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第2楽章 クーラント
ランドマークの車寄せから大した距離も走らずに、この場所に辿り着いたたため、まだロードスターの走行性能を楽しむまでには至っていなかった。 車の流れが途切れ、後続車が来ないことを確認しアクセルを軽く踏み込む。ロードスターには珍しいオートマティックのトランスミッションは車重の軽さの効果か想像以上にキビキビと走れると感じた。それ以上に、左手を自由奔放に使えるメリットが大きいことも重要だ。 「きゃっ」 高速の料金所を超え首都高槌の本線に向けて加速しながらリモコンのスイッチを一瞬だけハイモードでオンにすると、みほはしゃいだ少女のような声を上げた。このままオンにしていると、みほは声も出せずに眉間に皺を寄せたまま我慢するだろうと思った。少し会話を楽しみながらお互いをもっと知る方が、みほも安心して身を任せてくれるだろうと考えたからだった。 リモコンのスイッチをオフに戻すと照れ笑いを見せながら穏やかな表情に戻り、みほは器用に髪の毛をくるっと指で巻き上げ髪留めで止めた。 いくらオープンカーとして設計開発されたとは言え、高速走行で巻き込む風を抑え込むのは無理な話だ。いや逆にこのスピードでこれだけの巻き込みで済むことが驚きだった。これなら車内で怒鳴り合わなくても会話を楽しめるレベルだ。 「まだ1時間ちょっとしか経ってないけど、どう?」 「それはわたしに質問させてください。ヒロ様は楽しんでくださってますか? お漏らししてしまいわたしのことを嫌になってませんか?」 「突然のお漏らしは感動したよ、後で目の前でおしっこさせる積もりだったけどからね」 「本当ですか、それなら恥ずかしかったけど嬉しい」 「意識して出すのと、無意識のまま自然に溢れるように漏らすのは違うだろ? 人の手で造られた人口の湖と過去に火山の噴火によって出来た湖と較べたら?」 「それはやはり自然湖が。。。でも、その例えってあってます?」 「えっ、あってるだろ?だって床に湖が出来てたじゃん」 「もぉお、かおりさんがおっしゃってたこと良くわかります。本当に今でも悪戯っ子」 「それは褒め言葉?」 「。。。」 みほは笑いながら、肩を竦め両方の手のひらを上に上げるジェスチャーを見せた。アメリカ人たちが『お手上げ』『さあね』と言ったニュアンスを示すボディランゲッジだ。 「おしっこの湖ですか。。。」 「スカトロ系が好きなM男たちがいたら、湖に蹲って飲んじゃうくらい興奮するんじゃないかな」 「いやん、本当ですか?想像も出来ません。。。そう言えば、いつも聖水と言う単語を使ってますよね?おしっこって逆に新鮮かも。。。」 「そうだね、おしっこより聖水と言う単語の方が神々しいと言うか、女性に引かれないからかな。みほは?」 「そうですね、おしっこより聖水の方が。。。いつから女性に聖水を浴びせることを喜びに?」 ロードスターの開け放たれたルーフ越しに離陸から上昇するボーイングが見え始めた。多少の路面の凸凹をしなやかに吸収する足回りが心地良く感じるが、追い越した大型トレーラーの運転手の視線は、みほの頭のてっぺんから足元まで舐めるように追いかけている印象を受けた。悪戯心が湧き上がり、少しアクセルを緩めトレーラーと並走すると運転手が見ていることを意識して、みほのワンピースの裾のボタンをふたつ外した。 前開きのワンピースの裾を左右に振り分けると、みほの太腿が露わになった。トレーラーの運転席からはどの程度見えるかは知る由も無いが、視線が釘付けになり事故を誘発させる訳にもいかずピースサインを残しながらアクセルを強めに踏み込んだ。 「子供の時にみほもやったと思うけど、ブランコを漕ぎながら誰がいちばん遠くまで靴を飛ばせるかって遊び」 「はい、わたしも好きな遊びでした」 「馬鹿な子どもだったから、飽きてくると今度は誰のおしっこがいちばん遠くまで行くかとか高くとか」 「男の子しか出来ない遊びですね」 「だけど、着いて来てこっそり見てる女子たちがいるんだよ、何をしてるんだろうって」 「見られてるのをわかっていても?」 「そう、だけどおまえら見るだけじゃずるい、何かおもしろいもの見せろと。。。」 「そんな小さい時からS様だったなんて」 「中には嬉しそうにおしっこをする子もいたんだよ、何かおもしろいものと言っただけなのに、同じことをする女子が。。。そして恥ずかしさから泣きながらする子もね」 「まあ可哀想なことを」 「笑いながらする子と泣きながらする子とどっちに惹かれたと思う?」 「泣きながら?」 「そう正解」 「そんな時からM子さんとして捉えてたんですね。。。きゃっ。。。」 正解のご褒美に頭を撫でながらリモコンのスイッチをハイモードでオンにした。急に遅い掛かる強い振動に驚きの声を上げ、みほは目を固く閉じた。少し遠くの右手に見え始めた空港の管制塔を見る槌ことも無いだろう。 「みほも泣きながらしたのかな?もし同じ立場なら」 「。。。」 目を閉じたままこくりと頷いたみほは、助手席のヘッドレストに頭を仰け反った。身体のいちばん熱く潤っているところに強く伝わる振動はヴァイオリンのボウリングのように感じるのだろうか?無伴奏ヴァイオリンで求められるメロディラインとハーモニーの同時演奏、それはローターの激しい振動とロードスターの穏やかな振動に例えたらおかしいだろうか? それにしても無伴奏ヴァイオリンで高度な技術を求たヨハン・セバスチャン・バッハ先生とんでもないドSだったのだろうか?それでなければ槌、たった1台のヴァイオリンで神々しく無限に広がる宇宙にも似た世界が繰り広げられることは無かっただろうと感じていた。 ロードスターは渋滞に阻まれることもなく滑らかに走り続ける。右手の航空機の整備場槌を眺めつつ左を見ると、みほはヘッドレストに仰け反ったまま喘ぎ声を堪えるように口元を固く閉じていた。両手を太腿に挟み込み左右の膝を合わせるくらい脚も固く閉じていた。それはどちらかの手が胸元に行かないように抑え込んでいるのだろう。 このまま限界を迎え頂点に達してしまうのが良いのか、あるいはまた会話を再会するのが良いのか考えあぐねていた。 「みほ、この先で少し渋滞しそうだ。」 「。。。」 「どうした?口を開いたら喘ぎ声を我慢できなくなってしまうか?」 「。。。」 みほは、言葉を発することも出来ずに首を小刻みに3回縦に振った。オートマティックトランスミッションのお陰で自由な左手でワンピースの裾を左右に振り分け人差し指と中指をみほのいちばん熱く潤う場所に潜り込ませた。 指先にローターの振動が伝わると共にとめどなく溢れる蜜の感触を感じた。火傷しそうなくらいの熱を感じる指先で溢れた蜜を掻き集めると、そのままみほの唇をこじ開けた。槌みほは2本の指を咥え込むと舌を激しく絡めながら強く吸った。 「みほ、我慢しなくていい、心が感じるままに好きなところを」 太腿に挟み込んでいた手を抜くと、左手は右の乳房に向かいそのまま乳房を包み込んだ。右手の行き先に視線を向けると、少し躊躇しながらもさっき喉の奥底まで迎え入れたペニスに手を伸ばして来た。てっきり両手で両方の乳房を弄ると考えていたため、みほの取った行動は意外だった。 やはり、この行動もヴァイオリン無伴奏のメロディラインと槌ハーモニーの同時演奏なのだろうか?まるでヤッシャ・ハイフェツの奏でる『第2楽章 クーラント』のように。
2018/12/06 00:44:03(O09qs7ce)
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