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続・曼珠沙華 6
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:ノンジャンル 官能小説   
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1:続・曼珠沙華 6
投稿者: 喜久江
電話があったのはそれから30分程してからでした。
直ぐに副島さんからだと判ったので、私自身が受話器を手にしました。
「先ほど電話くれたそうで・・」
夫が傍に居る手前、出来るだけ砕けた話し方は避けるようにしました。
「すみません、家にまで電話したくはなかったんですけど、あの後あまり話
が出来なくて・・。」
「2次会なんでしょう?」
私は何気なく夫の方を見ました。夫は私が電話に出た時だけ、チラッと私の
方を見ましたが、その後はテレビの方に向いているようでした。
「ええ、やに盛り上がっちゃってね・・当分終わりそうも無いから、抜け出
して来ました。」
「主役がいなくて大丈夫なの?」
「平気ですよ、それより・・今度の休みに、もう一度だけ、会ってもらえま
せんか?」
そう言って、私を誘って来ました。
「そんなの無理よ。休みは、店も手伝わないといけないし、家を空けるなん
て、そんな・・。」
私は自分に嘘をついていました。
少しくらい家を空ける事が出来ない訳ではありません。でも、ここで再び彼
と二人きりで逢う事にためらいを感じていました。彼との決別を決めた意味
が無くなる事にです。
「貴女は嘘を付いている。先ほど貴女は言いましたよね? 相手の気持ちは
考えないのって・・? それって、貴女も僕の事を・・。」
彼は気ずいていました。私が彼に引かれている事を。
「お願い・・これ以上私を苦しめないで。」
私は夫の後姿を見ながら、そう言うのがやっとでした。
「1時にコタンで待っています。これが最後ですから・・」
コタンは何度か彼と行った喫茶店の名前です。でも・・私は行くつもりはあ
りませんでした。怖かったのです。何よりも自分自身が。彼と会えば、すべ
てがダメになる様で・・。
そして、約束の休みに日がまいりました。気にならないと言えばウソになり
ます。しかし、正直私の心は揺れ動いておりました。
今日を逸したら・・本当に、もう2度と副島さんと逢う事が出来なくなる。
それはつらい選択でした。でも、彼と逢う事へのためらい・・なんの不満が
有る訳でもない夫や家族の事を考えると・・。
約束の時間が過ぎて、一時間が経っていました。
(ごめんなさい・・許して。)
不意に、涙が溢れ出て来ました。そして、すべてが終わった事を感じまし
た。その悲しみを振り払う様にして、私は外に出ました。店の手伝いをする
為でした。そして、店の入り口のはるか先にたたずみ、私の方を見てい
る・・彼の姿を見つけたのでした。





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2008/08/17 17:06:13(nIEJQ9yc)
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