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淫獣達の艶かしき戯れ3
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:淫獣達の艶かしき戯れ3
投稿者: 彩未 ◆sPqX4xP/g6
春になった。
徹は早穏田大学国文科を卒業した。
加奈子は廣応大学英文科を卒業した。
2人とも就活はしていなかった。
互いに親の遺産がいくらか残っていた。
それで当面の生活を凌ぐつもりでいた。

2人は福島の田舎で一緒に暮らすことにした。
県境に近い寂れた村の外れに小さな一軒家を借りた。
和室が2部屋、それに台所、浴室、トイレ付きの平屋だ。
地主が農作業の合間の休憩用にと建てた家だった。
築5年だがほとんど未使用状態で住むには全く問題ない。
家の前は広大な野菜畑、裏手は雑木林、その奥は山だった。
昼間、農夫が畑作業に来るほかは人を全く見かけない。
自然が豊かで人口の少ない静かな土地だった。
買い物は市街まで出向けばよい。
車で30分ほどだ。

徹と加奈子が寂れた田舎に住む理由は2つあった。
ひとつ目は彼ら仕事の都合だった。
少し前から徹の小説がネットで注目を集め始めていた。
男女の性愛を描いた官能小説。
これを描いた短編小説を次々に発表した。
加奈子はそれを英訳し、ネットに上げた。
これが海外からも少しずつ評判を得ていた。
ネットに投稿すると、反響を得てスポンサーがついた。
加奈子が英訳して投稿すると、これも海外から反響を得た。
2人とも契約作家として高収入を得るようになった。
出勤の必要はない。
執筆できる静かな環境があればよかった。
ふたつ目は人目を憚ることなく性交に耽るためだった。
若い男女だ。
当然、日夜、情欲の虜になる。
加奈子が激しく痴声を放つ。
その声が隣家の人の耳に入れば苦情が来る。
今はそういう時代だ。
であれば近隣に他の家がない方がよい。
それで都内や市街地を避けたのだった。

食事は加奈子、掃除洗濯は徹。
家事を分担した。
午前は朝食や掃除洗濯を済ませると2時間ほど執筆や翻訳に費やす。
午後は自由だ。
街で買い物をしたり映画を観たり食事をしたりした。
夜は家で愛と悦楽の営みが始まる。
数時間ほど濃厚な快楽の園を漂ってから眠る。
翌日はその営みをネタに執筆した。
2人の作品には挿絵が付いていた。
描画ではない、実写画像だ。
徹と加奈子の夜の営みは全て録画してあった。
それを抜粋し、編集した画像を挿絵としていた。
もちろん2人の顔や局部には薄めのモザイクを施す。
時には短い動画を挿絵とすることもあった。

朝食後、片づけや掃除洗濯を済ませると、徹と加奈子は仕事を始めた。
夜の営みの記憶や映像をもとに内容を打ち合わせる。
性交の状態は……、
慎ましく穏やかな性交か、
激しく熱烈な性交か、
変態的で異常な性交か。
体位の種類は……、
正常位か、
後背位か、
屈曲位か、
騎乗位か、
座位か、その場合、対面か背面か、
側位か、その場合、対面か背面か、
……等々。
行為は、男性主導か女性主導か。
描写は、直接的か暗喩的か。
打ち合わせをもとに徹が執筆し、加奈子がそれを英訳した。
英訳には固有の難しさがある。
淫語を直訳しても読者には通じない。
各文化圏に沿った表現が必要だ。
そうでなければ読者の共感は得られない。
加奈子が英訳している間、徹が画像編集に携わった。
原稿と画像を編集者宛に送信すれば、その日の仕事は終わる。

仕事は大抵、昼過ぎには終わった。
昼食後は、出かける日もあれば在宅する日もあった。
出かける場合は市街地で買い物や娯楽を楽しむ。
徹は高性能の撮影機材や性戯用玩具を買い漁る。
加奈子は高級ブランド品や宝飾品。
他に性戯用下着を買い漁る。
収入があるから。
欲望に任せていくらでも購入できる。
映画を観ることもあれば遊園地へ出向くこともあった。
夕食は……、
庶民的な定食、
高級店の焼肉や寿司、
一流ホテルのレストラン、
日によって様々だった。
一方、在宅する日は大抵、淫戯や性交に耽った。
午前中に執筆した内容に興奮して相互に欲情した場合だ。
自宅の2つの和室は居間と寝室に分かれている。
寝室にはベッドがあった。
周囲には複数台のカメラと性戯用玩具が常備してある。
徹と加奈子は共に異常なほど性欲旺盛で精力絶倫だった。
午後在宅する場合は淫猥な痴戯の快楽に溺れて過ごした。
畑作業をする農夫には昼下がりのセックスで喘ぎ悶える加奈子の嬌声が洩れ聞こえていた。
徹と加奈子の特異な性生活は村の噂の種になった。
が、徹と加奈子は全く意に留めなかった。
苦情さえ来なければよい。
実際、田舎の年寄達は若い夫婦の熱い営みを微笑ましいものと考えた。
羨ましく妬ましいのは「昼間からヤッている」ことだった。
しかし自宅内でのそれは法的には全く問題ないことだ。
 
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2021/03/13 20:18:25(J0LJ79Jl)
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