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真っ白い一通の手紙が届いた。差出人は不明。宛名だけ書かれたこの手紙はもしや危険なものかもと思った。けれどご主人様宛の手紙を勝手に捨てる訳にも行かず、広すぎるお屋敷の最上階まで足を運ぶ。一呼吸おいてからご主人様のお部屋の扉をノックした。
「鈴です、蓮様。お手紙がとどいているのですが…」 「入っていいよ」 扉の向こうから穏やかなテノールが聞こえ、失礼が微塵もないよう丁寧にドアノブを回した。 執務机でお仕事をされていたご主人様が私に向かってにこりと微笑む。それだけで頬が紅潮してしまいそうで、喉を馴して自分を制した。 「お仕事中失礼致しました。こちらですが、差出人が…」 「…ああ、うん。大丈夫だよ。このシーリングスタンプを使う差出人はひとりしか心当たりがないから。それより鈴、もう少しこっちへ」 穏やかに笑うご主人様。まだお若くいらっしゃって、この端整なお顔立ち、柔らかい物腰と穏やかな性格、それに加えて恐ろしいほど高い地位と権力をお持ちでいらっしゃる。広すぎるお屋敷にメイドは私の他に何十人といるが、蓮様専属のメイドは私ただ1人だけ。身の回りお世話から執務室やプライベートルームのお掃除、それに蓮様直属の執事に頼まれてお仕事の手配のお手伝いを行っている。それから… 「んっ…ちゅ、あっふ…」 「もっと舌を出して」 「ふ、んんっ…」 このようなお相手まで。 最初はただのお戯れかと思っていた。それが私の思い込みだったと知ったのはもう随分前のこと。心底愛してるよと囁いてくれたあの満月の夜、私は嬉しさのあまり泣きながら蓮様と愛を交わした。このお屋敷に勤めてすぐの頃から蓮様のことが好きだった。 「あっ…んむ…れん、さま、お仕事が…」 「丁度休憩しようと思っていたところなんだ。それとも鈴は僕に休憩するなと?」 「ち、違いますっんんっ…決してそのようなっ!あっいけません…!」 フリフリで真っ白のエプロンの下。ロングドレスのメイド服は、実は私のものだけセパレートになっている。エプロンを外されると前開きのボタンを外され、肌に蓮様の柔らかい舌が這う。 「ふふ…この下着、僕が贈ったものだね?着けてくれて嬉しいよ」 「ん、はいっ…蓮様から頂いた大切なものです…」 「よく似合ってるよ」 皮で出来たブラは拘束具のように乳房を縊り出し、1番高い部分は丸い金属が付いていて乳首を締め上げる造りになっている。 ひょこりと顔を出す乳首を蓮様の舌が弾いた。 「とってもいやらしくて鈴にぴったりだ。服を着ていても乳首が擦れて気持ちいいだろ?」 「んっんっ…あぁっ…はいっ蓮様…」 「かわいいね。もうとろとろになっちゃった?」 穏やかなテノールで辱める言葉を放つ形のいい唇が三日月に形を変えた。 「下も見せて」 「はい…」 自らスカートを捲り上げる。満足そうに蓮様が頷いた。 「それもよく似合ってる。鈴の真っ白い肌には黒がよく似合うね。実はピンクもあったんだけど…やっぱり黒にして良かったよ」 「光栄で、ございます…」 蓮様の美しい目が私のはしたないそこに釘付けになっている。それだけで蓮様から頂いた大切な下着を汚した。 ブラと同じ素材のショーツ。1センチに満たない幅のそれは腰部分に1本、足の間に1本だけ。ただしショーツも丸い金属が付いていてクリトリスがそこに嵌るようになっていた。このショーツはサイズがとても小さくて、歩く度に足の間が擦れてしまう。吸水性皆無の皮地は恥ずかしい蜜を全く隠してくれなかった。下着を穿いているにも関わらず、クリトリスだけは常に風に晒されていて、図らずとも丸い金属から顔を出してしまう。メイドのお仕事は常に体を動かしているために、時折スカートが顔を出したクリトリスを掠めた。 「もっとよく見せて…あぁ、鈴。こんなに濡らしながら仕事を?」 「はいっ…はしたなくて、恥ずかしいです…蓮様、申し訳ございません…」 「ふふ…いいよ。何も怒ってる訳じゃない。でもひとつ、いいかな」 「ん、何なりと…」 悪戯な蓮様の指が顔を出したクリトリスをつつく。それだけで震えるほどそこが悦んだ。 「こんなに気持ちよくなっちゃって、一体誰のことを考えていたの?」 そんなのは勿論。 「私はっ…あんっ蓮様のことしか考えておりませんっあっ…」 「ふふ…かわいいね。これを外して僕のを慰めてくれる?」 「勿論です蓮様…鈴は幸せです…」 「嬉しいよ鈴。さあ、こっちへおいで。僕に跨って、娼婦のように腰を振ってごらん。そう、いい子だ…」 「ああっ蓮様っ!」 急いで下着を脱いで、言われた通りに蓮様に跨る。ビンビンに立ち上がった蓮様のものを深く深く咥えこんで、蓮様にご満足頂けるよう一生懸命腰を振った。 時折思い出したかのように顔を出したままの乳首を突かれ、舐められ、動きを止めると同じように顔を出したクリトリスを爪で弾かれた。ご主人様よりも先に気持ちよくなってしまうなどメイドとしてあるまじき事態だと分かっているが、腰を落とす度に頭の天辺に雷でも落ちたかと錯覚するほどの快楽が体を走り抜ける。止まる度に爪で弾かれ、乳首を舐められて腰を捩り、腰を動かすとご主人様の硬くて熱いものが一番奥をノックする。どうしても動きを止めてしまい、執務机に俯せになって後ろから獣のように犯されるのが常だ。 お腹の奥にご主人様の濃厚で熱い精液を頂いて、お掃除のため跪いた。 「お手間を取らせてしまい、申し訳ございません」 「そんなの気にするなといつも言ってるだろ。今日の鈴もとってもかわいかったよ。今日は2回しかイかせてあげられなかったね」 「光栄にございます…蓮様、失礼いたします…」 「ん、ああ…鈴の口、とっても気持ちいいよ…」 べっとりと付着したどちらのものか分からない液体を救い上げる様に舌を伸ばす。 頭を撫でられてとても嬉しい。しなしなと元気がなくなっていくご主人様のかわいらしいそれをぱくりと咥え込み、カリの括れから竿を丹念に舐め上げた。 頭上からは紙を切る音。上目で目すると、蓮様はさきほどの白い封筒を開けているところだった。 真っ白い便せんと、カードのようなもの。一通り目を通したらしい蓮様は口角をあげた。 「鈴、来週の日曜日出掛けるからね。一緒に来て」 「ふあ、い」 蓮様のものに舌を這わせながら返事をする。 少し違和感を感じた。 いつもはどこにどのような要件でと詳しく教えてくださるのに、蓮様はそれだけ仰ってから掃除はもういいよありがとうと頭を撫でてくださった。 約束の日曜日。特に懲罰を頂くようなことをした覚えはないのだけど、朝から痛みを感じるほどきつい股縄を頂いて、日中のお仕事をこなす。夕方には歩けば水たまりが出来てしまうほど愛液が滴って、蓮様に股縄を外していただいた。 「よく頑張ったね。偉かったよ」 「はい…あの、蓮様ぁ…」 「うん。わかってるけど、もう出掛けなきゃ」 いつもは頑張ったご褒美と称してあつい肉棒を深くまで突き刺して頂けるのに。オープンクロッチ、などと呼べないほど一番恥ずかしい所が大きく開けた下着を穿くよう指示され、疼くそこに耐えながら車に乗り込んだ。常に縄の刺激を受け、けれど決定打には常に欠けていて。大きく開けた下着は何の刺激も感じなくて物足りなくて、欲しい欲しいと蜜を垂らして訴えている。車の僅かな振動さえも快楽に変えようともじもじと膝を擦り合わせた。 「ふふっ。かわいそうに。股縄だけじゃイけないもんね?」 「はいっ…蓮様、鈴はもう限界です…」 スカートをぎゅっと掴んで涙目で訴えるも、蓮様はただ穏やかな笑みを浮かべてらっしゃるだけで。 「もう少しの辛抱だよ。これから鈴に気絶も許さないほど深い快楽を与えてあげるからね」 「…え、それは、どういう…?」 「着いてからのお楽しみだよ」 それまでこれで我慢してねと柔らかい唇が重なった。 蓮様のキス大好き。舌を絡めて唾液を頂き、吸われて噛まれて啜られて。 それは目的地に着くまで続いた。 おとぎ話に出てきそうな洋館に車を滑らせ、ドアボーイが恭しく頭を垂れた。 車から降りるだけの動作でさえ優雅な蓮様に続き、私も降りる。ドアボーイの視線が刺さるようだった。なにかいけないことをしたのだろうか。 車はそのまま来た道を返す。運転手は何故か申し訳なさそうに私に一礼した。 「ああこれは!蓮様ではございませんか!どうぞようこそいらっしゃいましたこちらへ!!さあさあこちらへどうぞ!!」 ピエロが踊りながら蓮様の手を取って洋館の中へと半ば引きずるようにエスコートした。私も慌てて着いていくと、扉の前でふと立ち止まった蓮様に肩を抱かれた。 「いいかい鈴。これからここで起こること、見るもの聞くもの全て他言無用だ。いいね?絶対に守るんだよ」 「…?はい、蓮様」 「それから僕の傍を絶対に離れないように」 「かしこまりました。鈴は常に蓮様のお傍におります」 「そうじゃない。1センチだって離れてはいけないよ。分かったね?」 「はい。承知致しました。」 これから何が起こるのか全く分からなかったけど、蓮様のお言葉は絶対。横で会話を聞いていたピエロが不気味に笑っていた。 凶暴なトラでも入っているのかと身構えてしまうほどの頑丈なカギを外し、重たく軋む扉が開かれた。 中は薄暗くて見えない。 「行こう」 「はい」 腰に回された蓮様の暖かくて大きな手。まるで私のほうがエスコートされているようでちょっと恥ずかしかった。背中でピエロがどうぞ最後までお楽しみくださいと歌っていた。 大袈裟な音を立てて扉が開かれ、すぐさま鍵を閉められる音。耳を劈くその音にびくりと肩を震わせると、蓮様は笑って抱く腕の力を強めてくれた。こういう優しさにまた胸が高鳴る。 扉がしまったことで何とも言い難い、むっとする匂いと空気が体に纏わりついた。洋館に響き渡るほど低いうめき声があちこちから聞こえる。本当に猛獣でもいるのかしら…。恐怖を覚えて蓮様の腕にしがみ付くという情けない次第だ。 段々と目が慣れてきて辺りを見渡し、思わず息をつめた。 四つ足の椅子に逆さまに寝かせられ、全裸のまま四肢を拘束された女性たちが向こう側の扉まで等間隔に並んでいる。天井に向かって大きく足を開かされ、その足の間には色とりどりの花が生けられていた。猛獣のような低いうめき声は、轡を噛まされたこの女性たちが発していた。 「れ、蓮さまっ…」 「ふふ…鈴は初めて見るね。大丈夫。ここはそういう場所なんだ」 いつもと変わらない穏やかな笑みで私のおでこにキスを落としてくださったが、この異様な光景に心臓が破裂しそうだ。蝋燭の灯がゆらゆら揺れている。その燭台をよく見るとそれは、天井から逆さ吊りにされた女性の性器に火が点いた蝋燭が差し込まれていた。 ひ、と声を出したが、蓮様は毅然とした態度を崩さなかった。 その異様な空間を引き裂く様に奥の扉が勢いよく開かれた。 「ようこそおいでくださいました!」 「伯爵、お手紙ありがとう」 「いいえいいえ!!ご無沙汰致しておりますね!」 大分ふくよかな男性がシルクハットを上げて見せた。大きな声と豪快な笑い声がこの空間にとても不釣り合いだった。伯爵と呼ばれた男性は、縄のようなものを持ち上げて蓮様に見せる。 「蓮さま、早速ではございますがペットを連れて歩いてはいかがでしょうか!」 ぐっと無遠慮に縄を引く。背後からううぅ…と呻きながら、やはり全裸で後ろ手に拘束された複数の女性。煌びやかなピアスが両の乳首からぶら下がっており、ピアス同士は細い鎖できつく繋がれていた。それぞれの乳首ピアスからはもうひとつ鎖が伸びていて、視線を下に落としてみるとそれはどうやら足の間へと繋がっているようだった。三角形を作った鎖はそれぞれ紐が結ばれ、その先は男性の縄に繋がっていた。 「乳首ピアスは交換可能、クリピアスは種類を増やしまして今や数百種類!このように縄を引けばかわいいペットがお供いたしますよ!」 ぐっと引っ張る度に敏感な突起を繋がれた女性たちは呻いた。とても大きなギャグボールはとても苦しいのだろう、胸に涎を垂らす人も少なくない。 「いいや、結構。ありがとう伯爵」 「そうですか…ところでそのメイドは?服を着た奴隷など聞いたことがありませんな」 ぐ、と蓮様を纏う空気が冷えた。 「生憎だけど伯爵。彼女はペットでも奴隷でもない。僕の大切な人だよ」 「なんと!」 どきりとした。こっそり斜め下からお顔を伺ってみる。温厚を絵に描いたような蓮様は眉間に皺をよせ、眼光を鋭くしていた。 そんなお顔も素敵… 私はどこまで蓮様を愛しているのかと心内で苦笑いした。 「そ、それは失礼を…」 いきなり汗びっしょりになった男性は不自然に笑って見せる。 「もしもお気持ちが変わってペットが欲しくなればいつでもどうぞ!遊園地で風船を買う気持ちのように軽くお考え下さいませ!いらなくなったら戻せばいいだけの話でございます!蓮様はお久しぶりでいらっしゃいますから、軽く館内のご説明を今一度」 「うん。頼むよ」 「かしこまりました!館内の奴隷はどれだけ鞭で打っても辱めても構いません。もしお気に入りを頂きましたらばその場でお買い上げも結構でございます!ここにいる“花瓶”も“燭台”も販売致しております故、ご検討いただけますと幸いです!ああそうだ。花は館内でお買い求め頂けますので、どうぞあの“花瓶”に挿してやってくださいませ!穴はどちらでも結構でございますよ!もし花を挿しすぎて裂けてしまったとしても結構でございます。それは“花瓶”が悪うございますので!それからお手洗いは向かって右、精液用御手洗いは左でございますのでどうぞご自由にお使いくださいませ!」 精液…なんて? 聞き覚えのない単語に思わず左を向いた。全裸のまま鎖に繋がれ、檻に入れられている少女たち。ただし手足は檻から出ていて、割れ目が完全にむき出しになっていた。手摺に鎖で繋がれているだけの女性も数名。どの少女ももれなく虚ろな目をして体中白い液体に塗れていた。 「おや、そちらのお嬢さんは初めてご覧になりますか?どうです?繋がれて、たくさんの精子を飲んでみたくはないですか?ああ、飲むと言っても必ずしも口だけではありませんよ。女のアナはいくつかありますからね…」 嫌な笑みを浮かべ、私のほうへにじり寄ってくる。 いや…声に出す前に蓮様が私を後ろに隠した。 「伯爵…僕の話を聞いていなかったのか?」 地の底を這うような声。 男性は慌てて首を振り、汗を滴らせてどもりながら次の扉を開けた。 「まさかまさか!蓮様にご冗談など失礼でしたね…さあさ奥へどうぞ!」 「行くよ鈴」 「はい」 更に薄暗い空間へ二人で入った。 ばたんと閉められた後、複数の女性の悲鳴を背後で聞いた。 何とも言えない匂いはこの部屋からしているようだった。あちこちから艶めかしい声、悲鳴、うめき声、鞭の音、笑い声…しがみ付く手に力が入る。 さっきよりも薄暗く、灯を辿ればやはり吊られて足の間に蝋燭を刺された女性。 「僕から離れるんじゃないよ」 「はい…蓮様…」 一歩足を踏み出すと、誰かにぶつかる…というか、柔らかいものを踏んだ感触。 慌てて足を上げるとそこには全裸で四つ這いになり、首輪を付けた女性が泣きながら呻いていた。 「これは失礼、お嬢さん。おい、さっさと歩け!」 「んんんん!!」 轡を噛まされた四つ這いの女性は背中に鞭を受け、ゆるゆると手足を動かした。手と足にそれぞれ枷をつけられ、金属音を響かせている。 「鈴」 「はいっ!」 ぐっと腰を引き寄せられて、蓮様の体温を右半身で感じる。 「怖がらなくていい。あれはペットだよ。まだあまり調教が進んでないみたいだけどね…ああほらあれを見てごらん。しっかり調教されたペットはああいうふうになる」 蓮様が指さす方向を目す。可愛らしい女性が四つ這いになっていた。関節を拘束されて、肘と膝で這っている。猫のような尻尾がお尻から垂れていた。よく見るとその下にも大きなおもちゃを咥え込んでいるようだ。 下を向くせいで垂れた胸にはじゃらじゃらとたくさんの装飾品を下げ、リードを持った男性とは別の人に自らお尻を向けた。お尻を向けられた男性は笑って鞭を手に取り、その“ペット”のお尻に容赦なく鞭を入れる。 叩かれるたび光悦とした顔と艶めかしい声を発し、悦んでいるようにも見えた。 蓮様にしがみ付いてよくよくホールを見渡してみる。 ここに来るひとつ前の扉で出会った“お散歩ペット”を連れた方がちらほら。ただ縄を引いて歩かせたり、悪戯に引っ張り上げ、反応を楽しむ方々。 完全に目が慣れてきて、ホール全体を見渡せるようになると、心臓が凍り付いた。 広いホールには一畳ほどのステージがいくつも設けられ、そのステージには女性が必ず最低ひとり立たされていた。 二本の柱の間に縄を渡し、跨がされている女性。滑車を通った縄の先には銀色のバケツが括りつけられていた。大きな鞭を持った燕尾服の男性がそのバケツの中に次々と大きな石を詰め込んだ。石の重みの分、縄が悲鳴を上げて女性の割れ目を締め上げ、それを見ていたギャラリーたちは拍手や歓声を送る。 柱に向かい合う形で立たされた2人の女性のクリトリスには糸が結ばれていた。それはやはり柱の天辺の滑車を通っている。女性の後ろにそれぞれバラ鞭を持った燕尾服の男性。交互に背中やお尻を叩き上げ、どちらか一方でも動けばお互いの結ばれたクリトリスが引かれる。泣き叫ぶ女性たちにギャラリーが投げつけるコインの雨が降っていた。 隣のステージでは同じ体制で伸び切った乳首を結ばれていた。 三角木馬に乗せられてギャラリーらしき人から鞭を受ける少女。逆さ吊りにされて体のあちこちにマッサージ機を当てられている人も。 ギャラリーは仮面をかぶった方、椅子に座って足の間にペットを置き、鑑賞しながら猛った肉棒を咥えさせている方や首輪をしていない少女を使っている方も見られた。たった今私たちのそばを横切った少女が正にそれだったらしく、慎ましい胸には重たそうなピアスにネームプレートを付け「慰めペット」と書かれていた。その「慰めペット」を呼び止めた紳士は椅子に座り、少女を足の間に座らせて咥えさせているところを目撃してしまう。 その紳士の目の前のステージではやはり2本の柱に大の字で拘束されている女性。大きなクリップの間は細い鎖が繋がれていて、燕尾服の男性が釣り具のようなものを鎖に引っ掛けていた。重みで乳首が伸びていく様子、苦悶の表情を楽しみながら足の間に座った少女の小さな口に猛った肉棒を無遠慮に突っ込んでいた。 簡易テーブルに仰向けで拘束され、体の上にはいかにも高級そうな料理を乗せている人も。М字にされているので私でさえ目を逸らしてしまう恥ずかしいそこが紳士たちの目の前にあった。談笑しながら女性の体に盛られた料理を口に運び、悪戯にフォークでそこを突いたり舐めたり…。 あるステージから大きな歓声が上がった。 「あの、あれは、なにを…?」 「あれはね、ペット同士で綱引きをするんだ。よく見てごらん。リード同士を括っているだろう。引っ張り合って先に限界を訴えたほうが負け。結構な大金を賭けた遊びだよ」 「…そ、なの、ですね…」 敏感な突起を一気に3ヶ所も引っ張り合い、それを賭け事に…。あまりの光景に閉口する。 同時にきゅ、とお腹の奥が疼いた。 「鈴、賭け事をしたことは?」 「いいえ、ありませんが…」 「やってみよう。あそこに行ってみようか」 蓮様に腰を抱かれたまま、ホールの隅へ歩みを進めた。 既に人だかりが出来ていて、色とりどりのピエロが数名、なにかのチケットを売っている。 ホールの隅には長い縄が3本ピンと張られ、等間隔にコブが作られていた。 「いらっしゃいませぇ!おお、これはこれは蓮様!勝負なさいますか?」 「うん。鈴、選んでごらん」 「あの、なにを…」 「コブ渡りレースだよ」 ホールの遥か向こう、一人1本ずつ縄に跨る女性が見えた。 「どれにする?ああ、なにも心配することないよ。僕のポケットマネーだから」 「で、でも…」 「ほら早く」 「じゃあ…真ん中で…」 蓮様に急かされ、それにピエロが私を睨みつけているように見えたので、適当に真ん中と言ってしまったが…果たして正解だったのかは分からない。 やがて笛の音と共にレースがスタートした。 遥か向こうの女性たちは案外早く真ん中辺りまで縄を跨いだまま歩いてきた。これまで3人とも大体おなじくらいのスピードのようだ。コブ渡りって見た目よりもずっと過酷なのよね…と心配しながら見守っていたのだが、彼女たちはあまり苦しそうにしていない。足枷で繋がれているにしても普通の歩くペースに思う。 こっそり胸を撫で下ろしたのを蓮様は見逃していなかった。 「このレースの本番は中盤からだよ。よくごらん。向こうの端からこっちの端まで、縄が傾斜になっているだろ?」 言われてみると確かにそうだった。三分の一あたりにたどり着いた彼女たちは、縄に跨ってはいるものの、食い込んではいなそうだ。 それが中盤に差し掛かった時、急に歩みが遅くなってきた。縄が食い込みだしたようだ。 うう…と呻きながら食い込んだこぶを渡る。段々と一歩が出せなくなってきているようだ。それもそのはず。最初は跨って、おそらく太もも辺りにあったのだろう縄は彼女たちのおへそよりも少し高い位置にまでなっている。真ん中の彼女の挟んだ縄からぽたりと雫が垂れた。完全に彼女の歩みは止まってしまった。 左右の女性たちは何とか歩こうと数ミリずつ足を出すものの、よく見ればコブも大きくなってきている。割れ目よりも高い位置にぴしっと張られた縄を歩くだけでも相当なのに、あの大きなコブを乗り越えるのはとても無理そうだ。 3人の歩みがぴたりと止まってしまうと、今度は客の男性が罵声を浴びせながら一番向こうの女性のもとへ近付いて行った。それを見た他の男性客も我先にと縄に跨った女性たちに近付く。 ある人は乳首を引っ張り強制的に歩かせ。ある人はお尻を叩きながら歩みを促し。腰を掴んで押し出す人、鞭を持ち出す人、足を叩き上げて強制的に歩かせる人…。あたりは怒号と鞭の乾いた音、悲鳴と笑い声で包まれていった。しかし誰一人として縄を下げてやる者はいなかった。終ぞ胸の下まで縄が上がり、それでも叩き、引っ張り、押し出しと無理矢理コブを渡らせ歩かせた。 「ブラボー!!」 ピエロが楽しそうに手を叩き、蓮様に小切手を渡す。 「おめでとうございます蓮様!一等賞は真ん中の奴隷でした!」 「ありがとう。…彼女、大穴だったみたいだね。見てよ鈴。賭けた金額の3倍になったよ。ああそうだ。これで鈴になにか買ってあげようね」 「い、いいえ!そんな恐れ多いです!」 「どうして。鈴が賭けたんだよ。あそこに物販があるから行ってみようか」 「はい…あの、身に余る光栄でございます蓮様…」 「意外と賭けの才能があったりして?」 「まぐれでございます蓮様…ああ、そんなに笑うなんてひどいです」 「くくっ…ごめんごめん。さっきまで怯えて泣きそうな顔をしていたのに。悦に入って泣き叫ぶ彼女たちを見て、鈴は濡らしてしまったんじゃないの?」 「え、いいえ、そんなことは…」 「嘘は良くないな」 頬が熱を持つ。まさか。コブ渡りの辛さを知ってるのに。人間扱いされていない、泣き叫んでも許してもらえなくて、あんなにきつく縄を食い込ませて歩く…姿を…… …嘘よ。コブ渡りは辛いばかりじゃないってこと、ちゃんと知っている。縄を食い込ませ、お尻に鞭を頂く気持ちよさも知ってる…… 「…申し訳ございません蓮様…鈴はあのかわいそうな女性を見て、その…」 「知ってる。むしろ丁度いい。鈴をお仕置きするための、なにかいいものを買おうね」 「…はい、蓮様…」 お仕置き…。 蓮様はいつも穏やかに笑ってらして、物腰も柔らかく誰にでも優しく接している。 そんな菩薩のような蓮様を、私はひどく怒らせてしまったことを思い出した。 あれは広い庭の剪定のため、若い庭師がお屋敷にやってきたときだった。 お茶を持って庭へ行き、庭師に声をかけた。私の顔を見るなり庭師は目を見開いたことをよく覚えている。すぐさま高い脚立から飛び降り、私の元へ走ってきたその目がギラギラしていて、少し怖かった。 私の肩を勢いよく掴み、どこぞのお姫様ですか、それともお嬢様ですかと真剣に聞いてきた。私はメイドですと笑いながら答えると、庭師は更に目を見開いた。こんなに可愛いお嬢さんを初めて見た、俺と交際してくれむしろ結婚をと迫られ、蓮様以外の男性に肩を掴まれたこともこんなに目をじっくり見られたこともなく、どうしていいかわからなかった。あれよあれよという間に壁に追いやられ、キスをされ、胸を揉まれて膝を足の間に押し付けられた。怖すぎて声が出せなかったところに、偶然蓮様が通りかかったのだった。 あとできちんと弁明し、それに対して蓮様は私に謝罪なさってくださったが、あの時の蓮様の怒りようは思い出しただけで身の毛がよだつ。庭師はその一瞬でクビ、私は蓮様のプライベートルームのバスルームに閉じ込められた。冷たい目で私を罵り、メイド服をはぎ取られ後ろ手に拘束された。特注の鉄の貞操帯が視界に入った時、私はもう一生蓮様にお許しいただけないかと思った。 だってあの貞操帯は、おおきなピストンバイブとクリトリスバイブが備え付けられているから。鉄製の貞操帯は腰にがっちりと嵌り、伸縮性皆無で自分では絶対に脱ぐことができない。鍵は勿論蓮様が所持している。 大きなピストンバイブはストロークがとても長く、子宮を持ち上げるほど深くに入ってしまう。クリトリスバイブは無数のいぼがついていて、どんなに暴れまわっても決してクリトリスから離れてくれない。 どちらのバイブも道路工事用具のような恐ろしい力と速さを兼ね備えている。イってもイっても少しだって力を緩めてくれず、無慈悲に高速で動き続けるのだった。これを一晩着けられたあの日、どんなことがあっても蓮様だけは絶対に怒らせてはいけないと固く誓ったのだった。 思い出しただけで太ももにとろりと蜜が垂れる。誤魔化す様に蓮様の腕に絡みついた。 次に行った場所には、たくさんのショーケースが並んでいた。 そのショーケースに入っているのは“奴隷”だった。四角いアクリルのショーケースの中で拘束された“奴隷”はには値札が貼られていた。ケースの天井部分に拘束され、一列に並んだパールが自動で割れ目を擦り上げる機械を装着された奴隷。 天井に付けられた装置が一定時間になると電流を流すらしく、奴隷は一定の間隔で釣り上げられたクリトリスに直接電気拷問をされるしくみのもの。 三角木馬が電動ゆりかごのように等間隔で前後にゆらゆら揺れ、跨がされた奴隷は愛液で滑ってシーソー遊びをしている。 誰でも簡単に海老反攻めができる皮の拘束具の展示販売、片手で操作できる回転式の電動鞭、クリトリスに暴れまくるマッサージ機を当てたまま固定させてしまう器具… 中でも目を見張ったのは「拷問椅子」と書かれたアクリルケースだった。背もたれが高く、万歳の形で拘束され、足首と太もも、それから腰と胸まで太いベルトで拘束されていた。椅子というわりに台座が異様に小さく、せいぜいお尻の半分ほどしかない。そのかわり太ももを乗せる様に2本の板が伸びていて、緩く足を開かされて奴隷が固定されていた。 背もたれの裏側から左右に伸びたアームの先はマッサージ機を挟み込めるようになっていて、拘束されて動けない奴隷の乳首に当てたままぴくりとも動かない。可哀想に、奴隷はただひたすらにマッサージ機で乳首を虐められていた。 足の間の空間には自転車のタイヤより少し細いものがものすごい回転をみせていた。そのタイヤのようなものの中心部には細かなパールが埋め込まれていて、割れ目に食い込んで容赦なく回転していた。アクリルのショーケースの床はびしょびしょになっていた。 蓮様はどこのブースへ行っても顔パスで、ここでもそうだった。私がこの「拷問椅子」にくぎ付けになっている間に籠やトートバッグになにやらたくさん物を詰め込んだ人たちに囲まれてしまった。 しまった、1センチでも離れてはいけないと言いつけられていたのに…! 蓮様! 私の声が届かないのか、蓮様は360度から声を掛けられ、私に気が付かない。 どうしよう、通してください、あの、蓮様! 至る所からの悲鳴、怒号、工事現場ほどの大音量のモーター音。 どうしよう、蓮様、鈴はここです! 一生懸命声を上げるが、蓮様は一向に気が付いてくださらない。 ぽん、と肩を叩かれた。 「お嬢さん、おひとり?さっきレースを鑑賞していたね?おお、近くで見るとより可愛らしいな。この拷問椅子が随分気に入ったようだね…座ってみるかい?」 振り返ると見知らぬ男性がにやにやと私の腕や肩を触る。 「あの、違います私、離して…」 「おいちょっときみ、あの拷問椅子を使ってみたいのだが」 「や、違いますお願い待って!」 私の願いはかなわず、販売員と書いた腕章をつけた人がにやにやしながら奥へ消えていった。何とかして蓮様の元へ行かなくてはと掴まれた腕を引き剥がそうとしたが、思いのほか力が強くて抜け出せない。 「こちらで?」 「ああ、これだ。お嬢さんほら、座りなさい」 「いやっ!やめて!お願い離して!」 いくら何でも男性二人に押さえ付けられれば無抵抗に等しかった。最初に腕を拘束されて、それから二人がかりで足を持ち上げられ、あっという間に足をベルトで固定されてしまった。 恐怖で体が震える。あの“奴隷”と同じ格好になってしまった。 「へへっ…お嬢ちゃん。まずはおまんこを見せなさいね」 気持ち悪い笑みを浮かべ、メイド服を捲り上げられた。 「おやおや、お嬢ちゃん…かわいい顔してオープンクロッチとは随分淫乱なんだね?嫌がってた割には随分ぐっしょりにしているじゃないか」 涙がぼろぼろ流れる。蓮様がいらっしゃる方向は高い背もたれで完全に死角になってしまっている。 どうしよう怖い、蓮様、助けてください…!! 「さて、ご開帳、っと」 「やめてぇ…開かないで…」 オープンクロッチの布部分を完全に開かれ、男性にすんすんと匂いを嗅がれる。ぺろりと舐め上げられる舌の感覚に虫唾が走った。いつの間にやらギャラリーが出来てしまって、私を囲んでいる。あちこちから聞こえる声に耳を塞ぎたかった。 おい、随分かわいい奴隷じゃないか。 見ろよすげぇ濡れてる 俺ぁグラマー趣味だったが、ああいうロリっこいのもなかなかいいな… おい愛液が滴ってるぞ… 「ふははっ!みなさんにも見せてあげような?パイパンまんこをこんなにぐっしょりにさせて悦んでやがる。こんなかわいいお嬢さんだがまんこはしっかりメスの匂いがするぜ!…っと…随分小さなクリトリスだな?おいきみ、吸引器を持ってきてくれ。この小さい勃起クリトリスを限界まで引っ張り出してやろう!それから…」 「僕の大事な人に、なにか御用ですか」 涙でぼやける視界に、大好きな蓮様が映り込む。 いきなりその場の空気が凍り付いた。 「聞こえなかったので?僕の大事な人になんの御用ですかと伺ったんです」 「こ、…れは、蓮様……へへ…蓮様もこちらにいらしたのですね…これは大変な失礼を!」 明らかに顔色を悪くし、有り得ない量の汗を滴らせる私を無理矢理拘束した男性は転がるように走り去った。 「さて、鈴」 「はい、っ…」 庭師に襲われた時と同じ声のトーン。 目眩を覚えた。 「僕から1センチも離れるなと言ったはずだよね?何故離れた?その格好は何?そんなに淫乱まんこを見せたいの?」 奥歯が噛み合わない。鉄の貞操帯を付けられた時より怒りに震えている蓮様は、傍にいた物販員を睨みつけた。 「丁度ここにお仕置きの道具が揃ってる。みなさんに鈴のはしたない姿をじっくり見てもらって反省しなさいね」 「蓮さまぁ…どうか、どうか」 「返事!」 びくりと肩が跳ねる。蓮様にそんな大声を出されたことはなかった。 蓮様をこんなにまで怒らせてしまったことが悲しくて、申し訳なくて。もしや嫌われてしまったのではと心がバラバラになりそうだ。 万歳の格好で両手首を拘束され、足を開いてベルトにがっちりと拘束され、スカートを捲りあげられてオープンクロッチの布を開かれたままボロボロ泣いた。 「許さないよ鈴。きみ、アームの先に付ける1番きついものを。鈴は誰のものかってことをきちんと分からせないと」 「すすすっ…すぐにっ!」 バタバタと物販員が奥に消え、ギャラリーたちは蓮様の次の動向を固唾を飲んで見守っていた。 たくさんの目が私のてらてらと光るそこに向けられる。きゅ、とお腹の奥が疼いた。 1歩私に近付いた蓮様は、静かに私のエプロンを外した。それからボタンを緩慢な指でひとつずつ外していく。 ごくり、と誰かの喉が鳴った。やがて素肌が見え始め、たくさんの目がそこに集中する。恥ずかしくて消えたくて、でもご主人様が怒ってらっしゃるから私はここできちんと反省しなければならない。せめてもとぎゅっと目を瞑った。 金属付きのオープンブラ。総レースの生地に乳首の辺りが開いた造りで、ぷっくりと勃起した乳首をブラに備え付けられた金属が挟み込んでいる。 その下着も剥ぎ取って、上半身に纏うものがなくなってしまった。ギャラリーは私の体を舐めるように見つめ、しかし相変わらず蓮様は無言で冷たく見下ろすばかり。涙が胸に落ちた。 「大変にお待たせを…!!」 なにやらガチャガチャとひどい音を鳴らし、転がるように蓮様の元へ現れた販売員を冷たい目のまま一瞥する。 察した販売員は近くにあったテーブルを引き寄せ、その上のものを払い除けて鞄の中のものをひとつずつ出して見せた。 「こちらは乳首を吸引しながら振動させるものにございます。振動の力はまぁ、電マと同じくらいですが吸引力はこの器具の種類ではダントツで、吊られるより辛いとキャッチフレーズがついております。こちらはキャップ型でございますね、ええ。イヤリングをイメージされるとわかりやすいかと…。締め付けて引っ張るものです、ええ…このようなものは少々物足りないでしょうかね…」 器具を置く手が震えている。蓮様は終ぞ腕組みをされてしまった。 「許さないよ鈴。きみ、アームの先に付ける1番きついものを。鈴は誰のものかってことをきちんと分からせないと」 「すすすっ…すぐにっ!」 バタバタと物販員が奥に消え、ギャラリーたちは蓮様の次の動向を固唾を飲んで見守っていた。 たくさんの目が私のてらてらと光るそこに向けられる。きゅ、とお腹の奥が疼いた。 1歩私に近付いた蓮様は、静かに私のエプロンを外した。それからボタンを緩慢な指でひとつずつ外していく。 ごくり、と誰かの喉が鳴った。やがて素肌が見え始め、たくさんの目がそこに集中する。恥ずかしくて消えたくて、でもご主人様が怒ってらっしゃるから私はここできちんと反省しなければならない。せめてもとぎゅっと目を瞑った。 金属付きのオープンブラ。総レースの生地に乳首の辺りが開いた造りで、ぷっくりと勃起した乳首をブラに備え付けられた金属が挟み込んでいる。 その下着も剥ぎ取って、上半身に纏うものがなくなってしまった。ギャラリーは私の体を舐めるように見つめ、しかし相変わらず蓮様は無言で冷たく見下ろすばかり。涙が胸に落ちた。 「大変にお待たせを…!!」 なにやらガチャガチャとひどい音を鳴らし、転がるように蓮様の元へ現れた販売員を冷たい目のまま一瞥する。 察した販売員は近くにあったテーブルを引き寄せ、その上のものを払い除けて鞄の中のものをひとつずつ出して見せた。 「こちらは乳首を吸引しながら振動させるものにございます。振動の力はまぁ、電マと同じくらいですが吸引力はこの器具の種類ではダントツで、吊られるより辛いとキャッチフレーズがついております。こちらはキャップ型でございますね、ええ。イヤリングをイメージされるとわかりやすいかと…。締め付けて引っ張るものです、ええ…このようなものは少々物足りないでしょうかね…」 器具を置く手が震えている。蓮様は終ぞ腕組みをされてしまった。 「ぃあああああッッ!!」 薄暗い室内に一瞬青色の閃光が走り、ギャラリーからは歓声が上がる。 回転ブラシがじっくりと乳首を磨き上げにかかった。その間にも吸引は留まることをせず、無理に引っ張られる痛みに歯を食いしばった。 再びバチン、と青色の閃光。 回転ブラシが急に速度をあげ、電気を受けてビリビリと痺れる乳首を丹念に磨き上げた。 閃光が走る度に体が持ち上がるほど跳ね、回転ブラシは早くなったり遅くなったり、速いまま磨き続けたりと、わけがわからなくなった。 おでこや頬に汗が流れ、膝が震える。それでも無慈悲なその装置はちっとも力を緩めてくれない。 ギャラリーの歓声が大きくなるにつれ、その声に釣られるかのように人だかりが大きくなる。 何とかして逃れたくて捩る体はがっちりとベルトに押さえ付けられ、手首を拘束していた手錠を鎖ががチャンガチャンと酷い音を鳴らす。それでも機械は乳房を吸い上げ、回転ブラシが乳首を磨き上げ、時折閃光を放って汗が噴き出た。 「うーん…さすがにまだおっぱいだけではイけないね?」 大好きな蓮様の指が汗で張り付く前髪を掻き分けてくれた。お許し頂けたのだろうかと僅かな期待をかける。 見つめる瞳の奥はまだ怒りの色を孕んでいた。 「きみ、鈴のまんこを反省させるものはあるか?」 僅かな期待はあっさり崩れた。 「はい、こちらはですね、あのアクリルケースの奴隷と同じものです。食い込んで回転させるタイプのもので、パールが埋め込まれておりますね、ええ。それからこれは革を付けたもの…疲れることなく半永久的にクリ打ちやまんこ打ちができますね、ええ。人気の商品です。回転は勿論、内回り外回りをお選びいただける自慢のものでして、それからこちらは……かわいいお嬢さんには過酷でしょうかね…」 「見せて」 「はい…。このクリキャップを挟み込み、ご主人様の思いのまま引き上げることが可能でございます、ええ。このクリキャップには電極が付けられておりまして、ご主人様のタイミングで電流を流すことができます。挟み込まれ引き上げられるだけでもこの幼いお嬢さんにはさぞ過酷でしょうが…更に電流となると…その、」 「それを付けてくれ」 出来れば蓮様のそのお声は幻聴であったと思いたい。 涙の祈りは届かなかった。 「ディルドはどのようなものが?」 「やあああっっ!!いぃぃたいっ蓮様ぁぁああ!!やめて取って!お願いっきゃあああっ!!」 ぎゅむりとクリトリスがキャップに挟まれ、乳首には容赦のない電流が走る。そのクリップの力の強いことといったらなかった。どくどくとクリトリスが脈打ち、勃起するせいで更に挟まれる力が強くなる。 「貸して」 「あああああ!!!!蓮様ぁぁああ!!お願いですお願いです!!!取れちゃうぅぅぅ!!!」 ぎりぎりとクリトリスが引っ張られ、仰け反ることも許されない。乳首の回転ブラシがかつてないほど高速で磨き上げにかかった。 意思とは関係なく絶頂を迎え、休む間もなく閃光が走る。乳房の吸引はとうに限界を超え、吸引器が変な音を立てていた。 「蓮様…ディルドはこちらなど…」 「変な気を回すな。そんな小さなもので僕が満足するとでも?僕は鈴に“お仕置き”をするためのものをお前に選ばせているんだ。もっと太く、鈴のちいさくて可愛いまんこを引き裂くようなものはないのか」 販売員が憐れむような視線を投げて寄越す。蓮様に引かれたクリトリスは引き千切れんばかりに伸びだ。それを足の間から伸びたアームに固定されてしまう。乳首の電気拷問のせいで跳ねる体に糸が
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2018/12/24 07:51:00(khu93T9/)
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