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グループ”女豹“を追え
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:グループ”女豹“を追え
投稿者: (無名)
「う~ん、今日も収穫無しかぁ~」

彼は張り込み中の車の中で、そうつぶやいた。
彼が追っているのは殺人事件の容疑者である。
そもそも、この事件はある大物政治家と大手商社の癒着から来る脱税疑惑が発端であった。
しかし、商社側の重要人物がビルから飛び降りて亡くなった。
突然の出来事である。

すると捜査の主軸が突然、彼の部署に周って来た。
彼の名前は鈴木康治。
所属するのは警〇庁捜査一課だ。

事件は当初自らの飛び降りと見られていたが、ある情報筋からのタレコミで一人の容疑者が浮かんだ。
彼は今、その容疑者の立ち寄り先とみられる場所に張り込んでいた。

その事件の初期からは東京地〇特捜部が動いており、今回はやつらインテリの鼻を明かす大きなチャンスでもある。
否が応でも彼らには気合が入っていた。

すると、彼の車のガラスを、コンコンとノックして来る人物が居た。

「誰だ!」

と彼はリクライニングシートから起き上がると、そこに居たのは彼の先輩の田中であった。

「差し入れだ」

とコンビニ袋を差し出される。
彼はそれを見て

「あんぱんと牛乳っすね」

と言って受け取ると、中に入っていたのは野菜サンドと野菜ジュースであった。

彼「・・・・・」

「お前一人モンだからな。」

と田中は言って立ち去ろうとした瞬間

「あっ、忘れてたわ」

と言って、一通の封筒を差し出した。

「お前、異動みたいだよ」

などと言って田中は去って行った。
彼は急いでその封筒の中を確かめると、紙に書かれていたのは本当に辞令であった。

「なになに?俺は今日付けで特命課の所属とす、だと?」
「何?特命課って?」

彼の頭はこんがらがった。


彼は警〇庁に戻って来た。
しかし、特命課と云われても何が何やら。
彼はフロントの案内に行って身分証をかざして聞いた。

「あの、特命課って知ってます?」

すると案内嬢が言った。

「特命課、でごさいますか?」

って、おいおい大丈夫かよ?
俺は不安になった。

「あ~、はいはい。 分かりました。」

と彼女は電話で聞いて

「大変失礼いたしました。場所は庶務の隣ですね」

と言った。
庶務の隣、庶務の隣、庶務の、ああ、あった、あった。
俺は遂に見つけた。
新しい所属先を。
俺はドアをノックした。
すると、どうぞという声が聞こえた。
扉を開けて

「あの~、失礼します」

と言って中に入ると、お茶を飲みながらチェスをしている人が居た。

「ようこそ! 杉山左京です」

と言った。

(二人の自己紹介が済んだ後)

「あの~、杉山さん?俺は何の為にここに居るのでしょうか?」

と聞くと

「君には重要な任務が待っています」

と言ってお茶を入れてくれた。

「ああ、ありがとうございます」

そう言って受け取ると、杉山は更に言った。

「これから、そのアジトへ向かって下さい」

だそうである。
彼には何のことやら。
彼は聞いた。

「一体、何の捜査なんですか?」

すると杉山が話し始めた。
敵は女性の集団で女豹という名前のグループだと云う。

彼女らは与野党の国会議員やキャリア官僚、はたまた上場企業の役員などに、その美貌を以って近づき、情報などを聞き出すいわゆるハニートラップの国内版集団だそうだ。
その彼女らの色香に掛かってしまえば、どんな屈強な男共も骨抜きにされてしまうと云う。

鈴木は身震いをした。
別の意味で。
これから仕事で堂々と美女たちと渡り合えるのだ。
殺人事件の捜査の行方は少し気になるが、命令は命令である。
彼は黙って今回だけ従う事にした。

だが彼の目算は外れてしまう。
そんな彼の思惑など木端微塵に吹き飛ばしてしまう程の強敵が彼を待っていた。
しかし、そんな状況などいざ知らず、彼の頭の中は桃色に彩られていたのである。

 つづく
 
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2017/09/22 13:51:32(LH1K7Flv)
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