ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
祖母・昭子   最終章   2
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
投稿の削除 パスワード:
1:祖母・昭子   最終章   2
投稿者: 雄一
「もう、決めたんだからね!」
 こちらが何もいわないうちに、紀子が強く思いを込めた口調で、僕の背中に向けて言葉
を投げつけてきた。
 振り返って紀子の顔を見ると、切れ長の目の端を吊り上げて、僕に何の反論も許さない
という強い意思を訴えているようで、つんと尖った鼻からの息も荒そうだった。
 その視線の意外な強さに、僕は少したじろいでしまい、
 「あ、ああ、そうかい」
 と思わず首を頷かせてしまっていた。
 「お夕飯も、雄ちゃん、作れないでしょ」
 気持ちの切り替えの早い紀子は、そういって早足で僕の横をすたすたと追い越していった。
 家に帰っても、紀子は公園での話など忘れたかのように、祖母が朝に干していった洗濯物
を取り込んで畳んだり、庭先の枯草を竹箒ではいたりと動き廻っていた。
 僕は居間にだらしなく寝転んでテレビを観ていたが、紀子が休まず動いているのは、やは
り公園での話が頭に残っていて、それを紛らわさせるのに、ばたついているのだと思い、あ
まりかまうことはしなかった。
 学校では陸上競技の花形選手で、男子生徒の間でもマドンナ扱いされている紀子に、これ
ほどの甲斐甲斐しさがあるのは、僕にも少し意外だった。
 いつだったか紀子が、
 「将来は貧しく細やかでも、好きな人とつつましく楽しく生きていけたらいいの」
 と呟いたことがあり、その後で、雄ちゃんみたいな怠け者は対象外、と釘を刺されたこと
があった。
 「雄ちゃん、お夕飯の買い物行こ」
 手の甲で額の汗をぬぐいながら、僕の前に座り込んで座り込んできた紀子に、
 「一人で行けない?」
 と抵抗の言葉をいったが、結局はいう通りにさせられ、坂道を下りる羽目になった。
 案の定、雑貨屋の叔父さんには、よう、新婚さんいらっしゃいなどと冷やかされて帰って
きたが、紀子は妙に真に受けて、私って、結構大人に見えるのかな?といい気になっていた。
 帰り道の途中で、紀子は自宅の母に、友達の家で泊っていくのでと、嘘の連絡をしていた。
 夫婦間の重く暗い事情もあってか、母親からの細かな追及もないようだった。
 夕食はキムチ鍋だった。
 因みに夕食の食材費は、僕が払わされた。
 外はすっかり夜になっていて、鈴虫の鳴き声がたまに聞こえるだけで、田舎の静寂が僕と
紀子しかいないこの家を包み込んでいた。
 二人で居間で見るともなしにテレビを観ていたのだが、夕食の時までは声を弾ませていた
紀子が急に無口になっていた。
 また両親のことを思い出したのかと思っていたら、違っていた。
 就寝のことを考えていたのだ。
 「…田舎って、静かなのね」
 いきなりしんみりした声で、紀子がいってきた。
 「静かなのはどこでも一緒だろ」
 「田舎の静けさってね、空から降ってきて包み込むって感じしない?」
 「何、詩人ぶってんだよ。静かなのが怖いのか?」
 「あなたってデリカシーないわね」
 風呂は僕が先に入って、紀子にも入れというと、妙にもじもじしてるので聞いてみると、泊
まる用意してきてないから入らないと、誰かに拗ねるようにいってきた。
 「世話のかかる奴だな。だから帰ったらよかったんだよ」
 「私は帰らないといったけど、雄ちゃんは私に帰れとは一回もいってない」
 「そりゃ、お前のあの時の、剣幕がすごかったから」
 そういい残して、僕は祖母の室に紀子用の布団を敷きにいった。
 祖母の箪笥を開けて、紀子の着るものを探したら、来客用と思える寝巻が整理されて置いて
あったので、それを持って室を出て居間に戻ると、彼女は座卓の前でまだ妙にそわそわしと落
ち着かなさげに、無意識のように手を握ったり開いたりしてた。
 「何そわついてんだよ。これ寝巻な」
 「ありがと、やっぱりお風呂入ってくる」
 紀子は渡された寝巻を抱え込んで、浴室のほうに立っていった。
 この時僕は気づいた。
 紀子は僕と二人きりで一軒家に寝ることになったことに、今頃になって妙に緊張しているの
かも知れないと思ったのだ。
 こういうことが初めての体験なら、そうなのかも知れないと、僕は一人で顔を緩ませ笑みを
浮かべた。
 もう一つ自分自身のことでも、気づいたことがあった。
 この夏休み以降の僕なら、紀子ではないが、女性と一軒家で夜を過ごすというこ
意識し、まず最初に湧いてくる淫猥性に満ちた欲情という感覚が、どういうわけなのか、微塵
も湧き上がってこないのだ。
 これは僕にとっては驚嘆の事象だった。
 紀子に女性としての魅力を感じないというのでは、当然にない。
 正直にいうと、どうしようもないくらいに、僕は紀子のことが好きだ。
 どこがというのではない。
 彼女の全部が好きなのだ。
 夏休みからの二ヶ月足らずの間に、たかだか十六という若年の身ながら、祖母を含めて何人
かの女性と僕は知り合い、ほとんどが本能剥き出しの思いで、男女の深い関係を持ってきて、
今もそのどれもを断ち切れずに、正しく本能と欲情の赴くままにだらだらと続けている。
 それぞれの女性にそれぞれの良さがあるから、僕はそうしているのであって、社会通念上の
良識などというものは考えないことにしている。
 血の繋がる祖母とのことでも、僕には不浄な思いなど微塵も感じていないのだ。
 それでいて、紀子といる時は、十六歳の少年と少女になって、汚れも何もない純粋な交流が
続いていて、僕自身でいえば、彼女といる時は、小煩くてどうしようもないと思いながら、心
のどこかがひどく安心できているのだった。
 つまりは僕という人間の、二面性の顕著な事象がこれなのだった。
 テレビのチャンネルスイッチを弄っていたら、公共放送で古い洋楽の特集をしていて、あま
り上手くもない日本人歌手が、自分で自分に酔ったような声で、聞き覚えのある歌を唄ってい
た。
 確かサイモンとガーファンクルとかいう二人が唄っている、「明日に架ける橋」で、僕の父
親が鼻歌で唄っていたのが気に入って、スマホで聴いて僕も好きになった楽曲だ。
 テレビ画面の歌手は気に入らなかったが、メロディーが好きなので僕も思わず鼻歌で口ずさ
んでいたら、風呂から出た紀子が居間に戻ってきた。
 「あ、この歌、私も好き。雄ちゃんも好きだったよね?」
 そういって濡れた長い髪をバスタオルで拭きながら、紺地に花柄模様の入った浴衣姿で、寝
転んでいた僕の真横に座り込んできた。
 石槌かシャンプーの匂いが、僕の鼻先を擽ってきていた。
 「この歌の意味、どういうのか知ってる?」
 紀子が聞いてきた。
 「知らないよ。俺はメロディーが好きなの」
 「つらい時がきて、友達が見つからない時、僕は君の味方っていう歌だよ」
 「ああそう」
 僕は本当に歌の意味は知らなかったが、
 「よかったな、お前、俺がいて」
 とすぐに返してやった。
 しょってるとか、自惚れてるとかの反論があると思ってたら、
 「うん…」
 と思いも寄らず素直な声が返ってきたので、僕は少し拍子抜けして、次の言葉が続かなかっ
た。
 夜もすっかり更けてきたので、
 「寝るか?」
 とさりげなくいって、座卓の前から立ち上がった。
 会話はなくてももっとここにいたそうだった紀子は、渋々という感じで立ち祖母の寝室に、
少し項垂れるような表情で歩いていった。
 その後ろ姿を見て、
 「お前、背高いから浴衣の丈、少し短いな」
 冗談口でそういって、僕は自分専用の室に入った。
 この時も、僕は全くの普通の十六の少年の気持ちだった。
 好きだという思いは変わらずにあったが、紀子を抱きたいとかいう、不埒で邪悪な思いと
いうのが、まるで湧いてきてはいなかった。
 布団に入って十分ほどスマホを弄ったりしていたが、眠たくなったので、スタンドの灯り
を消そうとした時だった。
 入口の戸の向こう側で、人の足音のような気配がした。
 この家に今、いる人間は僕と紀子の二人だけだ。
 顔を上げて入口のほうに目を向けた時、紀子の不安げな声が戸の向こう側から聞こえてき
た。
 「どうした?」
 と不信げに聞く僕に、
 「入っていい?」
 普段の紀子とは似合わないような、弱々しげな声が返ってきた。
 僕は布団の上で上体を起こして、
 「いいよ、入れよ」
 女の子が寝るに際して、何か困ったことでも起きたのかと思い、優しい声でいってやると、
戸がゆっくりと開いて、丈の短い浴衣姿の細い身体が、足を忍ばせるようにして入ってきた。
 何故か両手で胸に枕を抱きしめていた。
 「何だよ、お前」
 薄暗いスタンドの灯りの中で、僕の顔を見て安心したように薄笑みを見せて、いきなり僕
の真ん前に滑り込むように座り込んできた。
 「静かすぎて、怖くて眠れない」
 小学校の低学年の子供が、親に甘えて訴えるような目でいいながら僕を見つめてきた。
 「な、何、子供みたいなこといってんだよ、お前」
 予想もしていなかった突飛な申し出に、僕のほうが泡を食ってしまい、声を詰まらせなが
ら紀子を見ると、両手で胸に抱えた白い枕が最初に目に入った。
 「い、一緒にって、お前、ここに寝るっていうの?」
 「そう…」
 もう自分で決め込んだような口調でいいながら、少し不安げな眼差しで、胸の枕をもう一
度抱き締め直していた。
 「お前さ、自分が今、何いってんのかわかってるのか?…」 
   


 

 
 
 
 
 
 
 

 
 
2023/05/08 09:38:20(Z0bYU42k)
2
投稿者: 雄一
…こんな狭い布団に一緒に寝るなんて。向こうの室から布団持ってきてやるよ」
 急に昂り出した胸の興奮を抑えて、年上の男子のように諫める声でいってやると、
 「条件があるの」
 スタンドの小さな灯りでほの赤い顔を、下に俯けながら、
 「ゆ、雄ちゃんが私に変な気を起こさないこと」
 と覚悟を決めたように言葉を続けてきて、顔を上げ僕の目を強く睨みつけてきた。
 「何だい、自分で勝手に来ておいて、そのいい草は」
 「何でもいいから、約束して」
 「勝手な女だ」
 自分のいい出したことから、一歩も引かないという、思い詰めたような紀子の強い視線に
気圧されて、僕は身体を少しずらせて、掛け布団を捲ってやっていた。
 ほっとしたように白い歯を覗かせて、紀子は布団に近づき、大事そうに抱えてきた枕を僕
の枕の横に置いて、紺地の丈足らずの浴衣を整えながら、細い身体を横たわらせてきた。
 諦め顔で僕も紀子に添うように身を横たえたが、狭い布団の中で、二人の身体の手や足が、
否応なしに触れたり当たったりしてきた。
 何よりも、掛け布団の中の匂いが、紀子の予期せぬ乱入で一変してしまっていた。
 「何か、男臭い」
 紀子が尖った鼻先をヒクヒクさせて、独り言のように呟いてきたが、僕のほうも真逆な女
の匂いに鼻孔を完全に制覇されて、全身が勝手に固くなるばかりだった。
 お互いが身体を横向きにして、吐く息の微風がお互いの頬にかかるくらいで、目と目を見
合わせていたのだが、僕が妙な胸苦しさから逃れるように目を閉じると、
 「寝るな」
 といって、紀子がいきなり鼻を摘まんできた。
 「こんな美人を横にして、罰当たりだぞ」
 そんなことをいってきたりしていた。
 彼女も彼女なりに、おそらく初めての体験で、胸の興奮やときめきは、僕以上に大きく感
じているのだろうと思った。
 それを紀子は一生懸命に押し隠しているのだ。
 「そうだな、学校中のアイドルさんと一緒に寝れるなんて、果報者だよな」
 紀子のから騒ぎに便乗してやるように、明るい声でいってやった僕の目が、彼女が動いて
浴衣の襟が少し乱れ、首筋の辺りの肌が広く見えたところに向けられらた時、
 「こら、スケベな目でどこ見てるの?」
 と鋭い指摘の声が飛んできた。
 紀子の乳房の、膨らみの始まりの部分が、瞬間的に覗き見えた時、僕は自分の身体のどこ
かの血流が、どくんと音を立てて騒いだような気がした。
 黙ったまま二人の目が合った。
 僕の身体の中の血の騒ぎを知ったかのように、
 「キ、キスだけだよ」
 スタンドの灯りの薄赤さより、もっと赤く顔を染めて、紀子が僕の目を見て蚊の鳴くよう
な小さな声でいった。
 いいながら、彼女の全身がひどく強張ってきているのが、目に見えてわかった。
 「うん…」
 僕は声に出していって、紀子の強張った肩に手を置いた。
 そのまま顔を近づけていくと、かたちのいい唇が小さく震えていた。
 目を閉じている彼女の顔に、僕は顔を近づけ、唇を震える唇に重ねていった。
 紀子の甘酸っぱくて、甘い息の匂いが、僕の少し開いた唇から口の中へ、春のそよ風のよ
うに柔らかく漂ってきた。
 僕の舌が彼女の閉じている歯に当たると、くんと子犬が小さく鳴くような声が漏れて、震
えながら歯と歯の間に隙間が生じた。
 紀子の中は温かく、歯の感触も滑らかだった。
 紀子の温かな息の匂いと、探し当てた舌の感触が、僕の下半身の血流をさらに強く昂めて
きていた。
 狭い口の中で、紀子の舌が僕の差し出した舌から、か弱い白鼠のように逃げ惑ったが、捉
えられると、その動きはすぐに止まった。
 僕と紀子の唇は、長い時間重なり合っていた。
 掛け布団の中で重なり合って動いてる間に、紀子の浴衣の襟の乱れがまた大きくなってい
て、片方の肩と襟足からうなじまでが露わになってきていた。
 ブラジャーをしていたのか、薄い水色の肩掛け紐が、顔よりも白い肌に浮き上がるように
見えていた。
 唇を離して紀子の顔を見ると、明るい小麦色の肌に赤みがまだ残っていて、何かの花びら
のように耳朶も赤く染まっていた。
 奥歯を噛み締めるような顔をして、切れ長の目は固く閉じたままだ。
 赤く染まった耳元に唇を寄せて、
 「紀子が欲しい」
 と僕は心の底からの声を囁くようにいった。
 少しの間、言葉はなかったが、尖った顎が震えるように、小さく頷いたのが見えた。
 剥き出された肩に唇を這わそうとすると、紀子の全身がびくんと、また恥ずかしげに小さ
く震えた。
 舌がガラスの上を這っているように、紀子の肌は滑らかだった。
 片方の手で、紀子の浴衣の腰紐を解きにかかろうとした時も、紀子は細い首を震わせ、無
意識に帯を解いている僕の手に、拒絶的な動きではなしに手を重ねてきた。
 帯が解けて紀子の浴衣が左右にはだけ、首から足先までの肌が、掛け布団の下で露呈した。
 自分の身体を少し起こすと、掛け布団が捲られ、ブラジャーと揃いに色のショーツだけの
紀子の裸身が、差し込んだスタンドの薄明りに映えるように、僕の目に飛び込んできた。
 手を触れなくても、若さが弾け散っているのがわかる、紀子の張りのある肌を間近に見て、
僕は思わず大きな感嘆のため息をついていた。
 「優しくしてね…」 
 目は閉じたままで消え入るような声で、紀子が僕の耳の近くに囁いてきた。
 「紀子が好きだ」
 そういって、僕は紀子の全身を強く抱きしめた。
 「私も…ずっとあなたが好きだった」
 僕はもう一度、紀子の唇に唇を重ねていった。
 紀子の細長い腕が、恐る恐るな感じで僕の首に巻き付いてきた。
 巻き付いてきた紀子の腕に、力が込められてきた時、彼女のその強い力のすべてが、僕の
下腹部に電流のように強い刺激を与えてきている感じがした。
 「いいのか?」
 と自分の昂ぶりの気持ちを抑え僕がて聞くと、紀子はもう一度大きな息を吐いて、目を小
さく開けて、薄く赤らんだままの顔をこくりと頷かせた。
 紀子を抱きしめていた僕の手の片方が、彼女の背中のブラジャーのホックを外し取った。
 その手が紀子の胸を這い、それほどに膨らみはないが弾力性と張りに富んだ、丸くかたち
のいい乳房を柔らかく掴み取った。
 これまでの僕の女性体験の中で、初めて感じるゴムボールのような弾力と張りに、僕は内
心でひどく驚いていた。
 ううっ、という紀子の喘ぐような短い声が、僕の耳の傍でした。
 うっすらと汗が滲み出している艶やかな額に、何かに堪えるような皴を浮かばせ、紀子は
閉じている目をさらに強く閉じていた。
 丸い乳房の頂点で、他の誰にも触れさせたことのないと思える、奇麗な桜色でつんと突き
立っている乳首に指を添えてやると、紀子の額の皴がさらに深くなり、歯で下唇を強く噛み
出していた。
 少しばかり頭に乗った僕は、もう固くし凝っている乳首に舌を這わせてやると、
 「ああっ…」
 と堪えかねたように、噛み締めていた唇が開き、喉の奥から沁み出るような、はっきりと
した声で喘いだ。
 乳房への愛撫を続けながら、僕の片方の手が、紀子の腹部をなぞるように這って、その下
のショーツの布地を捉えた時、
 「あっ…ああっ…」
 また紀子の胎内の熱を吐き出すような、余韻のある喘ぎ声が室内に響き、外で小さく鳴い
ていた虫の声まで止まったようだった。
 ざらりとした繊毛の感触を、ショーツの薄い布地越しに、僕の手の指先がはっきりと捉え、
同時に紀子の両足が固く閉じられたのが、僕にはわかった。
 それを承知の上で、僕の手の先は、彼女のショーツの布地の下に向けて、割り込むように
潜った。
 紀子の喘ぐ声が小さな悲鳴に変わり出していた。
 紀子の股間に強引に潜り込んだ、僕の手の先は、ついに彼女の、ここも誰にも触れさせた
ことのないであろう、究極の部分に達し、その僕の手を紀子の太腿が、逆に逃さないように
挟み付ける結果になった。
 もう一つ、僕自身も驚いた事象があった。
 閉じた太腿を割り裂くように潜り込んだ、僕の手の指の先が、薄い布地を通して滑るよう
な滴りというか、湿りをしっかりと感じていたのだ。
 紀子は当然に処女であり、男性体験は一度もないはずだ。
 それでも女性という生きものは、本能としてこのような反応を示すものなのかと、僕は軽
蔑や不浄な気持ちでは断然になく、むしろ感動に近い思いを、この時に抱いたのだった。
 「紀子、素敵だ」
 思わず僕は声に出して、そういっていた。
 恥ずかしさで、微かな抵抗の素振りを見せた紀子だったが、小さな布地のショーツは彼女
の足首から、僕の手で抜き取られた。
 僕も着ていたTシャツとトランクスを脱いで、素っ裸になった。
 もう細かで淫猥じみた、手練手管の愛技の必要はなかった。
 紀子のカモシカにも丹頂鶴にも見える細長い足を開き、自分の身体をその中に置き、充分
過ぎるほどに屹立しきったものの先端を、紀子の身体の中心へ、本心から愛する思いの丈を
込めて、深く埋没させ、二人共に十六歳の少年と少女らしい、純粋な至福と喜悦の境地に浸
れればよかった。
 「怖い…」
 僕のものの先端が紀子に触れた時、彼女が小さな声でいった。
 「怖くないよ、紀子」
 「うん…」
 「俺、嬉しい」
 「優しくして…」
 「うん」
 「ああっ…ゆ、雄ちゃん」
 「紀子」
 僕の腰が前に動いた時、紀子の顔が少し歪み、額に皴が浮かんだが、僕の自惚れでなく、
それは苦痛だけの表情ではないように見えた。
 柔らかくて、温かく湿った紀子のその部分に、若さを強く漲らせた僕のものはゆっくりと
埋没し出しているのが、僕自身にもわかる感じだった。
 下唇を噛み締めていた紀子の口が少し開き、白い歯並びが見え、喉の奥のほうで、出そう
になる声を必死で堪えている表情になっていた。
 切れ長の目の端に、汗とは少し違う小さな水滴が見え、それが一筋の細い線になって、頬
に流れ落ちているのに僕は気づいた。
 涙を連れ立った心地のいい圧迫と、温かな摩擦に包まれ、僕の全身と心の中は有頂天に近
づきつつあった。
 これまでの僕の女性体験でいえば、どの女性にもその人なりの良さがあって、祖母には包
容力、尼僧の綾子には憂愁、国語教師の俶子には従順さ、紀子の叔母の益美には妖艶さ、と
それぞれの思いと刺激を僕に与えてくれていたが、僕と同じ十六のまだ未成熟そのものの紀
子には、これから先でどのような女性にでもなれるという、そこはかとない可能性があると
いうことを、僕は紀子の一筋の涙で知ったような気がした。
 「紀子…俺たち…結婚しような」
 僕自身も予期していなかった言葉が、僕の口から唐突に出た。
 頭の中では、漠然と思ってはいたが、ここで口に出すほどまでは、真剣に考えていなかっ
た言葉だった。
 何かに堪え忍ぶような表情をしていた紀子の目が、電気のスイッチが入ったようにパチリ
と開いて、驚愕の眼差しで見つめてきた。
 それからすぐに紀子の、輪郭のはっきりとした唇が横に開き、
 「ほんと…?」
 という表情で、白い歯が覗き見えた。
 腰の動きをゆっくりと続けたまま、僕は顔を頷かせ、本当だ、と目で合図を送った。
 紀子の顔の表情とは別に、彼女の胎内からの心地のいい圧迫と柔らかな摩擦は、不覚なこ
とに僕の忍耐の限界線に、刻々と音もなく近づいてきていた。
 少ないながらも、これまでの熟女たちとの濃密な経験が、純心で純粋なだけの紀子の身体
の前では、何の役にも立っていないことを、僕は思い知らされ、身体も心も狼狽しきってし
まっていたのだ。
 その狼狽が僕の身体から焦りを生じさせ、もっと長く紀子を愛したいという思いを掻き消
すように、昂まりは
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
  
 
23/05/09 15:28 (m2yUflOo)
3
投稿者: 雄一
…増幅するばかりだった。
 初めての体験である紀子も、自分がどのようにして、相手に応えたらいいのかわからないまま、
漏れ出そうになる恥ずかしい声を必死に堪え、上気した顔を左右に激しくうち震わせていた。
 それでも、その表情は苦痛のそれではなく、どこかに僕への信頼と悦びのような思いが滲み出
ているような気が、僕の独りよがりかも知れないが、していた。
 両手で紀子の両頬を挟み込むようにして、僕は彼女名前を呼んだ。
 「紀子…」
 閉じていた紀子の目が開いて、僕の顔がすぐ真上にあることに気づき、驚きの目をして、
 「雄ちゃん…」
 と掠れたような声で呼び返してきた。
 紀子のその声を聞いて、腰の律動を早めた僕は、
 「の、紀子…い、一緒に!」
 と彼女の目を正視して、訴えるように声を振り絞った。
 意味も分からないまま、紀子は何度も何度も汗に濡れた顔を頷かせてきた。
 勢いに溺れて、彼女の身体の中に出してはいけない、という思いだけは、僕はしっかり
持っていた。
 そして最後の寸前で、紀子は腹に当て身を喰わされたように、うっと小さな声を漏らし
て意識を失くした。
 僕は暴発寸前で、身体を紀子から離して、気を失っている彼女の腹の上に、白濁の迸り
を飛散させた。
 意識の戻らない紀子をそのままにして、僕は室の隅からテッシュケースを持ってきて、
彼女の腹に夥しく飛散させた白濁を、丁寧に拭き取ってやり、自分自身の後始末も終えて、
そのまま仰向けに布団に横たわった。
 僕の真横で寝息を立てている、紀子の寝顔に目を向けながら、何ともいえない爽快感と
至福感を僕は満喫していた。
 まだまだ先の長い道を、どう進んでいこうと、こいつだけは、どんなことがあっても、
自分が幸せにしてやらなければならない。
 薄暗い天井板に目を向けながら、至福で爽快な頭の中で、およそ僕らしくもなく、殊勝
な思いでそう誓っていた。
 「う、ううん…」
 横で声が聞こえたので顔を向けると、紀子が目を覚ましていた。
 顔を一、二度横に振りながら、開けた目で僕を見つめてきた。
 沈黙の間が少しあって、彼女が自分の裸の寝姿に気づき、慌てた素振りで乱れきった浴
衣を手で手繰り寄せながら、
 「どうして私だけ服も着せず、ほったらかしなの?」
 といつもの怒り顔で、僕を睨みつけてきた。
 「だって、お前気持ちよさそうに寝てたもん」
 と返してやると、
 「大事なお姫様を、風邪引かせちゃだめでしょ」
 「お前も大事なお殿様をほったらかして、自分一人で鼾かいてたぜ」
 紀子が照れ隠しで、口を尖らせているのがわかった。
 掛け布団の中で、器用に身なりを整えた紀子は、改まったように僕に視線を向け、
 「私、何も後悔はしていないよ」
 と小さな笑みを口元に見せていってきた。
 「お、俺もだよ。年齢からいうと、不純異性交遊だけどな」
 紀子の視線の妙な強さに気圧されたように、今度は僕のほうが照れ隠しの台詞を吐いて
いた。
 「不純じゃない…愛よ…愛」
 他愛ないもので、それから間もなく、僕と紀子は一枚の布団の中で、身を寄せ合いなが
ら深い眠りの中に落ちた。
 目を覚ますと、隣で寝てた紀子はもういなかった。
 カーテンが開け放たれた窓から、眩しい陽光が差し込んでいて、眩しさに目を細めなが
ら柱時計を見ると、まだ七時半過ぎだった。
 台所のほうから物音が聞こえてきていた。
 寝ぼけ眼で室を出て行くと、ジーンズ姿に着替えた紀子がガス台の前に立っていて、火
の点いた鍋に何かを溶いているようだった。
 「おはよう」
 僕に気づいて、紀子が明るい笑顔でいってきた。
 おはようと言葉を返した僕のほうが、逆に昨夜のことを意識して、自分から目を逸らし、
居間にこそこそと足を向けた。
 座卓の前に座り込んで、手に持っていたスマホの画面に目を向けると、メール着信が一
件入っていた。
 祖母からで、着信時刻は昨夜の十時過ぎになっていた。
 (綾子さん、峠を越したみたいだから安心して。恋人さんによろしく)
子がここに泊るということは、祖母にはいってないのに、もう決め込んでいるようだ
った。
 紀子は炊飯器でご飯を炊いたようで、炊きたての米の匂いと味噌汁の匂いが居間のほう
まで漂ってきていた。
 座卓の上には漬物とレタスサラダと、僕の好きな卵焼きが並んでいて、紀子が湯気の立
つ味噌汁と、ご飯を載せた盆を持って居間にきた。
 「紀子がこんなに料理できるとは知らなかった」
 「いいお嫁さんになれそう?」
 昨夜のこともあったので、僕は少しどきっとしたが、彼女の屈託なさげな顔を見ると、
もういつもの小煩い紀子に戻っているようで、
 「雄ちゃんの好きな、砂糖入りの卵焼き作ると焦げちゃって色も奇麗にならないの。我
慢して食べてね」 
 と笑顔を見せていってきた。
 二人だけの食事が終わりかけの頃、紀子のスマホが突然鳴った。
 画面を見て、
 「叔母さんだわ」
 そういって台所のほうに歩いていった。
 二、三分話し込んで、紀子は居間に戻ってきて、
 「昨日ね、私のお母さんから叔母に電話があったみたい。友達の家に泊まるって嘘つい
てるでしょ。それでお母さんが心配して叔母に相談してきたんだって」
 こちらが聞いてもいないのに、電話の中味を話し出した。
 「叔母がね、紀子ももう大人なんだから心配しないで、あなたたち夫婦の問題をきちん
としなさいって、説教してやったんだって」
 「そうかい、いい叔母さんだね」
 「叔母さんにね、今、あんたと一緒にいるっていってやったら、叔母さん、少し驚いて
たけど、それなら安心だっていってた」
 僕は飲みかけのお茶を、思わず零しそうになっていた。
 「お前、こんな朝早くに俺と一緒にいるっていったら…」
 「いいじゃない。あなたも叔母のことは知ってるんだし」
 「叔母さんがご、誤解するだろがよ」
 「どう誤解するのよ。私、あの叔母さんにはっきりいってあるもの」
 「な、何を…?」
 「雄ちゃんのことが好きだって。あの叔母さんには何でも話しできるの」
 僕のほうも叔母さんとの関係があるので、これ以上話を続けるとやばくなりそうな気がし
たので、
 「いい叔母さんでよかったな」
 といって、どうにか事なきを得た。
 一時間ほどして、今度は僕のスマホが鳴った。
 祖母からだった。
 十二時前に着く列車で帰るという連絡だった。
 駅弁三人分買って帰るから、三人で仲良食べましょ、といってきたことを紀子に話してや
ると嬉しそうな顔で笑ってきた。
 三人で顔を合わせた時の、僕の戸惑いと狼狽えの気持ちを、紀子に話すことは死んでもで
きないと、僕は自分一人で腹を括った。
 祖母を駅まで迎えに出る時、玄関の上り口で、靴を履いて立ち上がった僕のすぐ前に、紀
子が顔を少し赤らめて立っていた。
 「もう一回キスして…」
 僕の目を恥ずかしそうに見つめて、小さな声でいってきた。
 うん、と僕は顔を縦に振って、紀子の両肩に両手を置いた。
 唇と唇が触れた時、前に駅近くの公園のベンチで、紀子と初めてキスした時の甘酸っぱい
レモンのような匂いがしたのを思い出した。
 同じ匂いがした…。




                                終わり

  (筆者後記)  

 長い間のご愛読、ありがとうございました。
 最後は、このサイトには全くふさわしくない内容となってしまいましたことを
深くお詫び申し上げます。
 自分の若かりし頃の、体験の幾つかを思い起こしながらの拙文に、たくさんの
ご感想やらご意見、ご提言、ご諫言を賜りまして、本当に感謝しかありません。
 また機会がありましたら、皆様のご意見、ご諫言を、今後大いに参考にして、同
じペンネームで参画させていただきたいと思っていますので、よろしくお願い申し
上げます。
 最後に添削なしで、誤字脱字だらけで、パソコンの操作ミスもあったりで、大変
判読しにくかったことを、重ねて深くお詫び申し上げます。
                               雄一 

  




 
 




 
 
 
 
 
 
 

23/05/10 14:09 (uITK2XNL)
4
投稿者: (無名)
雄一さん、今まで最高の作品をありがとうございました。
続きを楽しみにしておりましたが、なぜと終わりなのでしょうか?寂しいです。
お疲れ様でした。次作も楽しみにお待ちしております!!
ありがとうございました。
23/05/10 23:54 (2NzZucxn)
5
投稿者: アラカン
雄一さま

このサイトにはふさわしくないといわれてますが、後半は読者を楽しませなければいけないみたいな感じで無理されてるようでしたので、これでよいのではないでしょうか。
それに、別投稿になってますがちゃんと伏線がありこのようになるのでは感じてました。
最後に16歳の少年に戻ってさわやかさが残りいい終わり方でした、ありがとうございました。

ps
また、新作や番外編の続きがありましたら投稿お待ちしております。
23/05/11 01:04 (yQZqvSHJ)
6
投稿者: (無名)
春日との続きが気になってしゃーないねんなぁー
23/05/12 15:11 (Fj8IatnV)
コメントを投稿
投稿前に利用規定をお読みください。
名前
メール
本文
スレッドを上げない
画像認証

上に表示されている文字を半角英数字で入力してください。
 
官能小説 掲示板
官能小説 月間人気
官能小説 最近の人気
作品検索
動画掲示板
画像で見せたい女
その他の新着投稿
人気の話題・ネタ
ナンネット人気カテゴリ
information

ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられております。

Copyright © ナンネット All Rights Reserved.