ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
ふたり
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:SM・調教 官能小説   
投稿の削除 パスワード:
1:ふたり
投稿者: 徹也
ID:gh1472
何もしていないのに季節はすぎて、どんどん寒さを増していく。それは何も気温に限った話ではない。浅本久美子の生活も寂しさを増す季節と共にその熱を徐々に奪われていっていた。
 二年前の冬。つまらない田舎から両親の反対を押し切り都会へ引っ越してきた。テレビで見たような繁華街や、夜になっても人が絶えずいつまでも賑わっている都会の空気に胸を躍らされた。私が本当にいるべき場所はここなんだ、つまらない田舎でえらそうに私を馬鹿にするような友人やくたびれた空気をにじませながらなんとか生活を維持している両親が知らない世界が本当の私の居場所なんだと心から感動した。安いアパートに住み、小さな会社で事務の仕事をするようになり、決して華やかな生活では無かったが新天地での生活が与える高揚感が久美子を十分満足させていた。
 もちろんそんな感動も長くは続くわけがない。もともと友人関係が苦手な久美子は、自分から交友関係を広げることもできず、たまに声をかけてくれる人たちもはじめは都会慣れしていない久美子の雰囲気を面白がっていたがそれに慣れてしまうと次第に遠ざかって行ってしまい、久美子はそれを引き留めるすべを持っていなかった。気付けば仕事の付き合いで人と話すだけ。友人や仲間と呼べる人はほとんどいなくなっていた。本当はわかっていた。久美子が田舎を見限って都会に来た理由は友人や環境が悪かったからではない。どこにいても周りになじめない自分の不器用さに目をつぶり、友人や両親、周囲の環境のせいにして本当の自分を受け入れてくれる世界がほかにある、ここは自分のいるべき場所ではないと言い聞かせて逃げるように出てきたのだった。
 今日もいつもと変わらない一日であった。朝起きて仕事に行く、そして誰にでもできるあまり責任のない仕事を淡々とこなしていく。そんな簡単な仕事でも不器用な久美子はミスをしてしまい、久美子のミスに目を光らせている先輩女事務員にこれでもかというばかりに責め立てられる。それを見ている周りの空気はというと、またアイツがミスしてお局さんに怒られてやがる、という空気で久美子のことに深く関心を抱いてくれる人はいない。そんな調子で大した仕事も任されない久美子は定時で会社から逃げるように退社した。
 なにかいいことはないかなあ。普段は淡々と日々を送っていたが、ふとそんなことを思ってしまった。そう思うと無性にむなしさが襲ってきた。あたりを見回せば幸せそうに歩くカップルや家族連れ、観光に来て賑わっている団体、クリスマスに向けて客の購買心をあおろうと考えられた華やかな広告やディスプレイの数々。そういったものすべてが久美子の存在を寄せ付けないように感じていた。結局ここも私のことを受け入れてくれない、かつてあれだけ心を躍らせた都会の空気にそんな疎外感を感じながらとぼとぼと家へと帰っていく。
2013/11/17 11:29:39(yeOsuvCF)
7
投稿者: 徹也
ID:gh1472
6さん
ご指摘ありがとうございます。
6さんみたいに間違えに気づくまで読み込んでくださる方がいると思うと嬉しいです。
13/11/20 06:19 (pFxfWdjR)
コメントを投稿
投稿前に利用規定をお読みください。
名前
メール
本文
スレッドを上げない
画像認証

上に表示されている文字を半角英数字で入力してください。
 
官能小説 掲示板
官能小説 月間人気
官能小説 最近の人気
作品検索
動画掲示板
画像で見せたい女
その他の新着投稿
人気の話題・ネタ
ナンネット人気カテゴリ
information

ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられております。

Copyright © ナンネット All Rights Reserved.