今にも殴り掛かろとする桜に｢早紀ヤメロっ｣と言った。皆は唖然として見ていた。｢あたしが何してようとテメェラには関係ねぇだろっ｣と言って１を突き飛ばした。１は｢きゃぁっ｣と叫んで転んだ。桜は次に２を睨み付けると｢殴ると思った？ビビってんじゃねぇよ…ダセぇなっ｣と言うとカバンを取り教室を出た。俺は友達に｢悪ぃ帰るわ｣と言いカバンを持ち桜を追い掛けた。｢早紀っ!!｣と呼ぶと桜は振り返り｢あっ!?アンタあん時の｣と言った。｢何であたしの名前知ってんの？｣と聞かれ｢山口さんに聞いた｣と言うと｢アイツっ｣と言った。学校を出て駅に向かった。｢どこ行くんだよ？｣｢ウッサイなぁ…ついて来んなっ!!｣と言った。それでも俺はついて行った。駅近くの公園に着くと桜は椅子に座った。俺は桜の隣りに座った。早紀は呆れて｢はぁっもうっ何なんアンタっ？｣と言った。俺は｢桜の友達だよ｣と言った。｢はぁ…ワケ分かんない｣と言い無言になった。早紀は｢アンタ桜の事好きなの？｣といきなり聞いた。

いきなり｢好きなの？｣と聞かれ俺は焦った。早紀は｢あははっ…分かりやすっ｣と言った。早紀は笑いながら｢好きなら告白すれば？｣と言った。俺が動揺していると｢ダサいなぁ…告白する勇気もないのかよ｣と言った。俺は｢うるせぇなっ…桜とは幼稚園の時以来なんだよ…桜がどんなタイプの奴好きか知らねぇし｣と言うと｢あたし好きなタイプ判るよ？｣と言った。｢何で知ってるんだよ？｣と言うと｢アンタねぇ｣と言った。俺は意味が解り｢ああ…そっか｣と言うと｢そう言う事｣と言った。｢そう言えば１ついい？｣｢何？｣｢早紀って桜の中に居る時はどうしてるの？｣と聞くと｢ああそれね｣と言い｢んとねぇ…出てない時は寝てる状態かな？でも時々起きてる｣と言い｢今日はあの２人が絡んで来た時は起きてた｣と言った。｢強制的に代わったのか？｣と聞くと｢桜が困ってたからね…桜って大人しいから｣と言った。｢もう１人はどうしてるの？｣｢エリナはいつも寝てる｣｢そうなんだ…今じゃあ２人共寝てるの？｣｢アンタ質問多いね｣と言った。

｢あ…ゴメン…でもこんな事初めてだからさ…気になって｣と言うと｢まぁいいや｣と言った。｢桜は今寝てるよ｣と言った。｢桜が起きてる時はあたし達は大体寝てるけど…今日みたいな時もあるんだ｣｢へぇ…そうなん？｣｢起こそうか？｣｢いや…いいよもっと知りたいし｣｢変わってるねアンタも…｣と言った。｢あたし達は桜が作った妄想なんだよ｣｢どう言う事？｣｢桜がこうありたいって強く願ったのがあたし達なんだ｣と言った。｢漫画の登場人物みたいな？｣｢そうそうっ…正にそれっ!!…それがあたし達っ｣と言った。｢だから桜があたし達を必要ないって思えばあたし達は消えるんだ…実際に居ない人物だし｣と言い少し暗い顔をした。｢そっか…それ少し寂しいな｣と言うと｢やっぱりアンタ変わってるよ｣と言うとあくびをし｢そろそろ桜が起きる｣と言った。｢アンタ名前は？｣と聞かれ｢小川貴志だよ｣と言うと｢覚えとく…楽しかったよ…またね｣と言いまたあくびをした。早紀は時間にしてほんの数秒黙ると桜に戻り｢あれ？小川君？｣と言った。

｢私何でココに？｣と言った。俺が説明すると｢あ～っ…またやっちゃったぁ｣と言って顔を抑えた。｢でも何で小川君も？｣と言われ｢何かするんじゃないかって心配になって｣と言うと｢ゴメンね…迷惑掛けちゃったね…｣と言った。｢いやっ早紀と話せて楽しかったよ｣と言うと｢何話したの？｣と聞いた。俺は｢内緒っ｣とだけ言うと｢え～っ？教えてよぉ｣と言った。少しじゃれ合ってから｢どうする？まだ２時だけど？｣と聞くと｢どうしようかな…｣と言った。｢俺ん家来る？｣と聞くと｢えっ!?｣と驚いた。｢家なら山口さん家近いし…制服じゃ行ける所限られるし、家ならお金も掛からなくていいと思うけど｣と言うと桜は少し考えて｢うん…行く｣と言った。俺は心の中でガッツポーズした。俺達は電車に乗り移動し、俺ん家に向かった。家に着くと｢あれ？昔来た様な気がする｣と言った。｢昔仲良かったみたいだから多分遊びに来てるかもね｣と言うと｢あっ…そっか…そうかも知れないね？｣と言った。玄関を開け中に入った。

桜は｢お邪魔します｣と言った。｢そんな畏まらなくていいよ…家共働きで居ないから｣と言うと｢えっ!?｣と言った。俺は言った後(あっ!?)と思った。俺の部屋に行った。桜は少し緊張していた。俺はキッチンに行きジュースとお菓子を用意した。｢もしかして緊張してる？｣と聞くと桜は頷いた。話しをしたがお互い意識してしまい続かなかった。｢あのさっ｣｢はいっ｣と桜の声がうわずった。俺達はそれに笑い緊張が解けた。｢ゲームでもする？｣と聞く｢うん…弟とよくやってる｣と言った。｢弟居るんだ？｣｢うん…今Ｓ６…小川君は？｣｢俺はＣ２の妹がいる｣｢妹さんかぁ…仲いいの？｣｢まぁいい方じゃないかな…最近生意気だけど｣と言うと｢家も生意気になってきた｣と言った。｢アルバム見る？｣と聞くと｢見たいっ｣と言った。俺は家族アルバムと小中の卒業アルバムを出し、さり気なく桜の隣りに座り、ページを捲りながら説明をした。桜の匂いが鼻を掠めた。俺は大胆になり桜の手を握った。桜は一瞬ビクっとしたが逃げなかった。