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不道徳的なアリスの旅路【最終章】
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:空想・幻想小説
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1:不道徳的なアリスの旅路【最終章】
投稿者: chinanan
「この人がハートの女王?」
「しー。鈴、少し黙って…」

豪奢な椅子を大広間の真ん中に置き、屈強そうな男性が横柄な態度で座っていました。
その人の後ろには頑丈で大きな扉が不自然に設置してありました。

「…アリスよ」
「いいえ、あたしは鈴です」

早速質問にNOを返します。
唇をへの字に曲げ眉間に皺を寄せた、とてもイケメンとは言い難いその人は更に口をへの字に曲げました。

「ハートの女王にお似合いだ」
「ハートの女王でもないです」

蓮は小声で、その調子…と耳打ちしました。

「ハートの女王はそろそろ使い物にならんからな」

なんのことか、鈴にはわかりませんでした。

「……いいえ…」

とりあえずNO…
答える鈴に、椅子に座った男性は、今度は厭らしい笑みを浮かべました。

「これを見ても、そうと言えるか?」

合図を出すと、傍にいた憲兵たちが一斉に扉を開けました。

「……ひっ…」

目の前の光景に思わず蓮にしがみ付きます。
蓮はしっかりと鈴の背中に腕を回し、大丈夫、否定をと鈴にしか聞こえない声で耳打ちしました。

目の前に広がる光景は──

背中に大きなハートの入れ墨をし、だらしなく笑いながらたくさんの男性に囲まれる女性の姿。誰もかれも服の類は一切着けていませんでした。
女性は虚ろに笑いながら四つ這いで男性器を穴という穴に咥え込み、ひどい匂いを放って体中体液塗れにしていました。

「ふははは!!アリスよ…これがハートの女王だ」
「……い、いいぇ…」

思わず泣き出します。よく見ると、両の乳首にもハートを模した装飾品がじゃらじゃらと付けられていました。
大きな男性器を乱暴に突っ込まれ、あひあひと下品にあえぐその姿に、鈴は目を離せずにいました。

「アリス…次のハートの女王はお前だ!」
「いいえ!いいえ!!」

必死に首を振ります。

「何を言うか。さっきから甘い匂いを撒き散らして…その匂いはハートの女王になる素質がある…つまり、淫乱だという何よりの証拠」
「いいえ!!」
「まんこを濡らしているではないか!」
「いいえ!」
「あのはちみつを注入されてよがったのではないか?」
「いいえぇ!!」
「ここならいつでも注入してやる。毎日でも毎分でも、な」
「いいえ…もうやめて…」

鈴。耳に小さくキスをして、蓮は鈴を励ましました。泣きじゃくる鈴を落ち着けるため静かに背中を摩ってやりました。

「それに…ここにいればいつでもお前の横にいる男と会えるぞ」

びくりと鈴の肩が跳ねました。

鈴、ダメだ、否定しろと蓮が必死に耳元で訴えます。

「その男を、愛しているのだろう?」

にやにやと嫌な笑みを浮かべ、椅子の上でふんぞり返りました。
鈴は遂に号泣しました。

嘘だったとしても、それだけは否定したくない。
蓮にしがみ付いて泣きました。

「鈴、聞いて。あれは罠だ。僕はハートの女王を知っている。あの人がまだ“アリス”だったころ、ひとりの憲兵に恋をした。叶わなかったが、それでも彼を否定することが出来なかった。それでその結果…その憲兵には一度も会えていないし、彼女は“ハートの女王”になったんだ。いいかい、鈴。一度でも肯定の言葉を口にすれば、彼女の代わりに鈴が“ハートの女王”になる。彼女は気の毒だが、僕は、鈴にそうなってほしくない」

ね?と儚く笑う蓮に、鈴はただ涙を流しました。

「さっき、扉の外で約束しただろ。僕を信じて、鈴」
「答えは?」

話の途中だというのに痺れを切らしたその人は、高圧的な声で急かしました。

唇をぎゅっと結び、そして一度大きく息を吐き出して、それから鈴はまっすぐにその人を強く見つめました。


「いいえ。」


☆☆☆☆☆

爽やかな風が頬を撫で、草のざわめきが耳元で鳴ります。

「…ん…?」

鈴はゆっくりと目を覚ましました。
はっと起き上がると…

「……帰って、きた…」

見覚えある景色。手元には家庭教師が勧めた本。
木陰で眠っていた鈴は、元の場所へ戻ってきました。


「……れ、ん…」

優しい眼差し。穏やかな声。可笑しそうに指で口元を隠して笑う癖。
少しの時間しか一緒にいなかったのに、でも確かに蓮を愛していたと、でももう二度と会うことはできないと、鈴の目からはらはらと涙が零れました。


「りーん!どこにいるのー?」

家の窓から母親が鈴を探します。

「ママ…はーい!ここよ!」

立ち上がって手を振りました。目を擦る振りをして、涙を拭いました。

「ちょっと来て頂戴。お客様よ」
「…お客様?」

家の玄関に立っていた人は…


「…れん…!」


風が抜けました。
玄関先で愛しいあの人が、あの時と同じく、優しい眼差しを向けていたのでした。

(完)
 
2018/12/24 09:37:25(RTE73j7u)
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