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秘め事を曝してしまった女
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
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1:秘め事を曝してしまった女
投稿者: ◆WCdvFbDQIA

しのぶは息をすることも出来ないまま、震える手でスカートの裾を摘まみ、ゆっくりと生地を持ち上げ始めていた。
今はまだスカートに隠されているが、剥き出しの下腹部にある秘部が、はしたない汁で濡れそぼっていることは見るまでもない。
目の前に立っている二人の少女、確か中学二年生と言っていた、は表情を強張らせて、しかし固唾を飲みながらスカートに隠されているしのぶの下腹部が徐々に曝け出される様を凝視し続けていた。

(あぁ。あたし・・この子達に・・はしたない姿を見られちゃう。ううん、自分から進んで見て貰おうとしているんだ。)

ついに完全にスカートの生地を捲り上げた瞬間、二人の少女が同時に息を飲む音が聞こえ、次の瞬間、一人の少女が呟いた言葉にしのぶの精神は打ち砕かれた。

「・・本当に・・ノーパン・・露出狂・・。」

話は一ヶ月程、遡る。

「あぁ・・もう会社に行けない・・。」

会社に行けないどころではなかった。
場合によっては社会生活が営めなくなる可能性すらあり得る。
有馬しのぶ、人生最大のピンチであった。
1DKの賃貸アパート、ベッドの上で頭を抱えたまま、顔だけ動かして時計を見ると午後十一時の少し前。
今から九時間ほど前、事件は起こった。

二十九歳独身、彼氏いない歴5年。
学生時代から交際していた彼氏とは、互いの就職を機に徐々に疎遠になり始め、一年も経たないうちに『よくある話』、となっていた。
大学卒業後、いわゆる一流企業ではないが、それなりに安定した準大手企業に正社員として勤めて7年以上経ち、仕事にも慣れ、いや飽き始めているというのが正解かもしれない。

そんな日々を送るしのぶが半年に一度くらいの頻度で行ってしまう禁断の遊び、それは露出行為であった。
露出行為といっても全裸を晒したり、他人に痴態を見てもらうわけではなく、せいぜいが下着を着けずに外出、それも外見から躰のラインが透けたりしないように細心の注意を払った上での行為に過ぎない。
しのぶにとっては年に数回だけ、リスクを最低限に抑えた上でスリルを味わい、それにより得た昂りを利用して自慰に耽ることが出来れば満足、そんなレベルのプチ露出に過ぎなかった。

昨夜の今頃のことであった。

(明日は・・半休・・。)

昨今の会社の方針、いや世の中の風潮からか有給消化を推奨され、月に一回は有給休暇、もしくは半日休暇の取得を促される中、しのぶも例外ではなかった。

「仕事はしろ、休みは取れ、休みに使う金のことは知らん、だもんなぁ。」

誰かの独白に内心頷きながらも互いに日程を調整し、しのぶが午後の半日休暇を取ったのは今日、10月12日の木曜日。翌日の金曜日には出勤するので、半日休暇の間に溜まった仕事も片付けられるだろう。

(明日の半休、どうしようかな。)

特に予定は無いものの、折角の半日休暇を一人暮らしをしているアパートで無為に過ごすのも惜しまれる。
昨夜、そんなことをボンヤリと考えているうちに、ふと頭の中に浮かんだのは久しく露出行為をしていないという事実であった。
最後にしたのは確か昨年の晩秋。
下着を着けずに深夜のコンビニに行ったのだが、期待していた程の昂ぶりを得ることは出来ず、帰宅後の自慰でも不完全燃焼気味だった苦い思い出。
しのぶ自身、露出行為に対する『慣れ』が昂ぶり難くなっている原因だと感じていたこと、それ以上に露出という変態行為が日常になっていくという事実に怖れを抱き、敢えて意識しないようにしていたというのが真相であった。
それでも昨夜、意を決して服を選ぶ際には浮き立つような、まるでデートの予定があるかのような高揚感があったのも事実だ。
選ぶ服も決して派手でもなければ、肌の露出度が高いわけでもない。むしろ普段以上に地味な膝が隠れるくらいの丈、幅の広いプリーツが入った黒いスカート。そして流石に生足を晒す年齢でもないという自覚から、ニーハイタイプのストッキングを身に付けて今朝の出勤に臨んだ。
当然だが出勤の際には下着は着用しており、露出行為を実行するのは早上がりした後、帰宅時だ。
朝礼の際、順番に各自の行動予定を告げ、自分が午後の半日休暇を取る予定であることを申告。
普段通りのルーチンワークをこなしているうちに、いつの間にか半日休暇時の退勤時刻を迎えると、直属の上司である係長と周囲の同僚に声を掛けながら、女子ロッカールームに向かう。
事務職用の制服を脱ぎ、私服に着替え終わったしのぶはロッカールームに誰もいないことを確認すると、ゆっくりと手をスカートの下に潜らせ、ショーツに触れる。
再度、左右を見渡してからショーツを膝まで降ろすと、左右の脚を順番に抜き、脱いだショーツを手早く纏めて通勤用のバッグに仕舞い、しのぶは出入り口に向かう。
ふと出入り口付近に置かれた共有備品である姿見用の鏡を見れば、癖の無い黒髪をうなじで纏め、フレームレスの眼鏡をかけた地味としか表現のしようのない微妙な年頃の女、しのぶ自身の姿があった。
膝丈の黒いスカートと白いブラウスの上から羽織ったグレーのカーディガンが地味な容姿に拍車をかける。

(こんなに地味なのにノーパンでプチ露出・・。)

徐々に昂ぶり始めた自分自身を宥めながら、女子ロッカールームを出ると無意識のうちに足音を顰め、従業員通用口に通じる階段を降り始めた時であった。
階下から階段を上ってくる聞き覚えのある足音に気付いた瞬間、しのぶは下方から声を掛けられた。

「あれ?有馬さん、久しぶり!」

無意識のうちに太腿の辺りでスカートの裾を抑えた瞬間、聞き覚えのある声に気を取られたのが不味かったのだろうか、しのぶは足を滑らせて階段の踊り場で盛大に尻餅をついてしまう。

「痛ったぁい・・。」

「お!大丈・・夫・・?」

自由落下により全体重が一箇所に、つまりお尻に集中した衝撃に顔を顰めているしのぶの耳に入ったのは、一昨年まで直属の上司であり、現在は仙台に異動した清水の声であったが、何やら様子がおかしい。
痛みが徐々に遠退くにつれ状況を把握しようとするしのぶの視界に入ったのは、無言のまま強張った表情を浮かべた清水の顔。

「あ、清水さん・・。お恥ずかしいところを・・。」

しのぶにとって、この時点で『お恥ずかしい』のは転んだところを見られた事実にしか過ぎなかったが、清水の異様な表情、そして清水の視線の先を辿るにつれ、恐るべき光景がしのぶの視界に飛び込んできた。

「あ、あ、あ。」

階段の踊り場に尻餅をついたまま、脚は左右に開き、まるでM字開脚のようだ。
スカートは完全に捲れあがり、隠すべき部分を隠すものは何も無い。
瞬時に脚を閉じて捲り上がったスカートの生地で股間を隠すが、既に手遅れなのは清水の表情からも明らかである。

「あの、その、これは・・違うんです。」

パニック状態のまま、しのぶはアタフタと立ち上がり、呆然と立ち尽くす清水の横を通り抜けると逃げるように通用口に向かい帰路に着いた筈だが、しのぶが覚えているのはここまで。
家路を辿る間の記憶は頭の中からスッポリと抜け落ちていた。
しのぶにとって清水に剥き出しの股間を晒してしまったことは、勿論、大失態ではあるが大した問題ではなかった。
問題なのは、しのぶの秘め事、露出行為が他人に、しかもよりによって会社の人間に知られてしまった事実である。
そして予期せぬ問題がもうひとつ発生しつつあった。
自宅アパートに着いてから既に八時間近くが経過しようとしているが、僅か八時間の間に我慢出来ない程の昂ぶりに何度も襲われているのだ。
しのぶの頭の中では昼間の出来事が繰り返し再生され続けていた。
はしたない姿を清水に晒してしまった事実は勿論、しのぶ自身こそが恥ずべき変態行為として秘密にしていた嗜好をも知られてしまったことに異常な昂りを覚え、気が付けば指はスカートの下に潜り込み、溢れる程に潤った性器を弄り続ける。

(・・私、どうしちゃったの?)

しのぶが不安を感じるのにも無理はない。
元来、しのぶは性的に淡白な性質であり、自慰に耽るのも1ヶ月に一度あるかないか。
露出行為で昂りを覚えた際にも、絶頂に至ることなど稀であり、それでも充分満足していたくらいなのだ。

(・・もう何回イッたか分からない・・。)

弄り続けたせいか、股間にある敏感な肉の突起に痛みを覚え始めた頃、しのぶは、それでも尚、後ろ髪を引かれるような想いで脚の間から手を抜き、ベッドの上で上半身を起こすと浴室に向かう。
狭い脱衣所でスカートから左右の脚を順番に抜き、恐る恐るスカートを点検しようと持ち上げた瞬間、ムッとするような牝の匂いが立ち昇り、しのぶの嗅覚を襲った。

(私、こんなにも・・汚すなんて・・。)

それ以上の点検を放棄してスカートを、そしてブラウス、キャミソール、ブラジャー、ストッキングの順に脱いだ衣類を脱衣籠に入れると、しのぶは浴室に入り、蛇口を捻る。
普段であればシャワーの温度が上がるまで待つのだが、この日は違った。
冷たいシャワーを頭から浴び、震えながら考える。

(・・もし清水さんが今日のことを会社の誰かに話したら。)

それは今日かもしれない、明日かもしれない。
だが噂は、いや噂ではなく事実はアッという間に職場中に広がるだろう。

(・・もし、そんなことになったら・・会社を辞めるしかない。)

ようやく温まったシャワーを浴びながら、しのぶは考える。その場で辞表を出せるように今日のうちに準備して持ち歩こう。
そんなことを考えながらも、はしたない秘密が職場中の知るところとなったシーンを想像するだけで、下腹部の芯に熱が生じるのが分かる。

(・・あたし、こんな女だったんだ・・。)

浴室内の壁に作り付けられた姿見用の鏡に映る全裸のしのぶ。
身長は標準だが、華奢な骨格を薄い肉が覆ったようなスレンダーな身体は痩せ過ぎの嫌いがある。
唯一、自信がある小ぶりだが椀を伏せたような形の良い乳房、そしてその先端に桜色の乳首。
体質なのだろう、下腹部の翳りは昔から淡く、薄っすらと秘裂が伺える。
いささか女の匂いが薄い身体を地味な服で覆った30歳を目前に控えた女性会社員、それが自他共に認めるしのぶ自身であった。
周囲の誰に聞いても地味で控えめ、それは幼い頃から今に至るまで共通した周囲の評価であり、よもや密かに露出行為を嗜んでいると思う者はいないであろう。
しかし、今日の出来事が広まれば、しのぶの評判が一変するのは間違いない。
一睡も出来ぬままに朝を迎えると、しのぶは敢えてパンツスーツを身に付けて会社に向かう。

(・・いつも通り・・。)

結論から言えば、全ては杞憂に終わった。
無事、金曜日が終わり週が明け、次の週末が明けても何の変わり映えもない日常が続く。

(清水さん、誰にも言わないでくれたんだ。)

しかし日々が過ぎ去る中、しのぶは安堵ともに判で押したような日常に物足りなさを感じ始めていることに気付いていた。
しのぶの秘めたる嗜好を知られてしまったのは失態だが、逆に秘密を守って貰えるのであれば、それは新たな刺激に繋がっていく可能性を秘めているのではないか。

(一度、清水さんと連絡を取ってみようかな。でも・・。)

清水と接触することがヤブヘビになる可能性は決して無視出来ない。
だが、しのぶは煩悶しながらも、ついに意を決して清水の携帯電話にショートメールを送った。

>清水支店長
>有馬です。
>ご挨拶が遅れて申し訳ありません。
>先日はお恥ずかしいところをお見せして
>申し訳ありませんでした。
>また、内密に処理していただき
>大変助かっております。
>まずはお礼代わりにメールにて失礼致します。

(・・これくらいかな。)

一時間も経たないうちに、しのぶのスマホがメールの着信を知らせる。

>有馬さん
>こちらこそ、急なことで驚きましたが
>心配はご無用です。
>今後とも宜しくお願いします。

(・・良かった・・。)

安心が保証されたと同時に、しのぶの中には新たな想いが頭をもたげ始めていた。
秘密が公然のものになってしまうのは困るが、ごく限られた、つまり清水以外には秘匿されたままであれば概ね問題は無い筈だ。

(むしろチャンスなのかもしれない。)

『毒喰わば皿まで』とはこういうことなのだろうか。
誰にも明かすことが出来なかった秘密を清水と共有する、それは恥ずかしい性癖を口にすることが可能になることを意味するし、ひょっとしたら、はしたない姿を晒すことすら可能なのかもしれない。
しのぶ自身も気付いていたのだが、露出行為を嗜んでいる事実が露見したのであれば、それはそれで新たな刺激を得ることが可能になる。
危険を伴う賭けではあるが、しのぶは既にその魅力に抗しきれない程、妄想の虜になっていた。

(・・別に・・そういうつもりじゃないし。)

自分自身に対して言い訳をしながら、しのぶは段取りを練る。
要は清水が出張で東京に来ているタイミングに合わせ、2人きりで会って話が出来れば良いのだから、さほど悩む必要はない。
問題は一線を越えてしまう要素を、可能な限り排除する為のシチュエーションをどう設定するか、だ。
しのぶ自身の中では、最終的に一線を越えてしまうのも致し方なし、という想いはあるのだが、それ在りきの展開には抵抗があった。
しのぶにとって現時点における目標は、しのぶ自身の秘密の性癖を清水に告白出来れば充分であり、肉体関係を求めているわけではない。

(・・清水さんだって家庭があるんだし。)

また妻子ある身である清水の家庭に不和をもたらすのは、しのぶとて本意ではない。
清水とて良識ある社会人として肉体関係を強要してくることはないだろうと、しのぶは無理矢理、自分自身を納得させた。
全社共有のスケジューラーを前に散々悩んだ挙句、結局、清水が週末に出張で上京するタイミングを見計らって再びスマホから清水の携帯にショートメールを送る。

>清水支店長
>有馬です。
>内密にお話ししたいことがあります。
>出張の際、お時間を取っていただけると
>幸いです。
>可能であれば日中、社外でお願い出来れば
>と思っています。
>お手数をお掛けして申し訳ありません。

次の日の昼休みに返信があった。

>有馬さん
>清水です。
>先日のことならば大丈夫ですよ。
>それでもというのであれば
>時間は取りますがどうしますか?

>清水支店長
>有馬です。
>大変申し訳ありませんが
>是非、お願いしたいと思います。

>有馬さん
>分かりました。
>調整して連絡します。
>ただし『社会人らしい身嗜み』にてお願いします。

しのぶは清水からのメールを一読して安堵するとともに、羞恥のあまり顔が、いや全身がカッと火照るような恥ずかしさに包まれた。
『社会人らしい身嗜み』、それは取り敢えず清水が先日の失態をネタに、しのぶに対して何らかの要求をするつもりは無さそうだという安堵をもたらすとともに、しのぶ自身のはしたない行為を当て擦られているように感じてしまう。
胸の鼓動を抑えつつ、ふと気付けば下腹部の芯に熱が生じると同時に、しのぶ自身が潤い始めている事実に愕然とせずにはいられない。

(・・あたし・・何を期待しているんだろう。)

何かを振り払うように席を立つと何食わぬ顔をしてトイレに向かうが、流石に職場で自慰に耽るつもりは無く、溢れてしまいそうな蜜がショーツを汚してしまわぬように拭き取るつもり、ただそれだけのつもりであった。
しかしショーツを膝まで下ろし便座に腰掛けてみれば、既に溢れ始めていた蜜はクロッチの部分に染み出している。
溜め息をつきながらトイレットペーパーを手に取り、秘裂に沿って拭い取ろうとするが、結果的に溢れ出した蜜を秘裂に薄く伸ばしながら塗り広げてしまう。

(ダメ。そんなつもり・・ないのに。)

くぐもった唸り声を喉の奥で押し殺しながら拭き取ろうとしていたのは最初の何回かだけ。
後一度、後一度と触れるたび、しのぶの蜜壷は熱く爛れていき、敏感な肉の芽は充血し包皮が完全に剥けていく。
職場のトイレで自慰に耽っているという事実が、しのぶの背徳感を刺激して暗い悦びをもたらし始める。

と、その時であった。

ガチャリ

突然、隣の個室のドアが開き、続いて閉めたドアを施錠する音、壁一枚を隔てた人の気配に我に返るしのぶ。

(・・あたし・・何を・・。)

慌ててトイレットペーパーで指と股間を粗く拭い、立ち上がりながらショーツを穿き直すと同時に、溢れ続けている蜜がショーツのクロッチを汚したことに気付く。

(トイレに何をしに来たのか分からないじゃない。)

自分で自分に舌打ちしながらスカートを直し、個室から出たしのぶは、オフィスに戻り係長に体調不良につき早退したい旨を申し出た。

「体調が悪いならしょうがないよね。顔が赤いから熱があるのかもね。」

(違います。欲情して全身が火照っているんです。)

自席に戻り、帰り支度をするしのぶに隣席の同僚から声を掛けられた。

「疲れてるんだよ。家でゆっくり休みなよ。」

(はい、でも先にオナニーするんです。)

言葉にこそ出せないものの、頭の中に響く受け応えが更なる昂りをしのぶの躯にもたらしてしまう。
外見上は体調が悪いとしか思えない状態のまま、しのぶは何とか自宅まで辿り着くや否や、玄関に立ったままスカートの下に手を潜らせた。

(あ。こんなに・・なってる・・。)

帰宅の途でもショーツの保水力を超えた蜜が、太腿の内側のストッキングに伝い流れ始めているのは分かっていた。
しかし実際に触れてみれば、粘りのある液体を吸ったショーツはまるで水に浸した布地のようだ。
ストッキングとショーツの上から秘裂に沿ってゆっくりと指を這わせると、痺れるような快感が生じ、下腹部から全身へと拡散されていく。
堪らずショーツの下に指を這わせ、充血し剥き出しになった肉の芽を指先で探り当てると、思わず呻き声を漏らしてしまうが、ここでならば誰にも聞こえない、そう思うと普段のしのぶであれば決してしないような行為に及び始めてしまう。
その場にバッグを放り出し、立ったまま玄関脇の壁に背を預け、ブラウスのボタンを幾つか外し、ブラジャーのホックを外す。
ブラカップをずらし、固く尖った乳首をキャミソール越しに指先で軽く撫ぜるだけで声が漏れてしまう。
右手をスカートの下、左手をブラウスの下に這わせると左右それぞれの手で秘部と右の乳房を覆った。
ふたつの尖がった肉の芽を嬲りながら、しのぶ自身も気付かぬうちに脚が開き始める。
いつの間にか背を壁にもたれかけさせたまま、やや腰を壁から浮かせた状態で脚を開き気味にした姿。
しかもその態勢で淫らな行為に耽り、甘い痺れを貪っている。

(・・あたし,・変態・・だ。)

自宅とはいえ、玄関脇で自慰に耽っている事実もさることながら、しのぶ自身が堕ちていく感覚、正確に表現すれば辱しめられ、貶められる感覚に陶然としていることに気付いてしまったのだ。

「ひぐっ!」

あろうことか自分が変態行為に酔っていることを自覚した瞬間、しのぶは一気に絶頂に達してしまう。
悲鳴とも喘ぎともつかない唸り声を漏らすと同時に、全身を弓なりに反らせながら快感のあまり、意識が薄らいでいく。
遠退きつつある意識を何とか繋ぎ停めようとしていると、太腿を熱い液体が伝い始めていることに気が付いた。

(あたし・・え?まさか・・オシッコ・・漏らしているの?)

しのぶが完全に意識を取り戻した時、朦朧としながら最初に感じたのは下腹部の冷たさであった。
はだけたブラウス、びしょ濡れのスカート、スカートの中がどうなっているかは考えたくもない。
何よりも玄関脇の壁際に座り込んだしのぶの周囲の床には、明らかに液体が溜まっている。

(・・本当に・・漏らしちゃった・・。)

いわゆる『潮吹き』なのだが、しのぶは失禁してしまったと思い込んでしまう。
惨めな想いに打ちのめされながら、しのぶかノロノロと立ち上がろうとした時、バッグの口からスマホがメールの着信を知らせて光っていることに気付く。

(・・誰?)

>有馬さん
>清水です。
>日程の調整が出来ました。
>今週末の土曜日、午前中でどうでしょう?
>ご連絡をお待ちしています。

(・・どうしよう・・。)

清水からのメールを目にしただけで、これ程までに乱れてしまったのだ。
実際に顔を合わせて話をし始めたら、今日以上に乱れてしまうかもしれない。
しのぶはスマホの画面を見ながら、しばし逡巡した後、短いメールを返信した。

>清水支店長
>有馬です。
>日程の御調整、ありがとうございます。
>その日程でお願い致します。
>場所は清水支店長のご都合に合わせます。

『乱れてしまうかもしれない』のが危惧なのか、それとも期待なのか分からないまま、しのぶはメールを送信した後、淫らな行為の後始末を始めた。

土曜日。

いつもの時間に起床すると、しのぶはスマホを見ながら今日のスケジュールを確認する。
清水が空港行きモノレールと連絡している山手線の駅を待ち合わせ場所に選んだのは、帰路の新幹線もしくは飛行機への乗り継ぎを意識してのことであろうことは想像に難くない。
待ち合わせ時間は10時、そして今は7時過ぎなので移動に1時間かかるとしてもまだ余裕がある。

いつも通り電気ポットで湯を沸かしながら、買い置きの食パンを温め、インスタントコーヒーとともに朝食を済ませても時刻はまだ7時半。
時間を潰すつもりでシャワーを浴びながら、浮かんだ想いに思わず赤面するしのぶ。

(・・誘われるのを期待しているみたい。)

そんな想いを振り払いながらシャワーを浴び終え、髪を乾かすと、敢えてワゴンセールで買った安物の下着を選んで身に付ける。
服はブラウスと黒い膝丈のプリーツスカート、偶然にも清水の前で失態を演じた日と同じ服だが、ストッキングは同じくワゴンセールで買った黒いパンティストッキングを選ぶ。
迷った末、ここ何日かの気温の上下を意識して、と自分自身に言い訳しながらグレーのニット製ベストをブラウスの上に重ねたのは、先日、清水と出会った時とほぼ同じ服装になってしまったことを意識した為であった。

(少し早いけど・・。)

しのぶは家を出ると意識して平常心を保ちつつ駅に向かうが、目的地に近づくにつれて、胸の鼓動は早まり、心は千々に乱れる。
待ち合わせ時刻より5分ほど早く着くと、キョロキョロと落ち着かない様子で清水の姿を探すが、約束の時刻を過ぎても清水は姿を現さない。
場所か時刻を間違えてしまったかとスマホを確認しようとした瞬間、しのぶは背後から肩を軽く叩かれる。
振り向けば清水が大きな荷物を手にして立っていた。

「よ!ごめん。遅れた。」

「清水支店長!無理を言って申し訳ありません。」

「支店長は要らないよ。社外だし休みだし。」

久しぶりだが、気さくな人柄は変わらないようで思わず微笑んでしまうしのぶであったが、清水を呼び出した目的を思い出すと表情は強張ってしまう。

「で?話って?この間の件?」

いきなり本題に入られた為、しのぶは硬い表情を浮かべたまま、頷くことしか出来ないが、対照的に清水はまるで屈託のない様子でしかない。

「ま、ここで立ったまま話すのも何だしさ。」

返事も聞かずに歩き出す清水の後を追いかけるしかないのだが、清水の足が繁華街に向かっていることに気付いた時点で不安は高まるばかりである。

「ここならどうかな?」

そう言いながら清水が足を止めたのは、24時間営業のカラオケボックス。
確かに個室ではあるが完全な密室ではなく、他人に話が漏れることもなく、リーズナブルな値段で短時間の利用が可能だという点では悪くない選択だ。土曜日の午前中なので知り合いと顔を合わせる可能性も低い。
忍が頷くと清水は店に入り、カウンターで交渉を始める。

「アルコールは最初の一杯だけサービス、ソフトドリンクは飲み放題、一人一時間500円だってさ。あ、喫煙の部屋にしちゃったけどいいかな?」

清水がどんな交渉をしたのか、その交渉結果の良し悪しも分からなかったが、しのぶにとってそんなことはどうでも良かった。
スタッフに導かれるまま、六畳ほどの個室に入ると清水はドリンクメニューを差し出してきた。

「俺、生ビール。有馬さんは?」

「あ。あたしは・・お酒は・・」

しのぶもアルコールを受け付けないわけではないが、休日とはいえ日中、しかも昼前からというのは抵抗があり、ソフトドリンクにしようとしたのだが、清水の言葉に遮られる。

「無理にとは言わないけど、話しにくい内容なんだろ?多少、酒が入ってたほうが話しやすいかもよ。」

なるほど。
そう言われれば清水の言葉を拒否する理由もなく、また休日に無理を頼んでいる以上、無碍にも出来ない。

「あ。じゃあレモンサワーを頂きます。」

自ら内線電話を手に取りオーダーを済ませると、しのぶは清水とテーブルを隔てた向かい側にのソファに腰を下ろす。

(・・何から話せばいいんだろう。)

黙り込んだしのぶが沈黙に耐え切れなくなる寸前にドアが開き、学生アルバイトと思われる若い男性スタッフがグラスを載せたお盆を手に入ってきた。

「生とレモンサワー、お待たせしました。」

スタッフが去るとグラスを手にした清水につられ、しのぶもグラスを手に伸ばす。

「じゃ乾杯!」

当然のように乾杯をすると清水は一息に半分ほどを飲み干すと、テーブルにグラスを戻した。
しのぶも形ばかりグラスに口をつけると、グラスを両手で抱えたまま、再び沈黙する。

「話ってこの間のことだろ?大丈夫だよ。誰にも言ってないし言わないから。」

しのぶにもそれは分かっていた。

「何かワケがあるんだろ?いいよ。ここだけの話として聞くよ。」

限界であった。
しのぶは手にしていたグラスを口にすると一気に半分近くを飲み干し、一息つくと再度グラスに口をつけ、今度は一気に飲み干す。

「もう一杯頂きます。」

立ち上がって内線電話からオーダーを済ませると、待っていたのかというくらいの速さで、二杯目のレモンサワーが届く。
しのぶは呆気に取られた清水を尻目に、グラスを手にしたままポツポツと、しかし途切れることなく語り始めた。

誰にも言ったことはないが自分には露出癖があること。

露出癖といっても、ショーツを着けずに外出する程度であること。

「え?ちょっと待って。何かキッカケがあったの?」

しのぶにとってのキッカケ。
記憶を辿ると思い当たる出来事はある。

「中学の・・一年生の時だったと思うんですけど・・。」

よくある話だが、しのぶはその日、学校で水泳の授業があり、着替えの手間を省く為、家からセーラー服の下に水着を着て登校したのだが、下着を家に忘れてしまった。
幸いにして雨天に備えて体操服とハーフパンツも学校に置いてあった為、素肌の上から下着代わりに体操服を身に着けて事無きを得たのだが、しのぶにとって、その時の経験は忘れられないものとなっていた。

「誰かに知られたらどうしようって・・。」

羞恥心の塊となって、その日を何とか過ごしたのだが、家に帰ってからも、次の日も、そして何日か経っても忘れられない。
ある日、しのぶは意を決して、ある事を試みた。

「学校の帰りにトイレで・・。」

あの日のように下着を脱いで素肌の上から体操服とハーフパンツを身に付け、その上からセーラー服を重ねて下校の途に着いた時、しのぶの高揚感は先日以上に高まっていた。

「あたし、今こんな恥ずかしい格好をして外を歩いてるんだ。しかも今日は自分から進んでこんなことをしてる。そう思うと・・。」

その後も何度か同じことを繰り返すうちに、しのぶは高揚感が性的な昂りに繋がっていくことに気付く。
同時に誰しもがそうであるように刺激には慣れてしまい、更なる刺激を求めるようになっていった。

「・・徐々に・・エスカレートしていったっていうか・・。」

下校の時だけではなく、登校の時や授業中にも。

肌着を着けず、素肌の上に制服を直接身に付けて。

スカートの下には何も穿かずに。

といった具合にエスカレートしていったが、細心の注意を払っていた為であろうか、幸いにしてしのぶの露出癖が露見することは無かった。

「でも中一の終わり頃に・・。」

しのぶは遅めの初潮を迎え、その頃から胸が徐々に膨らみ始め、下腹部は淡く翳り始め、ささやかな楽しみはリスクが伴い始める。

「ん?どういう意味?」

膨らみ始めた胸が服の布地を押し上げ、成長しつつある乳首が布地越しに透けてしまう可能性に気付いたこともある。
また他の女子がセーラー服の裾から肌着を覗かせている光景を見て、セーラー服の構造自体に潜む無防備さに気付いたこともある。

「それに・・」

しのぶが望んでいたのは『見せる』ことではない。
はしたない行為に及んでいること、そして知られてはならないその事実を周囲に知られてしまう危険性こそが、自分を昂ぶらせることを理解していた。
つまり『見せてしまう』、もしくは『見られてしまう』ことにより、『周囲に知られてしまった』ら全てが台無しになり、それは露出行為の興を削ぐだけに留まらず学校生活、社会生活にまで大きな影響が及ぶことは中学生のしのぶにも分かっていた。

「それに・・男の人には分からないでしょうけど・・」

生理は毎月しかも数日間続くし、オリモノもある。
体質によるのだろうが、初潮を迎えた直後は生理が来たり来なかったり、また長かったり短かったり。
しのぶにも覚えがあるが、予定日まで間があるにも関わらず急に始まることすらあるのだ。

「冬は・・下着無しで外出なんて出来ないし。」

「つまり、いつでも気の向いた時にそういうことが出来るわけじゃないってこと?」

「はい。」

そう言って手にしたグラスに口をつけるが、いつの間にかグラスは空。
しのぶにしては結構なピッチで空けてしまっていることになる。
ふと見れば清水のグラスも空になっている。

「あ、清水さんはどうします?」

「あ?あぁ。俺、ハイボール。」

しのぶが内線電話を手に取ろうと立ち上がろうとした瞬間であった。

「あ?」

バランスを崩し、思わずソファに尻餅をついてしまう。

(あ・・れ。酔ってる・・のかな。)

再び立ち上がったしのぶは、追加オーダーを済ますと清水に断ってトイレに向かった。
個室の鍵を閉めてパンティストッキングとショーツを膝の辺りまで下ろしながら便座に座り、しのぶがショーツのクロッチ部分を確認すれば、案の定、溢れた蜜が染みを作っている。

(・・やっぱり・・。)

清水と話している間は夢中であったこともあり気付かずにいたが、アルコールの力を借りながらも恥ずかしい性癖を告白するという高揚感が、知らず知らずのうちにしのぶを昂ぶらせていたのだ。
溢れた蜜を拭き取ることすらせず、ショーツとストッキングを穿き直し、スカートを直すと清水の待つ個室にもどる。
個室では清水が煙草を吸いながら、しのぶの戻りを待っていた。

「で、その後はしていなかったけど、この間はたまたま?」

しのぶがソファに腰を下ろすと清水は煙草を揉み消しながら答えを促がす。

「はい。しばらくの間、高校、大学くらいは・・。」

再開してしまったのは就職して一年程経った頃だった。
彼氏との交際が自然消滅し、さりとて新たな異性との出会いも無く、徐々に欲求不満が蓄積されていったのであろう、つい発作的に再開してしまったのだ。

「・・一年に一回か二回・・くらい。」

しのぶは元来、性的に淡白な性質であったが、それでも性的な衝動に駆られ悶々とする夜もある。
自慰に耽って解消する時もあれば、満足出来ないこともある。
そんな時には、はしたない服装、といってもせいぜいが下着を穿かずにという程度なのだが、深夜の散歩に出掛けることがあった。

「それで?散歩すると解消出来るの?」

「・・いえ。」

露出行為によって欲求不満が解消するわけではなく、むしろ昂ぶれば昂ぶる程、欲求不満は募っていく。

「その後で・・その・・じ、自分で・・」

欲求不満を最大限募らせた状態で耽ける自慰、それは異性との性行為でも得られなかった、そして自室で独りで自分を慰めることでも得られない悦びであった。
羞恥心、背徳心、そして自分で自分自身を貶める行為は、しのぶの性生活にとって欠かすことの出来ないスパイスとなっていった。

「ふーん。そんなにいいんだ。」

清水との会話を続けながら、しのぶは再び昂ぶり始めていることを感じていた。
自分の性癖のみならず、自慰に耽る際の変態行為を告白しながら昂ぶっているのだから世話はない、そう自嘲するしのぶに向かい、清水は続ける。

「今はどうなの?かなりセンシティブな内容になってると思うんだけど?」

「え?あ、今・・は・・。」

「言っておくけど今日の有馬さん、凄い話をしてるからね。分かってる?」

凄い話。
しのぶの顔がカッと火照る。
自分の密かな性癖、そのキッカケから自慰の方法まで告白してしまったのだから『凄い話』なのは確かであり、しかも既に下半身は充分に潤っている。

「恥ずかしいと・・ドキドキしてきて興奮しちゃうんでしょ?」

「・・は・・い・・。」

「・・興奮・・してるの?」

「・・・はい。」

「どれくらい?」

「・・『どれくらい』って・・。」

具体的に表現すれば良いのだから、回答自体の難易度は低い。
だが出来る筈はない。
それを言葉にすることは、しのぶの身体が今、性的な興奮によりどんな状態になっているのかを口にすることである。

(・・そんなこと・・言えるわけ・・ない。」

だが、そんな想いとは裏腹にしのぶの口から掠れた声が漏れる。

「・・凄く・・濡れて・・ます・・。」

「どこが濡れているの?」

「・・・あたし・・の・・あそこ・・です。」

「有馬さんのアソコ、どれくらい濡れているの?」

「・・下着・・が・・汚れ・・るくらい・・。」

清水の質問に応えることは、しのぶにとって屈辱でありながら同時に悦びであった。
忌避しながらも歓迎してしまう精神への刺激。
いつの間にかしのぶにとって、清水の要求に応えることが悦びがもたらされるという『心理的な刷り込み』が擬似的に成立してしまったのだろうか。
清水の要求に応えることへの抵抗は減り、むしろ期待が高まりつつあった。

「有馬さん、その場で立ち上がってごらん。」

「・・はい。」

立ち上がったしのぶに清水から指示が下る。

「スカートはそのままでストッキングを脱いでごらん。」

「・・ここ・・で?」

「そう。今、ここで。」

これまでの要求はセンシティブな内容ではあったが、全て口頭で完結が可能である。
しかし肉体的な行動を伴う要求はこれが初めてであり、遂行する為のハードルも高い。
しかも個人差はあろうが、しのぶにとってストッキングは下着の範疇に入る衣類だ。
人前、しかも知り合いの男性を前にして下着に類するものを脱ぐ、それは着替えを覗かれるという受動的な事象ではなく、着替えを見せるという能動的な行為となる。
普段なら絶対に実行する筈のない、いや、出来る筈のない行為だが、この時、しのぶの精神状態は通常とはかけ離れた状態となっていた。
アルコールのもたらした判断力の低下だけではなく、異常なまでの興奮状態が、しのぶに普段であれば考えられないような行動をとらせてしまう。
左右の手をスカートの下に潜り込ませると、左右の腰骨の辺りでパンティストッキングの生地に指を掛け、ゆっくりと下ろし始め、遂には順番に左右の脚をストッキングから抜く。

「脱いだストッキングをテーブルの上に置いてごらん。」

言われるがままにテーブルの上に置いたストッキング、だらしなく広がる様は、まるで収穫されたワカメか昆布のようだ。

この時点で、しのぶの躯は絶頂に至る寸前、いや断続的に軽い絶頂を迎えてすらいたが、しのぶはその事実にすら気付かず次の指示に期待を高めていた。

(・・こんなの・・初めて・・。)

清水の指示は的確にしのぶのスイッチを押し続ける。
スイッチを押されれば、その都度、木偶人形のように愚直な反応を繰り返すようになっていった。

「スカートの下に手を入れて。」

言われたままスカートの下に手を這わせるしのぶに向かって清水の指示が続く。

「有馬さんにとって・・一番、敏感なところはどこかな?」

「・・ク、クリトリス・・・です。」

「そこを下着の上から指で押してごらん。」

「ん・・ん!」

「そこは・・有馬さんのクリトリスは・・今、どうなっているのかな?」

清水の口調が強圧的だったり恫喝するようなニュアンスは全く無かった。
かつて清水が業務を指示する際の口調と同様、極めて自然なことを命じているような口調で指示を続ける。
それ故になのかは分からないが、しのぶは従順に応じてしまう。

「・・膨らんで・・固くなって・・コリコリ・・しています。」

「・・興奮しているんだね・・。」

「・・は・・い。」

「ゆっくりと・・指を下にずズラしてごらん。」

しのぶはクリトリスを起点に秘裂に沿って指を這わせる。
指が近付くにつれて蜜壺から溢れ出す液体は増えていき、ついに肝心の場所に辿り着いた時にはショーツに沁みを作るだけに留まらず、保水力の限界を超え、太腿を伝い始めた。

「有馬さんは自分が今、何をしているか分かってる?」

「・・は・・い。」

分かっていた。
分かっているが故に、しのぶは嘗てない程の羞恥に苛まれているのだ。

「分かっているのなら、言ってごらん。」

「・・・・。」

「有馬さんが今、ここでしていることを説明してごらんって言ってるんだよ?」

「・・あたし・・は・・・。」

「うん。あたしは?」

もはや限界であった。
しのぶの理性は吹き飛び、堕ちるところまで堕ちることだけを望む動物と化していた。

「あたしは・・清水さんの・・目の前で・・オ、オナニーをして・・下着を・・汚しています・・。」

「うんうん。そうだね。じゃあ次に何をすればいいのか、何をしたいのか、分かっているよね?」

次に何をするべきなのか。
正直、しのぶには分からない。
だが、考えるより先に身体が勝手に動いていた。
しのぶは再びスカートの下に手を差し込むと、先刻、ストッキングを脱いだ要領でショーツを下ろし始めていた。

「うん。よく出来ました。それを寄越しなさい。」

脱ぎ終わったショーツを手にして佇むしのぶに向かって清水が手を差し出す。

「・・重いね。どうして重いのか、理由を説明してごらん。」

清水は無造作にショーツを受け取るとしのぶに問いかけた。

「・・それは・・」

しのぶにとって、ここまでが限界であった。
カラカラに渇ききった咽喉からは掠れた声すら出ず、咳き込み始める始末。

「大丈夫?」

「・・・・。」

「出て左に行ったところにフリードリンクのコーナーがあるよ。」

「・・は・・・い。」

促されるままにドアに向かうが、この時点でしのぶはこれから起こり得る事態を正確に理解してはいなかった。

「ついでに俺のも頼む。ウーロン茶、よろしく。」

「・・・」

無言でドアを開けたしのぶが左方向に視線を向けると、確かに5メートル程先にフリードリンクコーナーがあるが、問題は今の格好だ。
僅か5メートルとはいえ、スカートの下は何も身に付けておらず下腹部が剥き出しになっている。

(・・こんな格好で・・行く・・の?)

しのぶは振り返ると清水に恨めしげな視線
 
2019/10/02 03:16:54(bAnyM3oV)
22
投稿者: さくら ◆ACiNmI6Dxs
Jさんの作品
全て拝読しました。

どきどきしつつも胸が痛くなるような…
いろんな感情とともに時間を過ごしました。
こちらはまだ完結していない作品の中なので
この作品の邪魔にならないよう、
スクール…の末尾にも感想を書かせていただいているので
そちらに書かせてください。
この週末はどっぷりとJさんの世界に引き込まれていました。
ありがとうございました。
19/10/07 00:25 (Nn4L4fv2)
23
投稿者: J ◆WCdvFbDQIA
ファントムさん、さくらさん

コメントありがとうございます。

あの・・ですね。

私に幻想(?)を抱かない方が良いですよ。
五十歳近い単なる会社員のオッさんですので。

とりあえず自分のペースで頑張っていきまぁす。

19/10/07 12:17 (oDAKKzkB)
24
投稿者: ファントム ◆OQ9nt8nyIY
Jさん,プロフィール,ありがとうございます。
(隠し続けることもできたはずなのに・・・。)

凄い文才ですね。
男性なのに,女性の内心の心理描写がうまい,というか,文章に引き込まれる。
さくらさんも,同じようなことを言っていた。

小説の最初も,エピソードの1か月半後から始めて繋げるなど・・・。

この小説には大変興味をひかれますから,今後も更新してください。
継続して読まさせていただきます。

最後に,私はもうすぐ60歳の年寄です。(笑)
19/10/07 20:04 (ka/F1nWL)
25
投稿者: J ◆WCdvFbDQIA

(・・痛い・・。初めての時みたい・・。)

出血こそしないものの、破瓜の時以来の痛みとともに性具は侵入を続け、遂にはしのぶの最深部に達した。
いつの間にか額に珠のような汗を浮かべ、しのぶが一息ついていると、老婦人が差し出してくるものがあった。

「ほら。女の嗜み。」

それは五センチ程の幅の生地で作られたT字帯のようなショーツであった。
意図を測りかねているしのぶに老婦人は諭すように説明を続ける。

「そんな格好で外を出歩いている時に、仮に気をヤっちまったらどうするつもりだい?」

つまり人混みの中で果ててしまい、充分に潤い解ぐされた秘部から性具が滑落してしまうことを防止する為の措置らしい。

「ま、そういうシチュエーションを好む御仁もいらっしゃるから好みに任せるよ。」

勿論、しのぶは迷うことなく脚を通して予防措置を施すが、装着したT字帯の股間を覆う部分が挿入済みの性具を常に限界まで押し込もうとする感覚に違和感は否めない。
装着を終えスカートを直し終わったしのぶが老婦人に顔を向けると、老婦人が手にしたリモコンの説明を始める。

「ここで強弱を調整、ここでモードを設定・・」

強弱は五段階に調節が可能。
モードは振動、グラインド、ランダムの三種類に加えてタイマー設定も可能。
内蔵バッテリーにより最大で三時間の稼働が可能。
これらの組み合わせにより多様な使い方が楽しめる推奨品だとのこと。

「しかも水洗いも出来るからね。楽しんだ後はキレイに洗ってしまっておけるよ。」

そう言いながらリモコンを手渡されたしのぶは、深く考えもせずリモコンのスイッチをONにする。
すかさず下腹部の芯に埋め込まれた異物が脈動を始め、しのぶに奇妙な感覚をもたらし始めた。

(・・あ、この・・感じ・・。)

挿入した直後には冷たく感じたが、程良く体温で温まった性具には、既にさほどの違和感は感じない。
しかし前後にピストン運動をするのではなく、未だ経験したことの無い体内に挿入されたものが震える感覚。
徐々に広がりつつある快感が全身を支配し始めると、しのぶの脚が震え始める。

(ちょ、ちょっと・・待って・・。)

一度、停止させようと、しのぶはリモコンの強弱を調整するツマミに触れたが手元が狂い、最弱を示す1から中程度を示す3になってしまう。
途端に体内の性具が暴れ始めた。

「は!はぅうっ!」

最初は強過ぎてしのぶには痛みとしか感じられなかった感覚が、あっという間に快感に変わり躰の芯を苛み始める。
自分の脚で立っていることすら出来ず、壁に背を預けてしまうが、それでも耐えることが出来ない。

「あっ!あっ!あぁっ!あぅ!」

顔を仰け反らせながら獣のような声を上げ、身を捩じるしのぶ。

「こ、壊・・れ!」

思わず発した言葉は端的に状況を表しており、しのぶ自身、精神と肉体が崩壊するかと思った瞬間、体内の脈動が突如、停止した。

「大丈夫かい?」

しのぶが握っていたはずのリモコンを手にした老婦人が問いかける。
何が起こったか分からないまま、虚ろな眼で老婦人を見つめるしのぶは、それでも無意識のうちにスカートを汚すまいとしたのであろう、辛うじて座り込んではいなかった。

「乱れ過ぎだよ。それに・・」

老婦人は淡々と続ける。

「潮でも吹かれちゃ掃除が大変さね。」

冗談とも本気ともつかない口調で語りかけながら、ウェットティッシュの小箱をしのぶに差し出す。

「まずは外して拭きなさい。そのままじゃ座れもしないんだろう?」

全てを見透かしているような老婦人の言葉に従い、しのぶはスカートの中に手を潜らせるとT字帯を少しずつズラす。
同時に挿入されたままの性具に手を添え、恐る恐る下方に向かい抜き始めるが、溢れた蜜により膣から生じる音が気になって仕方がない。

ぬぷちょっ

間の抜けた音と共に性具が抜ける。

(・・聞こえた・・?)

老婦人は、と見れば、含み笑いを漏らしながらしのぶの様子を見守っている。
恥辱に身の縮む思いをしながらウェットティッシュを手にすると、膝まで垂れた蜜を拭き取り始めたしのぶに向かい、老婦人は折り畳まれたバスタオルを差し出した。

「これを腰に巻いて。スカートの裏側も拭いた方がいいんじゃないかい?」

「・・すみません・・。」

消え入りそうな声で礼を言い、スカートのホックを緩め、広げたバスタオルを腰に巻き付けるとスカートを脱ぐ。
スカートを裏返し点検すると、思っていた程ではないが、やはり粘りのある液体が何ヶ所か付着していた。
しのぶはウェットティッシュで叩くように汚れを落とそうとするが、思うように汚れは落ちない。

「ほら。」

見兼ねた老婦人が固く絞った濡れタオルを渡してくれる。

「・・ありがとうございます・・。」

奮闘の結果、ある程度の汚れを拭い去ることは出来たが、水分を含んだスカート自体はしっとりと湿ってしまう。

「その辺りに干しておけば、一時間もしないで乾くんじゃないのかい?」

そう言いながらハンガーを手渡されれば無碍にも出来ず、しのぶはバスタオル一枚で下半身を隠した状態で、誘われるままに、ソファに座りお茶を御馳走になる羽目になっていた。

「差し出がましいようだけど・・」

老婦人から仔細を問われれば、答えない訳にはいかず、しのぶは今日この場に至るまでの顛末を語り始める。

(・・今日一日で・・二回も同じ話を・・。)

だが、流石に二度目ということもあり、要領良く簡潔に語るしのぶの話に、老婦人は興味深そうに聴き入っている。
中学生の時の出来事をキッカケに露出行為を嗜むようになり、先日、清水の前で失態を演じたことに端を発した今日の顛末。
展望台、中学生・・。
一通り話し終え、冷めたお茶に口をつけるしのぶに向かい、老婦人は愉快そうに笑い終わると急に真顔で諭し始める。

19/10/07 21:01 (oDAKKzkB)
26
投稿者: J ◆WCdvFbDQIA

「そういう他人に言えないような趣味を持つ人はね、意外といるもんなんだよ。だけどね・・・」

今日までは何も無かった、明日からも何も無いかもしれない。
だが、その幸運がいつまでも続くとは限らず、続くとも思えない。

「酷いヤツに知られたら・・・分かるかい?」

「・・・・」

しのぶにとっては耳の痛い話であった。
リスクは充分理解している。
何度も止めようとして止められない。
しかも今日は嘗て経験したことのない刺激を味わってしまったのだ。
一ヶ月?半年?
暫くは自重して思い出し、妄想に耽りながら自慰に耽けることで我慢出来るかもしれない。

「・・でも・・もう・・。」

自分が後戻りが出来ない状況にまで至ってしまっていることにしのぶ自身、確信があった。
俯くしのぶを前に溜め息をつくと、老婦人は一枚のカードを差し出す。

「?」

「今日、これから・・、」

老婦人の指示に従って家に帰れというのだ。
そして家に帰り着いて、それでも考えが変わらないのであれば。

「そのカードのURLにアクセスしてごらん。」

全てはしのぶの自由だと老婦人は言う。
今、このまま帰るも良し、老婦人の提案に従うのも良し。
勿論、帰宅の途中で、気が変わることだってあるだろう。

「どうするね?」

「・・・・・」

得体の知れない正体不明の老婦人。
普段のしのぶであれば老婦人の提案を受け容れることなぞ、到底出来なかったであろう。

普段であれば、だ。

「・・分かりました。・・お願いします。」

カラカラに乾いた咽喉の奥から声を絞り出すようにしてしのぶは答えた。
後悔するかもしれない、だが、このまま帰れば後から別の意味で後悔するだろうという予感、いや、確信がある。
その確信がしのぶの背を強く押したのであった。

「ふん。それじゃ始めようかね。」

そう言って立ち上がった老婦人は指示を始める。

「今、この瞬間からこの店の中ではノーはないよ。イエスだけだからね。」

「・・はい。」

老婦人に見下ろされながら下される指示には一切、反駁の余地は無い。
しのぶは覚悟は既に決まっていた。

「まず、そこに立って服を脱ぎなさい。全部だよ。」

「・・・・・」

無言のまま、震える手で服を、下着を、しのぶは脱ぎ始める。
最後にストッキングから脚を抜き終わり、老婦人に一糸纏わぬ姿を晒す。
満足げな表情を浮かべた老婦人の次の指示に従い、応接セットの脇に移動する。

「これをね・・・」

デスクの引き出しから取り出した紐状の何かを手にした老婦人は、しのぶに近寄り手にした幾重にも束ねられた何か。
それは直径五ミリ程の伸縮性のある黒く長い紐。
その長さは恐らく五メートル、いや、十メートル近くあるだろうか。

「少し足を開いて。そう。それから両手を水平に広げなさい。」

『大』という漢字を模したような姿勢をとると、しのぶの横に立った老婦人が、手にした紐に結び目を幾つか作り始めた。
結び目の間隔は、ある時は五センチ、ある時は二十センチと老婦人なりの基準に沿っているらしく均一ではない。

「始めるよ。」

準備が整ったらしい老婦人は、不規則な結び目のある紐をしのぶの躯に掛け始めた。
下腹部を起点に腹部、乳房の間、左右の肩に引っ掛けると首の後ろで交差させてから両脇の下を潜らせる。
まるで蜘蛛が捕らえた獲物に糸を巻き付けるように、手際良く作業を進める老婦人。

(・・これって・・。)

最後に僅かに余った紐を処理した老婦人は誰にともなく呟く。

「・・腕は・・鈍っちゃいないようだね・・。」

老婦人はオフィスの隅から、ブティックにあるようなキャスター付きの鏡を転がしながら移動させると、しのぶの正面、全身が映る位置に置いた。
鏡に映ったしのぶの姿、それは下腹部から胸元までを何度も交錯する黒い轍により彩られている。
しかも交錯した轍はしのぶの牝の部分、、乳房を、乳首を、股間の翳りを、強調していた。

(・・何?・・これって・・緊縛・・?)

あまりにも煽情的な己の姿を眼にし、立ち尽くすことしか出来ないしのぶ。

「それから・・」

老婦人は性具を手にしのぶの股間に性具の先端を充てがうと、ゆっくりと捻りながら挿入を開始するが、乾き始めていた秘部は受け容れようとしない。

「しょうがないね。」

さもないように言うと、老婦人はしのぶの正面に立って乳首を口に含み舌の先で転がし始める。
同時に右手を股間に伸ばし、もう片方の乳首を左手で撫で始めた。
時間にして僅か数分の愛撫。
あっという間に充分に潤ったしのぶから身体を離すと、老婦人は三度目の挿入を開始した。

ずぶずぶずぶ

湿った淫らな音とともに呑み込まれていく性具。

「はぅぅぅっ!」

最深部まで埋め込まれた性具が燠火を掻き立てるように、鎮まっていたしのぶの興奮を煽る。
だが、しのぶの興奮とは裏腹に、性具はビクリともせずに沈黙を守り、それ以上の昂ぶりをもたらさない。

「物足りないんだね?」

「・・いえ、そんな・・」

「いいかい?よくお聞き。それには魔法が・・いやさ、呪いがかけてある・・。」

19/10/09 05:05 (in6soRyZ)
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