ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
M嬢の手記
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
投稿の削除 パスワード:
1:M嬢の手記
投稿者: 麻耶
私が気付いてしまったので、関係は終わった。
今、改めて思う。
これで良かったんだと。

私は、元カレが残して去った借金を返せざるを得ない状況になってしまって、ソレの返済の為に東京の下町にある"本サロ"で勤務を余儀なくされた。
借金の返済ならまだ聴こえがいいのかも知れない。
程の良い、人身売買である。
勿論、直引き(店外デート)も店から強制させられていた。
店外では、強制的に同棲を強いられているチンピラに送り迎えは勿論、全ての行動は掴まれていた。
自然の成り行きだと言えば、そうかも知れない。
必然と言うのかも知れない。
男と女の関係になっていた。
多分、同棲を強いられている男の上役にそうなるように指示されていたのかもしれない。
その男はDV気質で、本指名(2度目以降の予約のお客)が、増えると嫉妬で私に加虐する。
殴り、蹴り、首を絞めて犯すのだ。
避妊薬も常服させられ、いつも中に涯てるのがソノ男の趣味だった。
トカゲのような顔の男で身体は浅黒く、鼻は魔女の様で、目が窪んでギョロギョロとしていた。
だか、借金も終わると以外とすんなり私を日常へと返還させてくれた。
しかし、1ヶ月が経ち、半年が経ち、2年も過ぎた頃になると私自身の中に違和感を覚えた。
それは、男性とどうしても上手く出来なくなっていたのだ。
不感症と言うのとは恐らく違う。
期待感が持つ熱量に対して、実際の行為とのギャップだった。
そう、する前が1番、期待感で興奮出来ていても、いざ行為となると期待に対して、それは明らかに"つまらないモノ"だったのだ。
 おかしい
そう、思ったのだけれど
それがどうしてなのか、分からずに月日を過ごして「別にセックスが無くても、私は平気」とさえ思えていた。
それなので、風俗を辞めてから特定の男性と言える関係になる男性は居なかった。
寂しい夜の時だけ、体温を分けてくれる男性ばかりで、心は一向に温もりを得る事がなかった。

しかし、たまたま街の商業施設で食料品を買い物カゴに無造作に放りこんでいると、少し向こうから声がした。
それは数年経った今でも、頭にこびりついて離れない、アノ時のアノ男の声だ!
「よう、元気そうじゃねーか?」声の主の方へ向くと、忘れもしない"トカゲ顔の男"だ。
「もう、貴方達とは、関係ありませんから放って置いて下さい。」
顔も見るのもウンザリ!とは、正にこの事なのである。
くるっとトカゲ顔に背を向けて、反対の報告に歩きだす。
針金みたいな身体のトカゲ顔は、ニタニタして顔を近づけながら、こう言った
「なぁ?オレのアレ?わすれられねーんだろ??ちょっと付き合えよ」
とんでもない と、思った。
無視して、歩き出すと後ろから「ちっ!」舌打ちが聞こえたが、無視して遠ざかった。
折角の金曜日なのに…嫌な奴に会っちゃったなぁ…
夕食を済ませ、バスタブの中で、ぼんやり思っていると当時の混沌とした生活が、頭の中にありありと思い浮かばれてくる。
だか、それと同時に自分に対する嫌悪感が同じくらいに沸き起こる。
そうだった!
あの時期、私は本当に感じていたのだ。
その自分に降りかかった"悲劇のヒロイン"そのモノだった。
それが、私の心を燃やし身体を焦がしていた。
そう、明らかな事実。だ。
しかし、どんなにそうしたマゾヒズムに一度は堕落したとは言え、今の私は違うのだ。
そうした性癖に囚われ飲み込まれたとしても、それは心の安らぎでは無い事も事実として理解してしまった。
どんなに性癖を並べても、どんなに趣向を凝らしても、私が求めるモノがそこに無ければ、それは唯の行為であって、薄い快楽の氷で出来たベッドであって、暖かい心を知るとソレは忽ちに溶けて水になり形を留めないのだ。
所詮、サドヒズム、マゾヒストと呼んで見ても私には、ただの薄い氷。
それよりも必要な異性と言うならば、暖かく柔らかな匂いの枕にもなってくれる優しい腕であり、温もりを宿す大らかな心の入った身体である。
痛みや苦しみの中で得ていた存在意義、承認欲求など、今にしてみれば儚く"つまらないモノ"でしか無かったのだ。
未だにソレに囚われているトカゲ顔は、それはそれはみそぼらしく、惨めに見えた。

今、ベッドの上でコレを書いている。
コレを記す事で私の過去は終わったのだ。
これからは、私を生き
私として、寿命をむかえるのだ。
それはトカゲ顔でもなく、私に借金を押し付け逃げた男の人生では無く。
私の人生なのだから。
もう、誰も邪魔はしない。
きっと、明日もまた、登る朝日は暖かく、輝いてるに違いない。
 
2022/09/12 20:11:17(FBQlcm5h)
コメントを投稿
投稿前に利用規定をお読みください。
名前
メール
本文
スレッドを上げない
画像認証

上に表示されている文字を半角英数字で入力してください。
 
官能小説 掲示板
官能小説 月間人気
官能小説 最近の人気
作品検索
動画掲示板
画像で見せたい女
その他の新着投稿
人気の話題・ネタ
ナンネット人気カテゴリ
information

ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられております。

Copyright © ナンネット All Rights Reserved.