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祖母・昭子
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:祖母・昭子
投稿者: 雄一
女の人の、男子として妙に気持ちをそそられそうな甘い化粧のような匂いを、
僕は鼻孔に感じ、同時に薄くすべすべとした布地の感触を通して、人肌の温み
を頬肉の表皮に感じさせられて、茫漠とした気持ちで薄目を開けた。
 すぐ間近に人のような気配を感じ、顔を少し動かせて目を大きく開けると、
畳に寝転んでいる僕の身体に、誰かが覆い被さってきているようだった。
 開けた目の真ん前に、薄い水色のすべすべとした布地が揺れていて、その布
地の中の人肌の温みが、感じのいい化粧の匂いを含ませて、僕の顔のあたりの
空気をほんのりと包み込んできているのだ。
 少し慌て気味に顔を上げた時、僕の鼻先と頬に水色の薄い布地の中の柔らか
い肉が触れてきたのがわかった。
 居間の畳の上に僕は身体を横たえて、うたた寝よりももう少し深い眠りの中
に落ちていたのだ。
 そこへ風呂から上がってパジャマ着替えた祖母が来て、寝入っている僕にタ
オルケットを掛けてくれていたのだ。
 寝がえりか何かでタオルケットがずれたのを、祖母がまた掛け直してくれる
のに身体を僕に寄せてきた時に、僕が目を覚ましたのだった。
 「風邪ひくわよ、こんなとこで寝ちゃ」
 身体を少し離して、祖母がかたちのいい唇から白い歯を覗かせて微笑んでき
た。
 「あっ、ごめん。婆ちゃんにおやすみの挨拶しようと思っ てたら、つい寝込
んじゃった」
 「そんな気を使わなくていいのに」
 「あ、それとね、婆ちゃんにいい忘れてたことあって」
 「何、いい忘れててことって?」
 「あのね、僕の発見なんだけど…演歌の歌手でね、三味線抱えて歌う人で、
その人の顔が婆ちゃんにそっくりなんだよ。名前はたしか…長山、何とかってい
う人。スタイルも婆ちゃんと一緒で小さくて奇麗な人。何日か前にテレビに出て
たんで母さんにもいったら、驚いてた。」
 「そうなの。婆ちゃん喜ばなくちゃいけないわね」
 「ああ、そういえば、婆ちゃんの娘の母さんもチョイ似てるね。でも婆ちゃん
はほんとに瓜二つだよ」
 「はいはい、もういいから早く寝なさい」
 「うん、おやすみ」
 他愛のない話を祖母とし終えて、寝室の布団に身体を横たえると、現実の状況
がすぐに僕の頭にもたがってきた。
 竹野という男のことだった。
 当然に、僕はまだ竹野本人には会ってはいなくて、知っていることといったら、
年齢が祖母よりも二十二も年下の四十二歳で、例の高明寺のお守り役として働い
ていて、坊主頭であることと、性格的には自分の書いた下品で下劣としか思えな
いような拙文をわざわざ祖母にメールに書き写させて、それを読ませたりとか、
相当な偏執狂のような面があったりという変人的な人物のようである。
 祖母のスマホのメール情報では、過去に離婚歴があり、この村へは四年ほど前
に流れ着いたとのことだが、それまでの住まいとか仕事歴はわかっていないよう
だ。
 祖母との性の関係もそうだが、推測するまでもなく、所謂SM嗜好者であるのは
間違いないようだ。
 性の問題は、たかだか十六歳でしかない、著しく若輩の僕が偉そうにいうべき
ことでないことはわかっているので、どうこうと意見はいわないが、SM嗜好その
ものについては、僕自身は侮蔑や軽蔑の対象外だと胸の奥では密かに思っている。
 恥ずかしいことだが、思春期真っ盛りの一年ほど前のある時期、僕は女性の生
理について、唐突に歪んだ好奇心を持つようになり、自宅の便所の汚物入れにあ
った自分の母親が捨てた汚物を手に取り、テッシュに包まれたものを開いて、赤
い血や黄色い沁みを見て、訳もなく興奮したことがある。
 人はさまざまなのだと僕は思う。
 つつましく穏やかで清廉な僕の祖母を、恥ずかしく凌辱し虐げる竹野という人
物には、憎悪や嫌悪や憤怒といった感情が、何故かあまり湧いてきていないこと
に内心で少し驚いているというのが、僕の正直な気持ちで、肉親である祖母には
申し訳ないのだが、性行為に伴うSM嗜好への興味の思いのほうが強いのかも知れ
ないと恥ずかしながら思っているのだ。

 
 「明日の夜ね、婆ちゃん、また寄り合いがあるの。雄ちゃん、留守番お願いね」
 祖母の口から待望(?)の言葉が出たのは、それから三日後のことだった…。


 
 
2023/01/27 22:12:19(7WqPo0xO)
72
投稿者: (無名)
祖母と竹野、祖母と古村、祖母と孫、尼僧と竹野、全て興奮します。超大作の続きを楽しみにしています。くれぐれも無理の無いペースでよろしくお願いします。
23/02/16 21:51 (WB5P.mgC)
73
投稿者: (無名)
最高です!!
いつも最高の作品をありがとうございます!!

23/02/16 22:33 (Y86pA9D1)
74
投稿者: 雄一
柱時計に目を向けると、零時を少し過ぎている。
 僕のその動作を見て、
 「も、もう…今夜はこの辺にしましょうか?」
 と祖母が、存外に会話の終焉を示唆するようにいってきた。
 「僕はまだ全然前平気だよ」
 祖母のほうが疲れてきているかも知れないと、ちらりと思ったが、祖母とのこの
機会を逃すと、次にはもう大人の知恵でうやむやな結末にされると、僕は考え、話
の続行を目の表情で訴えた。 
 だけど、それはそうなのかも知れなかった。
 祖母という立場で、四十幾つも歳の離れた孫の前で、誰にも話すことのできない
淫猥な過去話を、延々と、時には微細な部分まで生々しく話して聞かせるのは、お
そらく相当の恥辱であり、屈辱でもあるのだろうと思う。
 常人の神経では堪えがたいことなのだと、その当事者の一人である僕自身もそう
理解する。
 祖母と孫という、血の濃く通う間柄でするべきではない、これは事象なのだ。
 頭の中ではそう理解しながら、十六歳の思春期真っ盛りの少年の僕の、卑猥な好
奇心は旺盛そのものだった。
 「変なこと聞くけど、婆ちゃんは竹野って男、好きになってたの?」
 僕は少し強引に話を差し戻していた。
 「い、いきなり、そういわれても…どうなのかしらねぇ?」
 「でも、これまでの婆ちゃんの話聞いてると、竹野って男の前に出ると、婆ちゃ
ん、何一つ抵抗も反抗もしてないよ。いつもされっぱなしのやられっぱなしじゃん」
 「む、難しいことは私にもわからないわ。…まだ少年のあなたにはわからないこ
とでしょうけど…男と女の関係って、理屈じゃないとこあるから…」
 「ふうん、そうなのかね」
 「あなたも大人になれば、わかる日がくるわよ」
 「また子供扱いだ」
 「あなたが、そうやって拗ねて口を噤む姿、死んだお祖父ちゃんそっくり」
 懐かしそうな表情を浮かべて、祖母は白い歯を覗かせて微笑んでいた。
 竹野との淫靡で淫猥な絡みについては、それなりに、あるところでは微細に、ま
たある部分では生々しい表現もさせたりして、これはこのままいったら?と不謹慎
極まりないあらぬ期待のようなものを、密かに抱いた僕だったが、ここにきてのら
りくらりと、何かはぐらかされている感じだったので、
 「眠たくなってきたから寝る」
 と最初にいって、
 「婆ちゃんの布団で寝ていい?」
 と思いきった言葉を早口で続けた。
 口に手を当て驚きの表情を見せた祖母だったが、意外に目が柔らかく微笑んでい
そうだったので、僕は素早く這うようにして、祖母の寝床の夏用の薄い掛け布団を
目繰り上げ、そのまま身体を滑り込ませていた。
 僕の鼻孔に、それまで室内に漂っていた香しい空気感よりも、もっと濃密な、正
しく祖母の身体から発酵された、女そのものの匂いが、一瞬、眩暈を起こしそうな
くらいの強烈さで沁み込んできて、僕の下半身を痛いほど刺激してきていた。
 「あなた、おトイレは?」
 途中で飲んだミネラルウォーターのペットボトルと、コップを手にして室を出よ
うとしていた祖母が、僕のほうに振り返りながら聞いてきたのに、
 「大丈夫」
 とだけ答えて、僕はひたすら祖母の匂いを満喫していた。
 祖母が戻ってきて、物静かな動作で僕の横に、パジャマ姿の小柄な身体を横たえ
てきた。
 少し以上に興奮状態の、僕の鼻孔をついてくる祖母の女の匂いは、さらに増幅し
ていた。
 布団に横向きになっている僕の真横に、祖母も身体を横向きにしてきた。
 枕元のスタンドの灯りはまだ点いたままで、祖母の白くて小さな顔と、切れ長の
澄んだ目と、赤い唇が間近にはっきりと見える。
 時折、手か足か、身体のどこかが触れたりするたびに、僕の胸の中の若過ぎる血
が、ビクンと音でも出しているかのように騒いだ。
 祖母は最初目を閉じていた。
 だが、僕のほうがもぞもぞと動くたびに、目を開けて優しげな眼差しで見つめて
くる。
 「雄ちゃんの若者の匂いがする」
 祖母がぼそりと呟くようにいって、
 「小学校の五年生までだったわね、夏休みにここへ来ると一緒に寝てたの」
 と妙に懐かしげな声で続けていった。
 「そうだっけ?」
 「もっと小さい頃は、お祖父ちゃんといつも一緒に寝てた」
 「そうなの…」
 「だからなのかしら。あなたは顔も喋り方も、ほんとにお祖父ちゃんに瓜二つ」
 「だったら…僕もスケベになるのかな?」
 祖母の今夜の告白を引用して、冗談半分の口調で僕がいうと、
 「そうかも…ね」
 祖母は、否定も肯定もしないような口調で返してきて、
 「…今夜の話で、私のこと、嫌いになった?」
 とさらに言葉を続けてきた。
 存外に真剣そうな顔で、僕を見つめて聞いてきたので、
 「嫌いになんか、一つもなってないよ」
 当然のことのように僕が応えると、
 「ありがとう。よかったわ」
 と嬉しそうに言葉を返してきた祖母を見ると、奇麗な目に涙を一杯溜めてい
たので、
 「どうしたの?」
 と意外そうな顔で僕は聞いた。
 「もう、来年の夏休みには、雄ちゃん、来てくれないだろうなって婆ちゃん
思ってて。その言葉聞いてほんと嬉しい」
 鼻を幾度も啜らせながらいって、祖母は涙顔に安堵の表情を浮かべていた。
 いつの間にか、祖母の手が僕の首筋に回ってきていて、知らぬ間に、僕の両
手が祖母のか細い両肩にかかっていた。
 「こ、こんな恥ずかしいこと、孫のあなたに話さなければいけないなんて、
何てひどい婆ちゃんなんだろうって、婆ちゃん、死にたいくらいに悲しんでた
のよ」
 「婆ちゃん、さっきいったじゃん。男と女は理屈じゃないって」
 「そ、そうね。孫の雄ちゃんに、こんな風に励ましてもらえるなんて、婆ち
ゃん、とても幸せだわ。あなたが帰るまでに、何かお礼しなきゃね」
 「お礼なら、今してよ」
 さりげない口調でそういいながら、自分でも存外な言葉の意味だと知り、僕
は一人で赤面していた。
 「え、何…?」
 今しがたの涙の顔を忘れたかのような、無邪気な祖母の声に、僕は益々気が
引け出して、
 「あ、いいよ。な、何でもない」
 と苦笑いしながら、首を横に振った。
 「何よ?いいなさい」
 掴んでいた僕の首筋を何度も揺すりながら、祖母が諦めずにいってくるので、
 「キ、キスさせてほしい…」
 と顔をまた赤らめて小さな声でいった。
 自分でも何か、祖母の弱みを突くような気がしていたので、ダメ元の気持ち
だった。
 「いいわ…」
 と祖母が真顔の表情で返答してきたので、逆に僕のほうが驚いて、祖母の顔
を見返していたのだ。
 「雄ちゃんも、私の馬鹿な行いのせいもあって、大変な経験したものね」
 「い、いや、そんな意味じゃないんだけど…」
 「わかってるわよ。思春期真っ盛りなんだものね」
 祖母はにこやかな顔でそういうと、自分の顔を僕の耳元に寄せてきて、
 「熟れた女が教えてあげる」
 と半分、冗談口調で囁いてきた。
 「女の人との経験ってあるの?」
 続けざまに祖母が聞いてきた。
 首を横に振って、僕は答えた。
 それから僕に真正面に顔を向け直して、
 「あなたのお祖父ちゃんの、隠れた自慢はね。十五歳で童貞をなくしたって
ことだったのよ」
 白い歯を大きく見せて、祖母は戸惑いと緊張の中にいる僕の顔に笑いかける
ようにいった。
 「今からね、雄ちゃん、私のこと婆ちゃんって呼ばないで」
 「え?…な、何て呼べば?」
 狼狽をあからさまにして、僕が問い返すと、
 「ふふ、十六の子にお前って呼ばれるのもね。いいわよ、名前で」
 「あ、昭子さん…」
 「バカ、さんはいらないの」
 布団に横たわる祖母と僕は、もうほとんど密着状態だった。
 お互いの手がお互いの背中に廻り合っていて、胸と胸が押しつけ合うように
密着していて、祖母の着ているパジャマの生地と、僕のTシャツを通り抜けて、
祖母の乳房の柔らかな膨らみの感触が、僕の胸を優しく押してきてきているの
がわかる。
 顔の辺りで鼻先と鼻先が触れたり、軽く擦れ合ったりしている。
 祖母の吐く息が桃の実のように爽やかに匂ってきていた。
 目と目が合った時、祖母の唇が、僕の震え気味の唇に触れてきた。
 滑るような柔らかな感覚だった。
 桃の実のような甘い匂いが、また僕の鼻先をかすめた。
 静かに流れるような動きで、祖母の舌の先端が、僕の歯と歯の間を割ってゆっ
くりと侵入してくる気配が僕にもわかった。
 ああ、これが大人同士のキスか、と僕はふいと思った。
 リードされているのは間違いなく僕のほうで、狭い口の中での舌と舌の絡み合
いでも、祖母の小さな舌の動きに、僕はただ委ねているだけだった。
 唇と唇が離れた時、僕もだったが、祖母のほうも深呼吸のような大きな息を息
を吐いた。
 僕の頬の辺りに当たった祖母の息が、ほっこりと熱っぽくなっているような気
がした。
 「これで眠れるでしょ?」
 額に汗を少し滲ませ、気恥ずかしそうな眼差しで、僕の目を見て祖母は静かな
声でいってきた。
 僕が祖母に返した言葉は、
 「もっとしたい」
 だった。
 理性の上での気持ちは納得していた。
 自分たちは他人同士ではない。
 血の濃く繋がる祖母と孫の関係なのだ。
 何があっても、そしてどんな事情があっても、この一線は超えることはできな
い。
 それでも僕の口から出た言葉は、
 「婆ちゃんをもっと愛したい」
 だった。
 祖母の顔が忽ち、悲しみに歪むのが見えた。
 「だめなの…わかって」
 今にも涙が出そうな目をして、祖母がいってくる。
 「僕は自分の気持ちに、正直に生きたい」
 理屈も道理も通らないことを、自分は今いっているのはわかっている。
 しかし、若過ぎる血潮が沸騰したこの欲情は、自分の意志や理性の力では、も
う抑制できないところまできてしまっているのだ。
 祖母の女の匂いが濃く漂うこの室では、自分の理性の抑制力はまるで功を奏さ
ない。
 この室を出ていく以外に、自分の滾った血潮を冷やし、覚ます手段がないのな
ら、この布団から起き上がり、自分の寝室に引き下がるしか手段はない。
 咄嗟な判断で、僕はここである賭けに出てみた。
 姑息といえばそうなのかも知れないが、僕は祖母の優しく甘い心根に賭けたの
である。
 「いけないこととわかっていても、どうしようもないことってあると思う。僕
が今、婆ちゃんに縋っていることがそうなんだ。これからのことは自分がしっか
りとさえしていれば、世間の誰に迷惑をかけることではない。そう思うんだ、僕
は…」
 祖母の悲しそうな目を見て、僕は思いの丈を、自分なりの能力で出来るだけ真
摯な気持ちで哀訴した。
 柱時計の秒針が、刻々と時を刻むのがもどかしいほど、長く感じたが、祖母は
布団に片方の頬をつけながら、目を固く閉じたまま微動だにしていなかった。
 僕も長い台詞をいってからは、何の言葉も発さなかった。
 我慢比べがかなり長く続き、先に動いたのは僕だった。
 布団から徐に起き上がり、そのまま立ち止まることなく襖戸に足を進めた。
 この戸を開けて、室を出たら自分の負けだと思った。
 そして、僕が戸を開けたのと、祖母からの声が出たのと、ほぼ同時だった。
 「雄ちゃん…こっちへ来て」
 振り返ると、祖母が布団の上で、か細い両肩を寂しげに落として、顔も俯けた
まま力なく座り込んでいた。
 「も、も一度だけ…は、話合いましょ」
 相当な熟考の上の、それでもまだ自分の気持ちが決していない、というような
重い表情の、蒼白な祖母の顔を目にして、僕のほうも気持ちがかなり揺らいだ。
 僕はゆっくりとした動作で、パジャマ姿を余計に小さく見せて、視線もなかな
か合わせてこなかった。
 祖母の小さな背中が、観念の思いを僕に伝えているように見えた…。



                            続く 
 
 
 
 


 だが、僕自身も想像していなかったのだが、ある時点で、唐突に攻守ところが
代わっていた。
 抱き合っていた身体の向きを、僕が何げに変えようとしたのかどうかわからな
いのだが、無意識に自分の手を、密着している胸と胸の間に滑り込ませようとし
た時だった。
 僕の片手が祖母の乳房の右側を、何かのはずみでか、がっしりとわし掴んでし
まっていたのだ。
 柔らかでまだ張りのある、祖母の乳房の膨らみを、手に心地のいい感触だと思
う前に、祖母が突然唇を離してきて、
 「ああっ…そ、そこはだめっ」
 と雄叫びのような高い声を挙げて、顔を激しくのけ反らせてきたのだ。
 僕が意図して祖母の乳房を責めたのではなく、偶発の事態の発生だった。
 戸惑いの渦中にいた僕だったが、祖母からの告白を聞いた時、右側の乳房が最も
感じてしまう箇所だといっていたのを思い出したのだ。
 これほどに、祖母の右の乳房は、鋭敏な感性を持っているのか、と僕はわけもわ
からないまま途方に暮れたのだが、どうしてかその乳房から手を放さないままいた。
 わし掴んだ乳房の手の指を、僕が少し動かすだけで、
 
 

  
  
 

 
 

 
 
 
 
 
23/02/17 22:00 (VRJKTFzd)
75
投稿者: (無名)
最高です!!
最高傑作をいつもありがとうございます。
楽しみすぎてたまらないです。
23/02/18 17:51 (x2JEezVM)
76
投稿者: 雄一
「あ、あなたを…地獄に堕としたくないから…わ、私」
 涙の跡を頬に残した、半泣き顔のような顔で、祖母はそういって、僕の首に細く
て白い両腕を巻き付けてきた。
 身体には、今は何も身に付けていない。
 祖母が色白の顔に、悲しさと切なさを織り交ぜたような表情を浮かべて、観念の
意思表示を見せてから数十分が経つ。
 時計の針は午前一時を廻っていた。
 襖戸の前から、祖母が全身を竦めるようにして項垂れている布団に戻り、僕が最
初に取った行動は、祖母の両肩を抱き、何げに顔を上げてきた、祖母の唇を僕の唇
で塞ぐ行為だった。
 澄んだ瞳に突然の驚きの表情を見せて、力のない両腕で、祖母は僕の胸板を押し
てきたのだが、それが儚く空しい抗いだったということは、着ていたもの全てを脱
がされてしまっている、今の祖母の状況で一目瞭然である。
 僕が祖母の唇を、何の前触れもなく塞ぎにいった時もそうだった。
 僕が祖母の口の中に差し入れた時も、歯にも舌にも抗う素振りはほとんどなかっ
たのだ。
 パジャマの上下を、少し震え気味の手で脱がしにかかった時にも、然したる抵抗
はなかったのだが、さすがに真っ白なショーツに手をかけた時は、二本の足を強く
閉じようとする恥じらいを見せた。
 「こんなに奇麗な身体を前に、地獄になんか堕ちるわけがない。」
 片手で祖母の乳房の左側の、年齢をまるで感じさせないような、ほっこりとした
張りの感触を、僕は何度も確認するように撫で擦っていた。
 十六真っ最中の若者のすばしっこさと、要領のよさをどこで発揮したのか、当の
本人もよく知らないのだが、自分が着ていたTシャツと短パンが、布団の横の畳に
散乱しているのが見えた。
 「ね、ねぇ…ゆ、雄ちゃん、こんなことしてて、あ、あなた…、ほんとに後悔し
てない?」
 汗の滲み出している小さな顔を、切なげに歪ませて、祖母は下から僕の顔に目を
向けていってくる。
 「その話はもうしないって…」
 僕が上から睨みつけるような表情をすると、
 「ああ、そうね。ごめんなさい。…そ、それとね、雄ちゃん。お願いがあるの」
 「何、お願いって?」
 「あ、あのね、も、もう今から私のこと、婆ちゃんって呼ばないでくれる?」
 「じ、じゃあ、何て?」
 「自分で考えて…」
 左の乳房を不器用な手つきでまさぐっていた僕の手が、自然に流れるように祖母
の右側に触れていくと、祖母の表情が途端に変わった。
 虚ろに閉じ加減だった目が、深く閉じられ、汗に濡れた額に、何かに堪えるよう
な皴が何本か出ていた。
 祖母の女の身体の、最も過敏な箇所だというのが、僕にも改めて納得できた。
 女性体験が今が初めての僕だったが、祖母が切なげに喘ぎ出した顔の美しさを見
て、僕はまるで一人前以上の男になれたような錯覚に陥っていた。
 それはしかし、結果的には、祖母の目の動きや顔の表情や、それとはなしの手で
の誘いに、僕が狼狽えながらも、どうにか便乗でき、形が整ったというのが正解の
ようだった。
 そこは優しく触ってとか、優しく舌でとか、キスしてとか、行為の要所要所での
さりげなく、つつましい声掛けで、僕はどうにか焦ることもなく、祖母が恥ずかし
げに開いてくれた両足の間に、身体を向けることができたのだった。
 祖母の絹のように滑らかな肌に触れた時から、弱冠十六で、まだ女性を知らない
僕の下腹部のものは、いつ暴発してもおかしくない状況に常時置かれていたのが、
よく堪え凌ぎ、その先端を祖母の身体の中心部に、添え当てるところまで到達して
いた。
 だが本当の到達への道はこれからなのだ。
 思わず気持ちを昂ぶらせていた僕に、布団に仰向けになった祖母が、
 「あ、慌てなくていいのよ。…ゆっくりね」
 と目の端に笑みを浮かべて、天使のような優しい声掛けをしてくれた。
[ああっ…]
 祖母の余韻のある喘ぎ声が、僕の耳を打った。
 僕のものの先端が祖母の身体の中に、最初は少し滑るような感じで、そしてその
後は、温かな湿り気を内包した膜のようなものの中に、きつく締めこまれる感じの
まま深く沈んだ。
 僕自身も声を挙げたくなるような、至福感に全身を包み込まれる感じがした。
 祖母の胎内に沈んだ自分のものが、早い間隔で脈打っている気がしたが、何か目
に見えない力が作用しているのか、暴発寸前の状態はどうにか保持できているよう
だった。
 「ああっ、ゆ、雄ちゃん…いいわ。気持ちいい」
 「ばぁ、あ、違った。ぼ、僕もだよ。は、初めてだ、こんなの」
 「ゆっくり、優しく、ね」
 夢見心地というのはこの時のことをいうのか、と僕は思った。
 「いいっ…ほ、ほんとにいいわ」
 知らぬ間に自然な動きで、自分の腰がゆっくりとだが、前後に動いているのを僕
はあるところで気づいた。
 そしてどれくらいの時間が経過したのか、僕にはわからなかったが、その未知の
激情は、僕の全身を突然に襲ってきた。
 正しく怒涛の襲撃だった。
 「あっ…ぼ、僕っ」
 それが僕の断末魔の叫びで、その時の祖母のことなどは、何一つの記憶がないと
いうのが正直な感想だった。
 僕はそのまま、下にいた祖母の小さな身体の上に、沈み込むように倒れていった。
 意識までなくしてはいなかったので、両手の肘を布団につけて、自分の体重が祖母
にかからないようにして、姿勢をそのままにしていた。
 祖母の温かい息が頬に当たって気持ちがよかったのと、汗がうっすらと滲み出てい
る祖母の身体から発酵してきている匂いが、僕の動きが故意的なほど緩慢になってい
たからだ。
 「大丈夫?」
 と気遣うような祖母の声で、僕はようやく身体を動かし、祖母の真横に仰向けに寝
転んだ。
 「心臓が止まるかと思った」
 荒い息のまま、僕は天井に向けて本音を呟いた。
 「あなたがね、上にいる時、私、ずっとお祖父ちゃんに抱かれているような気がし
てたの。だって、あなたの何もかもの動作や顔の表情が、お祖父ちゃんと瓜二うな
んですもの。血なのかしらねぇ…」
 祖母が薄暗い天井板の、まだ奥のほうを見てるような、虚ろな目をして独り言のよ
うに呟いた。
 僕は祖母のそんな感傷的な言葉にはあまり反応は見せず、自分が男になった証の、
今しがたの祖母との、目くるめくような行為の詳細を思い出していた。
 祖母の唇の滑らかで柔らかな感触。
 折れそうなくらいの細い背中や、さらさらとした新雪の表面のようで、人を安堵
させるような肌の感触。
 六十代という年齢を全く忘れさせるような乳房の、小柄で華奢な体型とは不釣り
合いなくらいに豊満で、弾力もまだ充分な感触。
 世間どこにでもいる、相応に年齢を重ねた祖母だと思っていた人が、これほどに
女性として魅力のある人だとは、僕は正直思っていなかった。
 
 

23/02/18 20:17 (UXXL6DHH)
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