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契約彼女5‐1
友恵は浮気ではないと言った。 俺はそれにかこつけて、美佳と関係を持っていた。 目の前の快楽に溺れ、考えることから逃げていたのだった。 「はぁん……んふっ……」 休憩室。 アイドルタイムに入り、俺と美佳はそこに引っ込んでいた。 もちろん、休憩をとるように言われたからである。 アイドルタイムとは、だいたい昼の3時から5時の間を指す。 この時間帯は入店客が少なく、特に日曜の今日ははっきり言って暇だ。 その時間に休憩を回すのである。 休憩室には喫煙ルームが併設されていて、狭いせいか、出入り口のドアにしか窓が付いていない。 休憩室を開けられても、俺の前に跪く美佳の姿は見えないのだ。 「ん゙んっ、んっ、んくっ」 リズミカルに首を振る美佳を見下ろし、煙草を燻らす。 淡いオレンジを基調にした女性用のユニフォームを身に纏い、従順に肉棒を吸い上げる美佳。 「舌出せ」 「んはっ……はぁ……」 犬のように伸ばした舌に、精液が飛び散る。 ピンクに白濁が広がり、それは脇から垂れた。 しかし、貴重なものを受け取るように添えられた両手に掬われ、地面に滴ることはない。 美佳は陰茎をくわえこむと、残滓を啜るように首を動かす。 それが終わると、手の平の汚れを舐め取っていた。 「じーんさんっ」 厨房に戻る前に、誰かが俺を呼び止めた。 振り返ったそこには、今日は休みのはずの友恵が立っている。 「あ、あれ? なんで?」 少し動揺した。 「ヘルプです」 嘘つけ。 ヘルプというのは、他のチェーン店に駆り出されることだ。 入ってまだ日の浅い友恵には声がかからないはず。 それ以前に、ここに出勤してる時点でヘルプではない。 推測するに、シフトしてた奴が来れなくなったとか、そんなところだろう。 「仁さんとシフトするの、久し振りですね」 「あー……そうだっけか? いつも一緒にいるから実感ないなぁ……」 「仁さんっ!」 声を押さえ、しかし強い口調の友恵。 何を隠そう、俺たちの関係は二人の秘密。 他人に説明するのが面倒な上、好きな人ができても、その人に敬遠される可能性があるためだ。 従って、友恵と呼ぶのは二人だけの時のみ。 客前では河村さん、裏ではトモなのである。 「あははは……」 乾いた笑い出しながら軽く辺りを窺い、俺は厨房に向かった。
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2010/10/06 12:17:05(jEqXDcSi)
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