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「Oの物語ですか?」
おれのスマートフォンのストラップを見ながら唐突な質問をしたのは、知り合いのH氏が連れて来てくれた美しい女性Eさんだ。H氏は穂佳と恥辱調教の契約を結んだ夜のお披露目に証人として参加してくれた男性で、おれと同じS性を持つ人だ。 「えっ?ナルニア国物語?」 おれの的外れな答えに気付いたEさんがクスッと笑う。そのことでEさんの質問の意味を正しく理解した。 「キングの王じゃなく、O嬢の物語のことですね」 Eさんが興味を抱いたストラップはパワーストーンが中心に嵌め込まれ梟(ふくろう)を象ったもので、つい数十分前に奴隷M子の穂佳にプレゼントされたものだった。。。。。鍵のネックレスをプレゼントとしたお返しとして。 おそらくM性を持つ、あるいは憧れを抱く女性にとってはバイブル的な存在であろう、この小説「O嬢の物語」を読んだことは無いが、梟(ふくろう)というキャラクターが物語の中で重要な役割を担っているということは聞いたことがある。 H氏によるとSMの世界に興味を抱き始めているEさんが梟(ふくろう)のストラップに興味を持ったのもその理由からだろう。 「梟(ふくろう)は苦労を取ってくれると言われているんです、御主人様はお仕事忙し過ぎですから」 ついさっき、そう言いながら嬉しそうにスマートフォンに取り付けていた穂佳を見ると、悪戯が見つかってしまった無邪気な子供のような表情をして微笑んでいる。 「こら穂佳、おまえさっき言った梟は苦労を取るってこじつけか?本当はO嬢を意識したんだろ?悪い子だ、お仕置きだな」 自らの勘違いを笑いながら穂佳にお仕置きを伝える。 「Eさんは女同士の絡みに興味はありますか?」 返事に困っているのか、答を探っているのかEさんはH氏に視線を送り表情を探る。このやり取りをニコニコとした表情を崩さず聞いていたH氏は、暗黙の了解をEさんとおれに送る。 「穂佳の乳房触ってみませんか?いずれレズを経験させたいと思っていますので」 「いいんですか?」 そう言いながら、座っていた窓のサンから立ち上がり、ソファに座る穂佳の正面に屈むと白い指先を持つ両の手を穂佳の乳房に伸ばす。 ホテルの部屋に入り長襦袢を脱ぎ、直に浴衣を着る乳房の感覚はダイレクトに指先に伝わるだろう。そして、その先端で突起を始めた乳首の存在にも気付いているだろう。 目を閉じた穂佳から、小さな吐息に混じった甘い喘ぎ声が漏れ出すと、その様子を見守っていたH氏が口を開く。 「穂佳さんはスイッチが入ると凄いよ」 その声に反応するかのようにEさんの指先の動きは更にしなやかに、そしてリズミカルに穂佳の乳房の上を舞い踊り始める。明らかに男の指の動きとは異なるその指の動きは、自らがそうされたいと願う動きをしているのか、あるいは自らの感じる箇所を白状するかのように見える。 そして、激しさや複雑さを増す指の動きに身を委ねる穂佳の表情は恍惚の表情と変わった。数分前の無邪気な表情からは想像できないほど淫乱な奴隷Mの表情に。
2011/08/13 04:53:19(Foa2Stob)
「2400秒の奇跡 - 第5章 前編」
ホテルの部屋に戻り、脱いだ浴衣を整える全裸の穂佳の上半身に縄化粧を施し、髪の毛から全身を洗ってもらった褒美として聖水を浴びせる。もう1時間は経っただろうか? その間、バスタブの中で正面から突き上げ、さらに夜景を見ながら後から突き上げるが、白い液を吹き出すには至っていない。やはりベッドの上でじっくりと時間を掛けて感じさせてやりたいと感じていた。 「穂佳、さきに出てるから髪の毛を洗ったらおいで」 「お待たせしないよう急いで洗います」 「ネットサーフィンでもしてるから、そんなに急がなくていいよ」 大雑把に水気を拭くとバスタオルを腰に巻きバスルームを出る。24℃に設定していたエアコンのお陰で部屋は涼しく心地よい。渇いた喉を潤すために氷の塊を口に放り込みミネラルウォーターを口に含む。 ベッド脇の時計を見るとデジタル表示は2:10AMを示している。テーブルの上に置いたスマートフォンを手に伸ばすとストラップに付いた梟(ふくろう)のマスコットがかたっと音を立てる。ネットから仕事のメールアカウントに繋ぐと今日の訪問先企業の担当者からの礼のメッセージが入っている他は名古屋までの新幹線の車内でチェックした以降、新しいメールも無く、金曜の夜であることを実感した。 メールを閉じこれまでに写した写真を見る。鏡の前で浴衣の帯を整える姿、浴衣の下に着た長襦袢を脱ぎ始める姿、エレベーターの内外で乳房を露にした姿、そして縄化粧を施した姿。 どの写真をプロフィールに貼り付けようかと思案しながら眺めるだけでシャッターを押した瞬間が蘇り、おれの分身も適度な硬度と強度を保ったままでいる。そして、いくつかの候補を絞る間にバスルームのドアが開く。ふと時計を眺めると2:26AMの表示が2:27AMに変わる瞬間だ。 「御主人様、お待たせしてすみませんでした」 「水を口移しで飲ませてくれ、氷と一緒に」 アイスバケットから摘まんだ氷とペットボトルの一口の水を口に含むと、穂佳は全裸のまま大の字姿で横たわるおれに被さるように唇を重ねる。唇や舌の感触を楽しみ合うように口に含んだ水をゆっくり流し込み、最後に少し小さくなった氷の塊を舌の先で受けとる。 その行為の間に胸元に巻き付けたバスタオルを乱暴に剥ぎ取り、左手をおれの分身に導く。シャワーを浴びた直後の手のひらはまだ熱を帯びたように熱く感じる。絡め合う舌を解き放つと、その数秒後には氷の塊により冷えた舌の感触が熱を帯びた分身に絡み付き、やがて十分に冷気を感じる口に分身は包み込まれる。 ベッドに横たわったまま左手を伸ばすとシャワーを浴びたばかりだというのに指先に熱く濃厚な蜜が絡み付く感覚を覚える。ベッドの脇に立ち少し前屈みになっておれの分身を一心不乱に味わう穂佳から溢れる蜜だ。あるいはホテルに戻っても、7人の男たちの熱く刺すような視線でオンになったスイッチは入ったままなのかもしれない。さっきの水を飲ませてもらうという行為で溢れさせてしまったのだろう。 手に持ち続けていたスマートフォンを置くためベッドサイドのテーブルに手を伸ばす。視界に捉えたのは2:35AMになったばかりのデジタル表示だった。
11/08/19 17:57
(9HeKnP4l)
「2400秒の奇跡 - エピローグ」
ふたりでバスルームで過ごした約1時間の間も24℃で設定していた空調のお陰で、シーツもひんやりと背中に心地よい。それでも唇と舌の刺激を与え続けられる下半身から体温は上昇している気がした。時計を見ると2:39AMだ、そろそろ眠りに就くことも考えなければいけない時間だ。 「穂佳、氷を口に含ませてくれ」 舌を先端に絡めていると思えば一気に喉の奥深くまでのみ込む、あるいはまるでフルートを吹くかのように顔を横にする。そんな行為を中断すると、アイスバケットから氷の塊を口に含ませ、おれに覆い被さり唇を預ける。 激しくお互いの舌を絡ませながら氷を溶かしていく。首の後に手を回し強く抱き寄せると、下半身を少し浮かせて止めどなく熱い蜜を溢れさせる秘密の花園に吸い込まれる。 「あぁん、御主人様ぁあ」 その瞬間に、穂佳は身体を仰け反らせる。 「どうだ、穂佳、これだと奥まで入るだろ?」 穂佳の腰を強く抑え込み、自らの腰を最大限に突き上げる。色々なスタイルや体位でひとつになる感覚を味わってきた。今日も立ったまま、片足をバスタブの縁にのせた状態で前から、あるいは肩幅に足を開かせ尻を後に突き出させ覆い被さるように。 そして今、正面から向き合うことには変わりないが穂佳が上にいる。おれの分身の角度や穂佳の秘密の花園の位置や角度から、この体位が一番奥深くでお互いを感じるのではと考えていた。そして穂佳の激しく揺れる乳房を下から眺めたり鷲掴みにするという視覚的な楽しみも味わえる。 「おれの分身をディルドだと思って、好きなように動いていいぞ。おまえがいちばん感じるように」 「ご、御主人様ぁあ、いけません、そのようなことは」 厳格な家、特に作法には厳しく育てられた穂佳には人に跨がることはご法度であった。それでも腰の周りには大粒の汗を浮かべ感じることは隠せない。 「穂佳、おまえがそうすることで、おれが気持ちよくなる、これは命令だ」 さっきまでは上から覆い被さるように腰の動きを合わせていたものの足はぴんと伸ばされていた。だが、その言葉に無意識に足を折り曲げ完全なる騎乗位になる、まるで荒馬マスタングを乗りこなすロデオのように。 「あぁあん、御主人様ぁあ。。。壊れてしまいます」 あまりに強く腰を振ることで、自身が壊れてしまうと感じるのか、それともおれの分身のぺニスを壊してしまうのかはわからないが、そんなことを言いながら潮を吹き始めるのが下腹部で感じられる。 「いいぃ、いってしまいます」 「まだまだ、いってはだめだ穂佳」 おれ自身も爆発しそうになると気を紛らわすために翌週のスケジュールを頭の中で組み立てたり、学生時代に暗記し今でも好きなケネディ大統領が「平和のための戦略」として行ったアメリカン大学での演説の一節を声を出さずに唱える。 大きな波が何度も押し寄せ、潮もたっぷりと吹かれふたりがひとつになる箇所はびしょびしょになり、シーツも別の意味で冷たく感じられる。 「一緒にいくか穂佳?」 ロデオのように一心不乱に腰を振り続ける穂佳に声を掛けても頭の中が真っ白になっているのか返事はない。ただ隣の部屋には声が聞こえているかも知れないと思えるほどの喘ぎ声を発し続ける。首を仰け反らせるように時計を見ると3:20AMと読めた。 「こんどは、おまえが下に」 そう言いながら穂佳を押し倒し、乱暴に腰を振り続ける。もうスケジュールを考えることも大統領の演説を復唱することもなく、淫乱な奴隷M子の少し苦し気な表情を堪能しながら自らを解き放つ、最後の一滴が完全に注がれるのを、リズムに合わせながら。。。。 「穂佳、最高に気持ち良かったよ、ありがとう」 「御主人様ぁあ、頭の中が真っ白になりましたぁ。腰も抜けてしまいましたぁ」 半分、涙声で答える穂佳に褒美のキスを与え時計を見ると3:23AMだった。 「おまえ40分も腰を振り続けたんだ、ロデオみたいに。今夜の物語は2400秒の奇跡として小説にするか?」 そして穂佳の恥辱調教物語は「夏・歩・野・花」のプロローグへと。
11/08/20 00:36
(c9xBXZpp)
「2400秒の奇跡 - あとがき」
いったい何人の方に読んでもらえているのだろう?そんな疑問を持ちながらも今回のエピローグで物語を完結しました。 小説として穂佳の成長を記憶に残す、また恥辱調教の手伝いをしてくれる方々への思い出になれば、という気持ちから書き始めた訳ですが、読んでくれた特にM女への憧れを持つ方への参考になればと思ってます。 2400秒の奇跡というタイトルは最後の最後で明らかになったと思いますが、全ての章で描かれたのは2週間前のある夜のことで、交わされた会話は忠実に再現したつもりです。 そんな意味から、東海版の募集スレッドやそのレス、ゲッターさんの報告投稿を同時に読んでいただくと、より臨場感が沸くと思います。 物語は8月最後の夜、穂佳がスレッドを立てた「夏・歩・野・花」に続く予定です。 ご愛読ありがとうございました。感想など聞かせていただければ、奴隷M子として戸惑いながらも頑張っている穂佳の励みになると思います。 それでは、またここでお会いしましょう。 グレッグ・エムジョスキー
11/08/20 02:06
(c9xBXZpp)
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