私には昔から変わらない理想の男性像があった。それは外見ではなく、私への愛情を隠すこと無く態度で示してくれる人、溢れる想いを持って愛してくれる人。人が多い外出先でも頬や唇にキスをし背が低い私を常に包むように慈しんでくれる男性が好きだった。
----そんな私に異変が起きたのはここ数年のことである。
私の理想は相変わらず「私を優しく溺愛してくれる人」のハズだった。しかしいつからか、その優しい笑みを湛えた顔が懇願する表情に変わったらどんなだろう、そう考えるとゾクリと胸がざわめくようになった。
もちろん愛しい人に嫌がることをしたくはない。しかし、彼の方からお願いされたら?恍惚とした表情で潤ませた瞳で懇願されたら?もちろん私には彼の恥ずかしい状態を見なくても訴えたいことがハッキリとわかる。しかし敢えて彼の口から聴きたいのだ。私の頬に優しく触れるその唇から、吐き出せずにいる熱く渦巻く欲の解放を求める卑猥な言葉を。