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父の記憶
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
ルール: あなたの中で描いた空想、幻想小説を投稿してください
  
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1:父の記憶
投稿者:
私は西嶋かほ。17歳の女子高生だ。私は今、自分だけの秘密の場所に足を向かわせている。

私は都会の高校に通っているが、秘密の場所は緑が広がる田舎にある。その田舎は母の故郷だ。

そこへ行く理由は私自身にもあるが、母を含めた私の家系そのものにある。

もうひとつ明かすが、私には普通の女子高生の面と、人とも獣とも異なる魔物を倒す者の面がある。

魔物の名は侵入者と侵略者を簡略化して侵者。通称ベーダー。

ある日突然、彼らは私たちが住むこの地球に現れた。といってもこの「ある日」は私が生まれる前の話だ。

私の母は代々巫女の家系で、戦う術を持っていた。ベーダーは時に動物や昆虫を人型にした怪人タイプ、生物そのものの姿をした怪獣タイプ、幻獣や妖怪を思わせる幻獣タイプの姿で現れ、それと戦う人間も当然、生身ではいられない。

私の母は怪人のような戦士の姿、娘である私は鎧と仮面の戦士になることでベーダーと戦っていた。

ベーダーと戦い、倒すことは決して楽でも簡単でもなかった。それでも私達は戦った。何より戦っているのは私達だけではない。

私と母の力が家系に伝わる超常の力によるものならば、それとは逆に科学の力でベーダーを倒した者達もいた。

彼らは政府公認の組織だった。それだけではない。私の他にも仮面と鎧の戦士になれる者はたくさんいた。

ここで話を私自身の話に戻そう。私は肉体と精神を清める禊を行うために田舎の滝壺に向かっていた。
 
2022/06/19 22:54:44(BraY8f1E)
2
投稿者: 蟹
その田舎の滝壺は西嶋家が管理する神社の近くにあり、特殊な結界に覆われていて、私以外のよそ者は決して入れない。

ということになっているが、より厳密にはその場所に縁がある者、あるいは結界を施した者なら入れるらしい。

そんな話を母から聞いたが、私はその話に疑問を抱いていた。結界を施したものは西嶋家の者ではないようなのだ。

私がその滝壺に来たのは14歳の時だ。滝壺には清流が流れていて、私は禊という事もあって素っ裸で滝壺を泳いだ。

水中の透明度はどこまでも高く、水温もちょうどよかった。この水が私の身も心も清めるのだ。

さらにこの滝壺は単に私の肉体を清めるだけではない。私が巫女の戦士になるためのアイテムを清める場所でもあるのだ。

そのアイテムはベルト状のツールの中央にリンゴを模した錠前をセットするというものだ。

ベルト状のアイテムは母から継承されたもので、リンゴの錠前は特殊な方法で生み出されたものだ。

リンゴの錠前はこの滝壺に生い茂る植物の果実が変身したもので、ベルト状のアイテムを持って果実に触れると変化するのだ。

この果実を生す植物もまた結界を施した者がここに植えたものだ。
22/06/19 23:30 (BraY8f1E)
3
投稿者: 蟹
私は夏場になるとリンゴの錠前をこの滝壺に投げ入れ、禊によって巫女の霊力を高め、新しいリンゴの錠前を作ってきた。おかげでベーダーと何十回でも戦ってこれた。

ここで話を改める。私には私ではない者の記憶がある。その者が誰なのか私は知っている。私の母だ。そして、その記憶にいるのは母だけではない。母以外の異性、すなわち男がいるのだ。いや、より正確には男というより、10代後半の男の子だ。

記憶の中の母は若く、男の子の年齢的に高校生だろう。二人とも笑顔だ。二人は仮面と鎧の戦士だった。

少年のほうはみかんの錠前でオレンジの鎧武者のごとき戦士に変身して母と共に戦っていた。

二人はこの滝壺にも来ていた。そして、少年はこの場に結界を施した張本人だった。結界は少年が作った金属でできたような多面体のみかんで発生させられていた。少年はそれを滝壺に投げつけた。

やがて母と少年は、一糸まとわぬ裸となった。母と少年は太陽と青空の下の水中で、岩場で、じゃれ合い、そして愛し合った。

そこから私はすべてを察した。この人が私の父だ。

記憶はそこで終わった。私はいつしか滝壺に向かう理由はもうひとつあることに気づいた。この滝壺こそが私という生命の始まりの場なのだ。

すべての生命は海から始まったという歴史を学校の授業や図書館の図鑑で知ったことがあるが、それは正しいことだろう。

人間が水を美しいと思ったり、雨に濡れた大地の匂いに良いものを感じるのもすべての生命に刻まれた記憶なのだと私は思う。

より厳密には言えば母の記憶がある私は普通の人間ではないだろう。それでも私はこの事実を心の中から嬉しく思う。


22/06/20 00:06 (sfQ2Y4a8)
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