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君の犬になる
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:君の犬になる
投稿者: 立花 ◆L.xEXrpDE
誠は今日も一人残業をしているのには理由がある。
決して仕事の量が多すぎる訳ではないし、仕事が出来ない訳でもない。
勿論、かわいい部下の仕事を引き受ける事で、良き先輩と慕われたい下心はあったかもしれない。
実際、器用に立ち回る誠の社内での評価は概ね高く、ベンチャーとはいえ入社5年目にして、リーダーとして新規プロジェクトの立ち上げを任されている。
そんな彼は例に漏れず、多くの女子社員にとって、男性としても魅力的な存在であった。
そんな周りの声に誠自身も悪い気はしなかったが、彼の関心は専ら一人の女子社員にあった。

"有紀"
半年程前に新卒で入社した彼女は、取り立てて可愛い部類には入らないだろう。
吊り上がった一重まぶたの眼に、分厚い唇、肩まである黒髪を真ん中で分け、一昔前の教育ママの様な眼鏡をかけている。
多くの初対面の人にはキツい印象を与えるだろう。
服の上からでもわかる大きな胸と尻が特徴的ではあるが、それも低い身長と、お世辞にも長いとは言えない足のおかげで、ひどくアンバランスな体型となっていた。
決して世間一般の基準では魅力的とは言えない。
だが、そんな客観的評価に反して、誠は有紀を一目見た瞬間から、彼女の官能的な色香に、抑えられぬ情動を感じる自らに戸惑いを覚えていた。

有紀は、誠の下に配属となった。
彼女は印象通りの気の強さと、新卒者特有の万能感で、先輩である誠にも平気で噛み付いてくる厄介な部下だった。
半年経った今では、誠には幾分懐いている様だが、他の社員には相変わらず気難しい奴との認識が大半を占めている。

そんな有紀に社内恋愛の噂が立った時は、会社全体が騒ついた。
相手は誠の2年後輩で、普段はあまり目立たず人の良さそうな顔をしている好青年だが、影で有紀に猛アプローチをかけていたとは驚きだ。
飲み会の席で、酔った好青年から出た自供により、彼らの交際は誰もが知るところとなったが、元々目立つ二人でもなかった為、その騒つきも3日と持たずに引いていった。
だが、誠にとってその時の嫉妬とも屈辱とも言えない感情は、数ヶ月経った今も心の中で燻り続けていた。

誠がふと、見上げると時計は0時を指していた。
終電まで既に1時間を切っているが、彼が心配したのは自分の終電ではなかった。
ーー流石にもう誰も戻ってきたりしないよな…。
誠はそんなことを考えながら、腰を上げると、有紀のデスクにゆっくりと近づいていく。
誰もいないオフィスではあるのだが、何故か音を立ててはいけない気がした。
引き出しに手をかけ、ゆっくりと開く。
誠は引き出しの中身を一瞥した。
筆記用具や小物、お菓子、サプリ、コスメ等、女の子らしい中身だ。
数秒物色した後に、誠はリップクリームを手に取ると、間髪入れずにフタを開け…

むしゃぶりついた。

ーー有紀と、間接キス……

誠はそのまま、しゃがみこむと有紀の椅子の何かウサギのような猫のようなキャラクターが描かれた座布団に顔を埋めた。
「すぅ……はぁ……有紀ぃ」
誠は腰を上げると、待ちきれないといった様子でパンツと一緒にズボンを下ろすと、また有紀の座布団に顔を戻した。
すでに誠の陰茎は、ヨダレを垂らしながら勃起していた。

昼のうちから今夜の"お楽しみ"を考えては、何度も勃起を繰り返していた陰茎は我慢の限界だった。
"お楽しみ"を予定している日は、向かいのデスクの有紀に話しかけられる度に陰茎が反応してしまい仕事も手につかない。

「有紀の匂い…いい匂いがする…はぁはぁ」
誠は有紀のリップクリームを咥え、座布団に頬ずりをしながら、右手で陰茎をシゴいていた。
こんな姿を、"同僚"が見たら、"自分に憧れている女子社員"が見たら、"有紀の彼氏"が見たら、"有紀"自身が見たら、どう思うだろう。
その背徳感と歪んだ劣情に誠の興奮は最高潮へと達していた。

フィニッシュはいつも決まっていた。
誠は上体を起こし、左手で有紀のデスクに上に置いてある可愛らしいマグカップを手に取ると、右手でそこに陰茎を入れた。
有紀のマグカップを彼女の子宮に見立てて、陰茎をシゴく。

「はぁはぁ…有紀…有紀ぃ…」
「有紀の中に出していいか?…」

小声だった声が徐々に大きくなる。

「あぁ~気持ちぃ、有紀…」
「ダメだ、我慢できないよ有紀」

すでに普段の声量と変わらない。

「ごめん、有紀、出ちゃう」
「有紀の中に出すよ、中に出す」

陰茎をシゴく激しさはピークに達していた。
次の一言が射精の合図になるであろう事は誰が見ても明らかだろう。

「有紀…イクとこ見てね…ぁ」
「はい、見てますよ」
「…!」

誠が驚き振り返ると、そこには有紀が見下ろしていた。
なんで?いつから?見られた、どうする?
誠の頭の中を一瞬思考が駆け巡るが、それを押し流すように、快感の波が襲ってきた。

「ぁ…」

口は半開きになり、眼は有紀を見つめながら蕩け、腰をビクビクさせながら、マグカップに精液を吐き出す姿は、普段の誠の姿とはかけ離れた、この上なく情けないものだった。
ビュル…ビュル…朝から待ち望んでいた射精は、その時の誠には永遠のように感じられた。
快感と絶望が押しては返す波のように、誠の中を占めていた。
何か言わなくては、弁明をしなくては、そう思うたびに今の自らの姿に不可能を悟り、同時にその状況に言い得ぬ快感を覚えた。
何か言って欲しいと、有紀を見つめるが、有紀はその姿を、ただ無表情に見下ろしているだけだった。

後に有紀は、この時の誠を、今にも泣きそうな顔で怯えながらも、どこか拾われるのを期待する捨て犬の様だったと語る。

 
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2017/09/05 02:54:00(S2/RqvNa)
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