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1:墜とされていく令嬢
投稿者:
霧迷
〜標的〜
午前7時15分立体駐車場B1階、エレベーターに一番近いスペースが早世 智成〈はやせ ともなり〉が決まって駐める駐車スペースだ。 7時48分発の電車を待ち、車内でタバコに火を付け、コーヒーを飲みながら10分間休憩した後、駐車場のスロープを歩き地上に出ると、10メートル先の駅ビル入り口にメルセデスが停車し、助手席から女が降りてくる。 年齢不詳、身長150センチ前後で、髪はカールがかった胸までのロングヘア、所作に品があり、清楚な雰囲気を醸し出し出している。 昨日と同じ光景だ。 メルセデスが停車した後から次第に歩幅を広げ、彼女が駅ビルに入り駅に向かい始めた時には、5メートル後ろをつかず離れず、絶妙な位置取りで 俯き気味に上目遣いで彼女のケツを凝視したまま改札を抜けるまでの品定めに興奮を抑えきれない。 小柄で肉付きがよく太くも細いともなく手足、お尻は大きめで、ウエストは僅かに確認できる程度のいわゆるムッチリ体型。 一歩足を出すたびにケツ肉とウエストの肉でワンピースがの生地が張り、体を締め付けている。 背筋が僅かに反り、線を引いた上を歩いてるかの様に歩く所作が美しい。 タイトなワンピースはそのムッチリした尻肉でくっきりと下着の形を押し出している。 素晴らしい。 モデルウォークの様な所作にタイトな服と品のある雰囲気。 綺麗めタイトな白系の服装が多く、踵の高い靴は履かない。 下着は一般的なフルバックで、たまに生地からストライプや水色、薄いピンクが透けてる事もあり、Tバックは一度もない。 メルセデスに服装、所作と生活水準は高めだと言う事は間違いなさそうだ。 2ヶ月間のデータは私に更なる妄想を募らせる。 電車がホームに入り、彼女はいつもと同じ車両位置に立つ。 今日は私も彼女と同じ車両位置に並んだ。 電車の扉が開くと彼女は電車に入ると右側のポールを握りながらそれを支点にクルッと回って座席端に着席する。 一瞬、幼さが伺える動作だった。 私は彼女を左斜め前に捉える位置に着席した。 いよいよ最終確認だ。 この席からスマホを見る姿勢を取りながら左斜め前を覗く。 チラッと彼女を覗くと、目がパッチリした童顔で頬もふっくらしてメイクはノーメイクに極めてちかいナチュラル。 後ろ姿から想像出来る通り、タイトなワンピースの胸の膨らみははち切れそうなくらい膨らんでいる。 足は揃えたまま、やや斜めに傾け、腹部にカバンを抱えながら、膝の上でスマホをいじってる。 しかしあの成熟した様な身体で意外にも幼い容姿に驚かされた。 だが、年齢など問題ではない、私はあの身体が欲しいだけだ。 これからあの女の全てを調べ尽くして、気がついた頃は私の檻の中だ。 ライオンはウサギを狩る時も全力を投じる。
2025/09/03 10:09:06(rKSvPFas)
投稿者:
霧迷
今や売り上げ、業績ともに右肩上がりの山之内書店だが、過去には一時廃業に追い込まれるほどの事態に陥っている。
先々代から社長の座を受けた山之内家長男、厳二郎だが独自の経営方針を打ち上げた施策が失敗に失敗を重ね株価は大暴落、株主総会においても、厳二郎への風当たりは厳しく、厳二郎の経営に失望し、見兼ねた先々代がやむなく当時目をかけていた一番の側近の篠川専務を新社長に据え奇跡的にV字回復に成功した。 売り上げが回復し、安定したのもつかの間、篠川社長の裏金疑惑が浮上し、再び山之内書店は窮地をむかえる。 篠川は当件は不徳の致す所と説明し、辞任を表明。 辞任後の事実発覚を懸念し、自身の息のかかった早世智成専務を社長に推薦し、創業家外しを画策した。 しかし創業家次男、山之内康介は先代と違い、俗人ぽさがなく気さくな人柄と何より社内での業績もよく本社内にだけに留まらず下請け会社からの支持も厚かった。 次期社長選出に向け裏工作で票集めに奔走した篠川派だが露骨な創業家外しと篠川は世間からバッシングを受け、更に篠川派を大きく上回った康介派は康介社長就任要望とストライキを引き起こす事態となり連日メディアを賑わせた。 結果的に篠川は失脚する格好となり、山之内家が再君臨する事になった。 現在では康介の手腕に、売り上げは好調を維持し、山之内家に対する世論の評価は一変し、稀代のカリスマとの呼び声も高い。
25/09/03 10:54
(rKSvPFas)
投稿者:
霧迷
〜早世智成の新章〜
早世智成は聖白鳥女子大学関係者を探していた。 聖白鳥女子大学は女子大御三家に選ばれる名門お嬢様大学だ。 顔だけ見れば童顔で一見高校生にも見えるような女がまさかこんな名門大学のお嬢様とは驚きだった。 過去の人脈を辿っていると、ついに一度名刺を交わした人物に聖白鳥女子大に在籍している岩瀬と言う教授がいる事を見つけ出した。 山之内書店は一度、岩瀬教授の書籍出版に携わっていた。 早速一か八かで当時の肩書きを名乗りコンタクトをはかった。 早世は予め用意した口実で、そちらの学生に有能な人材を見つけたので、その学生の情報を知りたいと、大学事務室から学生情報を確認させて欲し旨を相談したが、大学関係者以外には確認できないと断られた。 しかし、私が専務である事と過去に当社に世話になった恩からか、数秒の間の後、写真さえあれば私が確認できますと言う事で、直ぐ様、SNSから電車内で撮影しておいた女の顔写真を彼の携帯に送信した。 スマホをポケットにしまい、歩き出すと、数分後にメール着信を受信した。 スマホを取り出しメールを確認すると、岩瀬教授の番号での返信だ… ――――――――――――――――――――――――― 本日 090◯◯◯◯ ◯◯◯◯ この方はそちらさんのご子女なのでは? 山之内未来音さんですよね。 snsmeil 10:13 ――――――――――――――――――――――――――― 早世は鼻を鳴らしフッと片方の口角を上げ笑った。 運命的な巡り合わせだ、私の人生はとことん山之内一族と共にあるらしい いいだろう… 翌日、早世はただ座ってるだけのお飾り部長の職を捨てる決心をし、退職届けを提出した。 必ず、山之内未来音を私の物にしてやると改めて誓った。
25/09/03 11:19
(rKSvPFas)
投稿者:
(無名)
まずはどうにかして山之内未来音に近づきたいが、過去の経歴がバレてしまえば、近く事すら不可能だ。
そう思い、交友関係を調べ上げた。 花巻不動産の花巻彩羽〈はなまきいろは〉と縞野官房長官の娘、縞野咲蘭〈しまのさらん〉 この二人が一番の親友らしい。 数日、調査すると、微かな糸口が見えてきた。 たまに縞野咲蘭を車で迎えに来る男がいる事に気付いた。 駅から少し外れた脇道が待ち合わせ場所らしく、今日も咲蘭が脇道に消えて数分後には咲蘭を乗せたアウディのフロントがゆっくり出てきて右折していく。 薄暗いが街灯の灯りが運転席を照らして運転席側から覗くと微かに男の顔がわかる。 早世にはその男に見覚えがあった。 あれは、篠川玲王〈しのかわれお〉だ。 山之内書店時代に篠川宅に何度か招かれた時に紹介されている。 世間話をした事もある、向こうも私を覚えているはずだ。 まさかこんな所で篠川のスキャンダルの種が転がっていたとはな。 今更だが、ただ、この事実はもしかしたら、使えるかもしれない。 一度、玲王に接触するしかない、それが一番最短で、確実だ。 ――――――――――――――――――――――――――――
25/09/04 20:43
(8am4./pQ)
投稿者:
霧迷
篠川の自宅前で張り込みすると、電動のガレージシャッターが上がり玲王のアウディQ5が出てくる。
暫く走ると、ほどなくして9階建てビル地下駐車場に入っていった。 早世は近くに路駐し、ビルの案内板を見て、それらしい会社をスマホで調べると、グローバルリンクスと言う派遣会社の代表が篠川になっていた。 玲王の職場はここだと確信した早世は日中時間を潰し、17時頃からビル駐車場の玲王のアウディ付近に駐車して数日張り込む決心をした。 3日後、今日は17時10分と早くに駐車場に玲王が現れた。 早世に気づく事もなく、鞄を手に3メートル手前でアウディのキーを開け、ドアを開ける。 その直後に早世は車から出た。 「縞野咲蘭か?」 と早世が言葉を発すると玲王はアウディのドアを開けたままこっちに振り返った。 一瞬、時間が止まったが、玲王はハッと思い出した様にドアを閉め、こちらに向き返った。 「たしか…早世…さん…ですよね。その節はお世話になりました。」 と軽く会釈をした。 「玲王君の恋人がまさか縞野咲蘭とは、してやられたな。」 「…」 篠川玲王は早世の意図が読めずに困惑した表情で軽く会釈した。 「玲王君のご両親はご存知かな?」 「…」 篠川玲王は気まずそうに俯いた後で 「父が早世さんには迷惑かけたと…そう申してました。」 「自分の人生がこんな波乱だったとは思いもしなかったよ。おかげで今は悠々自適な生活を送っているよ。君のお父さんの会社は順調そうで何よりじゃないか」 と笑顔で言うと篠川玲王は 「おかげ様でなんとか…」 と笑顔は引きつっている。 「それはさておき、今日は別に玲王君をその事で脅迫したりしにきた訳じゃないんだよ。」 「は、はぁ…」 「玲王君にちょっと話したい事があるんだ時間を作ってくれないか?15分くらいでいいだ」 と言うと、篠川玲王は腑に落ちない様な表情を浮かべながら、ちょっと待って下さいとスマホをいじり出した。 おそらく縞野咲蘭に連絡したんだろ。 そして玲王は 「この建物内だと父に見られると困るので、近くに喫茶店があるので、どうですか?」 「ありがとう」と告げ篠川玲王はビルを出て側道に入ると、裏道の角に建つ小さい喫茶店に入った。
25/09/04 20:46
(8am4./pQ)
投稿者:
霧迷
席に着くなり篠川玲王は
「あの…父には咲蘭の事は…」 と言いづらそうに言ってきた。時間作ったから黙ってて欲しいと言いたいんだろう。 しかし、私も篠川に玲王と接触した事は知られたくないので、好都合だ。 「ああ、私は余程の事がない限りはそんな簡単には喋ったりはしないよ」 「お願いします。」 「縞野とは長いのか?」 「すいません、もう勘弁して下さい。」 とこれ以上、私に弱みを握られたくないんだろう。 そして私は本題を切り出した。 「山之内未来音は知ってるだろう。」 篠川玲王は意を突かれた様に目を丸くしながら言う 「は…はい…確か……高校生の頃、父に連れられていったパーティーで2,3度お目にかかった事がありますかね。」 「連絡先は?」と聞くと 「知らないです知らないです」と即答し 「お互い挨拶程度でまともに会話すらした事ありません」 やっぱり篠川玲王からは山之内未来音には繋がらないか…と思い、本命の縞野の方に切り替えた。 「彼女は山之内未来音と友人らしいじゃないか」 「あ、あぁ、そうですね、話はたまに聞きます。」 「どう言う話を?」 「え…どう言う話と言うか、食事行くとか、買い物くとか…エステとか……ですかね。」 「一度、縞野と会わせてくれないかな?もちろん玲王君と一緒にで構わないんだが。」 思いもしなかった早世の言葉に篠川玲王は呼吸を止めて早世を見つめた。 「無理だとは言えないはずだが?」と私が言うと 「まぁそれはいいですけど…早世さんは何故、山之内未来音の事を調べてるんです?」 「それは詮索しないで欲しいな。玲王君、君も同じ条件なはずだよ」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
25/09/04 21:02
(8am4./pQ)
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