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1:魔術書
投稿者:
満月
◆5aBleW04x.
駅の階段、可愛らしいフレアミニを着た女性が、澄ましたように一歩一歩階段を登っていく。一歩登って行くたびにスカートが揺れスラリと伸びた太腿が悩ましく光沢を放っている。
(オオッ、これはチャンス。もしかしたら見えるかも?) 大学2年の淳は、後を追うように階段に向かった。 (あのミニなら、絶対見えるはず。) 視線をスカートに集中させる。 (クウ、惜しい、後少しで見えそうなのに。) ムッチリした太ももが一歩一歩が階段を登って行くたびにスカートがフワフワ揺れ、後少しがどうしても見えそうで見えない。そしてその子は、階段を登りきってしまった。 (絶対見えると思ったのに~。残念。) 無念な表情を浮かべながら、ムンムンと煮え切らない思いで階段を登った。シモが見えなかったのを怒ったようにジンジン疼かせた。 (ハア~、しょうがない、帰ってオナでもするか。) しょうがなくトボトボ帰り道を歩きはじめた。 ( 急に暑くなってきたのか、みんな薄着になってきたな。薄いタイトスカートから浮き出るヒップラインにパンティライン。どうしても目が追ってしまう。) すれ違う女性の胸やお尻に目がいってしまう。、 (透けて見えるブラ、パンティライン堪らないな~。ン?) ふと前を可愛い顔した黒猫が前を横切って、スタスタと路地に入って行った。何気なしに猫の方に視線を奪われて見ていると、路地の奥の方に店の看板が立っていた。通りから、目立たない所である。 (こんな所に店があったのかあ?今まで気が付かなかったなあ、、ちょっと覗いてみるか。でも、普通の人なら入るのに少し勇気がいるな。) 木の枠にガラスが嵌め込まれて、それ自体がアンティークみたいな感じである。 勇気を出して中に入ると 「いらっしゃいませ。」 と女性の声がした。黒い服を着た上にエプロン姿の多分35歳くらい。 (店の中は、ちょっとしたアンテイークショップ見たいな感じだな。) 年代物を思わせる椅子やテーブル鏡台、、食器、時計なんかが陳列してある。 (俺が買えそうな物は、なさそうだな。) と思った時、入り口から少し入ったところに本棚が目に入ってきた。 (なんか面白そうな本でもないかな。) そう思い、本棚の前に来た。そこには、古い本が並んであった。 (やっぱり、期待したような本は、ないな~。帰るか。) そう思いながら、本棚を漠然と眺めていると、一冊の分厚い本が目に止まった。でも本の背には、何も書いて無い。見た感じ外国の映画に出てきそうな本だった。 (これって牛革の表紙かな?) なんだか気になって手を伸ばしてみると、触り心地は、牛革のようだ。 (何が書いてあるんだろう?) 手に取ってページを開いてみたが、中には何も書いてない。紙質は、今の紙と違って一枚一枚が厚い。随分昔に作られた本のよう。色も少し黄ばみかかっている。 (昔の貴族の日記帳みたいなものかな?にしてもけっこ重いな。) 本は、ずしっり重い。ペラペラとページを捲ったが何も書いてない。 (部屋に飾っとくくらいにしか使い道無いな。) 本棚に戻そうとすると何故だか上手く収まりきらない。 (取り出す時はスッと取り出せたのに、、) 左右の本をギュッッと圧迫して、押し入れた。 帰ろうと思った時その本が一瞬青白く光った。 (今、光った?そんなバカな。?) 目をパチパチさせてもう一度見ると、特に変わった様子はない。 (目の錯覚か~?) そう思い帰ろうとすると押し込んだ本がいきなり下に落ちた。 「あっ!」 っと思い反射的に手を伸ばした。本は手に落手した。ズッシリ重い。 (なんで落ちてくるんだ~?) むっとしつつ、本棚に戻そうとすると本の背に 魔術書 と文字が今書いているよに浮かび上がった。その文字はインクを付けて鳥の羽の先で書かれたような文字だった。 (なんで、文字が浮かび上がってくるの?) 目を片手で擦ってパチクリさせて見たが、やはり文字が書かれている。 (さっきまで、何も書かれて無かったのに、おかしい!。) なんだか気味悪くなった。 (目が疲れてんのかな?兎に角帰ろう。) と思うと重みで本が開いた。すると この本に選ばれし者 魔力ある者なり さっきと同じように今書いてるように文字が浮かんできた。 (なんだ、この本は!) 文字を指でなぞって見たが消えない。 (どうなってるんだ?今日の俺、どっかおかしいのか?) 狐に包まれたような気分でその本を眺めた。 (この本に選ばれし者、って俺には、特に霊感もないし超能力なんかカケラもないし、、ましてうちの家系に魔女なんかいないし、何かの間違いだろう。) 腑に落ちないと思いつつも、気を取り直して本棚に戻そうとした、。しかし本棚には、どんなに押し込もうとしても1ミリも入らない、 (なんで?) と思い本棚を見たが、スペースはあるが、何か見えない壁があるように少しも入らない。 (どしよう、このまま、ないも買わないで店を出るのもなんか恥ずかしいしな~) 値段をみると770円のシールが貼ってあった。 (770円か、ちょっともったいないな、) するとまた青白く光を放った。その時 「いらっしゃいませ~。」 っと澄んだ声が店内に響いた。入り口をみると清楚な感じの綺麗な女性が入って来た。なんだか気不味くなり (しょうがない、買うか。) と思った瞬間 魔術書 と書かれた文字が黒い煙のようになって消えていった。 (文字が消えた。もうどうなってるんだ?) 訳がわからない。本を持ってレジに向かった。 「770円になります。」黒い服を着た女性にお金を払い外に出た。 バッグの中に本を入れ帰ったがその本がやたら重いように感じる。 (今日疲れているのか?オレは?よりによってこんな物買ってしまうし、、、) いつもならしない行動を怪訝に思いつつ家に帰った。
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2021/06/14 20:47:39(XYt4DF4s)
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