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〜まえがき〜
⚠書いた人はオタクです⚠某刀ゲームの二次創作夢小説です⚠暴力などこじらせ性癖の描写多々⚠自分オナニ用自己満作品です⚠ゲームやキャラご存知のかたは解釈違いご容赦ください⚠誤字脱字ご容赦ください⚠たぶんめちゃくちゃ長くなります⚠未完ですが応援もらえたらがんばります優しいレス歓迎⚠エロじゃないストーリー部分もがっつりあります⚠似た癖かかえてるかた絡みにきてください⚠ —---------------------- 「…10分、経ったぜ…?」 おそるおそる、かたく目をつぶる女に声をかける。 「…ん…?あ、ありがとございま…」 顔をしかめて、体を起こした。 コンタクトをしたままだ、涙袋を指でなぞって、ぎゅっとまばたきをすると、ぼやけた景色にピントが合っていく。 ソハヤノツルキはまだソハヤノツルキのようだ、紅玉色の目が心配そうに様子を伺ってくる。 あくびをひとつかみ殺して、両手の平を広げてじっと見ると、じゅわっと力が戻っていくのを感じることができた。 ひどい眠気が落ち着いて、疲労が少し回復しただけ、だと思っている、が、かつて征羽矢が言った、霊力の供給、という言葉を、回顧する。 霊力… そんなオカルトなパワー、自分には、ないでしょ…? わしゃわしゃと髪を混ぜ返し、首をぐるぐる回して軽くストレッチする。 ふわ、とうなじから立ちのぼる汗の匂いがソハヤノツルキの鼻腔をくすぐった。 どくっ。 心臓が、跳ね上がる。 ぞくっ。 背筋が、粟立つ。 目を、そらせない… 目を、そらさなければ… 早く… そう言い聞かせる、が、葛藤も虚しく、勝手に、体が動いていた。 開け放たれたドアから上半身を乗り入れ、女の右の肩を自身の左手できつく掴み、無言で、唇を、重ねた。 咄嗟のことで緩んでいた唇の隙間に舌を差し入れ、ねばついた口内をぐるりと舐め回す。 手は、離さずに、唇を、そっと離す。 ソハヤノツルキは、しまった、またやってしまった、と、思っていて、女は目を丸くしている。 「…そ、ソハヤさん…?」 汗と血が匂い立つ首元に噛みつき、その身体をシートに押し倒すと、スプリングがみしり、と軋んだ。 「…ソハヤさん!?」 狭い助手席に長身をねじ込み、女の白い喉に尖った歯を立てる、あの、あいつと、同じ、動作! どうにもこのまま食い千切りたい…! 獣のような欲望が腹の底で渦巻く。 されど、鉄の味を感じて慌てて顔を上げる、柔らかな肌にくっきりと歯型がついていて、新たに血が滲んでいた。 ソハヤノツルキの頭の中で、ダムが決壊するビジョンが浮かんだ。 もう一度、強引に口づける。 女の瞳が、うっすらと恐怖の色に、そしてそのあとから、じわりと熱のこもった欲の色に染まった。 ごわごわと分厚いツナギ越しに、乳房を揉みしだくが、しかし、それではもどかしく、首元のファスナーをジジっと臍まで下げた。 汗ばんだタンクトップに下着が透けている。 その裾から手を入れ、肌に沿わせて下着との隙間に滑り込ませ、胸の先端を荒々しく愛撫する。 「…や、な、なん…でっ!?」 女は必死で顔をそらし、小さな悲鳴を上げた。 「…どうしてっ…?こんな…急に…っ?あっ、やぁ…っっ!」 ぎゅうっと乳首を強く捻られ、腰をよじる。 「や、やだぁ…っ!やめっ…」 その言葉とは裏腹に、じんじんと下半身が疼き出す。 ソハヤノツルキは、胸を押し返そうとする女の両の手首を捉え、自身の肩の後ろを掴ませた。 「…嫌?じゃ、ねーだろ?」 そしてツナギの中、しっとりと濡れそぼった部分をまさぐる。 「…嫌、だと、股座を、濡らすのか?」 耳を舐め、甘噛みしてやると、女の太腿に鳥肌が立った。 「…あっ…!ち、ちがっ…!」 ソハヤノツルキのシャツの肩を、しわくちゃになるほど握りしめる。 蜜壺からは半透明の体液がこぼれて、指を伝って滴った。 「…やなの…ぉ…いやなの…」 奥歯を噛めしめ、ぷるぷると弱々しく首を振る。 ソハヤノツルキは構わず、女の中へ指を3本捩じ込み、それらをバラバラに動かして、腹側の肉をぐいぐいと強く押した。 「…!!…やっ、やだっ!お、おさな、いで…っ…!」 くねくねと腿を擦り合わせ、迫りくる快感から逃れようと足掻く。 そこが弱いと知っているというふうで、執拗に責める。 耳の穴の中を舌の先で舐め回し、低い声で囁いた。 「…楽にしろよ…?」 膣の中がぴくぴくと痙攣している。 相変わらず人さし指、中指、薬指をそれぞれに動かしながら、同時に親指で陰核を刺激すると、女の体は大きく跳ね上がった。 「…!っだっ…!」 肩をすぼめて、のけぞる。 ぐちゅり、水音が増した。 指を出し入れする度に、ずちゅずちゅと卑猥に鳴く。 「だ…だぁ……い、くぅ…っっ!」 とたんに、さらりとした生暖かい体液が流れ出て、ツナギとシートをじっとりと濡らした。 ソハヤノツルキを熱っぽく見つめる瞳の端から、ポロリと涙がこぼれた。 「…ぁ、ぁ…い、いっちゃ、っ、たぁ…」 次々とガラス玉のような粒が、溢れてくる。 「…やめ、てっ…て…て、ゆった…の、に…ぃ…」 その理性を失った言葉に、ソハヤノツルキの身体はいっそう硬く猛り立った。 ツナギを脱がせようとするが、うまく引き下ろせなくてもたつき、舌打ちをする。 「…狭ぇな…おい、出ろ…!」 足をがくがくさせて立つこともままならない女を車から引きずり降ろし、ツナギを足元まで脱がせて、ボンネットに肘をつかせて立たせると、びしょびしょになった下着の上から再度、つんと勃起した箇所を引っ掻いた。 「…!」 膝に力が入るから、今度は触れるか触れないかの非情な優しさで撫で回してやる。 「…ふ…っ…んっ…やめて…って!…やめ…やめろぉ…!」 女はそう言いながら、泣きながら、腰をくねらせ、敏感な部分をソハヤノツルキの手に擦り付けてきた。 「…随分じゃねーのよ、やめて、いーの?」 愛撫の手を止め、その手で、自身のそそり立ったものを取り出して慰める。 「…!…ぁ…!…っ!!」 絶え間なく注がれていた快楽を突如として取り上げられ、女は悶えて腰を突き上げた。 ゆっくりと振り向き、ぐしゃぐしゃに歪んだ切なげな表情でソハヤノツルキを睨む。 「…なぁに?」 くつくつと、喉の奥で笑う、が、女は、掠れた声で吠えた。 「…そ、ソハヤさんを、返してっ…!」 ソハヤノツルキから邪悪な笑顔が消えた。 殴られたようなショックに、怒りが込み上げる! もう駄目なんだよ…! もう戻らないんだよ…! 欲望のままに、兄や、本丸の仲間たちのように、貪り尽くしたい、本能に、負ける、もう、勝てない…! 下着越しに、張り詰めたそのものを押し付ける。 「なに言ってんの…?おれだよ…?」 ぴったりと背中に張り付き、女の首に手を添え、頭上から冷ややかに見下ろした。 …最高に、興奮する…!! 「ちがう!ソハヤさんに戻してよ…!」 下腹部がじゅくじゅくと波打っているのを感じた。 食いしばった歯の間からよだれが垂れている。 視界が歪む。 焦らされて途切れた悦が麻薬のように頭を揺さぶる。 「…そは、…」 女は潤んだ目でソハヤノツルキを見上げた。 「…ソハヤさ…た、すけてぇ…」 ぞわぞわっ。 全身の毛が逆だった。 自分のもうひとりの人格、いや、刃格に助けを求めて縋られては、こんなにも… 堪らない… 犯し殺してしまえ…! 下着は脱がさずに横にずらして、ぬめって艷やかに誘う秘部に、そそり立った陰経を突き立てた。 「…!はっ…ぁ…!」 女はまだ温かいカーボンのボンネットに這いつくばるように身体を折り曲げ、淫楽に溺れそうになるのをこらえる。 ずじゅっ、ずじゅっ、と淫猥な音を立てて、ソハヤノツルキのものが何度も中を突き刺した。 「…いっ、いぃ…!あっ…い…ひぃ…ぃ……」 言葉にならないか細い悲鳴が鼓膜の奥で反響する。 「…先の威勢はどーしたよ…?…ん!?」 緩急をつけて更に強く押し込む。 「…!いっ、き…そぉっ…!もぉ…いく…っ!!」 女は髪を掻きむしった。 ソハヤノツルキは、そこで激しく突くのをやめ、ごく、ゆっくりと芯棒をずるりと引き抜く。 「…ぁっ!?ど…して…っ!?」 女が振り向いて胸にすがりついてくる。 「なんでっ!?」 「おれじゃ、嫌なんだろ?それなのに、なぁ…あんたの、その顔っ…!」 そう言って正面から再び勢いにまかせて挿入した。 「…っ!んんっ…!いっ…」 足に脱がされたツナギがまとわりついて、動きが制限されているのだ、本当はもっと膝を開き、擦り付けたい欲求に駆られる… イきたい…! どくん。 体中の血液が逆流してくるような、奇妙な感覚が襲った。 繰り返し辱められていた記憶… 繋がれた手首、呼吸を阻む大きな手の平、むせ返るように濃い、男の体液の匂いと味、髪を無造作に鷲掴みにされる痛み、やめてと懇願しながらもだらしなく濡れて疼く自分の肉裂、欲を掻き立てる、甘く苦い、声… タチアオイの花畑… 逃さないと、突きつけられる絶望感… 夏の陽炎のような、色鮮やかな、呪い… 戸惑いとは裏腹に、胎内はぎゅうっと縮んで、肉の壁がソハヤノツルキのものに絡みついた。 「…っ!…すげーな…!」 背中をしならせて仰け反り、さらに奥を穿つ。 「あぅ…ん…っ、も、もぅ、いっ……い、いき…いき、た…いぃ…」 女は舌を突き出して、涙と唾液で濡れた蕩けた顔でソハヤノツルキの胸を拳で叩いた。 「え、おれにイカされてもいーんだ?」 唇を奪う。 これまでは一方的に舌を絡みつかせていたが、よほど快楽に痺れているのか、あるいは意識が朦朧としているのか、必死に吸い付いてくる。 唾液が糸を引いて、ソハヤノツルキは舌舐めずりした。 どれだけ貪婪に食いついても、どす黒い支配欲は消えることなく、愛とか恋とかによく似た殺意と同時にやってきて、精神に噛み付いた。 烈情に赤く染まった瞳は揺らいで、身体はますます容赦なく突き動き続ける。 「…こないだ、城本サンとしてただろ?」 「う…」 「なぁ!」 ソハヤノツルキの語気が強まる。 「し、し…た、けどっ…」 「…どんなだった?」 「な…ど、して、そんなっ、こ、とっ…!?」 ふん、と気のない素振りで鼻を鳴らしてみせるが、心の奥底はイライラしてマグマが煮えたぎっていた。 「や、やめ…てよ…」 「なぁ!?」 他の男とどんなふうにまぐわっていたのか想像して、ソハヤノツルキのものが女の中で質量を増した。 「…言えって、城本サンのは良かったのか…?」 「…ぅ…」 赤い目が嫉妬に狂って光を失っている。 「…き、もち、いかっ…たぁ…っ、」 あと少しで手が届く頂上の手前で燻らされて、追い詰められて腰をくねらせた。 ソハヤノツルキは女を貫くように更に自身を押し込む。 「あ…!あ…!あ…!!」 女は硬い腕の筋肉の中でもがいた。 あと、いっぽ、のぼれば、いける、ところに、きている、のに… 「…へえ、どんなふうにしたの?」 ぎゅうぎゅうと膣が締まる、あれはなんでもない遊びの、ただのじゃれあいのセックスだったのに、冷淡に問われると、特別な意味を帯びてしまう… 「あんたが好きな?がんじがらめにしてさ、強姦まがいの?」 そう問いながら、同じことを自分もしている、自覚はある、だが、抑えがきかない…! 一瞬、征羽矢が『もうやめてくれ!』と怒鳴った気がしたけれど、それは他の誰にも聞こえない。 「ど、ん、な、や、つ、したんだよ、答えろよ、」 「くっ、くびっ…くび、しめて…ひ、ひどくして…すご、すごくっ、ひどくてっ…」 「ふーん、あの城本サンが…?意外だな…まあ、あんたが唆したのか…」 ソハヤノツルキの右手の人さし指が女の額に触れる。 「…な、鶴丸を覚えてるだろ?…あいつさ、まー、兄弟のやりかたもどーかともーけどよ?あいつも、大概だったよな、思い出せよ?」 「…だ、だれ?そんな、し、しらない…」 頭の中が揺さぶられて、吐き気がする。 「お、も、い、だ、せ、よ?」 …ああ… どう足掻いても… 神には… さからえない、さからえない、さからえない… 「…ぁ…ぁ…」 ソハヤノツルキがニヤリと不気味に笑った。 第一部隊の常連の鶴丸国永は、飄々としていて掴み所がない太刀だ。 正直、苦手なタイプだった。 本丸ではいたずらばかりしていて、いつも本気か冗談か分からないことをしれっと言うから、彼の言葉は話半分でしか聞いていない。 戦装束の真白と、透けるほどに白い肌、儚げな白髪が、頭痛をもよおすほどに美しく、直視できない。 好戦的だが無鉄砲ではなく、意外と秩序を重んじる性格を尊敬はしている。 タフを装ってはいるが、おそらく実際は傷つきやすく、周囲を信用していないのだろうなと感じていた。 適度な兄貴肌で他の刀をうまく引っ張ってくれるし、部隊をしっかりと掌握して、場を和ませたり、逆に煽って闘志を上げさせたりする技術に優れていると思うので、副隊長に任命することが多かった。 彼との夜は、そうだ、そうだった、思い出した… 鶴丸国永はいつも、ほとんどを口淫で終えようとするのだ。 身じろぎひとつせず、審神者がよだれを垂れ流しながら、鶴丸国永のものを咥えるのを、薄く笑いながらただ見下ろし眺めている。 顎や舌が疲労して動きが鈍ると、審神者を自身の下に組み敷き、喉の奥を手ひどく犯した。 胃液を吐いて顔を背けようとするのを両手で挟んで押さえつける。 いつもそう。 それでも審神者の下腹部は意思に反してじんじんと濡れてうずくし、なのにそれを決して楽にはしてもらえない。 拷問のようだった… 「お、思い出した?おなか、きゅってなったぜ?」 両手を女の腰にあてがい、ゆっくりと深く繋がりを確かめる。 「じゃーね、明石のことは?思い出せる?あいつは、あれだな、あんたとは相性悪ぃ…てか、逆か…あーゆーのがいーのか?って感じだったよな、あんた、明石に抱かれてるときはずっと泣いてたからなぁ。」 「…!!…だ、どっ、し、てっ…!?」 ソハヤノツルキは、粘っこく自身を押し付けて、そして一気に引き抜いた。 「…!…っ、」 「…なぁ、ほら、早く、思い出せってば。」 ぽっかりと開けられた女の孔から、白濁液がぼたぼたと滴って、足元にくしゃくしゃになったツナギを濡らす。 勃起した陰核を悩ましく撫で回され、審神者はまた正気を手放した。 鶴丸国永と同じく第一部隊の常連の太刀、明石国行。 毎日気だるげで、なにかと理由をつけてすぐサボろうとする…ふりをしている。 戦場で士気を盛り上げることより、うまくクールダウンさせることを目的に選抜されていた。 神格高めの男士たちにも、また本丸に長いベテランたちにもズケズケと物言いをつけるので、興奮しすぎた戦場では彼の存在がないと命を失いかねない場面も少なくなかった。 明石国行は、動くの面倒くさいですわ、と意地悪く言って、ローターや電マを使って指先の最小限の動きひとつで審神者を責めるのが常だ。 機械の規則的な微振動でとろとろと溢れ出す愛液、それで濡れそぼった花の蕾をピンポイントに刺激して綻ばせ、審神者が半狂乱するまで虐めぬく… いや、狂いきって白目をむき泡を吹いてからも、自身が満足するまで、泣き喚いて許しを請う審神者の尊厳を奪い尽くした。 『中に欲しかったらちゃーんとおねだりしてな?』 甘ったるい声で脳幹を揺さぶってくるくせに、審神者が頭を掻きむしって「…欲しい…」と声を絞り出しても、 『じゃあ自分で好きに動いて気持ちよくなって下さいな、』 と無慈悲に笑い、騎乗位で腰を振らせるのだ。 「…ぉ…そ、そは、やぁ…」 だらしなく半開きの口でそう呼ばれて、ソハヤノツルキは勝ち誇ったように、ふっ、と短く勢いよく息を吐いた。 汚れたツナギを靴で踏んで、両足をそこから根こぎにすると、高く掲げて広げた。 夜の温度にようやく冷えてきたボンネットに女を組み敷き、猛ったものを下着の横からねじ込む。 「…ッ!!」 子宮の入り口が力まかせに押し広げられる。 「…もっとっ、ぜんぶっ、思い出せよっ…!」 ソハヤノツルキが棘を含ませて唸ると、その音は力を持って女を錯乱させた。 「そ、はや…そはや…そはや…!!」 ごりごりと中の粘膜を擦られ、これまでにない享楽が押し寄せた。 「…あぁっ、…そはやぁぁ…」 息も切れ切れに、名を何度も叫びながら、落ちくぼんだ目がなまめかしく見つめてくる。 「…そはやぁ…もっと、し…して…?」 「…!」 ソハヤノツルキのこめかみに青筋が立った。 腹立たしい…! いったい、どれだけの男と、いったい、どのくらい、こんな行為を…!? ぐんと自身がまた漲るのが分かった。 欲望のままに無遠慮に杭打ち続ける。 大きく反り返ったものが、女の臍の裏の壁を突く。 「んっ!!…い、いぃっ…!!いい、ぃ、よぉ、いいよぉ…、い、くっ…!!」 女は、かたく瞑った瞼の内側に、色とりどりの花が散るさまを見た。 …タチアオイ… 声は出なかったが、唇が、動いた。 「…?」 ソハヤノツルキは不思議そうに首を傾げたが、激しい律動を止めない。 女の体が打ち震えて、のけぞって絶頂を越えた。 「…ぁ…イっ、」 だらり、と膝から力が抜けていく。 だが、ソハヤノツルキは許さなかった。 「…まだだ…!」 そのまま絶え間なく攻め立てられ、女は頭をかかえた。 「…やぁっ!…い、今…だめぇ…ッ!」 その拒絶は聞き入れられない。 「や、やめっ、やめて、ぇ…そ、は…そはや…はな、してぇ、そはやぁ…もぉ…」 完全に目の焦点は合わない、狂乱の精神状態。 どちらが上でどちらが下なのか、今が、いつで、ここが、どこなのか、征羽矢なのか、ソハヤノツルキなのか、なにも、分からなくなる… 2度目の絶頂を迎える。 それでも、まだソハヤノツルキは、堕ちていく女を嘲笑うように抽送し続けた。 「ほら!もっと!思い出せって、言ってるだろ!?」 女の身体をつき上げながら、初めて、その首に、手、を、かけた、兄がそうしていたように… 「…ぞ、ば、ダぁ、やべテ…だず、げデ…」 喉が狭まり、まともに発声できない。 それでも恍惚として、蜜壺はぷしゅぷしゅと潮を吹き出した。 「…こんなやり方で…!!よがるように、仕込まれて…!!」 ソハヤノツルキが吠えた。 手の力は緩まない。 浮遊感に口角がきゅうっと上がる… 「…ぞば、ぁ゙ァ…ぎぼヂイイょぉ…」 うっすらと目が開いて、視線が絡まった。 膣が小刻みにひくついて、3度目、女の四肢はいよいよ人形のように意思をなくし、なされるがままになる。 「ぞバ…、ぼっド、じデ…?うじ、ロ、がラ、ぼガ、ジデ…?」 う、し、ろ、か、ら、お、か、し、て…? ソハヤノツルキの全身の血が一瞬で煮え滾った。 首を圧迫していた手を離し、平手で女の頬を殴った。 色を失ったその瞳に、恐怖と期待と絶望と快感と嫌悪と愛憎とをいっしょくたににじませる。 ぜーぜーと酸素をむさぼる女の頬が、赤く染まっていくのを、見ていた。 虚ろな目で、微笑んで、ソハヤノツルキの首に腕を回しておのずから唇を重ねる。 至近距離で、つぶれたしゃがれ声で、名を、呼ぶ。 「…ぞばや…」 とっさに、抱きついてきた女をぐいと押しのけ、もう一度、平手打つ。 心が乱れる… ずくずくと怒張してそそり立つ男の身体を引き抜いて、再度、力を入れ過ぎぬよう細心の注意を払って、反対の頬を殴りつけた。 それでも、その勢いに女の体はアスファルトの地面に滑り落ちた。 もし、もっと興奮のままに腕を振り下ろしていれば、女の頚椎は粉々に砕けてしまっていただろう、今は普通の人間である征羽矢ではなく、強靭な刀剣男士であるソハヤノツルキの肉体を纏っているのだ。 地面に倒れた女の背中を、靴を履いたままの足でぐりぐりと踏みつけた。 柔らかい感触が足の裏から伝わって、背徳感に酔う。 白いタンクトップに靴裏の跡が付く。 肩越しに振り向いて見上げてくるその顎に革靴のつま先をあてがい、それから唇の間にねじ込んだ。 口内の粘液が、じゃりじゃりとした砂と混じり合う。 征服欲が、じわりと満たされていく。 いっぽうで、女は、革の匂いが、喉から鼻に抜けていくのを感じていた。 ソハヤノツルキは、肩で息をしていた。 疲労感はないが、殺意に似た得も言われぬ情をころした赤い瞳で女を見下ろし、睨みつけている。 手が、また、ここにはない刀を、さきのように呼び出そうとして、ぶるぶると震えていた… 「…!?」 ソハヤノツルキは、混乱した思考を押さえつけて重ねかけた手の平を離し、口の中に突っ込んでいたつま先を引くが、ピントの合わない視線ですがられ、思わずその足で女の腹を蹴り上げた。 「…ぐっ…!」 女はまた、薄い土埃を上げて地面を転がり、身体を折り曲げて下腹部を抑えて苦痛にまみれた悲鳴を漏らした。 そこへ後ろから覆いかぶさる。 「…してやるよ…!!」 硬直した欲望で、物欲しそうに濡れた洞をえぐる。 「…がっ…はぁっ…」 女は傷んだ喉で願うように喘いだ。 膝が小砂利でざらついた地面にこすれて擦りむけていく。 腕に力はなく、顔を横向きに地になすりつけているので、湿った吐息と汗と唾液がアスファルトを黒く濡らした。 腹の底の底を苛まれ、 「ぁ…ふ…う…またっ…いぎそ…っ、いぐぅっ…!」 喜悦に昇りつめて忘我に惚けるが、ソハヤノツルキはそれを咎めるように規則正しく腰を動かし続けた。 女の、果てて敏感になった身体がわななく。 「っ…いまっ…!いっ、て、るぅっ…!」 肌がぶつかるリズムで、ぱしゅっ、ぱしゅっと透明な体液が吹き出し、太ももを伝って垂れた。 「今、いま、いまぁっ!いっ、てるからっ…やめ、やめてっ…!っ、やめてぇ…」 壊れたオルゴールのように、短い同じ言葉を繰り返す。 「…やめる?わけ、ねーじゃん…っ!」 ソハヤノツルキは止まらない。自身も、越えようとしているところであった。 ぶるっ、と身体をひきつらせて、女の最深部に、どろりと濃い種液を迸らせた。 けっきょく、征羽矢でも、ソハヤノツルキでも、光世でも、大典太光世でも、誰でもいいのだ、城本でも、DVクソ野郎でも、通りすがりのモブでも、きっと、この女は、こんなふうに、乱れ狂い、散るだけ… 「…少し待てよ、今いーとこなんだよね…」 意識がとぎれとぎれになっている女に、なおも後背位で抽挿を継続していたソハヤノツルキの視界が、闇夜に赤く浮かび上がる、新たな時間遡行軍の姿をとらえていた。 じりじりと距離を取っていて、踏み込む気配はまだない。 女の腰を強く引き付け、何度目かの極快感を中に放った。 ぜーぜーとうわ言を口走る女を打ち捨てるようにして自身を引き抜く。 柔らかい身体は、どしゃり、と崩れ落ちた。 ソハヤノツルキは素早く衣服を整えながら、こちらの様子を伺うように横移動する巨大な鬼様の時間遡行軍を目で追う。 大太刀だ。 さきにまみえた敵よりもずっと禍々しいオーラを纏っている。 半裸で茫然自失としている女を抱きかかえ、助手席のシートに横たえる。 敵から目をそらさず、女の額に人さし指の腹を押し当てて呼ぶ声に力を込めた。 「…そらちゆき、動くなよ、」 ゆっくりと不思議な力で刀を呼び出し、鮮やかに抜刀する。 月の光が反射して、刀身が青銀のような、翠のような彩りでぎらついた。 女はそれを、車内からうつけた表情で眺め、なんて美しい…と無音で呟いた。 全身は熱に侵され、傷ついた肌がちりちりと痛む。 下腹部はまだ欲深くうねっている。 大太刀はどこを見ているのか分からない暗い瞳で、こちらの方を向いている。 なぜか、その目に、異様な圧を感じた。 ソハヤノツルキが首をコキリと鳴らして対峙する。 「…邪魔すんなよなぁ…」 大太刀が、身震いして咆哮を上げた。 そして、突如として装束の前を自身ではだけさせ晒し出した。 …大太刀がくつろげた下半身が恐ろしいほどに猛り勃っているのだ。 「…そんな機能があったのか?」 苦々しく吐き捨てる。 これは問いかけではなくただの独り言。 ソハヤノツルキが女を組み敷いてまぐわう様子を見たがために、そのような現象が起こったのか? そして人語には程遠い、獣の威嚇のような唸りが夜空を震わせ、ソハヤノツルキの正面に飛び込んでくる。 がちん、交わした刃がきりきりと火花を散らした。 力では押し負ける… 半歩後退り、間合いを取るためのリズムを作ろうと、刀身をすべらせて大太刀をいなす。 「…人間の真似事なんざ、しゃらくせぇ!」 罵ってやろうと口走った台詞が、自身の胸に突き刺さった気がした。 大太刀はソハヤノツルキを逃すまいと距離を詰めて、また振りかぶった。 ソハヤノツルキこそそれなりに長身ではあるが、赤い蒸気のような靄を噴き上げる大太刀の体躯はゆうにそれを上回っている。 しなやかに屈んで刃を返し、下方から分厚い腹を切りつけた。 が、多少のダメージを与えただけで、決定打には遠く及ばない。 …堅ぇな… 舌打ちする。 大太刀は怯まずに振り上げた抜き身を打ち下ろした。 すんでのところで地面を蹴り後ろへと大きく飛ぶ。 大地を叩いた刃が、アスファルトの破片を飛び散らし、それがパラパラと雨のようにセリカの屋根に降りそそいだ。 その音を聞きながら、女の頭は、だんだんとはっきりしてくる。 動くことができない。 そしてその理由は、恐怖などではない。 たった太刀の一振で、この夜の闇の中、おそらく戦闘ステータスのより高い大太刀とやり合うなど無謀が過ぎる…! いったん撤退して体制を立て直さねばならない…! 頭の中では、この右足でアクセルを踏み込み、文明の利器の物理の力で一時的にでも距離を取るべきだと潜考している…のに! まったく体が動かない…! 乱暴に犯されて官能に囚われ、自ら情交にうつつを抜かしてしまった全身に、バターのように纏わりつく疲労感、だが、それが理由でもない…! くそっ…! これが神の呪言…! 自身が審神者として強い言霊の力を持っていたことは、今は知る由もない、が、それにしても、人間風情に、まさに太刀打ちなどできない、できるはずない、真名を奪われたのだ、それは呪いであり、同時に、祝福! 支配された心体ははつらつと踊り出す。 名を呼ばれ、動くなと言われたら、抗えない、抗うなど烏滸がましいことこのうえない…! そこまで所思がドラマティックに盛り上がり、ふと、冷静になる。 何を言ってるんだ! ふざけんなよ…! 背神がどうだってんだ! 審神者を生かすために簡単に命を捨てる所業を、たとえ相手が神とて、絶対に許さない! 指先に力を込める。 ピクリと筋肉が収縮する。 筋力じゃない、根性論でもない、それが、あの兄弟の言う霊力という特別な力なのかもしれないと、うっすらと思った。 ひゅーひゅーと海風が気味悪く鳴いて、大気が邪悪に揺れた。 こめかみに、冷や汗がつうっと伝って貼り付いた。 さきほど大太刀が出現した反対側、運転席の側の窓から、もう1体の大太刀の姿を確認する。 個性のない、同じ肉体、同じ顔、同じオーラ… もちろんソハヤノツルキも気がついてはいるだろうが、1体目の個体から視線を逸らせないでいるようだった。 やばいやばいやばい! 女は身体に込める力のゲージを上げた、もったいぶっている余裕はなかった。 両手の指を、手の平の中に握り込む。 第一段階的には道が開けてきた。この姿勢ができれば、より力を貯めやすく出しやすくなる、気が、したのだ。 ソハヤノツルキと1体目の大太刀が再度ぶつかり鍔迫りあう。 女からはその表情は見ては取れない。 それよりも、今は、自身の状態に集中する。 体中の毛穴から噴き出す白い湯気のような霊力?が濃くなって、肘から下が自由が利くようになる… 第二段階… 肘を曲げて自身の腹部を抱く、身を屈めるイメージで… 脳が…沸騰する…! 2体目の大太刀が踏み切って、飛んだ。 セリカを軽々と越えて、ソハヤノツルキの背後に忍び寄る。 やばいやばいやばい!! 間にあわない…! 解けろ解けろ解けろ…!! 腰から下に感覚が戻る。 膝を胸に引き付け、両腕で抱え込む。 もう少し…! …早く…解けろ…!! 脊椎が…! 灼ける…! 2体目がソハヤノツルキの上方から分厚い大太刀を振り落とした。 ぎりぎりの間合いでそれをなんとか躱し、中腰で横に飛び退くが、1体目の一度引かれた刀身が突くようにソハヤノツルキの脇腹あたりを狙う。 ソハヤノツルキの本体がその攻撃をかろうじて受け流し、またしても後退する。 が、その瞬間、2体目が返した刃が斜め下から背中に斬りかかった。 「…っ!!」 声は聞こえない。 裂けたシャツの向こうに、鮮血の振り撒かれた日焼けした肌が見えた。 女の額から滝のような汗が流れ出る。 首から肩までに残っていた痺れが薄くなる。 もうこれでいい! 女は無理矢理に身体を捩った。 針で刺されるようなぴりぴりするくらいの痛覚が肌を這いずり回るが、構わず運転席に移動する。 キーを回すと、独特のエンジン音ががなった。 傷を負って立ちくらむソハヤノツルキの両足が地面を踏みしめてこらえ、振り向きざまに本体をかざした。 再び振り下ろされる2体目の大太刀の勢いをやっとのところで受けるが、それが精一杯だった。 1体目の大太刀がけたたましい駆動音に反応して、車に向かって突進してくる。 ソハヤノツルキの顔がようやく見えた。 なんで? そんなに? 悲しい? 顔してるの? わたしは! 平気だから! 裸足で滑らかにクラッチをつなぎ、アクセルペダルをベタ踏む。 フロントガラスは真っ白にひび割れていて、ろくに前は見えない。 が、赤黒い光が目印になる。 正面から轢き殺すつもりで突っ込めば、そのショックを逃せずにこちらにも被害が及ぶだろう。 咄嗟にシフトダウンして、エンジンブレーキを利用して前タイヤにトラクションをかけると、ステアリングを切ってサイドブレーキを持ち上げた。 しかしタイヤが温まっていないため、直線的にスピンする。 速度は緩めず、窓から大太刀を睨みつける。 アクセルをふかし、そのまま定常円を描くように大太刀の周りをギュルギュルと回ると、辺り一面にスモークが立ちこめた。 ソハヤノツルキが2体目と刀でせめぎあいながら何か叫んでいるようだが、この駆動音とスキール音だ、聞こえるわけがない。 女と対峙している大太刀は無感情に足を踏み込むが、回り続ける車体がその真横にきたタイミングで大きく振り返し、右後方で当たりに行く。 がつんっ、と強い振動があった。 さっきの脇差を無効化したようなインパクト感ではなく、もっと物理的なものだったから、致命傷を与えられたわけではないとすぐに理解した。 直後、どすんと地響きがして、衝撃が車体を揺らし、めりめりっ、と車の屋根がへこんだ。 立て続けに、ばりばりと耳障りな音が鼓膜の奥をつんざき、炎のように赤く燃える巨大な切先が天井を貫通して侵入してくる。 そいつを振り落としてやろと、女はまたスピードを上げ、2振りが交戦している場所から遠ざかる。 小刻みに蛇行を繰り返し、屋根にすがりつく敵を揺さぶりながら、先ほど利用したクレーンに向かって突っ込んだ。 高さが足りないのは承知、許してセリカ。 ついさっきと同じように、鉄に悲鳴を上げさせながらフレームの下をくぐる。 車内に貫通していた刃が引っ込み、屋根の上の気配が遠のいた。 してやったり、と汗で濡れた前髪を左手でかきあげるが、速度を下げずにその手でいったんのシフトダウン、そして回転数に合わせてシフトアップする。 これで殲滅できたとはいささかも思ってはいない。 次の襲撃に備える… が、次の瞬間! フロントガラスが粉々に砕け散った。 木っ端微塵になったガラスの粒は、きらきらと輝き、流星群のように女に降りそそいだ。 目をかばって両方の腕を顔の前に掲げる。 腕の隙間から、置き去りにしたはずの、赤い、光が。 厚い刀身が頬をかすめてバケットシートのヘッドレストに突き刺さった。 ありゃま、ここまでかな? 女は笑って、手放し運転のままアクセルをいちばん奥まで押し込んだ。 川。 せせらぎ。 薄い月明かりの浮かぶみなも。 シートベルトはしていない。 砕けたフロントガラスから身を乗り出して、大太刀の丸太のような太い右手首を両手で掴む。 火傷しそうなほど熱く、手の平の皮膚が焼け焦げているのではないかと思うが、離さずに力いっぱい引く。 裸足の足の裏はまだ遠慮なくペダルを踏みしめている。 シートに突き刺さった刀身が抜けず、思いのほか希望的に大太刀の上半身を車内へとひきずり込んだ。 首筋に触った刃が肌を裂き、生暖かいものがはだけた胸へと垂れていく。 大太刀の左手が女の頭を上から鷲掴みにした。 前タイヤが、小さな段差に乗り上げ、それから空を切った。 うまくフェンスと輪留めブロックの切れている隙間に車体を捩じ込めたな、と、しめしめとほくそ笑む。 車を自分の手足のようにコントロールできる体験に、アドレナリンかドーパミンか知らないが、特殊な快感が脳を焼いた。 一瞬の無重力… うまくいくなんて思ってない… ほんの少し時間を、それがたとえ10秒でも、5秒でも、かせげたら充分じゃない? …このまま! 落ちろ! …だが、女の考えはまだ甘かった。 握りつぶされるかと感じるほど強固に掴まれた頭を、力まかせに引かれ、そのまま腕の中へと捕われる。 眼下で、車が轟音を響かせて川面に叩きつけられた。 セリカ、ごめん… ごめん、ソハヤさん… 光世さん、ごめんなさい…… ごめんね… その体格からは想像もつかない俊敏さで高く飛んだ大太刀が、ずしりと地面に着地し、女の頭をアスファルトに押し付けた。 ごりっと異音が耳の中に響き、痛みが走る。 殺される…! だが、両手を合わせ残りの力を全部そこに注ぎ込む。 無意識だった。 その動作にどんな意味があるのか、知っているわけではなかった。 弱々しく光が指の隙間からこぼれだす。 「…大典太み…ッ」 愛すべき恋刀の名を呼ぼうと喉から声を絞り出す。 しかし、大太刀がその両手を薙ぎ払うように解かせ、それぞれ左右の地面に縫い付ける。 みしみしと手首の骨が鳴き、ぼきん、 「…っ!!」 両方がほぼ同時に、おそらく、折れる。 激痛。 「…っあああ!!」 絶叫。 嘔吐感。 唾液が口の端から溢れる。 脂汗が血と混じり、だらだらと首筋へと流れていく。 焼け火箸を当てられたような疼痛のせいで逆に興奮が少し収まり、視界がくっきりとする。 大太刀を睨みつける女は、とある異変に気付いた。 大太刀の、はだけた装束の中… どす黒い陰茎が漲り奮い立っている… まさか… まさか!! 力の限り、足で大太刀の堅い胸を蹴り飛ばすが、びくともしない。 その足首を捕らえられる… ちょっと捕まえた、くらいの動作で、膝がごきごきっと異音を鳴らす… 「…うあああ!!…ッい…ああっ!!」 右足が本来の向きとは真逆に折れ曲がり、痛みよりも熱さに気が狂う。 「…あ…あぁ…っ…」 口が開いたまま塞がらない… 腕は開放されたとてびりびりとしびれて酷痛で脈打ち、持ち上げることすら敵わない… まさか… まさかまさかまさか!? まとまらない思考。 一時の猶予も与えられず、割広げられた脚の間、下着の脇から、あまりにも巨大な男根を突き刺される。 「…っ!!…くっ、そっ…!!」 みちみちと、膣の入り口が裂けて血が滲む。 時間遡行軍って性交渉っていう概念あるのかぁ…? 性欲とか…? これは新たな発見だろう… 要報告… 腕はだらりとしてうんともすんとも言わず、足の膝を立てて力を込めて抵抗しようとするが、大太刀の肉体は微動だにしない。 その間にも、女の膝を両手で押し広げ、玩具のように陵辱し続ける… 何度も引き抜いては最奥を突き上げる動作を繰り返す… くしくも先のソハヤノツルキとの情事で濡れそぼり、内部に体液を溜め込んでいたし、自身の激しいドリフトに陶酔して興奮していたため、屈辱感とは裏腹にそれを受け入れてしまう… 「…はなせ…よっ!!」 覆いかぶさる大太刀の額を目掛けて頭突く。 もちろん大した爪痕を残せるわけがなく、しかしそれでも逆上した大太刀が膝から手を離して肩を押さえつけてきた。 ばきん。 今度は両の肩の骨が砕けた。 「…っ!!あっ!!あああああ!!いっ、いだぁあ!!」 女は金切り声を上げた。 下半身に打ち付けられる律動はやまない。 呼吸をするだけで、折れた骨が軋んで激痛が全身を駆け巡った。 限界の想到の霧の中で、女は思う、しかし、このまま、こうやって犯されているうちは、こいつをここに引き止めておけるのでは…? 首を横に向けると、200メートルほど先でソハヤノツルキが2体目の大太刀と交戦を続けていた。 明らかにこちらに向かって何か怒鳴っている。 戦況は優勢とは言えないようだったが、2体を引き離しただけでもこれまでよりはましになっているだろう。 全身に燻る激痛の中、とめどなく与えられる嫌悪感の中、女の精神は蝕まれ、とうとう、かすかな法悦を、拾い始める… とろけるような享楽が、動かないつま先からせり上がってくるのだ。 「…んっ!ぁ…ぁ…ふぁ…ぁぁ…」 たとえ残酷なレイプであっても、女の体の仕組みに抗えず、生温い喘ぎがこぼれてしまう… 女に跨った大太刀が吠え、結合部分をいっそう強く押し付けてきた。 捕らわれた両手では術式様に組むことはできないが、残っているなにかの力を全て絞り出す。 術式? なにかの力? わたしは? なに? だれ? なんのちから? さにわ? さにわってなんだ? なにも分からないままに、ただ、もういちど、呼ぶ… 「…お、大典太光世ォ…っ!」 …女は、季節外れの桜吹雪を見た。 渦を描いて巻き上がる、ピンク色の龍だと思った。 その中に、陰鬱ながら苛烈な面持ちの、恋刀の、姿を、見た。 「…何度でも…言うが!…あんた…いいかげんに、しろよ…!」 秀麗な眉がぐいと吊り上がっており、彼の怒りが限界突破していることを物語っている。 その間にも、女は上下に身体を揺らされて、折れた骨は悲鳴を上げる。 胸が苦しい… 肋骨も、いってんな、これ。 両手も感覚は既にない。 ソハヤノツルキがそうしたように、大典太光世も虚空から荘厳華麗な太刀を取り出して、大太刀の背へと振りかぶった。 柔らかそうな絹混じりの生地のポロシャツの首元のボタンは外されており、ちらりと見える肌はほのかに赤く、血色よく染まっている。 本来であればなんとも気分の良いほろ酔いのところである、かつて?それか、未来の?記憶を取り戻しかけた主人により不穏な呼び出しを食らわなければ。 その主人である当の本人は、痛みと快感で霞む視界の中、ぼんやりと、光世の形をした大典太光世の振り上げた獲物が放つ輝きを眺めている。 この兄弟刀は本当になんて美しいんだろう…… 大太刀は大典太光世の殺気に気付いているのかいないのか、獣のように唸った。 途端に、腹の中に熱いものが流れ込んできて、女はかろうじて不屈の意を叫んだ。 「…っあ…く…!きっ、殺、し、てやるッ…!」 大太刀のものがびくびくと脈打って、粘度の高い体液を奥へ奥へと押し込んでくる。 そこを、大典太光世が、背後から垂直に一刀両断した。 「…お前らっ、全員っ…ぶっ殺してやる…っ!!」 赤黒い灰となって掻き消えていく巨体の聴覚はもう仕事を放棄しているだろう、反骨精神に満ちた絶叫は敵組織に届きはしない。 ただ山間の曇り空に、無情に響くだけ… 混乱していたし激痛に苛まれていたが、正気に戻るのに半秒も必要なかった。 女はまた怒鳴り散らした。 「大典太さん!ソハヤさんを!」 「…分かっている!」 バネのように踵を返して駆け出す。 「…あんた、そこを一寸でも動いてみろ…!俺が殺す…!」 振り向きざまにそう罵声を浴びせられたが、一寸どころか一分も一厘も一毛も動けそうにはない、そういう意味では大典太光世は安心していい。 200メートル先で閃く国宝あるいは旧国宝の刀が外灯の明かりを反射するのが眩しくて目を細めた。 ため息をつくと鎖骨と肋骨が軋んだ。 生きている。 さいわい欠損もしていない。 粉砕骨折のおそれはあるが、まあ、死にはしないだろう。 2振りであれば大丈夫だ、他に時間遡行軍が発生した気配はない、ソハヤノツルキの健闘により、敵も今やゲージはレッドラインを割っているに違いない。 再度気掛かりな様子で首をこちらを向けた大典太光世が、なにかに気を取られてか、接敵中の大太刀の一撃を喰らってよろけた。 斬り合いのさなかに慢心が過ぎる。 報告時にお灸を据えてやらねば… 女は朦朧として帰城した後の予定を考えていた。 血が弾けて飛び散る。 が、大典太光世が怯まず蒼白い光を纏って、真横からすくうように斬りかかると、大太刀は大きく呻いて後退り、がくりと膝をついた。 そこへ後ろからソハヤノツルキが刀を打ち下ろした。 そうして、禍々しい大太刀の化け物は形を失って溶けていった。 2振りはそれを見届けもせず、こちらに向かって走り出す。 ソハヤノツルキなど衣服はすっかり破れ千切れ、張りのある筋肉質な胸にいくつも傷を作って血にまみれている。 左手で腹を押さえている。 器官を損傷したのかもしれない… 帰城して手入を… 資源は… 札は… そろってなにか怒鳴り続けているが、どういうわけかうまく聞こえない。 殲滅完了… 少し休もう。 目を瞑る。 少し眠るだけだ。 さっきと同じだ。 10分寝れば回復する。 なんだか指先と足のつま先がふわふわしてくすぐったい。 と、ズンッ、と、また、重い疼痛が下腹部を襲った。 「…っ!」 寒々しい予感に、接着剤でくっついてしまったかのようなまぶたを奮い立たせて開くと、凶悪な牙を剥き出しにした大柄な人間の男が、女に跨り、身体を繋げて、鼻息荒く下半身を打ち付けてきた。 「…みっ……ッ、せんぱ…ッっ!」 見知ったその男もまた、さきにソハヤノツルキが言った、思念体というやつなのかもしれない、狂気に染まった眼は地獄の釜の色に燃え、人としての理性は完全に失われているようであった。 「ギュ、ギィ…」 低く吠え、身体を震わせ、腎水を勢いよく放ち、恍惚として仰け反る。 鋼の妖怪に取り憑かれた男は、ひくつく秘所からずるりと陰茎を引き抜いた。 ねばついた茶色の体液が溢れ、糸を引く… 時間遡行軍?に乗っ取られた人間?の精液?のような役割を果たすと思われるもの?は人間のものとは似て非なる赤茶色の、内臓の破片の集合体のよう… 呆けた頭で時の政府への報告文を推敲している… 男は拳で大典太光世に襲いかかった。 長く鋭く尖った人のものならざる爪が大典太光世の頬をかする。 明媚な風貌に一筋、赤く血が流れて、慣性の法則に従って後ろへと滴る。 が、一瞬の躊躇もなく大きく振りかぶり、人間の形をしたものを袈裟斬りにする。 それはよろめいた。 間髪入れず、伏せるような体制になったそれの頸の後ろから刀身を刺し入れる。 ガぁ…と野太い唸り声を張り上げ、陽炎のような身体は崩れていった。 大典太光世は肩で息をしている。 ソハヤノツルキはその後方で、兄弟刀が敵を仕留めたのを確認してから地面へ倒れ込んだ。 2振りとも、ぼたぼたと流血は止まらない… 女は手をのばそうと思うが、体はもうピクリとも動かない。 「…あ…」 大典太光世が引き攣った癇声を上げて女の手を取った。 のだが、その関節はぐにゃりと不自然な方向へ曲がり、驚いて手を離してしまう。 「…へへ、ごめんなさい、動いちゃいましたね、」 女が笑顔を見せた。 せめてもう少し愛らしく笑えれば良かったのに、ついふざけて振る舞ってしまう、これも、性分だ。 「…だめですね、肩と腕…脚も…」 笑顔が苦痛と悲哀に歪む。 「大典太光世。」 名を呼ぶと、女の瞳がすうっと澄んだ。 揺らぎなく、真っ直ぐに見つめる… 「時の政府は座標を特定しているはず…おそらくじきに接触してくるでしょう…政府及び他本丸の審神者の指示に従いなさい、」 大典太光世が長い髪を振り乱して唾を飛ばす。 「…いいかげんにしてくれ!どれだけ…!どれだけ…!あんたは…!」 「怪我を、」 女が顎をしゃくるように上げた。 「きて、」 有無を言わさぬ物言に、大典太光世は途中で黙り、横たわるしかできないその傍らに膝をついた。 左手の平から光がこぼれる。 「触ってて、」 女はまたまぶたを閉じる。 ゴム人形のような力のない手の平に、恐る恐る触れた。 「手入ってわけにはいかないんですけど、」 触れた手から、体内に優しく温かな力が流れ込む。 今にもはみ出ようとしていたはらわたが、本来の位置に押し戻されていき、微かに痛みが和らぐ… 「…こんな!こんなことに…使う力があるなら…!あんたを…!」 「いやいや、人間の体はこれじゃ治らないんですってば。…まだなにか質問があります?」 女がほんのわずかに首をかしげた。 それすら激痛に苛まれるだろうというのに…! 大典太光世の目から、ポロポロと大粒の涙が溢れ出した。 女の声はどんどんと掠れて小さくなっていく。 「…致命傷じゃないですって、」 にへら、と、再び笑った。 瞳が、濁っていく。 「…ほら、いまは、名を、知っている、でしょう…?」 大典太光世がしゃくりあげる。 「…連れてってくださいよ?」 その言葉に、出会った夜の後炎に、焼かれる。 ミドルテンポで打ち込まれるベース音、酒臭い吐息、薄暗い間接照明、ざわめき、興奮と、感動と、不吉な予感と、刹那の、僥倖。 僥倖!! 「…わたしってけっこーしぶといですからね?」 —---------------------- 〜30に続く〜
2026/02/15 18:44:21(B1eNDEX2)
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