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1:サイボーグ男2
投稿者:
ハル
急ぎ足で歩くご褒美の女子高生と、その女子高生を挟む様に併走する男子学生の後を追い
、差を詰めていく。 「ねぇ、いいじゃん。せめてメルアドだけでも教えてよ。」 男子学生が私のご褒美の女子高生に色目を使っている。 『私のご褒美を横取りしようとするとはいい度胸だ。』 沸々と沸く怒りを抑えながら私は3人の後を追う。 「ちょっとぉ、いい加減にしてよッ!あたし、彼氏いるって言ってるじゃん。」 ご褒美の女子高生が男子学生の色目に、一切の可能性を否定して男子学生たちを遠ざけよう としているのがわかる。 「チェッ、なんだよ、せっかく助けてやったのに・・・。」 男子学生たちは可能性の無さを感じて、私のご褒美の女子高生の後を追うのをあきらめた。 「やっぱ、ムリかッ!チャンスかと思ったんだけどなァ。」 「ちょっと俺らじゃムリ目な女だったな。」 急ぎ足で遠ざかっていく女子高生の後姿を見送った男子学生たちは、来た道を戻り始めた。 男子学生の一人と私の目が合う。 「おいっ、あのジジイ、しつけぇ、付いて来やがったぜ!」 私のご褒美に振られた男子学生は腹が立っていたのか、走って私に駆け寄ってきた。 「おい、おい、おい、おい、おい、おいっ!しつこすぎんぞハゲジジイッ!!」 そう言いながら私の胸倉を掴み、Tシャツを引っ張っる男子学生、私はその手首を掴むとグ イっと力任せに捻り、「イテ―ッ!」と叫ぶ男子学生の肩口を掴み、両足の揃った男子学生 の足を思いっきり払って、地面に叩き付けた。 「ゴフッ!ゥゥゥッ・・」 受身も取れず背中から地面に叩きつけられた男子学生は、息もできないように呻き声を上げ た。 もう一人の男子学生がその顛末を見て、棒立ちになって私を見ている。 私はその男子学生の胸倉を掴んで一気に払い越しを決めてやった。 「グフッ!!」 と、地べたに叩きつけられた衝撃で肺の中の息を吐き出した。 「・・・喧嘩した事あるのか?・・・相手を見て勝てるかどうかも判らないガキが・・・。 」 私は、静かに言いながら、地べたに寝転がる男子学生の顔を踏みつけた。 私の90kgの体重を徐々に乗せていく。 「ゥグウウ・・・ゥゥ・・」 声にならない呻き声がもれ、男子学生の顔が苦しそうに歪む。 「しゅ、しゅびばしぇんでしたっ、ひゅるしへ・・くらは・・い・・。」 まともに発音できないくらいに踏みつけられ歪んだ男子学生の顔。 私は正直このまま、顔を踏み潰してやろうかとも思ったが、ご褒美の女子高生の行方を追わ なければいけない使命に、男子学生への制裁を途中でやめ、ご褒美の女子高生の後を追った 。 大きな下り坂のまっすぐな道の先、200mほど先の坂の上にご褒美の女子高生らしき人 影を見つけた私は走って後を追う。 ご褒美の女子高生との距離が50mくらいに近づいてところで、女子高生は大きな家の中に 入っていった。 私は女子高生の入っていった家の表札を見る。 ブロンズ板にローマ字で刻まれた〝MISIMA〟というネームプレートに〝TAKAO〟 〝MASAYO〟〝AI〟と、3名の名前が刻まれている。 『3人家族か・・・3人でこんな大きな家に住んでいるのか・・・・俺に不幸を押し付けて 幸せになった奴等だな。・・・』 沸々と沸く怒りは、大きなものへと変わっていった。 私は大きな深呼吸をし体中に酸素を染み渡らせ、気力を充実させて、堂々と門を開けて、玄 関に向かった。 絢爛な装飾が施されたドアノブを捻ると〝カチャ〟と、鍵のかかっていない感触。 私は静かにドアを開け、家の中に入っていった。 大きな玄関にご褒美の女子高生が履いていた靴がある。 私は靴を脱ぎ、無言で家の中に上がって家内を散策した。 人の気配が感じられない家中。白い内装の廊下の脇に2階へ続く階段がある、『ご褒美は上 にいるのかな?』そう思いつつも、廊下を抜けると広いリビングに出た。 太陽光が差し込む、計算された明るい室内。大きなガラス戸の向こうには綺麗に整えられた ガーデニングが広がる。 そのガーデニングの花壇を手入れしている1人の老人。 『ご褒美の女子高生のお父さんか?・・・いや、おじいさんか?』 私はガラス戸に近寄り、何の警戒もせず、ガラス戸をあけた。 「こんにちは。いいお天気ですね。」 私は花壇の手入れをする老人に話しかけた。 老人は驚いたように振り向き、堂々としている私を見つめて「どちらさんですかな?」と、 尋ねてきた。 「お孫さんの知り合いです。・・・見事な庭ですねぇ、おじいさんが世話されてるんですか ?」 と、侵入者であるという事を気づかせないくらい堂々と振舞った。 「ああ、愛のお知り合いでしたか。これは、気が付きませんで申し訳ない。」と、笑顔で私 に答え、リビングに腰をかけた。 「愛さんのお父さんと、お母さんは今どちらに?」 私の質問におじいさんは、「仕事に行ってますわ、まぁ6時過ぎには2人とも帰ってくるで しょう。」 「・・・そうですか・・」 私はおじいさんから何気に情報を聞き出し、おじいさんの手にもたれたインシュロックを見 つけた。 「・・・それなんですか?」 私はおじいさんの手に持たれたインシュロックを指差した。 「ああ、これは結束バンドですわ、植木の枝を縛って纏めるのに使ってるんです。」 「・・・それ、電気のコードとかを縛るインシュロックですよね・・」 「ははは、そんな風に呼ぶものなんですか。」 私は、おじいさんから6本のインシュロックを受け取り、ニヤリとした。 「・・・おじいさん、肩でも揉んであげましょうか。」 と、おじいさんに話しかける。 「いやいや、愛のお客さんにそんな事させたらワシが愛に怒られてしまいますわい。」 「・・・大丈夫ですよ・・・」 私は、おじいさんの肩や腕を揉みながら、おじいさんの両腕を後ろに回させた。 「・・・おじいさん、ちょっと親指を重ねてみてもらえますか・・・。」 私の要求におじいさんは素直に応えて、親指を背中で重ねる格好をした。 私はおじいさんから受け取っておいて置いたインシュロックをおじいさんの指に巻き、〝キ リリリリッ〟と結束した。 「な、何をするんですか、冗談は程ほどにして下さいっ」 と、やっと私の妖しさに気が付いた。 「まぁ、まぁ、おじいさんには何もしませんから、静かにしていて下さい。」 私は身動きのできないおじいさんの体を担ぎ、リビングのソファーに寝転がして両足をイン シュロックで結束し、口に猿轡を噛ませておいた。 60歳位のおじいさんはまだまだ元気で、暴れて、ソファーから床に落ち、床を転がりまわ っていた。 私は、台所に行き、包丁を手に取ると切っ先をおじいさんに見せて、「大人しくしておかな いと・・・」と、だけ言っておじいさんを大人しくさせた。 私は廊下に出て、階段を見上げながら「おーい、愛ちゃーん。降りておいで。」と、2階 にいるご褒美の女子高生に声をかけて、リビングに戻っていった。 2階から、「だれ―ッ?」と女子高生のあの可愛い声が聞こえる。 私はソファーの後ろに隠れ、2階から降りてくる足音を聞いていた。 「誰か呼んだ?」と言いながら、リビングに入ってくるご褒美の女子高生がソファーに寝転 がるおじいさんの格好に、「おじいちゃんッ!どうしたのッ!」と、声を上げ、おじいさん に駆け寄った。 「どぉ―も、久しぶり。」 私はおじいさんに駆け寄る女子高生の前に姿を現し、女子高生に包丁の切っ先を向けた。 「ヒィッ!!!」 女子高生が驚愕の表情で腰を抜かしたかのように尻餅をつく。 「さ、ささ、さっきの、へ、変態ジジイッ!!な、なんでココにいるのよっ!!」 震える声で、気丈に悪態をつくご褒美の女子高生。 「・・・そんな事はどうでもいいから、・・・大人しくしてないと、おじいさんに包丁が刺 さっちゃうよ。・・・・」 包丁の柄を親指と人差し指2本で持ち、おじいさんの上空でプラプラと揺らしてみせる。 ご褒美の女子高生は、大きな目を見開きアワアワと言葉が出ずにいた。 女子高生のその様子が可愛い、私服に着替えたピンクのフワフワしたセーターと、フェルト 生地のようなチェック模様のミニスカートも可愛い。 「・・・まぁ、落ち着いて・・・そこに正座しなさい。」 私は静かに女子高生に命令した。 女子高生は小刻みに震えながらも、肩をすくめ、唇を噛んで、私を睨んでいる。 「・・・おじいさんが嫌いなの?・・おじいさんが死んじゃってもいいの?」 私の言葉に女子高生は私から目を逸らさず睨んだまま、ゆっくりと床に正座して座った。 「・・・よしよし、いい子だねぇ・・・いい子にしていたら、おじいさんも怪我しなくてす むからね。・・・」 私はご褒美の女子高生に近寄り、女子高生の手を後ろ手にインシュロックで結束し、細い足 首を縛った。 明らかな自分の身の危険に、女子高生の体はブルブルと大きく震えている。 「・・・それにしても、愛ちゃんは可愛いねぇ、・・・・おじさんにオッパイ見せてごらん 。」 私はご褒美を頂くべく、女子高生のセーターの胸元に指をかけて引っ張り、中を覗こうとし た。 「ヤッ!やだッ!」 女子高生は体を捩じって抵抗をしてくる。 私は女子高生を押さえつけてセーターの胸元を大きく引っ張って中を覗いた。柔らかそうな 二つの膨らみと、白いブラジャーが私の目に映る。 「・・ほほう、気持ち良く揉めるくらいのオッパイはあるねぇ・・。」 私はニヤァっと顔を歪めてご褒美の女子高生の胸の膨らみを覗き見ていた。 その時、〝カチャ〟と玄関のドアが開く音が聞こえた。 「ただいまァ、愛、帰ってるの?」 女性の声、母親が帰ってきたと私は直感した。 すると突然、「お母さんッ、助けて――ッ!!」と、女子高生が叫び声をあげた。 母親が娘の叫び声を聞き、「何ッ!何かあったのっ?!」と、バタバタと走ってリビングに 近寄ってくるのが判った。 私は女子高生を床に叩きつけて、玄関に通じる扉に近寄ると同時に扉が母親によって開けら れる、私は瞬間、包丁を母親に向かってかざし、母親の動きを制した。 「な・・・な、な、なな・・」 口をパクパクさせながら包丁と得体の知れない私を見る母親。 さすがに私が選んだ女子高生の母親だ、若いころは相当の美人であっただろうと推測でき る面持ち。 「・・・愛ちゃんのお母さんですか?・・・始めまして・・・・。」 私は母親に軽く挨拶をして、母親をリビングに入れてソファーに座らせた。 「・・大人しくしていた方がいいですよ。怪我人が出るかもしれない・・・。」 そう言いながら、母親の手を背中で結束していく。 「な、なにが目的ですか・・お、お金なら・・・出しますから・・・」 母親は私を強盗と思っているようだ。 「・・・お母さん、私は強盗じゃありませんよ。・・・私のおかげで得た幸せを、少し返し てもらおうかと・・・・」 そう言いながら、母親に猿轡を噛ませ、身動きができないように自由を奪っていった。 身動きの取れなくなった、私と同じ歳くらいの美人な母親。 せっかくだからと、私は母親の豊かな乳房を両手で揉みながら、顔を埋めて母親の乳房を楽 しんだ。 「こりゃイイッ!お母さん、いいオッパイしてるじゃないですか!」 私は久方ぶりの女性の柔らかさを楽しむのに必死で周りが見えなくなっていた。 〝ズンッ〟と、鈍い痛みが私の全身を駆け巡った。 私は分けが判らず、そのまま床に倒れこんだ。 ズキズキと後頭部に激痛が走る、『殴られた』と気づいたときには、薄れそうな意識の中だ った。 朦朧とした私が見たのは、中年男性がインテリアとして使っている赤レンガを持って私を見 下ろしている姿だった。 『・・・・父親・・か・・しまったな・・・油断した・・・』 私は意識を保つのに必死だった。 しかし、父親は私が気絶したと思ったらしい。 「どうしたんだっ!なんだ、この男はっ!」 少し錯乱気味に取り乱す父親の声。 「変質者よッ!警察に電話してッ!!」 私のご褒美の女子高生の叫び声が聞こえた。 父親は大きく深呼吸をして冷静さを保とうとしているのがわかる。 「変質者だと?とんでもない男だ、警察に突き出してやるっ!」 父親はネクタイを緩めながら「・・・愛、無事か?何もされなかったか?」 と言う父親に、「やばかったッ、あとちょっとお父さんの帰りが遅かったら最悪な事になっ てたよ。こんな変態ジジイにやられちゃったら、もう生きていけなくなるところだった・・ 。」 私のご褒美の女子高生の安堵しきった声・・・。 《ピ―――ッ、カチャカチャカチャ、ピキ―ン、ピキーン》 激しい機械音が私の頭に鳴り響き、ズキズキ痛む後頭部の痛みを凌駕する激痛が頭全体を覆 う。 私の頭の中のサイボーグが暴れ始めた。 頭の中のモヤが、眼前を覆う。 よく見えない状況ながら、私は「ウオオオォ―――ッ!!!」と、けたたましく咆哮して、 油断している父親に飛び掛っていった。 機械音が頭の中で鳴り響いて、周りの音が聞こえない。 父親は不意を付かれたせいもあるが、私に胸倉を掴まれた瞬間、宙を舞って床に叩きつけら れた。 私は父親に馬乗りになり父親のワイシャツを掴んで首を絞めるように掴んだ手を交差し、父 親の首を締め上げてやった。 床に全身を叩きつけられた父親は、抵抗することもできず白目をむいておちてしまった。 助かったと安堵した状況が一変、ご褒美の女子高生が小さな口をポカンとあけ、信じられ ないといった表情を浮かべて私を見ている。 母親も、おじいさんも今起きた事を理解したくないような表情で私を見ていた。 私はポケットから〝魔法の粉〟を取り出し吸引する。 荒れ狂うサイボーグがいなくなり、機械音もピタリととまる。そればかりか、後頭部の激痛 も感じない。 大きな深呼吸をして、私は復活した。
レスを見る(2)
2004/12/30 12:48:16(KLPmN7QD)
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