。
しかし、再度見渡しても誰も居ない。
すると、目の前にとぼとぼと老猫が現れて俺に言った。

「わしだよ、わし」

なんとまあ、猫が喋っているではないか。
しかも、日本語を。
俺は聞いた。

「今、俺は悪い夢でも見てるんですかね?」

猫「悪い夢とは失礼な!」
 「わしは超能力を持っておるのじゃ」

「超能力? じゃあ、何でさっき自分で逃げなかったんですか?」

猫「助けて貰ったお礼に・・」

あっ、スルーした。

猫「お前さんに超能力を授けよう」

超能力?

猫「で、何が良い?」

「えっ、何でもいいんですか?」

猫「オウ、何でもいいぞ」

「じゃあ、億万長者にしてください」

猫「・・・・・」

「億万長者!」

猫「ちょっと今、在庫切れ、 かな?」

「何でもいいって、言ったじゃないスか」

猫「今在るのは、ええっと、 そうそう、 惚れられる超能力」

「惚れられる超能力?」

猫「そうだよ、 なかなか良いもんだよ」

「惚れられてどうするんですか?」

猫「どうするって、 そりゃぁそっちの問題だろ」
 「まっ、取り敢えず暫くは、慣れるまで大変だけどね」

 「じゃっ、 よろしく!」

老猫はよろよろと去って行った。

う~ん、今から俺は誰にでも惚れさせる事が出来る。
らしい。

これは、早速試してみるしかない。
先ずは道行くJKを惚れさせてみる。

と言っても、なるべくなら最高に可愛い女の子がいい。
それではと、駅前に行ってみる。
う~ん、なかなか可愛い子は居ないもんだ。
これは長期戦かと思った傍から、滅茶苦茶可愛い女の子が階段から降りて来た。

どう見ても、ギャルっぽいが顔は最高に可愛い。
俺は彼女を見ながら念じた。
惚れろ、惚れろこの俺に。
そして悠々と彼女の前に行って、やあ、と言うと

「はあぁっ? 何、あんた」

と言われた。
どうも話が違う。
もう一回、やあ、と言うと

「あんた、誰?」

と言う。
やっぱりあの猫は悪夢の化身だったのか?

「ちょっとどいてよ!」

と彼女に言われて体をよけると、偶然に彼女の肩と俺の肩が当たった。
すると彼女が急に立ち止まって、こちらを向いて言った。

「あっ、あの さっきはごめんなさい」
「許してもらえます?」

彼女は泣きそうな顔で俺に許しを請うのだ。
これって、まさか
惚れられる超能力のおかげなのか?

俺は俄かには信じられなかった。


 つづきます
 
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2017/09/19 18:11:41(lWnUGn7.)
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