黒沢は無言で玲子のアノラックを開いた。
　シャツも開いて、乳房を掴み出した。
　玲子は瞳を閉じた。
　何をされても抵抗はできない。
　男の欲情に身を任せるしかなかった。
　黒沢は、玲子を立たせたまま、長い間、乳房を弄んでいた。
　白い乳房だった。
　重苦しいほど豊かな乳房だった。
　玲子を誘拐したら凌辱する。
　それは決まっていた。
　寒川を誘き出すための囮だ。
　男には性欲処理に女が必要だった。
　それだけのことである。
　弄ぶ価値のある女は弄ぶ。
　玲子の瞳に泪が滲んでいた。
　黒沢はジーパンを下げた。
　想像した以上の肢体だった。
　白い太股だった。
　尻への盛り上がりの曲線が美しかった。
　黒沢は自分も下半身を裸になって、玲子の尻を撫ではじめた。
　ゆっくり、白い尻にまたがった。
　冷たい肉の感触が黒沢の全身に麻痺に似た感覚を生んだ。
　突きたてながら、落ちた自分を黒沢は思っていた。
　しかし、玲子の体がもたらした強烈な快感は、黒沢にすべてを忘れさせた。
　玲子は動かなかった。
　下半身を剥き出したまま、うつ伏せていた。
　背中まで剥き出された白い体が嗚咽に揺れている。
　美しい体だと思った。
　犯したばかりの白い尻の隆起が、いまだ、汚れを知らない清純なものにみえる。
　犯しかけて中途で手を引くと警察に通報される。
　犯してしまえば、人妻は黙る。
　黒沢に犯されているうちに、玲子は反応をみせはじめた。
　早い反応だった。
　そのときに声をたてる女と、声をたてない女がいる。
　玲子は声をたてるほうであった。
　抑えきれない声が唇を衝いて出た。
　二度ほど、玲子は絶頂に登りつめた。
　そして、いまは、嗚咽にむせんでいる。
　黒沢の排出した汚辱を溜めたままだ。
　玲子は若い。
　野性味を帯びた体だ。
　野生はすなおにものごとに反応する。
　
　玲子は両手を後ろで縛られて、歩かされた。
　黒沢に尻にまたがられてしばらくして、玲子は、驚愕した。
　思ってもみない快感がどこからか滲み出ていた。
　快感は抑えようがなかった。
　全身を炎で灼くようなはげしさであった。
　思わず声をたてていた。
　縛られて後背位で犯されてするどい喜びを感じるとわかって、自身の体がおそろしかった。
　汚辱にまみれたのちに殺されるのだ。
　
　玲子は無造作に転がされた。
　家中がジーパンを引き剥がし、シャツを剝がしている。
　自分も裸になって横に屈み、乳房を揉みはじめた。
「どうだ、仇に、やられる気持ちは」
　家中は夢中で片方を揉みながら、片方を舐めている。
　乳房を堪能するまで舐めて、家中は腹にまたがり、唇を重ねてきた。
　玲子の舌をまさぐった。
　両手は前で縛られている。
　掌の間に、家中の怒張したものが押しつけられていた。
　家中が舌を離した。
　またがったまま、玲子を見下ろしている。
　玲子は両の掌に挟んだものを、ゆっくり、擦りはじめた。
　
　監禁されている場所がどこなのか、玲子にはわかたなかった。
　食事をつくることと性交に応じることが、玲子の仕事であった。
　完全な奴隷であった。
　食事をこしらえているときに、背後から犯しはじめる男がいる。
　流しに手を突かせ、尻を突き出させて、はじめるのだった。
　酒を飲みはじめると、四人の中央に転がされて、嬲られる。
　唯々諾々と、命令に従った。
　這えといえば這う。
　性器をみせろといわれれば、拡げてみせる。
　自慰をしろといえば、自慰に耽る。
　そうすることに、自虐の愉しみすら湧いた。
　交替で犯されながら、夢中になっていることがあった。
　自虐の炎が燃え狂い、両手で男たちをしきりにまさぐっているのだった。
　男たちの汚辱にまみれることが生きのびる唯一の道だと思っていた。

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