未来の科学では凄いことが可能になる。
皆さんは仮想空間というのを知っているだろう。コンピューターで作り出す現実でない空間だ。今でもあるのだ。ある特殊なメガネを掛けると、実際にはないものが見えるのだ。しかし、お化けだとかゾンビだとか、自分が高い所で綱渡りをするとか、あまり需要が見込めないものばかりだ。
　そう、はっきり言おう。ズバリ、セックスなら喜んで体験したい人がいるだろう。僕もその一人だ。未来では触覚の仮想も味わえるそうだ。つまり実際に女性がいなくても肌に触れるという仮想を体験できるのだ。
　
　しかし今の時代にもあったのだ。
外国製だが、元々スパイ活動用として総力をあげて開発された優れもの。
触覚も含めた仮想空間を実際に肌を合わせなくても体験できる。
私はこれをサンタクロースから貰った。サンタクロースと言っても若いの女の子だ。普通サンタクロースは年取ったお爺さんだが、若い女の子は高齢者にプレゼントする。寝かしたまま置いておくなんてしない。
説明もしてくれて、そこが従来のサンタクロースとは違う。携帯電話番号もおしえてくれて質問にはいつでも丁寧に答えてくれる。
私は彼女がプレゼント配布中に体の調子を悪くして看病したことで、お礼としてこの近代兵器を貰ったのだ。滅多に入手できる物ではない。でもいずれ大量生産されるのも近いはずだ。

　申し遅れたが、私は昔なら初老と言われたであろう歳の男、未だに独身。身体は至って健康だ。性欲だってあり過ぎるくらいだ。惜しいかな、その相手がいない。
　テレセというのがあるだろう。テレホンセックスと言えば大体見当が付く。互いに裸を見せ合ってお話をする。中には最後は自分の手で慰めるのもある。
かつての写真などだけで妄想していた時代からは格段の進歩だ。もっと前の江戸時代は春画を見ながらだったか。紙芝居を見ながらセンズリもあっただろうか。古代の人は埴輪を見ながらセンズリをしてたと私は信じている。こけしは女性用の道具だったか。
　今のテレホンセックスはテレビ電話もあり、言葉の通りオナニーではなくセックスに近づいている。
　
　さて、クリスマスが過ぎて大晦日の晩、ある女性から電話があった。
「初めまして、わたくし篠原明美と申します。先日は後輩が大変お世話になりました」　
「ああ、あの女性サンタクロースさんの先輩ですか。いやいやあの時は当然のことをしたまでです。私は健介と申します。名前の通り健康なだけが取り柄でして」
「健康がなりよりですわ。失礼を承知でざっくばらんにお尋ねしますが、アチラの方もお元気で？
実は後輩からもその様に聞いております。あの子、わたしと健介さんとピッタリなんて言うんですよ。健介さん、性欲のはけ口はどうしていらっしゃいますか。あっ、無遠慮にすみません。
えっ、ご自分で慰めていらっしゃるんですか。ううん、わたしもたまに……。でもよかった。ここには明美と健介さんの二人だけ、誰もいない、お互いに遠慮なくお話しましょう。
わたしについて何かお知りになりたいことがあれば何でもお答えしますよ」
明美さんは更に続けた。
「早速ですが、あの機械、使ってみましょう。わたしがご指導して差し上げますわ。
機械の使用だけでなく、セックスも及ばずながらあたしが指導しますよ」と言うと、目の前に現れた。画面ではない。互いに仮想空間を共有したのだ。

　私は思わず明美さんに手を触れようとしたが、空を切る感じだ。そこには彼女の体がないのだ。
「あはは、ビックリしました？焦らないでね。まだ、触覚を送ってないんですよ。いいですか。わたしを見て何か感じますか。ええ？お話したいって？
そう、わたしも健介さんのこと、もっと知りたいし。
ウイスキーの水割でも飲みながらね。会話は恋愛の基本」
「もう一時間もお話したかしら。そろそろお互いに触覚を送りましょう。」
「先ずはハグ、さあ、手を前に伸ばしてちょうだい。はい、前に前に来て！」
「わたしを抱きしめて。わたしが今してるようにあなたも手を背中に回して……。」　
「ギュッ、ギュッ、ギュッっとね」
「お願い、キスもして！」、チュ、チュッ。
チュー、チュチュ、チュゥーゥー。
「ああ、明美も体が熱くなってきたわ」
「今度は、抱きしめている手を片方だけで良いから、お尻の肉を優しく撫でて！お手本としてあなたのお尻を撫でるから同じようにして」
「ああ、そうそう、とってもいい感じよ。わたしのお尻の谷間、もっと撫でて！」
「両手でお尻を強く引き寄せてちょうだい！ああ、わたしとあなたのシンボルまでも、一緒になりそう」
「ねえ、お互いに裸になりましょう。」
「は・だ・かになって、もう一度。抱きしめてチュー。」
「あっ、もう我慢できない！入れて！あら、いやだ。私も焦り過ぎかしら」

　一時間もしただろうか。明美さんの体が上になったり下になったり、を繰り返して。明美さんのふくよかなお尻の肉が目の前に迫って来る。
お尻の割れ目から太もも、その延長にはスゥっと伸びた足が……。
大きな肉の真ん中に割れ目が一本の線、それが彼女のお尻。今では二つに割れて、谷間には滅多に見られない秘密の入口。
その奥にある子宮はどんなに住み心地がいいのだろうか。
　再び互いに前向きに体位を変えて向かい合わせ。
「ああ、お腹がピッタリとくっ付いてる。あ、もう我慢できない、早く入れて！」
射精も終わった。

「ねえ、健介さん、いい経験になったでしょう。
またお願いね。どうでした？健介さんの男性器をわたしの女性器で包んだ時の感じは？」
「ううん、健介さんが勃起したオチンチンをわたしの花びらに挿入した時のこと」
「こんな気分のいいのは初めて？良かった」
「ねえ、健介さん。終わった後もお礼のキスとハグを忘れないでね。キスも唇だけでなく、あなたの感激したとこ全てよ。わたしのお尻好き？最後にあなたを包んだ花びらにもね。花びらに濃厚なキスはクンニって言うの。でも終わった後のお礼としてなら軽くでも充分気持ちは伝わるわ。
あっ、ダメ、そこは！そこは会陰なのよ。でもいい感じよ。その調子その調子！」

「ねえ健介さん、いい時代になったわね。だって、初めて会った時に心がで通えてセックス。えっ、健介さんは健康でありながらデキないの我が悩みですって？そうね、不自由している人多いわね。私たちはそれを何とか改善したい。活動もやりがいがあるわね。特に初老の男性にセックスの醍醐味を味わってほしい。おじいさんだってキスするのも夢じゃないの。それで長生きしたおじいちゃんも沢山いるし。全ての男性に私たち女性の素晴らしさを堪能してもらいたい。それがわたしの夢。いや、夢でないわ。この機械、大量生産化すればコストは大幅に下がるし。ずっと昔はセックスは裕福層、または口の上手な人の特権だったし、今は加えてイケメンの特権。あっ、そうだ！女性たちのことも考えないと……。女性たちも悩みはあるわね。そう簡単にはセックスに応じられないし」

「それでは年明けにまたお邪魔しますね」と言って消え去って行った。この続きはまた何かあればお伝えしたい。
皆さん、お元気で。

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