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1: 牧村涼子、36歳
投稿者:
ふう
久しぶりに晴れ渡る青空を見上げ、自然と笑みが溢れる。この国では青空が見えないことが常なのでもう慣れはしたけれど、やっぱり晴天は気持ちがいい。
涼子が海外のこの国に出向になって3年が経ち、食べ物が不味いとの噂も当てにならないことを知った。フィッシュ&チップスは嫌いではない、 ベーコンとポテト、玉子を使った日本で言うところの定食に当たる料理は、庶民に昔から愛される味はとても気に入っている。それを食べたあとのコーヒーが涼子は好きだった。 都市部は石造りの建物が残り、田舎へ足を伸ばせば長閑な風景が広がっている。そんな国に来て時は瞬く間に過ぎ去り、日本の本社に引き戻されることになった。 来たばかりの頃は日本食が恋しくて、堪らなかった。もちろんこの国でも日本食レストアはあり、そこで食べられはするけれど、とても高いのだ。 ラーメン一杯が日本円で三千円以上もするのだから気軽に食べられないし、それでいて期待したほどの味ではないことも珍しくない。なのにこの国の人は本当の味を知らないからか、それでも美味しいと高いお金を支払って食べるのだから気の毒だった。 海外のこの地に来て日本との違いを、涼子は思い知らされたことがある。それは映画に規制がないことだ。つまり濡れ場などで恥部がぼかす作業がされておらず、丸見えなのだ。 ある日、何気なくある映画を観たときだった。 若者同士が音楽のライブを通して出会ってことあるごとに情事に及ぶという、ヒューマンスドラマやラブストーリーとは程遠い内容に肩透かしを食らった気持ちにさせられたのだ。 それよりも頻繁にセックスの場面が映し出され、思わず席を立とうと何度思ったことか知れない。 それをしなかったのは、観客は皆普通に観賞をしていたからだ。文化の違いといえばそれまでだけれど、物議を醸す作品だったと知ったのは後になってからのことだった。 というのもこの作品は俳優同士が実際に性交をしており、ペニスの出入りが実際に映し出されていたからだ。情事はベッドの上だけではなく様々な場所で行われ、クンニリングスもフェラチオをするシーンも如実に映し出しているではないか。 俳優たちは誰もが知る一般的な作品にも出演をしている人達であり、決してポルノ俳優ではないといいのに………。 演じる女優の口から現れる唾液で濡れたペニスの生々しい姿。女優の下半身に顔を埋める俳優が舌や口を使う描写、そして結合シーン。 俳優の上に乗った女優のお尻を俳優の両手が持ち上げ、上下させるたびに粘液で光るペニスが現れては、女優の性器の中へ消えていく。 何回かに一度は女優が背中を反らせ、顎が持ち上がる。同じ女ならばあの反応が演技からくるものかそうでないものなのか、分かってしまう。 あれは本当に感じているからだと、涼子は確信して観ていた。 フェラチオのシーンでは実際に射精をする場面まで映し出され、勢いよく白い精液が飛び出すところまで目にさせられていた。 生まれてから他人の情事など見たこともなく、ましてやアダルト作品など目にしたこともない涼子はショックを受けていた。この国の異国文化に触れてそれを愛し、食の違いも受け入れられたのにこの違いは何なのか。 けれども涼子はもう30を過ぎた女性であり、それなりに経験のある大人でもあった。 表面上は周囲の人たちに合わせてなに食わぬ顔をして、内心の嫌悪感を隠すだけの度量はあった。 それに涼子も女性なのだ、嫌悪感を抱くだけではなく、本音をいえば心のデリケートな部分をくすぐられなかったわけではない。 ここ数年というものこの地に来て、ご無沙汰なのだ。この地で出会いがなかったわけではない。 スレンダーでありながら女性らしい魅力を見せるボディラインを、パンツスーツに浮かび上がらせる涼子。程よくカットされた髪の毛は緩くウェーブがかかり、後で纏められる程度の長さで見る者に清潔感を漂わせてもいる。 シャツブラウスのときは第二ボタンまで開けて、快活な印象を与え、それなりに美人なのだから異国とはいえ男性の目に止まらないわけがない。 涼子が受け入れなかったのはこの地を離れるときがきた時、別れが辛いと思ったからだ。だから深い仲になりたくなかったのだ。 バスルームで身体を洗うとき、夜ベッドに入ったとき、胸や下半身に自らの手を伸ばすこともしばしばある。けれど自分で慰めることが虚しくなって、やめてしまうのだ。女の自分にだって性欲はある、それを開けっぴろげにしないだけなのだ。 この映画のように、官能的になれたら…。 女性の涼子には俳優たちの性欲の結合部よりも、肌を合わせ舌を絡め合うシーンや、俳優たちが見せる表情やその時の声、息使いに心が揺さぶられていた。 過去に体験してきた自分に重ね合わせ、膣の中を埋め尽くすペニスの感触やその感覚。何もかも忘れさせる、あの目眩く快感を思い出させた。 つるりとした見た目をしていても、舌触りは肉感のあるペニスの亀頭。下半身に顔を埋められて死にそうなほど恥ずかしいのに、堪らなくいいあの行為。すべてが脳裏にフラッシュバックする。 こんな作品だとは知らなかったとはいえ、偶然に観てしまったことにあんまりだと思わずにはいられなかった。 そして涼子は3ヶ月後に期日を迎え、同僚たちに見送られて帰国の途についた。 海外に出向になる前は当たり前だったのに、帰国してから一ヶ月経っても通勤ラッシュの満員電車には未だに慣れないでいた。そうだ、こんな感じだった。よくもこんな毎日を送っていたものだと今更ながら、思わずにはいられない。出向先のあの国が、今では懐かしいと涼子は眉間に皺を刻むのだった。 そんな涼子が異変を感じたのは、それからわずか数日後のことだった。 自分のお尻に誰かの手が、明らかに触れてきていた。涼子は誰ともわからないその手を触れられるたびに払い除け、その攻防はしばらく続いた。 身動きはままならなかったけれど振り返り相手を睨みつけることはできる、怖かったけれど憤りが上回っている。涼子が身体を反転させようと、動いたときだった。涼子の前には自分よりも背の高い男性が2人が立ち、壁になっている。そのひとりが前を向いたまま片方の手首を抱え込まれ、もう一人に空いていたもう片方の手首を同じように抑え込まれてしまった。 何が起こったのか理解が追いつかず、パニックを起こしかけた涼子に魔の手が忍び寄る。 今までよりも露骨にお尻を撫でる手が前に周り、パンツのボタンを外すとファスナーを下げはじめたのだ。涼子が腰を捩って抵抗を見せても、それは虚しい努力に過ぎなかった。 形の良いお尻を浮かび上がらせるタイトなパンツはゆっくりと剥がすように途中まで下げられ、白い肌にはっきりとした黒いショーツが、熱気の籠もる満員電車内の空気に触れる。 誰ともわからない男の手がそこに触れると前側はレースのザラザラした感触が、指先に自己紹介をしてきた。その隙間は細かなメッシュになっているようで、下の毛の混雑ぶりが伝わってくる。 必死に身動きを試みようとする涼子は男2人に両腕を抑え込まれ、手首から先の指を開いたり握ったりをすることしか出来ないでいる。その2人の広い背中を睨みつけ、今まさに下着の中へ侵入する背後にいる3人目の男の手を噛みつかんばかりに見るしかなかった。 不意に涼子の肩がピクリと跳ね上がった。 その両肩には力が入り、やがて首を竦めては顔を俯かせて周囲を伺うように首を動かして、縋る場所が見つからなかったように再び俯いてしまった。 ショーツの前を膨らませて蠢きを見せるその中では、手首を曲げた男の手が人差し指と薬指を使って両岸を開き、中指の指の腹を当てて盛んに敏感な急所を揺さぶっている最中だった。 カットをされてはいるものの程よく伸びている、そんな縮れた毛が男の指の股に絡みつく。その心地よさを覚えながら憤慨したように、勃起した蕾をあくまでそっと撫で回し続ける男。 抗う力を奪われていく自分が、涼子は忸怩たる気持ちを噛み締めながら逃げ切れない感覚に支配されていく……。 時おり下がる男の中指はとろりとした粘液を捉え、蕾に塗りたくる。必死に声を押し殺す涼子は途切れとぎれの鋭い吐息を吐き出しながら、お尻の途中でだらしなく留まるタイトなパンツを揺らす。 刺激に耐えられず腰が落ちそうになると男は指を温かな壺の中へと沈め、関節をわずかに曲げて壁を撫でるように前後に揺り動かすことにシフトする。 反応の良いところを探し、力の加減を相手に合わせ器用に出し入れを繰り返していく。入口を時おり締めてくる反応、すっかり大人しくなり緩く長い吐息を出すようになったことから、男には相手が虜になっていることが手に取るように分かって口の端を吊り上げていた。 理由が分からなかった。 例えるならば真水が海水に少しづつ入れ替わり、自覚のないまま抗うことを忘れてしまっていた。 望まない男の手で感じさせられ、理屈とは次元の違うところで従わざるを得なかった。 それは口にもしたくない、快感という魔性の感覚にほかならない。 男は空いたもう片方の手でパンツをお尻の下までずり下げ、ショーツも下げていく。こんな公共の場の空気に決して触れることのない、涼子の白い下半身が露わになった。 そのことに気付けても涼子には成す術はなく、忙しなく下半身の指を動かされながらも首を振って必死に拒絶を示したつもりだった。なぜなら自分のお尻に熱を帯びた何がが押し付けられていたからだ。 次の瞬間、入口から中へと押し広げられる苦痛を覚え、ゔぅっ……っと息が詰まった。それは途中まで少しづつ迫り来ては下がり、男に腰を引き付けられて全てが収まっていた。 子宮の入口に接触される久しぶりの感覚に、涼子はやっと長い吐息を吐き出しだ。男は直ぐには動かずに意図的にしているのか、ペニスに力を込めたようにピクンっ…ピクンっと動かしてくる。 まるで逞しさを誇示するようでもあり、認めたくはないけれど、女としての涼子を高揚させるには十分だった。 この期に及んで成す術がなかったとはいえ受け入れてさしまった後悔、道徳心と自尊心が最後の悪足掻きをし、それに自らの欲望が対峙する。もうこうなってしまえば人目に晒されることは恐怖であり、誰かに気付かれるのは耐えられない。 絶対に気づかれるわけにはいかない………。 岸壁から豪華客船が離れるように、子宮の入口から男のペニスが下がっていく。露出した涼子の腰の肌の両側を男がそれぞれの手で掴み、半分ほど後退しては前ゆっくりと前進を繰り返し始める。 滑らかな壁を伝い来るペニスが、ここ数年忘れていたあの感覚を呼び起こしはじめた。 滑らかで柔らかく、身体が溶けてしまいそうなあの感覚。涼子は揺り籠で揺られるかのような甘味に目を閉じて、前に立つ男の背中に身を預けた。 その壁のような広い背中に熱い吐息を吐きかけ、ゆったりと頭を持ち上げては首を後に反らさんとばかりに顎が持ちがる。 下半身では涼子の壺から半分外へと出てきた男のペニスが、深々と中へ潜り込むところだった。 電車の騒音も密集する人々の息使いも涼子の耳には入らなくなり、ただゆっくりと前進と後退を繰り返す滑らかな快感が全てだった。 男の目に映る涼子の背中はスキーのジャンプ台のように緩やかなカーブを描き、男を楽しませていた。涼子は気付いてはいなかったけれど、異国で観た無修正映画のスクリーンの中で情事にふける男女、その女優が俳優の身体の上で見せた快感に酔う姿。背中を反らしながら顎を持ち上げるその姿そのものだということに。 そう、奇しくも男によってペニスをゆっくり出し入れされて酔いしれるという意味では同じだった。急がず慌てず堪え性のない相手では味わえない、味、涼子は相手が痴漢だということも今この時だけは忘れ、身を預けた男の背中に縋りつきながらスーツの生地を握りしめる。 自分はなんて女なのと卑下しながら、この後のことを考えると怖くて考えたくなかった。それを打ち消すように、心を麻痺させる快感の波が打ち寄せてくる。 やがて涼子の腰の両側を掴んでいた男の両手は、ブラウスに場所を移していく。息も絶えだえのようになっている涼子のブラウスのボタンを、2つ外すのはさして難しいことではなかった。 涼子は外資系企業に勤めており、外国人の同僚は沢山いる。下着が表に響くことを嫌う保守的な日本人とは違い、文化の違う彼らは日本人ほど気にはしない。だからわざわざトップスの下にインナーなど身につける女性は稀なのだ。 涼子も海外勤務を経ていつしかその為だけにインナーを身に着けなくなった。人前ではアウターを脱がなければいいだけなのだから。今となってはこの場の痴漢には有利に働いた。ブラウスの下はいきなりブラジャーなのだから。 上下がお揃いのレースが設えられ、肌が透ける部分のある黒のブラジャーは海外勤務をしているときに購入したものだった。良くも悪くも涼子の胸はCカップであり、巨乳好きの男には物足りないかもしれない。けれどこの男は大きさよりも形を重要視をする美意識があった。 背中のホックを外すことなく上にずらし、両手に包み込む。張りも十分、男の好みでしかない。 何より男を喜ばせたのは、乳首が大きいことだった。男が引いた腰を涼子のお尻に密着させる。 少しだけペースを早め、涼子の吐息が途切れて息を飲むことが増えてきた。 指の間から飛び出た小指ほどの乳首が指の股に挟まれ、硬くなったその首の方向を変える。指の腹で触れると急に腰を引き、ここも弱いのだと白状をする。感度もよくスタイルもいい、気の強さがありながら快感には正直……なんて女だと男は興奮を覚えた。 人目を気にして最小限に身悶える涼子を観ているうちに、もっとめちゃくちゃに感じさせてやりたいと残酷な気分なる。後のことを考えて胸にブラジャーを戻し、ブラウスのボタンも止めてやる。 再び腰に手をやるとこの人が密集する中で、できる限界まで腰の動きを男は早めていった。 水面を漂うような穏やかで濃密だった快感が突如勢いを増して、涼子に襲いかかってきた。 激しいというには断然足りず、普段ならば物足りないと感じたかもしれない。 けれどもスローペースで十分に感じさせられ続けた身体は敏感になり、ペースを少し早められただけで涼子は堪らなかった。 前にいる男のスーツを皺になるくらい強く掴み、立っていられそうにないのに貫く男によって強制的に支えられる、涼子は操り人形だった。 このままでは、耐えられない……。 だめ、もうだめ………。 思考が停止して、視界が真っ白になった。 記憶の片隅に子宮の入口で、ペニスが何度も脈動していたように思う。 縋り付く男の広い背中のスーツにはメイクが薄っすらと付着し、涼子の唾液でその部分だけ色が濃くなっていた。
レスを見る(3)
2026/09/28 22:47:42(xCer4ohs)
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