ここは関西有数の歓楽街のはずれにある女郎屋「鍵屋」と、見世物小屋「卍屋」の物語である。両方共地元のヤクザが経営しておるが素人が遊びに行っても何ら怖くもなく、優しく応対してくれる為、サラリーマンや小金をためた学生もよく出入りする人気の遊び場であった。「鍵屋」の亭主「健一」が開店準備のため表を掃除していると、女房の「浜子」がブツブツ怒りながらやってきた。「どうしたんや浜子」と健一は聞くと「どうもこうもあれへんがな、百合にお使いを頼もうと思って部屋に行ったらいてへんねや」「ふん、ほんでどないしたんや」「ほうぼう探してたら、納戸の方で変なうめき声がすんねん、そうっと覗いたらあの子納戸ある淫具で自分のオメコをいじってんねやがな。」「ほんまかえ、もうあいつなんぼや」