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慟哭
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:慟哭
投稿者: みわく
精査していた書類から時計に視線を移すと、23時になろうとしていた。
ボールペンを置いて1つ溜息をつくとコートを着て、事務所を後にした。
タクシーの座席に身体を埋めると目を閉じた。
悪い癖の考え事を始じめてしまい、昔のことを思い出していた。

子供の頃から習い事三昧でろくに友達と遊ぶこともなく、中、高とその年頃の可愛らしい恋愛すら出来なかった。
東大に合格すると初めて恋人と呼べる存在ができたのだ。
眼鏡はコンタクトレンズに、素っぴんだ







った顔には薄化粧を、膝丈のスカートは冒険をして膝上のミニスカートに変わった。
だったその程度でも異性はこんな女の子がいたのかというように、それまでのその他大勢に対する接し方から手を返したように態度を変えた。
自分の美貌に対して自己肯定感をあまり感じたことはなかったけれど。
恋愛もろくに経験しなかっただけに恋人に一途だった。
初めてのキスに熱くなり、その夜はなかなか眠れなかった。
そして初めてのセックスは、良くも悪くも忘れられない経験になった。
彼の身体の温もりと重み、溶けていきそうな愛撫……激しい痛み。最後の優しいたくさんのキスがなければ嫌いになったかもしれない。
その後も学生らしい交際は続き、デートを重ねてセックスをする頻度も増えていった。
快感を知るようになると、やがて追いつくように絶頂を迎えるようにもなった。
愛情からの精神的な幸せ、動物的な快楽、彼にどんどんのめり込んでいく。
そんな幸せの絶頂期に突然、彼が逮捕されてしまったのだ。 
自分はなぜか被害者として呼ばれ、衝撃的な事実を知ることになる。
恋人だと認識していた彼は複数の女性と交際しており、情事の一部始終を隠し撮りしたものをネットにバラ撒いたり恐喝の材料に利用していたのだ。極めつけに押収された証拠品の中に自分が映されたものもあると知ったのだ。 後から思えば女の扱いが手慣れていたのだ。被害者には既婚者など大人の女性もいたらしく、私のような女の子など簡単だったのだろう。

失意から立ち直ることは容易ではなかったけど、これを期に弁護士を目指したのだ。
このところ昔のことを思い出してしまうのは、今抱える案件が関係していた。
かつての私のような被害にあってしまったこのクライアントを絶対に救うのだと、決めていた。

コートを手に取ると事務所を後にした。
タクシーの座席に疲れた身体を埋める。
窓の流れる景色を眺めていると、運転手が声をかけてきた。

こんな遅くまでお仕事ですか?お疲れさまです。

ルームミラーを見やると、目尻に優しげな笑い皺を刻ませた顔が映っていた。不意にその目と合う。普段なら最低限の会話しかしないのに、このときは釣られてしまった。

ちょっと、長引いてしまってこの時間になっちゃって。

運転手は言う。

娘がいましてねぇ、多分お客さんとそんなに変わらないんじゃないかなぁ。
仕事人間でしてね、過労で倒れたことがあったんですよ。
いくら心配しても親の言葉なんか聞きゃぁしない頑固者でしてね。この前なんか死んだ女房が夢に出てきて怒られましてね。

そう言いながら初老の運転手は苦笑する。
私は十中八九、この父親似だろうと思った。 
そして、きっと似た者親子なのだと。
どうぞ、と渡された飴玉を口の中で転がしていると、ほっこりした気持ちになった。

自宅マンションに着く。
部屋に入ると着ているものを脱ぎ捨てて、バスルームヘ飛び込んだ。
頭から熱いシャワーを浴びる。
ボディシャンプーを手に首から両腕、お腹周り、胸へと泡を塗りつけていく。その際にチェックも怠らない。定期的に通うスポーツジムの成果は確実に表れているし、摂生もしている。贅肉はないし、ウエストのくびれだってしっかりある。乳房だって昔と比べても見劣りはしていない筈だ。
乳房を手で包み、そっと乳首に触れた。
甘い感覚を覚え、右手を下に下げた。
口から息が漏れる。
急に馬鹿馬鹿しくなって、急いで身体を洗い流した。
人肌が恋しいことはある。この歳になるまで恋人が出来なかったわけではない。それぞれ時期は違うけど信頼出来る相手がいた時期もあった。ただ、生涯を共にするパートナーにはならなかっただけのことなのだ。タクシー運転手の話す言葉を思い出した。仕事人間でしてね……あの言葉は今の自分に当て嵌まる。仕事だけの生活になって、もう数年が過ぎていた。女性としての幸せは満ち足りているとはいえない。精神的なことは他のことでどうにかなっても、動物的な幸せは淋しいままだ。性的欲求は無視してきたけれど、確かにあった。心の隙間を埋めるわけではないが、株の投資を始めてみた。少額、ローリスク、ローリターン
ではあるが、少ないながらも貯金感覚で少しづつ増えることに、本業の傍ら一応の満足を得ていた。それなりの金額が貯まってしまうと、欲が出た。一度だけならと、ハイリスク、ハイリターンに手を出してしまったのだ。結果、信じられない金額が目に映っていた。堅実に生きてきたが、更に欲が出た。成功体験が重なっていくと、いつの間にか全財産をつぎ込んでいた。麻痺していたとしか言いようがなかった。気がつけば、全てをを失っていた。
不思議とホッとしていた。お腹の底から久しぶりに笑った。笑いが収まると、これからのことを考えた。 過去に受けた痛手に比べたら思ったよりも消沈することはなかったが、さすがに生活するお金がないということは、事務所には言えない。
借金をする?誰に?話せない。ではどこか?まとまった借金をすればいずれは露呈するだろう。ではどうするか?2足の草鞋はご法度だけど働くしかない。女に融通が利きそうな職種は限られている。
風俗業界…しかも性を売りにするほうだろう。
無理だ。では…AV業界しかないと思った。

ネット検索すると直ぐに出た。
いくつかの場所にアポを取って、こっそりと面接を受けてみた。
その中でもこの業界でも企業として、しっかりしている所を選んだ。
見た目も年齢的にも問題なし。
お金の融通も出来て、こちらの顔が判明しないことも全てクリアになった。そもそも弁護士相手に誤魔化しは出来ないだろう。
様々な規約、注意事項、報酬を確認をして契約。
後日に撮影という運びになった。

そして、その日がやって来た。
 
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2023/12/18 21:35:19(FoTcNdFF)
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