私は神崎美咲。とある地方の巫女の家系である儀式の準備に向かっている。この地方は私の母、祖母の出身地でもある。
この土地には豊饒の女神がいた。そこに後から人間がやってきて女神は恵みを与える代わりに対価を求めてきた。
その対価とは女神が作り出した異界で美しい巫女を裸で恥ずかしい姿を見せろというものだった。
加えて更なる恵みを欲しくば男と交わる姿も見せろとも要求してきた。
この女神の対価の内容は、内容が内容だけに一部ぼかされて土地の住民に説明されている。
こんな恥ずかしい事をして、神の恵みという得られるものがどれほどのものかと言えば決して無価値ではない。
土地の災害の類も少ないうえに農作物の収穫率も良ければ、作物の窃盗もまったくない。さらに住民は健康のまま、天寿を全うできるのだ。
恥ずかしい儀式は決して無駄でも無意味でもないのだ。だからこそ母も祖母も身体を張ってきた。そして私も。
この儀式は巫女が13歳を迎えてから本格的に始まる。まず禊を一糸まとわず素肌に水をかけるのだ。
少女が思春期を迎える時期に夜に浴びる水を素肌に慣れさせ、女神が土地を模して作った異界にも肌を慣れさせる。