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1:濡音
投稿者:
K
あれは忘れもしない五月初旬のこと。その日は春の日差しが心地よく伸びたとても穏やかな日だった。庭の葉っぱ達は我よ我よとその日射しを浴びるように自らの主張を拡げ、それを嘲笑うかのように軒先の風鈴がチリンチリンと音を立てる。そんな平凡が幸せだと、私は一人庭の草むしりを終え土臭い匂いに包まれながら一人春の風を感じていた。
庭の向こうでは向かいの田中さん家の子供、優一が元気に遊んでいる。その声の横には我が子を愛でる母、宏海の声が聞こえている。旦那の転勤で越してきて、まだ首が座ったばかりの子を抱きながら挨拶にきたのが1ヶ月前。ここは田舎ということもあり、都会から来た田中ご夫妻には住み慣れるには時間がかかる場所。それを知ってか、今の若い人には珍しくご近所への挨拶はしっかりと済ませていたようだ。私は独り身のため家を空けている時間もあり、最後の挨拶回りということで訪ねてきた。宏海は決して美人とは言えないが、優しい母の顔をしている。そして少しふくよか。女性らしさが滲み出ている女。それが私の第一印象だった。 「東京から越してきた田中と申します。ご挨拶が遅れて申し訳ありません。主人は今日仕事の為私だけですが挨拶にと思いまして…」 「わざわざ、ありがとうございます。東京からまたこんなど田舎にきて大変ですね~。何かお役に立てることがあれば頼ってくださいね。お隣同士こちらもよろしくお願いします」 軽く玄関先で挨拶を交わし、ご主人の急な転勤や抱きかかえていた優一のことなどたわいもない話をしていた。そんな時、宏海に抱き抱えられた優一は昼寝からちょうど目が覚め、見たこともない景色に顔を歪ませる。 「あぁあぁ、起きたの優ちゃん」と話しかける宏海の声も押し除けるように泣き声をあげる。「すいません、そろそろ戻りますね」「大丈夫ですよ。では、またなにかありましたら」 その時である。故意ではなく母のおっぱいを求める優一が宏海の胸元に手を突っ込み、胸元が大きく引っ張られた。子供を抱いていてわからなかったが、宏海はとても豊満なバストをしていた。そしてそのバストが半分ほど露わになっていた。私に見られているのは気にせずそのまま玄関を後にしたが、取り残された私はしっかり勃起をし早まる鼓動を感じていた。 故意ではなく不意というのはどんな場面でも本能に働きかけるものである。そんなことを考えながら、私はいつからか隣の家の奥さんという目線ではなく一人の女として宏海をみるようになった。 私の庭の石垣にはところどころ小さい隙間がある。時代の変化もありここら辺一帯も空き家が増えている。田中夫妻が住む家もそんな空き家なのだが、ちょうどその隙間からは寝室であろう部屋の窓が見えていた。もちろんカーテンで閉められているがこの季節ということもあり、時間帯では部屋の中が見えている。見えるといっても、塀の位置からしたら範囲は限られている。反対側からしたらさほど気にならないだろう位置。私は宏海が挨拶に来た日からたまにこの隙間から覗くという行為をしだした。覗き…とても悪いことをしているのはわかっていたが、一度雄の血が騒いでしまうと我を忘れてしまう。人の欲とは困ったものだ。 しかし、それを裏切るようにカーテンは閉められている。それもそのはず、私が覗く時間帯なんてのは専ら夜や朝早く。空いてるはずもないのだ。そこで私は昼間の時間に合わせ、昼食を家で取ることにした。日頃、挨拶や町内会の案内など親切な隣人として宏海や夫の晴人から色々頼られることはある。そんな信頼関係が生まれながらも、その隣人が覗きをしている変態だと知れたらそれこそ私がここに住めなくなってしまう…そのリスクはわかりながらも数日。 昼飯をサッと済ませては庭先に出て今か今かとチャンスを伺っていた。それが実ったのは3週間後。4月の暖かさが増してきた頃…いつも通り昼飯を済ませ期待もなく庭先に出た。その時いつも聞こえてはこない優一の泣く声がきこえていたのは今も鮮明である。「オギヤァァ…オギャァ」母親を求め泣く赤子の声も私の鼓動には刺激となり鼻息を押し殺すのに必死だった。 物音を立てないようにゆっくりと…優一の声はその頃には鳴り止んでいた。喉がカラカラになりながらも、ゆっくりと塀の隙間に近づく。いつも期待している時はそんな慎重になんてしていないが、期待が外れている時というのは自分でも驚くほど慎重な時が流れる。 「おいちいでちゅか?ママのおっぱい…いいこだね~優ちゃん」 いつも閉ざされた壁が開き、そこにいたのは授乳している宏海の姿だった。あの日から3週間。あの時私の前で露わになった胸が今は丸見えになっている。私は気がついたら肉棒を握っていた… 「こっちも吸って?優ちゃん…」 宏海のそんな声が聞こえてふと目線を上に上げる。先ほどとは違い乳房をほうばる優一を見る目は母親ではないことに私は気付いた。(どういうことだ…?何かおかしいな…)その違和感と共に現実に戻されながらも耳を済ませてみた。 「…はぁ…ん……はぁ…もっと優ちゃん…」私は目を…耳を…疑った。我が子に乳房を吸われながら宏海は感じていたのである。そんなはずがないと思いながらも、聞こえてくるのは「…ママ気持ちいいよ…はぁ…あぁ…」そして機械音である。 そう。信頼関係を築きながら親切な隣人の隣には、我が子に授乳しながら自慰行為をしている特殊性癖の女が妻として…母として…そして牝として住んでいたのである。私はあまりの衝撃に思考が停止していたが、肉棒からは自分の意思とは違い、脈打ちながらの射精をしていた。ものの5分。そんな授乳を終えながら宏海は果てていた。そろそろ昼飯の時間が終わるので会社にもどらなければならない。車を走らせながら、仕事をしながら、家にいながら…私の頭の中は昼間の宏海が埋め尽くしていた。なんだか見てはいけないものを見てしまった気もして、覗きの悪さと申し訳なさに心は落ち着かなかった。それから1週間が経ち今日を迎えていたが、今日は会社の有給をつかい庭の手入れをしていたのである。 そんな時に壁の向こうから聞こえて来る優一の声、宏海の声…私はなぜか胸騒ぎがしていた。あれから1週間少しずつ落ち着きを取り戻していたのに、この状況はあの日に似ていた。(きっとこのあと授乳をする…)そんな意味のない自信は現実となっていた。 窓は開き、私の目の前にはあの光景。お腹が空いた赤子を見つめながら服を脱ぎ牝の顔になりだす宏海がいた。牝の顔とは動物的刺激として雄の本能に働きかける。それをヒシヒシと感じながらも息を潜め覗いていた。先程まであった晴れ間はなくなり雲が出だしている。優一に授乳を始めたと同時に私の顔に「ポツ…ポツ…」私の興奮を沈めるかのように五月の雨が顔を濡らす。そんな外の様子は気にもせず、覗かれた世界には声をあげながら授乳している宏海の姿… 「あぁっ…ママのおっぱい…もっと飲んでね?優ちゃん…はぁっ!はぁ…たくさん吸って…」雨音をもかき消すかのように私の耳には宏海の声が入ってくる。泣き止むと同時に自らの腹を満たした優一を置き、宏海は優一の前自慰をみせている。普段の宏海からは誰も想像できない姿…自分の乳を舐めながら母乳を垂らしながら声を上げている。 「あぁ…ママ変態でごめんね…いけないママでごめんね…気持ちぃぃの…いっちゃうの…」その声と同時に私はおさまらない射精を何度もしていた。 壁一つでの変態と変態の世界。知る由もしない隣人同士の秘密。そんなどうしようもない居心地に私と宏海は濡れていた。五月の始まりを感じながら…
2020/02/29 00:33:56(bACy5urh)
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