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「就職氷河期世代」
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:シナリオ 官能小説
ルール: エロラノベ。会話メインで進む投稿小説
  
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1:「就職氷河期世代」
投稿者: 1Q79
「就職氷河期世代」

2002年春、僕は大学を卒業し、日産の販売会社で働き始めた。
その年の大卒就職率は56.9つまり、二人に一人近くは正社員になれなかった計算になる。

バブル崩壊後の冷えきった雇用市場。氷のように固く閉ざされた扉。
だけど僕は運よく、その扉をこじ開けることができた。

就職活動を始めたのは2001年の春だった。

特に深く考えたわけじゃない。
ただ「車が好きだから」という単純な理由で、都内の自動車ディーラーを志望した。

トヨタ、スバル、ヤナセ、三菱、日産。大きなメーカーばかりだった。
結果、三菱と日産の二社から内定をもらった。

三菱には暗い影が差していた。リコール隠しが発覚し、販売不振が続いていた。
現役社員に話を聞いたとき、30代の営業マンが疲れた顔で言った。

「うちはやめたほうがいいよ」

彼の表情が、今も記憶にこびりついている。

日産も決して順風満帆ではなかった。

村山工場を閉鎖し、大規模なリストラを進めていた。

だけど、ルノーから来たカルロス・ゴーンという男が

「ニッサン・ルネッサンス」を掲げ、会社を立て直そうとしていた

。その名前には、少しだけ未来の光が差していた。

決め手になったのは、僕が乗っていた車だった。

バイトで貯めた金で、中古の180SXを買った。

初めての愛車。日産の車だ。
だったら日産に行こう。それは論理的な選択というより、感覚的な決断だった。

こうして、僕は2002年4月、日産の販売会社に入社した。

営業の仕事は、想像以上にハードだった。
朝9時に始まり、夜10時まで続いた。

終業時間は建前のようなもので、
実際には店長が帰る時間が、その日の「終業」だった。
店長より先に帰れるのは、新車を一本決めたときだけ。

タイムカードは存在したが、実態は虚構だった。
毎日「9:00-18:00」と書くことが義務づけられていた。

残業代という概念はなかった。休日は月曜だけ。
その日に新車納車が入れば、それも消える。
もちろん、代休もなかった。

結婚式以外で休むことは許されなかった。
だけど僕は、一度だけ土曜日に休んだことがある。

女の子とデートをするために。

知人の開いた合コンで知り合った、一つ年上の女性で、名前は、山田リエ。

彼女は土日祝が休みの、いわゆる「普通の会社員」だった。
だからデートするなら土曜日しかなかった。

僕は上司に休みを申し出た。
ゴルフ焼けで真っ黒になった、元暴走族の40代後半の男だ。

彼はニヤリと笑って言った。

「それまでに新車を一台売ったら、休んでいいぞ」

僕はその前日の金曜日、キャラバンを二台売った。

仕事が終わる頃、上司が僕を呼び止めた。

「明日のデート、絶対にその子をものにしてこいよ。上司命令だ」

そう言って、現金3万円を手渡した。

あの時代、コンプライアンスもモラルも、今ほど厳しくなかった。

でも、人情はあったと思う。プライベートな話も、
職場で普通に交わされていた。
家族ぐるみの付き合いをすることも珍しくなかった。

長時間労働も、休みのない生活も、それが当たり前だった。
誰も疑問を持たなかったし、批判する者もいなかった。
世の中全体が、そういう時代だったのだ。

 
2025/02/26 22:16:40(z9j34kqH)
2
投稿者: 爺さん
初代180SX MT ターボー ハイキャス付きは

Z32や R32に負けない走りをする車だったなぁ~
25/03/03 10:17 (XNUsd608)
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