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マッド・ファミリー――
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:マッド・ファミリー――
投稿者: (無名)
第一章:事故と侵入者
199X年。夏の盛りを迎え、蝉の声が町中に降り注いでいた。
大谷敏明は、どこにでもいる、ごく普通のサラリーマンだった。妻の恵美子、小学四年生の娘、由佳、そして六歳の息子、俊介と共に、郊外の建売住宅で暮らしている。平日は朝早くに満員電車に揺られ、夜遅くに疲れ果てて帰宅する。休日といえば、子供たちにせがまれて近所の公園へ行くか、家でだらだらとテレビを見るか。それが彼の「普通」だった。
その日、敏明は久々に家族サービスを決行するつもりでいた。行先は、市内に新しくできた遊園地だ。恵美子は弁当を詰めるのに忙しく、由佳と俊介は玄関で新しいスニーカーを履いて落ち着きなく飛び跳ねていた。
「よし、全員準備OKだな!」
敏明が車のキーを捻った、その瞬間だった。
交差点の真ん中で、鈍い金属音と共に、視界が一瞬にして白く染まった。
敏明が我に返ると、家族の悲鳴と、目の前に広がる車の破片。彼の運転する車は、前方不注意で横から来た軽自動車に追突していたのだ。幸い、大谷一家に大きな怪我はなかった。しかし、相手の車から出てきた男は、痛みに顔を歪ませ、座り込んでしまった。

数週間後。
「すみません、本当に……。治療費はすべて、私が責任を持って……」
敏明は神妙な面持ちで、自宅の居間に座る男に頭を下げた。男は増田と名乗った。彼は事故で利き腕を骨折し、医師からは後遺症が残る可能性を告げられていた。その治療費と慰謝料のことで、敏明は何度も増田の元へ足を運んだ。
だが、増田は徐々に敏明の生活に「押し入って」きた。最初は「示談交渉を密にしたいから」と頻繁に電話をしてきた。そしてある日、「リハビリが思うようにいかない。一人でいるのが辛い」と言って、大谷家に上がり込んできたのだ。
恵美子は戸惑いを隠せなかったが、敏明は妙な親近感を覚えていた。増田は敏明と年が近く、二人には共通の趣味や、過去の経験の話題が多かった。いつしか、それは一種の友情のようなものへと変化していった。増田は毎日のように大谷家に現れ、敏明と一緒にビールを飲み、俊介と由佳にも気さくに話しかけた。
「敏明さんの家族は温かいね。まるで俺の家族みたいだ」
そう言って笑う増田の顔には、事故の加害者に対する憎しみというよりも、深い孤独が見て取れた。敏明もまた、彼の屈託のない笑顔に、罪悪感を薄めるための安らぎを見出していたのかもしれない。

第二章:ヤクザ風の男の訪問
それは、増田が大谷家に居座るようになってから、ひと月ほど経った雨の日の夕方だった。
その日も増田は夕食を共にし、敏明とテレビの野球中継を見ていた。由佳と俊介は隣の部屋で宿題をしていた。
「あ、すみません、誰か来たみたいです」
恵美子が玄関のドアスコープを覗き込み、顔を青ざめさせた。
「……あなた、怖い人がいるわ」
敏明が立ち上がってドアスコープを覗くと、確かに立っていた。サングラスをかけた、威圧感のある男。その男の両脇には、いかにも手下といった風貌の、痩せた男が二人控えている。全員が黒いスーツに身を包み、その顔には生々しい傷跡が走っていた。ヤクザ風の男たちだった。
敏明が恐る恐る鍵を開けると、大男がブーツで上がり框を蹴破るようにして上がり込んできた。
「おい、増田。テメェ、こんな所で油売ってやがったのか」
の声が、静かな住宅に響き渡る。恵美子は由佳と俊介を抱き寄せ、震えながら居間に立ち尽くす。
増田は、いつもの気の良い友人としての面影を消し去り、恐怖に引きつった顔で後ずさりした。
「親分……なんで、ここに……」
「なんでだ? テメェが借りたモン返さねぇからだろうが! 挙句の果てに、こんな善良な家庭にゴタゴタを持ち込みやがって!」
大男は、その巨体に見合わない素早さで増田に近づき、恵美子と敏明の目の前で、容赦なくその顔面を殴りつけた。増田は悲鳴をあげる間もなく床に倒れ伏し、鼻から血が噴き出した。
敏明は一瞬で血の気が引いた。この暴力、この状況。これが「普通」ではない、家族がこれまで踏み込んだことのない「狂気」の領域だと理解した。
大男は倒れた増田を一瞥すると、敏明に向き直った。その目は、獲物を品定めする肉食獣のようだった。
「お前が、こいつを轢いた馬鹿か」
敏明は言葉を失い、ただ首を縦に振るしかなかった。
「いいか、よく聞け。こいつはな、俺たちの金ずるだ。テメェが事故を起こしたせいで、金ずるの価値が下がった。つまり、テメェは俺たちに借金をしたのと同じことだ」
男はそう言って、敏明の肩を掴み、その耳元で囁いた。その声は低く、しかし、この一家を洗脳し、恐怖で塗りつぶすには十分な重みを持っていた。
「テメェの車にぶつかったのは、運が悪かったと思うんだな。そして、この一家の全ては、今から俺たちのものだ」
敏明は、抱き合う妻と子供たちの震えを背中に感じながら、これから始まる悪夢に、ただただ立ち尽くすことしかできなかった。彼の「普通」の人生は、この瞬間、完全に破綻した。
 
2025/09/28 10:30:02(W.dqOLm5)
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