「んん・・・っ」ここはどこ？意識がはっきりしない。
「お目覚めかな」
男の声がする。ここで体が何かに拘束されて動けないのに気付く。
「えっと、名前は美香ちゃんか～」
なんでこの人私の名前を知ってるんだろう・・・。ふと記憶が蘇り始める。そうだ、後ろからいきなり襲われてさらわれたんだ。おそらく生徒手帳を見たのだろう。高校の帰りだから生徒手帳を持っているのは当然だ。
「僕たちはね～、実験をしているんだ」
実験？何のことだろう。ただ私にひどいことをするのではないのか。
ふと気付く。
「えっ、な、何これ・・・。」
よく見れば手足を拘束しているのは見たこともない桃色のおぞましい肉の塊だった。
「この触手を使って女の子を気持ちよくしてあげるんだ」
こんな現実味のない恐怖に急に震えはじめる。
「やっ、やだ・・・っ」
しかし腕は肩まで、明日太ももの付け根までまったく動かないように固定されている。
「ここは山奥の研究所だからどんだけ叫んでも助けは来ないよ」
私は絶望した。　続く

Tweet