どうして…いつからこんなことを止められなくなってしまったのだろう。。

私は今夜も全裸のままマンションの玄関の鍵を開け、外に出ようとしている。

心臓の鼓動は早く、体中に鳴り響いている。誰かが側にいたらドクドクと音が聞こえてしまいそう。そして膝から下はガクガクと震え、玄関のドアを握る手も汗ばみ、小刻みに震えいる。

時間は夜中の２時を過ぎた頃。新聞配達もまだ来ない。隣人は寝静まっているだろう。

私は思い切って玄関を開け、全裸に赤のハイヒール…ハイヒールは自分に課せた、課題…と言ってもいいでしょう。リスクが大きければそれだけ興奮する。
コツコツとコンクリートの廊下に響く音。もし誰かに見つかって逃げようとしても走りづらく、色も目立ち過ぎる。

でも私は敢えてそのハイヒールを素足に履く。

８階のマンションのドアの鍵を締めそしてそのまま鍵をドアの備え付けのポストに落とす。
持っているのは車の鍵だけ。
車の中にマンションのドアの合鍵を入れてある。これでもうマンションから30ｍ程離れた駐車場までは必ず行かなければならない。
もちろん全裸に赤のハイヒールのまま…

私は廊下をコツコツとヒールを響かせながらゆっくり歩く。
いつ開くか解らない、何軒もの隣家のドアの前をゆっくり通り抜ける。敏感になっている乳首や、少し多私の陰毛に夜風が当たる。

非常階段ではなく、エレベーターに向かう。

これもリスクの高い選択。
非常階段なら耳を済ませば誰かが上り下りしている事を察知してどこかに隠れる事も可能。

でもエレベーターは乗ってしまえば個室。

いつ誰が乗って来るかわからない。

しかも１階に無事たどり着いたとしても、エレベーターのドアが開けばマンションの正面玄関はガラス張りのエントランス。その向こう側、マンションの真前は夜中でも人通りの多い国道。

私はエレベーターに乗り込み１階のボタンを押す。

今日の課題、目標は駐車場はもちろん行かなくてはいけない、けれど本当の課題はコインランドリー。マンションから200ｍ以上は離れている。

そこについ先程、１時間くらい前に、今日１日はいて、オナニーをし、ぐっしょりと重くなる程濡らした赤いパンツと、この２日間真夏の暑さに汗をかきながらも着続け私の体から出る“女”の匂いをデオドラントも香水もつけずに着つづけた白いブラウスを洗濯槽の中にただ“置いてきた”。もちろん洗濯をしてはいない。ただ置いてきただけ。

もしかしたらもう盗まれているかもしれない。

誰かが私の体中の汗の匂いや、いやらしい女の汁をいっぱいに吸い込んだ下着やブラウスを、だれかがすでに…

でも私は“それ”を取りに全裸でコインランドリーに向かう。

エレベーターが無事に１階にたどり着いた。幸い誰もいない。

そのままマンションの裏口に向かえばコインランドリーや駐車場への道につながる。

でも私は正面の玄関へコツコツと音を響かせ向かった。

この時の私には、今夜これから起ころうとする悲劇…もしかしたら私の心のどこかで望んでいた“露出調教”“露出奴隷”という目眩がしそうな誘惑的で官能的な妄想が現実になる…悲劇ではなく“夢”が叶う瞬間が来るとはまだ思いもしていなかった。

ただいつものように、露出のムズムズするような、アソコから滴り落ちる愛液に屈辱的で悲しくなる程情けない自分の姿や体に憎しみを覚える程、でもそれすらがたまらない快感となって、私の脳や体を狂わせる……
そんな“一人遊び”で終わるはずだった。

そして私はエントランスのガラス張りの自動ドアを通り抜けた。。

　　　　　　　　　《続く》

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