ようこそゲストさん。
ナンネットIDにログインしていません。
ID: PASS:
IDを保存 
ナンネットIDは完全無料のサービスです。ナンネットIDを取得するとナンネットの様々なサービスをご利用いただけます。
新規登録はこちら
ID・パスワードの再発行はこちら
「45歳、バツイチ、平凡な会社員」
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:シナリオ 官能小説
ルール: エロラノベ。会話メインで進む投稿小説
  
投稿の削除 パスワード:
1:「45歳、バツイチ、平凡な会社員」
投稿者: 1Q79
「45歳、バツイチ、平凡な会社員」

僕は45歳で、バツイチで、平凡な会社員。こうやって並べると、どこかのアンケートの回答欄のようだ。

事実、何かのプロフィールを求められたときには、いつもこの三つを機械的に書き込んでいる。

45歳という年齢については特に何の感慨もない。昨日も45歳だったし、おそらく明日も45歳でいることだろう。

バツイチというのも、特にドラマチックな出来事があったわけではない。

普通に結婚して、普通に別れた。
あえて言うなら、最初から最後まで「普通」だったということだ。

平凡な会社員、というのも同じだ。
毎朝7時に目を覚まし、コーヒーを淹れてトーストを焼く。

ニュースアプリを開いて株価のチェックをし、天気予報を見て適当にスーツを選ぶ。

電車に揺られ、オフィスに着く。午前中はメールの返信、午後は取引先と打ち合わせ。

17時を過ぎたら「そろそろ帰るか」と考え始め、18時にはほぼ思考が停止する。

帰宅し、ひとりで作ったミートスパゲティを食べ、ウィスキーを開ける。
そして、何も考えずにベッドに入る。

そういう人生を送っている。

何か特別なことがあるとすれば、大学に通い経済学を学んでいることと、鶯谷に行きつけのМ性感の店があるくらいだ。

かといって絶望的に退屈しているわけでもない。ただ、粛々と日々が流れていく。それはまるで、エスカレーターに乗っているような感覚だ。自分では何もしていないのに、気づいたら年を取っている。

時々、自分の人生において「これは何だったんだろう?」と思う出来事がいくつかある。例えば結婚と離婚。例えば初めて買った車。例えば、一度だけ飼ったことのある猫。すべてが過去になり、それなりに意味があったような気もするし、別になくてもよかったような気もする。

ここでは別に恋人が欲しいわけじゃない。ただ、なんとなく誰かと話してみたかっただけだ。

プロフィールには、正直に「45歳、バツイチ、平凡な会社員」と書いた。
意外なことに、何人かの女性からメッセージをもらう。

「どんなお仕事をされてるんですか?」

そんなメッセージが来るたびに、僕は「営業です」と答える。

「営業って大変そうですね」

「まあ、普通ですよ」と僕は言う。

普通。

普通ってなんだろう。普通って、案外、手に入れるのが難しいものなのかもしれない。
 
2025/02/26 22:11:04(z9j34kqH)
コメントを投稿
投稿前に利用規定をお読みください。
名前
メール
本文
スレッドを上げない
画像認証

上に表示されている文字を半角英数字で入力してください。
 
官能小説 掲示板
官能小説 月間人気
官能小説 最近の人気
動画掲示板
画像で見せたい女
その他の新着投稿
人気の話題・ネタ
ナンネット人気カテゴリ
information

ご支援ありがとうございます。ナンネットはプレミアム会員様のご支援に支えられております。

Copyright © ナンネット All Rights Reserved.