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1:魔法使いが僕の彼女です...
投稿者:
健二
健二です。
魔法が使える沙也ちゃんと出会ってすぐに、彼女の事を話そうと決心して打ち明けようとする度に、まるで物忘れしたように言 葉に詰まり,相手には何も伝わらないことが判りました。 その時に筆談しようとしても字が思い出せなくなったりするのに日記だけは書く事ができてはいたのですが、それを人に見せよ うとするとなぜか見つからなくなってしまう。 それらが沙也ちゃんの魔法である事は容易に想像はつきましたが、なぜかパソコンに記したメモ書きはこのサイトに限り投稿で きる事が判り、読んだ方からの反応も返って来たりで少々ビックリしています。 最初、今年の春にこのサイトに投稿しようと思った時は無理だったのですが、ここではみなさんが物語だと思ってくれるような ので許容されているのかも知れません。 でも、沙也ちゃんに尋ねることはしないで、再び投稿してみます。 沙也ちゃんという彼女が出来たという認識は、とても充実したものでした。 もちろん、「つき合っているのか?」と誰かに聞かれれば、「まあね」と言えるほどに自信はあったものの、自分が「好きで す」と告った訳でもないし、彼女から「好き」という言葉を直接聞いたわけでもない。 もしかしたら、彼女の言う「聖液」だけが目当てなのかも知れないし、さらに普通の恋愛とは言えない体験をいきなりしたもの だから、その部分では多少の不安はあった。 僕らの年頃は、性行為に対する意識は相当尖っているのは当然だとは思うが、精力が旺盛なこの時期に沙也ちゃんに与えられた 刺激が忘れられず、それこそ猿のように自慰行為にふける度に彼女の事を思い出すはめになる。 なにせ射精する出口が無くなってしまうのだから。 それはそれで今まで経験した事の無い快感だったし、いつまでも勃起して何度もイける体になってしまったのだから、1人でい る時は様々な刺激物をオカズにそれこそ猿のようにし続ける事が多くなってしまったようにも思う。 イクことが無いのだから、いくらエッチしても妊娠させる心配は無いし、いくらでも回復するのだからどんな女の子でもイカせ られるんだろうなどと不埒な思いも考えてしまうのだが、沙也ちゃんが嫉妬深かったらどうなるのか想像するのも怖い。 でも、外見は何でも無いと言い切る彼女のこと、普通の女の子では無い訳だから嫉妬などという感情も静観できるのだろうか。 それにしても何度も自分でする度にアソコが大きく膨らみ、回復し、また快感に浸る事を繰り返しているうちに、自然とサイズ が大きくなったような気がするのと同時に、突然酷使し始めたチンコが多少勃起時に痛くなるのは自業自得と言った所か。 沙也ちゃんと出会って3日目。 初日は彼女の不思議な言動で寝られず、翌日は強烈な体験で疲れ果てて寝たものの、夜中に目が醒めてからのオナニー三昧で朝 までに体力を消耗し切っていたから、次に目が覚めた時は友人の隆からかかって来た携帯の着信音に反応しての事で、既に昼を 過ぎていた。 「よ、健二、何処にいるんだ?」 「え、自分の家だけど...」 「午前中来ないし、何回連絡しても電話出ないし、何してたんだよ!」 「あ、ちょっと疲れて寝てた...」 「うわー、お前、あの沙也ちゃんと昨日やり過ぎちゃったんじゃないのー?」 「そんなんじゃないよ! 今一人だし...」 「あの子も今日来てないぜ、怪しいなぁ」 「だから、昨日は法事だって言っただろ」 とっさに、昨日沙也ちゃんが魔法で隆たちに信じ込ませた言い訳が口をついて出た。 「冗談だってば。ところで、今日来るのか? 良い事が有るから出てこいよ」 「うん、午後の講義は行くつもりでいたけど...」 「講義? そんなんじゃないよ、ちょっと直也にかわるからさ...」 そう言って隆は電話をスケベ好きの直也に渡した。 「健二~、お前来ないうちに俺と隆とヒロで大勝利だぜぇ~」 「何が勝利だって?」 「パチンコだよ、今までの3時間で俺が4万、隆が3万、ヒロも3万だっけ? 大学ハネたらみんなでどっか行こうって話だ よ」 そう言えば仕送り前だから、最近連中とも飲んでないやと思いつつも、今日大学に顔をみせなかったという沙也ちゃんの事も気 になって、二つ返事で思い腰を上げることにした。 「じゃあ、2時に正門の前に行くよ」 そう返事して電話を切り身支度を始めたが、そう言えばまだ沙也ちゃんの連絡先も知らない事に気づき、今日欠席していたとい う事も相まって彼女の事が心配になり、もしやと思い携帯の着信履歴を見てみたが、隆の言うとおり今日の午前中は隆からの着 信が3回とどうでもいいようなウザメが10件ほど入っているだけだった。 学校までのバスの中でも、沙也ちゃんの事だから教えていなくとも連絡をくれるのでは無いかと気にして携帯を握りしめたまま だった。 約束の時間より30分以上も早く大学前のバス停に着いたのだが、驚いたのは悪友3人組が既にそこで待っていた事だった。 「おーい健二、降りるな! このまま駅前に行くから」 そう言いながらドヤドヤと隆たち3人が乗って来て、昼時で空いているバスの最後尾の席に僕を連れ立って座った。 「次の講義もサボるの?」 彼らとは確かにいつもつるんでは居るが、積極的に講義をパスすることはあまり好きでは無い僕は、当然という様な質問を浴び せる。 「固い事言うなって、こんな事年に何回も有る訳では無いし、3年になったら就職探しで厳しいから、ハネ伸ばすなら今でしょ う!」 3人が3人ともにやけているのによからぬ企みを感じはしたが、みんなそこそこの成績だし、直也とヒロと僕のバイトの休日が 合う事も滅多に無いからあまり深く考えないようにした。 駅前の繁華街へ繰り出し、直也先頭でくだらない話をしながら歩を進めていた僕たちだったが、夜になるとネオンでいっぱいに なる一角で直也が足を止め、携帯を取り出した。 「ここらで一発決めますか!」 なれた様子でどこかに電話する直也。 「もしもしー、あの、今から4人なんですけど大丈夫ですか?」 どうやらどこかの店に電話をかけているようだったが、次の質問に背筋が凍った。 「隆はどうする? 20代?」 「うん、で、スレンダーがいいな」 慌ててヒロに問いただす。 「何処に電話してんだよ」 「ホテヘルに決まってるじゃないか。あ、俺30代のオネーサンタイプでよろしく!」 開いた口が塞がらない。逃げ出したい気持ちになっている僕に、直也が訪ねる。 「健二はどーすんの?」 「俺はいいよ、帰る!」 「まあ、固い事言うなって。遊びだよ、遊び。本番が有る訳じゃないんだから」 あっという間に隆とヒロに両腕を拘束されてしまう。 「こんなチャンス、二度と無いぜ。健二君は彼女も出来た事だし、チョッチ経験しといた方が良いんじゃない??」 「じゃあ、最後の1人はチェリーちゃんなので、テクのある人でよろしく!」 無責任な電話を切った直也が再び先頭をきって、うらぶれた一角にあるファッションホテルへと入って行く。 僕はというとその後を隆とヒロに引きずられる様な格好でズルズルと連れ込まれてしまった。 昔からいざという時に押しの弱い自分の性格を恨んではいたが、どこか男である事を捨てきれない部分もあっただろうか。 手慣れた様子でフロントで支払いを済ませ、キーを4つ受け取った隆が仕切る。 「402,403,404,405。みんな並びだな。じゃあ、まずは4回へGO!」 狭いエレベーターの中でもピッタリ両脇を支えられた僕は、402号室に連れ込まれ部屋の鍵と2万円を渡された。 脇で直也が再び電話をしている。 「エーと、テク希望の健二ですが、402号室にはいりましたー。よろしくです」 最悪なセッティングをされ、「5分ぐらいで来るってさ」との言葉を残して3人はそれぞれの部屋へと散って行った。 風俗も初めてなら、この手のホテルも初めて。 放心状態でベットに暫く腰をかけていたが、沙也ちゃんの事を思い出し、更に僕にかけられている魔法の事を考えたとき、申し 訳ないがこのまま逃げようと言う決心がついた。 勃起して穴の無いチンコを見られてパニクられるのも面倒だが、予約をして来てくれる嬢にも後ろめたい気がして、握らされた 2万円を部屋の鍵とともにテーブルの上に置き、まさに部屋を出ようとドアに近づいたその時だった。 コンコンというノックと共に「失礼しまーす」と言いながら入って来た麗しい女性と鉢合わせしてしまった。 「健二さん...ね。どうしたの? 待ちきれなかった?」 30代半ばと思われる女性が、色香を漂わせながら両手で僕の胸を突いて部屋の中へと押し戻す。 「こういう所、初めて...?」 そう言いながら今度は僕の手を取り、ベットへと誘う。 「やっぱり、彼女の手前帰ります...」 そう言うのが精一杯だったが、彼女は意に介さない様子で会話を続けた。 「ここまで来たのだから、ちょっとは大人の経験をしても良いんじゃない?」 ベットで僕の横に座りながら、彼女の手が僕の内股をまさぐる。 背が高く、宝塚出身の女優に見まがうほど整った顔立ちの女性の積極的な行動に太刀打ちできない自分を認識しながら、体中が 熱くなるのを止められない別人格を恨んだ。 「もう準備万端じゃない。お金の事は後にして、気持ちよくしてあげるわ。」 テーブルの上のお金を一瞥したであろう彼女は、既に僕の首筋に唇を這わせ、ズボンを脱がせにかかった。 されるがままの僕は、心の中で沙也ちゃんに申し訳なく思いつつも、その甘美な行為に酔っていた。 これはある意味魔法に近い感覚かも知れない。 「石鹸の匂いがするわ...」 既に下半身はパンツも脱がされ、卓越した手管でTシャツも脱がされてしまった僕は、震える声で答える。 「さっき家を出てくる前にシャワーを浴びたばかりだから...」 にこりと微笑みながら、彼女は立ち上がって部屋の電気を暗くし、自らも裸になった。 「じゃあ、このまましてあげる...」 靴下をつけたままベット脇に立たされ、彼女は密着して来るのと同時にゆっくりと手をチンコに這わせて来た。 「緊張してるの? でも、優子が全部溶かして上げるわ...」 耳元でそう言うと彼女の頭が少しづつ下へ降がって行ったと思うと、股間に熱い息吹を感じた。 魔法では無くても、一歩も動けない状況にされてしまっている自分に、昨日の状況が重なる。 沙也ちゃん...僕はどうすれば良いの? 本当にごめんなさい。 心の中で叫んだ瞬間、優子と名乗った彼女の口が、まだ小さくおびえている僕のものを根元まで含んだ。 クチュクチュと口の中で転がされているうちに、堪え難い血流が一点に集中し始める。 目をつむり冷静さを保とうとするが、余計に感覚がそこに集中して体積の増加を加速させる。 ところが、それまで妖艶に動いていた彼女の舌が止まったかとおもうと、ゴキッという音とともに「ううっ」といううなり声が 聞こえてきたのに驚いて目を開けると、常識では考えられない大きさに開けられた口一杯にハムぐらいの太さになった僕のチン コをくわえながら大きく目を見開いている優子さんがそこにはいた。 どうやらさっきの音はあごが外れた音らしい。 さらに驚いた事に、両手が後ろに回っていて動けないようだ。 同じように自分も本当に動けなくなっている事に気づいた僕は、沙也ちゃんが魔法を使った事を確信した。 「ううーっ、ううー」と言いながら必死に口からはずそうともがく優子さんだが、魔法に叶うはずは無い。 そのうちに、自分自身もまずい事に気がついた。 先日沙也ちゃんの家で経験した感覚が少しずつ迫って来ているのである。 「そんな...沙也ちゃん」 そうつぶやいてみたものの、限界は近い。 下腹部の圧力が増し、全身から汗が吹き出る。 「優子さん、ごめんなさい!」 そう言った瞬間、堰を切ったように太くなったものの先端から、オシッコが吹き出していた。 しかし、それは部屋に飛び散る事無く、上から見ていてもはっきり判るくらいの大きな喉仏の動きで全て彼女の体内に収まって 行くのが判った。 「そんな...」 目を白黒させながら飲み続けている...いや、飲まされ続けている優子さんの下腹部が次第に大きくふくれても、その噴射は収ま らなかった。 僕は目をつぶるしかなかったが、あまりにも大量に出続けていてどうなっているのかを確認せずにはいられない誘惑に負けて、 放尿しながら済まない気持ちで目を開けてみた。 既に、大きくなっていたのは下腹部だけではなかった。 涙を流しながらゴクゴク飲み続けているその顔は、既にアンコ型の力士の様に太り、乳房は150は有りそうかという勢いで垂れ 下がり、乳輪の大きさは直径20センチくらいは有りそうだ。 正座していた太ももも、後ろ手に固定された二の腕も既にお歳暮のハムが繋がった様な体型に変化していた。 「かわいそう...」 そうつぶやいた瞬間に、おもむろに噴射はとまり、通常のチンコに戻った僕と巨体化した優子さんに自由が訪れた。 彼女はその体型から正座をしている事が難しいらしく、四肢を大きく放り出して「ダーン」という音とともに床に仰向けに倒れ た。 その唇は小声で「なんで...なんで...」を繰り返し、視点は定まらないままあさっての方向を向いていていたのだが、暫くすると 真上に向いた状態で固定された。 そのままの状態で彼女は右手、右足、左手、左足という順番で、まるで自分の手足を確かめる様な運動を繰り返していた。 その彼女の視線方向である天井に目をやった僕は顔を曇らせるしか無かった。 天井が鏡張りになっていたのである。 彼女はそこに映った体重が200キロはあろう己の姿を認識できないでいるにちがいないが、ほどなく彼女の目に理解の火が灯っ た。 「きゃああああっ!」 狼狽する彼女を助ける術を知らない僕だったが、原因を知っている者として勇気づけてあげられずにはいられなかった。 「優子さん、ごめんなさい。大丈夫ですよ、必ず元に戻りますから...」 ひととおり嗚咽を繰り返した彼女だったが、暫くたってから弱々しい声で僕に聞いて来た。 「ごめんなさいって...これはあなたのしわざなの...」 僕は首を横に振るしかなかった。 「元に戻れるって...どうすれば...」 僕は沙也ちゃんがそこまで激しい性格では無いと思っていたから、彼女はしばらくして必ず元に戻ると妙な確信をしていた。 「多分、いや、必ず戻りますよ...」 「私が、あなたを誘惑したから?...そうなのね...」 女性の感というのはなんて鋭いのだとこのとき初めて思ったが、明確な回答は避けた。 「ただ...あなたは優しそうだったから...一生懸命感じさせてあげようと言う気持ちにはなったの...不思議ね...」 なぜか吹っ切れた様な感じで鏡に映った自分の現状をまじまじと観察し始めた優子さん。 「そうね...世の中にはやせたくてもやせられない人もいるのだもんね...私だって...したくなくても相手をしなきゃいけない世界 にいるのだもの...でも、あなたの清々しさは何?...何処から来たの...」 やるせない問いに、妙な沈黙の時間が流れる。 「あなたの様な人と一緒になれたら...私も本当の意味で感じられるかも...」 大人の事情は複雑なんだなと思うと同時に、哀れだと思っていた彼女の体型にも愛着が湧いて来た。 「ここでは私、おごっていたかも。男なんて皆同じって。でも、強くなれる気がする。あなたの様な人が必ずいるからって思え ば」 なんか一方的に持ち上げられても、むずがゆいだけの虚無な気持ちになった。 いったい僕に何が出来るのだろうと...そう思っていた矢先、優子さんの体に変化が起こった。 「なに、何...今度はどうなるっていうの...」 目に見えない強大な力に支配され、優子さんの手が秘部へと誘われる。 「そんな、健二君の前で...恥ずかしい....助け...あああーっ」 優子さんはその巨体を揺らしながら、僕の目の前でオナニーを始めてしまった。 次第にそれは人間業とは思えないスピードと動きに変化して行く。 「ああーっ、いい、助けて....逝っちゃう.....ああーーーっ」 彼女の叫びと同時に、巨体がビクンと跳ね上がり、床がドスンと答える。 「助けて...止まらない....イク....いくーーーーっ」 再び逝ってしまって体を跳ね上げる彼女だが、両手は一向に止まる気配を見せない。 ただ、彼女は感じながら大量の汗や愛液を放出し、絶頂を迎える度に体が小さくなって行ってるのが判るようになって来た。 「やめないで...あああーーっ....いくうううーーーっ」 何度目か、いや、何十度目かの絶頂を迎えた彼女の目は既に焦点は定まらずにいるが、顔全体は至福とも言える表情を浮かべて いた。 不遜にも僕はその表情をみて「美しい」と感じてしまった。 息も絶え絶えの彼女が魔法による(であろう)強制自慰から開放された時、姿形は最初に僕の前に現れた優子さんの状態に戻っ ていた。 いや、むしろケバケバしさが消え、穏やかな表情で気高さえ感じるスッピンに芯の強さを感じる顔立ちになっていた。 その時、突然優子さんの携帯が鳴った。 「店からの電話なの....健二君、携帯取ってくれる?」 システムの判らなかった僕は、無言で彼女の鞄から携帯を取り出して渡した。 「ハアハア...優子です...はい。終わりました。あの、この後入っていなければ上がっても良いでしょうか....」 息も絶え絶えで電話で報告する彼女に、またちょっと深い大人の世界をかいま見た様な気がした。 「ちょっと頭痛がするので...はい...すみません...ちょっとお待ちください」 突然優子さんが電話を僕に差し出し、変われという。 「もしもし....」 「あ、ご利用ありがとうございました。今回ご指名の優子、サービスの方はいかがでしたでしょうか?」 場にそぐわない会話に閉口しながら優子さんの方を見ると、輝く様な笑顔であごをしゃくって見せる。 「あの、大変美しい方でした....」 「そうですか、それでは健二様、又のご来店をお待ちしております。ありがとうございました」 そう言って店の男は電話を切った。 「美しい方ねぇ...ぷっ」 やっとの事で起き上がり、ビショビショになった体を座った態勢のまま拭きながら、優子さんが笑いかける。 「はァ~凄く感じた...こんなの初めて」 その顔には、何か吹っ切れた様子が見て取れた。 「またのご来店をって言われたでしょ? 又は.....多分無いでしょ?」 「うん、掃除するのが大変だからね」 二人は濡れた床の上で微笑み合った。 ホテルの出口で優子さんと別れ、道路に出ると悪友3人が待ちわびていた。 「健二、お前が一番遅いってどういう事?」 「俺となりだったけど、凄い声が聞こえて来たぜ!」 「意外と健二が一番スケベでテクニシャンだったりするんだよなー」 茶化す彼らに平静を装っていつものペースで返答した。 「何もしなかった...出来なかったよ...恥ずかしくて」 「じゃあ、何してたんだよ」 バカ話をしながら駅への方向へ角を曲がると、そこには沙也ちゃんがいた。 というか、沙也ちゃんは沙也ちゃんだけど、昨日までとはまた違い、バックパックを背負っている様なタイプでは無く、さりげ なくブランド物を着こなしたうえで清楚な立ち振る舞いを見せるエレガントな少女に変身していた。 これならミスキャンパスに出ても良い線行くだろうというくらい、街角では光っていた。 「やっと見つけた、健二君と3馬鹿トリオ。何処へいってたのよ」 そんな女の子がフランクな会話をするものだから、近くを通る若者たちが羨望の眼差しを向けるのがわかった。 それにしても隆たちを3バカ呼ばわりとは、いつの間にそんなに親しくなったのだろう。 僕は僕で、今までどこにいたか判っているはずであろう沙也ちゃんが平静を装う姿を、直視できないでいた。 「ちょっと買い物...みんなで次のパソコン見に行ってたの」 「サーヤだって、今日どうしたんだよ」 「あんたたちにいちいち言う必要ないの! さっさとダーリン渡して帰って勉強すればっ」 「あーあ、ブスは気が短いって言うけど、こんなのが嫁になったら健二の方がかわいそうだよな」 もう何年もつるんでいるかの様な会話にあっけにとられている僕の腕を沙也ちゃんがとって彼らに言う 「健二君もいつまでもあんなのとつるんでいると、脳みそ腐るわよ」 「そうかな....」 そして全て話が出来ていたかのように、3人は駅に向かって歩き出した。 少し行った所で隆が振り向く。 「健二、また明日な。沙也ちゃんには気をつけろよ! 気が強いから。」 「サーヤ! 健二に飽きたら僕がいつでもお相手になって差し上げますわよー」 「バーカ、あんな跳ねっ返り相手にしてたら、命がいくつ有ってもたりないって....」 そんな会話をしながらさって行く3人に向かって、沙也ちゃんが「あっかんべー」をした瞬間だった。 心無しか彼らの足取りがよろけたように見えたので、おそるおそる沙也ちゃんに聞いてみた。 「彼らに何かした?」 「聞きたい?」 斜め上目使いで僕を見上げる沙也ちゃんの顔は、イタズラが旺盛な少女のそれだった。 「3人には...うーん恥ずかしいな、1週間くらいすっっご~いインキンタムシになってもらったのと、隆君はもの凄い包茎で、 ヒロ君は小学校2年生くらいかなぁ、健二君をあんなとこに誘った一番星の直也君は...パンツを脱いだだけで部屋中臭うくらい の....もう良いでしょ!」 僕にはどんな魔法をかけられちゃうのかと心配していると 「健二君はさすがだわ。実は私、昨日健二君の聖液を受け止めた後、そのあまりの力に今朝まで放心状態だったの。そしたら健 二君の声が聞こえて、見て見たらあんな所に...まだ朦朧としたまま魔法を使っちゃったからあんなことに...自分でも嫉妬するな んて思っても見なかったけど...でも健二君の心に触れて、優子さんも立ち直るきっかけをつかんだみたいだから...あの人の旦 那、働かない上に暴力をふるう人みたいなの。でも、その人にあなたは勇気を与えた。言葉でも、行動でもないけれど、あなた の存在にはそんな力があるのよ」 「やっぱり、他人事なんだよな、解らないや」 まだ自分を理解していないと言われても、自覚がないのにどうしようもない。 でも、一つだけ今聞かなくてはならない事が有ると思い、勇気を出して切り出してみた。 「僕たちって...」 その唇を、彼女の手が遮る。 「つき合っているの。健二君、大好きよ。あの日、私たちは他人から友情と恋愛の境目までを一気に超えたの。私にも想像でき なかったけれど、私こそあなたの魔法にかかっちゃったみたい」 そう言って沙也ちゃんは背伸びをしながら僕の唇に自らの唇を重ねて来た。
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2010/07/07 07:33:15(B3acgRN8)
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