田上和俊、5年くらい前に付き合っていた男、変態趣味、それが嫌になって一方的に別れた。別れようとしてもめた、というのが正しい表現だろう。
別れを切り出した敦子に田上は執着した。どんなに話し合っても埒があかず、最後はどうしようもなくなり敦子は逃げた。
携帯番号もラインのI.D.も変えて住む場所も変えて完全に振り切ったはずだった。
忌まわしい過去の出来事がフラッシュバックしてくる。敦子はマクドナルドを見つけて中に入った。
食欲はない。レモンティーだけ注文し2階に上がった。店内は混んでいたが運良く奥の窓際の席が空いていた。席に座ると田上から渡されたメモを取り出した。雑な字で書かれたラインのI.D.を見る。
携帯を取り出しラインを立ち上げた。友だち追加ボタンを見ているとまた過去の出来事がフラッシュバックしてくる。
付き合い始めの頃は優しかったのに、普通の行為しかしなかったのに、徐々に変態行為を要求されて。。。
心がついていかないまま身体だけをあらゆる方法で開発されていった。快楽に溺れる自分に対して自己嫌悪に苛まれる日々。