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1:期限付きにょたいかしたボク!
投稿者:
紅い瞳
★第一章 僕と夢と神様と
僕は翼といいます。年齢?...現在、15歳高校一年の男子です。4人家族で中2の生意気な弟がいます。 僕には本当にツライ悩みがあります。よく家族で出かけると、弟と比較されることが多いです。 弟は父親似で、身長も高く、部活でも県で表彰される程、優秀で背が高く女子にもモテているみたいです。容姿的に弟が兄に間違われたりして、僕の立場はありません。 「兄ちゃん!勉強ばかりでなくて、たまには筋トレとかしたら」...なんて生意気なことを言うけど、兄らしくそれに反論する機会も作れません。 学校でも 同級生や同じクラスメート、先輩からボクは【つばさチャン】って呼ばれています。身長は153cmしかなく身長にかなりコンプレックスを感じています。同じクラスの女子からも A女子:「つばさちゃんてさ、ウチらよりセーラー似合うんじゃ?」...気になる女子からそういわれると一段、落ち込むボクなんです。 同じ男子からも体型や女子っぽいことでからかわれることが多く、イジメというほどではないけど、なんか落ち込んでしまうんです。 今日も、いつもと変わらない日でした。ストレスをためたままの下校中…。 「あ~、もうヤダ!」...ついひとりでにグチがでてしまう。 帰り慣れた帰宅路、考え事をしていたため、ちょっと見慣れぬ路地に入り込んでいた。見慣れた道が少し戻れそうな距離で見えたのだった。 (考え事してて、つい道間違えたなぁ!...ぼくってダメなヤツ) そう思ってさらに自己嫌悪になっていた時のこと、つばさの近くに見慣れぬ小さな神社が見えた。 (こんなとこに神社あるんだぁ?!) 境内らしき通路を通って神殿へ。覗き込むと、真ん中にいるはずの神様の石像が倒れている。つばさは神様がふと惨めな自分と重なって見えた。 「かわいそうに!...しっかりしろよ~」、そういいながらつばさは、神様をきちんと中央に祀ったのだった。 ≪神様に向かって≫つばさは心の中で語りかけた。 (感謝の気持ちがあったら、ご利益で、僕の願いを聞いてください!)...と。 その日の夜、つばさは変な夢をみたのでした。 神様: 「君の願いを叶えましょう!...いえいえ私にはわかっています。容姿を変えたいのでしょう?!」 「男らしく、高身長でカッコイイ、スポーツマンの男子になりたいってことでいいですね。その願い叶えますね!」 確かにつばさはいつもそう願ってはいたのですが、神様の言葉をきいたツバサは、すぐには返答しませんでした。 (待てよ?確かに当たっているけど、それはそれで何か物足らないなぁ。。。。そうだ!!) つばさは、今、思いついた願いを神様にお願いしたのだった。 『神様にお願いします!』 「それよりも僕はカワイくて、スタイルがいい女子になりたいです!」 「いつも女子みたいだとバカにされることが多いので、本物のカワイイ女子になって周りの人を驚かせて見返してやりたいんです!!」 一生懸命、神様に願いを訴えたツバサでした。 すると、神様はこう言いました。 「願いは叶えましょう。ただし【やおろずの神々】の取り決めで、一神の独断で自然の摂理を長期で帰ることは禁じられているのです。ですから期限付きで願いを叶えましょう!」と。 微笑みながら、神様はつばさの前からゆっくりと姿を消していったのでした。 ★ 第二章 変身と家族 目覚ましはいつもの時間に鳴り出した。 (あん、もうウザっ!、もう起きる時間?、行きたくないなぁ~!変な夢みて眠りも浅かったんじゃ~!) つばさはゆっくりうつ伏せから仰向けに身を起そうとしたのだった。 「イタっ!」...「イタタ!!」...(えっ??) 手をついた場所につばさの髪の毛らしきものを挟み込んだ痛みを頭皮に感じて、つばさは驚いてしまった。状況をすぐには理解できず困惑するツバサであった。 (えっ、何?何が起こった?) 慌てて、つばさは近くの洗面台の鏡の前に進んでいった。鏡を覗き込むと鏡の向こうで見知らぬ女子がこちらを覗いている。 「お前、誰だ?!」...つばさがそういうと、鏡の向こうの女子も同じような顔つきでこちらをみていた。 (...ぼく?この女子はボク??!) つばさは鏡越しに様々なところに触れた。 (髪、長い。肌、白い。かわいいなぁ…。ボクなのか?!まつげ、長い。カワイイ口。…。) つばさは顔かたちの劇的な変化に心がいまだ追いついていなかった。身体の変化に気付くのは今しばらく先のことである。 「なんで!?」...思わず口に出した言葉だったが、自身の声をきいたつばさは更なる困惑にとらわれるのだった。 まさしくその声は今までの声でなく、カワイイかん高な女子の声そのものだったからだ。 そうこうしている時、ドア越しに母の声がした。 「つばさ、起きてるの?学校遅刻するわよ!起きなさい!!」 それをきいてもとても学校へ行ける状況でもなく、とっさにつばさは仮病を決め込むことにした。 「お母さん、今日は熱っぽいので、学校、休んでいい?」 するとドア越しにつばさの母は、心配したのだった。 「大丈夫?声もなんか変だし、大事とって休みなさい。気分が戻ったら、病院で診てもらいなさい。学校にはお母さんから連絡しとくね」 そう告げると母は部屋から離れていった。 ホッとするツバサであった。...(これからどうすれば?!) 前にもまして自身の身体の変化、違和感に不安になったつばさは再び、鏡の前に立つのだった。 ~続く
2022/06/19 21:07:48(TvPWIMwH)
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紅い瞳
★第三章 身体の変化に戸惑うボク!
つばさは再び鏡の前に立った。着ているものは、就寝前に身に着けた男物のパジャマと下着だった。 自身の身体を確認するだけなのに、つばさは、不安と緊張でいっぱいである。 ゆっくりと、パジャマの上着のボタンを外していく。緊張で指先が震え、スムースに外れなかった。 その間もなんかやけに胸の先が突っ張ったような痛みを持続的に感じているつばさであった。 「イタッ!」...不注意で手のひらの一部が軽く胸に当たった瞬間、今までに感じたことのない痛みがつばさを襲った。 胸の部分が敏感な感覚器みたいになっているようであった。 胸の部分があらわになったとき、つばさの視線はソノ部分に釘付けになっていた。思わず興奮で赤面するつばさ! (どうして、こんなに…) つばさは無言で悲鳴を上げるのだった。 つばさの胸は、謙虚ながらも、【女子】を主張するかのように、小さな隆起が見られ、その先端に男子の時には見られなかった大きさの乳首が存在していた。 つばさの乳首はピンクというより、白っぽい淡い色であった。 男子だった時と比べ、バスト全体が感覚器のように感じるつばさであった。 ...ゆっくりと下半身へ視線を移していく。以前のように興奮に伴う勃起感はなかった。 パジャマのズボンとトランクスを同時に下げてみた。 (無い、...やっぱり無い!!) その光景をみて、つばさは自身が【女子】になってしまったことを実感した瞬間だった。 でも、そこは元【男子】。自身の女性器であっても(よく見てみたい!)と思ったつばさ。 でも鏡の前に立っても、恥毛でよく確認できない。 (オトコの時は、黙っていてもよくみえていたのになぁ~!?) 女子に【なりたて】のつばさには女性の性器の構造についての知識は皆無に近いものだったからだ。 当の一般女性は、陰部において個体差があり、位置もアナルを基準にして、前後に個性的な存在として認識されているから【元男子】のつばさにとって確認するだけでもハードル高だった。 それでも、感覚的に陰部の位置だけは把握できた。 (チンポのあったところとは全然違うトコみたいだ)...そっと指で触れてみる。 (なんか、入り口にプヨっっとしたトコがあるんだよなぁ~…んで) 股の内側がなんかヌメっていたので、指がス~っと変な部分に入り込んだ。 「ヒァ~~」。思わず身体全体に電流が走った。それは15年間生きてきたつばさが経験したことのない間隔であった。 それ以上はさすがに不安でできなくなったつばさであった。 一応、身なりを整えたつばさは、興奮も落ち着いたとき (さぁ、これからどうすればいいんだ?) 意外にも、冷静さを取り戻せたつばさは、頭を抱え、今後の身の振り方を模索するのだった。 ~つづく
22/06/20 20:32
(4jqVyGQt)
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紅い瞳
★ 第四章 尿意とカミングアウト
つばさは部屋で、今後のことをいろいろ考えていた。いち男子高校生の思考でこの大きな問題に取り組むのは限界があった。 でも、【彼女】は、自分なりにどうすべきかを模索していた。 考え込んでいくうち、時間だけは刻々と過ぎていった。 いつの間にか時計の針は午前11時を指していた。 (あっ!ああ…) つばさは、急に尿意を覚えて、戸惑った。...だがさすがに本能には逆らえない。つばさは一階にあるトイレに向かった。 さすがに常識で女子が、座って用を足すことは、わかっていたので、便座にすぐさま腰かけると、それと同時に尿が勢いよく排出された。 尿意を感じてから、用を足すまで、かなり切迫していた。考え事に夢中で尿意を感じていなかったからかもしれなかったが、 女子が尿意を感じたら、なるべく早くトイレに向かうべきことを、この時つばさは痛感したのだった。...それにギリギリ我慢をしていたら、オシッコがかなり周囲に 散らばることも分かった。用を足すときは衣服の汚れも考慮しなければならないことも学習するツバサだった。 つばさは今、とりあえずなさねばならないことが一つあり、それを理解していた。 自分では結局、一人でこの【大問題】を解決することはできないということ。やっぱり家族に打ち明けて、相談することしか解決の道は無いという結論に至った。 母の正美は41歳、今近くのスーパーにパートで出かけている。 (お母さん、もう少しで帰ってくるよね?!、早く帰ってきてほしいな) 午後16時過ぎ、母、正美が帰宅。 「ただいまぁ~!」 少し疲れた感じで母の声。 しばらくして、一階のリビングから、つばさの部屋に向かった正美であった。 部屋のドア越しに 母、正美: 「つばさ!具合はどう?病院は行ったの?」...(どうしたのかしら、普段は少々具合が悪くても、まじめに学校へは行っていたのに…。) 少しの間があり、部屋の中からつばさの声。 つばさ: 「ちょっと、大事な話があるから、部屋に入ってくれる?!」 正美はドア越しに聴く声がやはりいつもと違う感じに不安を感じつつ、ドアのノブを回した。カギはかかっていない。 つばさの姿を見た正美は、思わず尋ねた。 「貴女は、誰?...つばさの部屋で何してるの?...つばさはどこ??」 目の前の少女は、困惑する正美に向かって、懸命な表情を浮かべながら声を掛けた。 「お母さん、ボクだよ。僕はつばさだよ!」...っと。 ~つづく
22/06/21 08:25
(IvlB8Y1b)
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紅い瞳
★ 真偽と家族と
さすがに母正美は、そんなことはありえないと思えた。この少女はどんな意図で、自分を【息子】だと嘘をついているのか?! 理解に苦しむ正美。常識でそんなことはこの世にありえないことだと誰もが思い考えつく結論に至るのは必然なことであろう。 とにかく、少女の【嘘】を暴き、息子の行方と少女の目的を知らなければならないと考えた正美であった。 母、正美「あなたが本当につばさだというなら、何か証拠あるの?」...オーソドックスな質問ではあったが、返答によっては虚偽はすぐ判明するだろうと考えたからだ。 しばらく考えたつばさ、なかなか返答がでてこない...(ほら、ヤッパリ!!) 母、正美「つばさは、昔から嘘はつかないいい子なのよ!」...とっさに母の本音から出た言葉だった。 それをきいてつばさは、思いついたことがあった。 息子、つばさ:「お母さん!んじゃお母さんとボクしか知らない思い出を確認してみてはどうかな?ダメ?!」 とっさの思いつきだった。 (無駄なこと!)そう思いながらも、これで【彼女】の嘘に終止符を打てるのならばと、その提案に乗ることにした正美。 「それじゃ...。」と 正美は息子とのエピソードで印象深いモノをランダムにあげていく。そしてその返答をきくうちに、ことの真実を知ることとなった。母の顔から次第に血の気が失せていく。 息子からの【またぎぎ】だと仮定しても、ここまで正確に覚えられないし、答えられないと。質問に対し即答に近く、しかも自分の記憶違いに対して指摘までされて、それが正しいと思われるフシもあったのだ。 ひととおり、質問を終えた正美は、改めて自分を落ち着かせる努力を要した。...(つばさ!あなたはつばさ?!…どうしてこんな) 思わずつばさを抱きしめる正美。思わず「ごめんね!!」の言葉。なぜだか自然に涙がこぼれる。 正美:「なぜ、どうしてこんなことに?」 つばさ:「わからないよ、ボク!」 実は母が帰宅する前にいろいろ考えたなかで、この一連の原因は昨日の神社での祈願が災いしていることに気付いたつばさだったのだが、あまりに非常識な結論に至ったのだから、さすがにそれが原因ですって何も科学的な根拠もないまま主張するのはマズイし、主張したとしても信じてもらえないと思えたからだ。 母と息子は、やっぱり先々のことを不安に思い、家族がそろったうえで話し合い、今後の身の振り方を考えましょうということになった。 その日の夜、家族四人は、このにわかには受け入れがたい【大きな問題】について話し合った。さすがに両親はつばさの将来、健康について深刻に考えた。つばさの弟の翔(しょう)は 実の兄の変貌に、ただただ戸惑うばかりで意見が出なかった。ただ両親から気持ちを問われたときだけ返答があっただけだった。 弟、翔: 「あまり人には知られたくないよ~イジメとか冷やかしとかさ。俺の生活乱されなかったら、俺は別に…」 そういい放った。 父と母はとにかくつばさの身体と精神のバランスが大事で、健康面を優先すべきだという結論に至ったのだった。しばらく学校を休ませ、しかるべき医療機関を受診して、原因追求と治療方法を模索するべきだと思い立つ。それから法律にのっとって、戸籍、学校、身分人権の擁護を考えるべきだと思い立つ両親であった。 この日、家族のそれぞれが長い夜を過ごしたのでした。 ~身元の確保の編へとつづく
22/06/21 10:49
(VmTQw613)
投稿者:
紅い瞳
★ 第六章 身元の確保と身元の保障
家族会議翌日、つばさは両親に伴われ、かかりつけの総合病院へ。そこでは全く信用してはもらえず、精神科まで紹介される始末。 当然のこと両親は憤慨するも、致し方ないと別の方法を模索する。現在のつばさが【つばさ本人】だという医学的な照明が必要なのだ。3人はいろいろ考え、 本人確認にDNA鑑定、血液検査、レントゲン、歯科での治療履歴を思いつく。 まず解決の糸口として、つばさのかかりつけの歯科に行くことになったのだが、これが本当に功を奏した。 確かに顔の骨格はかなり変わっていたのだが、治療履歴から、治療すみとなった一部の歯が間違いなくつばさ本人のモノだという歯科の先生の了承をもらえたからだ。 歯科の先生もかなり驚いていたのだが、つばさの両親の心配ももっともだと、今までのデーターと治療ファイルを添えた紹介状を東京の権威のある著名な先生宛に書いてくださり、 そこの大病院で相談や検査をなさってみてはということになった。 日を改め、東京の先生から指定された日に、東京のとある病院へ家族は赴いた。問診から始まり、内科、形成外科…と一日かけて検査を受けた。さすがに検査が終わるころには 三人ともヘトヘトに疲れていた。つばさは特に内科受診と婦人科での検査がとてもショックなものであった。 女子にとって生殖器をいじられる羞恥心は、格別のモノだったからだ。 結果に数週間は必要だといわれて、とりあえず地元へ帰った。 そして待ちに待った連絡があり、東京の病院へ。 病院につき、なぜか応接間へ三人は通された。著名な先生が中央に鎮座し、看護師長がいて、他に数名いたのにはびっくり。 興奮気味の著名医院長は、周りにいる方たちを紹介し始めた。厚生省、文部科学省、他から数名、自治体法律家関係から数名。 そして結論が3人に告げられた。 医院長: 「お待たせしました。...何と言っていいか...自分も正直、この結果に驚きすぎて!」 「とにもかくにも、あなた方のご子息が、原因はこれから調べますが、ええ、性転換しているという結論に至りました。」 医院長は少し声を詰まらせ、額に汗を浮かべながらそういったのです。 「ですが私も初めての病症、案件なので、ご子息の安全や健康、メンタル面も考慮したうえで、行政の方々にもお力添えをとこうしてご連絡してきていただいています。」 3人はとりあえず結果をきき、自分たちがやっとスタートに立ったような気持ちになった。 ~第七章へつづく
22/06/22 16:32
(N3CS/mmf)
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