6.

　牝液で汚れた手を洗面所ですすいでからソファへと向かった。力の抜けた彼女をソファとローテーブルの床に座らせた。彼女の汗に濡れた部分を避け、ソファに腰を下ろし、ズボンのチャックを開けた。ぽろりと露出したモノに彼女の髪を掴んで顔を近づける。
　「舐めろ。」
　「はい…。」

　目隠しされ、後ろ手に縛られている状態から、舐めろと言われたモノの場所を探していた。やがて、見つけると、ぱくりと口に含んだ。
　「んっ…んっ…。」

　徐々に大きくなるモノを口だけを使い、上下に動かしていた。
　「もっと奥まで入れろ。」

　そう言いながら、頭を持ち、モノを口に吸い込むと同時にぐっと喉の奥まで押し込んだ。
　「うっ…。」

　苦しそうな彼女を見てから、頭を持ち上げ、モノから離した。
　「ぐぉほっ…ごほっ…。」
　「ほら、もう一度。」
　「…はい…。」

　むせる彼女の苦しむ様子を観察してから、再び、顔をモノに近づけると素直に口を開いた。頭を持ち、上下に激しくピストンし、最後にはぐっと喉の奥まで押し込んで離した。
　涎を垂らしながら、咳き込む彼女を見下ろし、加虐欲求が満たされていくのを感じた。


　後ろ手に縛られた縄を解くと、皮膚にはくっきりと食い込んだ縄の跡が残っていた。手先に鬱血がないかを確認してから、目隠しを外した。
　「苦しかったか？」
　「はい…。でも嬉しかったです。」
　「どうして嬉しかった？」
　「ご主人様を気持ちよくさせたいんです。」
　「マゾだな。」

　ソファに座り直してから、床に座る彼女の方を見た。
　「あの…、入れてください。」
　「お前の穴で気持ちよくするのか？」
　「がんばりますので、入れてください…。」
　「やってみろ。」

　全裸の彼女は縄の跡が残る手で、Yシャツのボタンを外した。ズボンとパンツを下ろすと、彼女はソファの上でまたがり、モノを手で持つと牝穴の中へと誘った。
　「んんんっ…。」

　一度、奥深くまで入れると、ゆっくりと腰を浮かせた。
　「びしょびしょだな。」
　「はい…あっ…、気持ちいいですか？」
　「しっかり奥まで入れろ。」

　彼女の腰に手をかけ、すとんと腰を下ろした。
　「あっ！奥に当たってます…！」

　まるで、モノを慰める玩具のように牝穴を使い、彼女もそれを望んでいるかのようにその身を任せた。
　挿入したまま彼女の身体を抱えると、そのままソファに降ろし、正常位へと体勢を変えた。
　「ほら、牝犬の穴を使ってやるから、広げておけ。」
　「はぁいぃ…！」

　ぱんぱんと、身体がぶつかり合う音がするほど、激しく穴を突いた。その音と彼女の喘ぎ声が同じリズムで響いていた。
　「もっと、穴に力を入れろ。」
　「あっ、はぃ！」

　快楽のままに打ち付けていると、やがて、射意を催した。
　「ほら、どこに、出してほしい？」
　「はぁん！好きなところに！出してください！」
　「じゃあ、口を開けろ。逝くぞ。」
　「はいっ！」

　すっと、穴からモノを抜くと、彼女の口元へと近づけた。彼女は口の中に包み、どくどくと脈を打つように、口の中に精液が広がった。ゆっくり時間をかけてから、彼女は口を離し、命じられずとも、そのまま喉の奥へと流し込んだ。

　「使ってくださり、ありがとうございました。」
　
　ふと、時間を見ると、午前2時を回っている。彼女も目線を追って時計をみた。
　「丑三つ時ですね。」
　「百鬼夜行だな…。」

　鬼の拷問は、苦しみを与えるために行う。SMでの調教は異なる。
　調教の悦びは対象を思いのままに使うことではなく、被加虐の欲望を呼び覚まし、欲望に従わせる過程にある。
　
（おわり）

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