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淫華 湯に咲く淫ら花
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:淫華 湯に咲く淫ら花
投稿者: 影法師
新宿10時発のロマンスカーの車内で待ち合わせと言う事にした。
前日実家を訪ね、親父に気がつかれない様に母に電車の切符を渡し、ろくに
話も出来ないまま帰って来た。
当日電車の座席に座って待っていると、外から窓を叩く気配を感じ、その方
向に顔を向けると、そこに微笑む母の顔があった。
俺は母に、車内に入る様に合図し、母もそれに黙って頷いた。
気のせいか、普段よりも服装に気をかけている様だ。
母のスーツ姿はあまり見た事が無い。
淡いブルーが良く似合っている。
「お待たせ・・、やっと夢が実現したわね。」
母がそう言うと、今回の旅行の事を嬉しそうに話す。
「家の方は大丈夫だった・・?」
俺は母が何事も無く家を出て来られるか多少心配であった。
「大丈夫、別段怪しむ素振りも無かったし、逆に楽しんで来い・・なんて言
っていたわよ。」
俺は周囲を気にしながら、そっと母の手を握ると、母は嬉しそうに笑った。
「私達って、周りの人達にどんなカップルに見られているのかな?」
母がそんな事を俺に訊ねて来た。
「多分、親子とは思わないだろうな・・? 」
「じゃ、不倫カップル?」
「まあ、そんな所じゃないのかな。」
母が嬉しそうに身体を寄せて来た。
「如何したの・・そんなに嬉しそうに。」
「親子でなければ、それでいいわ・・。」
母がそんな事を言ってきたので、母もやっぱり女なのだと、俺はその時そう
感じた。


今日の事は既に真理子には知らせておいた。
真理子が上京した際、およその話はしてあるので、どこで逢うかという事だ
けであった。俺はこの際母と直接対面させる方法を取った。
母には今夜話すつもりだ。
どこまで話すかはまだ決めていないが、いずれ全てを知る事にはなろう。
ただ、少しでも母の理解を得て置きたいとは思っていた。
真理子にも同じ事は言える。俺と母の事もいずれ話さなければなるまい。
全てはそれが前提なのだから・・・。
母が流れ去る景色を眺める様に、横顔を窓の外に向けていた。
母には如何切り出すか・・迷っている。
ただ、母なら必ずや判ってもらえると、母の横がを眺めながら・・俺はそう
思った。
「うん?」
母が俺の気配に気が付き、顔を向けた。
「恵子・・、この前俺に言った事覚えている? 俺には普通の結婚をさせた
いと・・。」
「言ったわよ、その気持ちは今だって変わっていないわよ。私の事は考えな
くても良いから・・、良い人が居るなら遠慮なく話して欲しいの。」
母の顔に戻っている。
「いるの? そう言う人?」
「もしいたとしても・・俺と恵子はいつまでも一緒だから・・。それだけは
信じてくれる?」
母は何も言わずに頷いた。
「そう出来たらいいね・・。」
あまり信じていない様な雰囲気を感じる。
「もし、俺が結婚して、恵子も一緒に暮らせる様になったら・・、その時は
親父とは別れてくれる? 俺が恵子を幸せにするから。」
恵子は俺の手を握ると、
「いいわ・・。その時は考えて見る。」
母がそう言って親父との離婚を前向きに考える事を約束してくれた。


次回更新は10日朝の予定です
レスを見る(8)
2009/10/09 05:45:58(36Z8u01M)
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