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1:黒い下着2の11
投稿者:
まさ
◆72/S7cCopg
僕は、水谷の抽象的な発言を信じたくなかった。信じまいと努力した。し
かし、白井の態度自体がそれを裏付けているようで、何か、水谷に姦された 以外のことを隠しているに違いないと信じ込まずにいられなかった。 僕らは相変わらず、毎日一緒に登校し、都合が合う限りは一緒に下校して いた。僕は、あんな事件があったにも関わらず、そういうふうにできるこ と、白井が毎日変わらず僕を迎えに来てくれること、そういう関係を続けら れることが嬉しかった。しかし、白井の僕に対する態度は、いよいよぎこち なく、白々しく、明らかに無理に笑顔を作ろうとしたり、不自然に会話しよ うとしたりして、僕はそれがいやになった。初めは、あんなことの後なのだ から、無理もない。時間が経てば、いやな記憶は薄らぎ、それに伴ういやな 心持ちも融和されていくはずだと思っていた。が、いつまで経っても、白井 の気持ちは僕の方に歩み寄ってこなかった。それで僕は、いやになった。何 とかして、何が何でも、以前の白井に戻ってもらい、以前の通りの二人に関 係を修復したいと思った。そのためには、まず、白井に、白井の態度をおか しくさせる原因を全て吐き出させて、その上で解決への道を探し出し、見つ けるしかないと思った。 その日、僕らは部活には行かず、一緒に勉強をしようという名目で、我が 家へ行った。部活に出ないのだから、家の者が帰ってくる前に着いた。白井 はすぐに、 「俊くうん」 と甘えた声を出して、僕を誘惑した。 「勉強するんじゃないの?」 一応そう言っても、 「エッチしてから」 と言って、強引に僕をベッドに連れて行った。 僕をベッドに押し倒すと、否応なしに僕のちんこを引きずり出し、咥え た。勃起すると自分から跨って、まんこに入れた。射精が近付いたことを告 げると、また口に咥えて刺激をして、口の中に精液を受け止め、飲んだ。そ れくらいのことは、淫乱な本性を発揮したときならば、以前もしていた。僕 はそのたびに愉快だったものである。しかしもう、それら全ての行為は、切 実な感じしか僕に与えなかった。どうしても、僕に気に入られようとしてい るとしか思われなかった。 「ねえ。気持ち良かった?」 という白井の問いに、無言でいると、彼女は最早泣きべそかきそうであっ た。気持ちよかったと答えると、喜びというより、安心の表情を見せた。そ うしてやはり、 「私の体は、俊くんだけのもの」 と呟いて、僕の横にぴったり寄り添うように横になった。僕はその彼女に 腕枕をして、細くても柔らかい彼女の体の感触を感じながら、やはり優柔不 断な性分で、訊くべきか訊かざるべきか迷っていた。白井の気持ちはわかっ ていたし、何があったのかも半分は予感していた。だから何も、それを無理 にほじくり返さないで、このまま、そっとしておけばいいじゃないかと思わ ないではなかった。しかし、水谷の不吉な予言めいた言葉を思い出すと、今 後、そのようにして、平静を保っていられるだろうか? という自問が湧い て出た。そうして答えは、否であった。何としてもここで終わりにしなけれ ばならないと思った。例え、不幸な結末が待っていたとしても。 「由紀」 と呟くと、白井が体をびくっと震わせたのがわかった。不意に低い声を出 したので、驚いたのかも知れない。白井は返事をしなかった。けれども、聞 こえているはずなので、話を続けた。 「何か隠してる?」 「何で?」 とぼけようとする白井に、僕はこう話した。合宿のときの事件を話された ときは、確かに衝撃を感じたけれども、僕は聞いてよかったと思った。由紀 は何も悪くないのだから、責める気は起こらなかった。全て許す気になっ た。現に今、こうしてその話をしていても、怒りとか、苛立ちのような感情 は少しも起こらない。普段はもうすでに忘れているくらいだ。そのように僕 の心はすっきりしている。けれども、そうしているのは僕の心だけで、由紀 の心はちっともそういう僕の心に寄ってこない。何だか、気持ちがぴたりと 一致しない。ちぐはぐな感じだ。それはどうしても、由紀の心の中に原因が あるとしか思われない。由紀は今、何を思ってる? 「そんなに決め付けられたって。何か隠してるとか、何を思ってるとか、何 何って、何のことだか解らないもの、何も言いようがないわ」 僕は白井のその言葉を信じたかった。けれども、白井の顔や、体の仕草 は、その言葉とは反対のことを言っているのである。僕は、案外嘘が下手な 白井を憎んだ。 「お前が一番よくわかってるじゃないか。明らかに、なんでもなくないこと に僕が気付いているのを解って、なんでもないって言っているじゃないか。 お前が何かを隠しているんでも、僕がそれに全然気付かないなら、僕にとっ ては何もないのと同じなんだから、それでいいが、由紀はここのところずっ とおかしいじゃないか。何か隠していると疑わずにいられないじゃないか。 疑いながら付き合っていくのは、辛いじゃないか。恋人同士なんだから、悩 みがあれば話し合って、一緒に解決するのが当たり前じゃないのか」 僕は事態を収拾するための言葉を、思いつく限り話した。あまりその内容 を吟味しなかったものだから、的外れなことを言っていたかもしれない。白 井は、僕の話を黙って聞き、途中から、涙を流していた。 「話をしてもどうにもならないとでも思っているの? 解決できないとで も? 俺はそんなに信用ないか」 こういうことを言って追い詰めるのは、残酷だと解っていた。しかし僕は もう、行くところまで行かなければ止まれなくなっていた。白井は頬をぐっ しょり濡らしながら、首を横に振った。話をしているうちに、僕も目の奥が 熱くなってくるのを感じた。 「俺は、何を話されたって、これからもずっと由紀と一緒にいると決めてい る」 と言うと、白井はとうとう声を立てて泣き始めた。 少し落ち着くと、白井はようやく話し出した。 水谷に悪戯されて、不覚にも絶頂に達してしまった直後、何故か、木村が 部屋に来たのだと言った。木村は、コンクールの直後に退部した、あの一年 生男子であった。僕はそれで、どうして不自然な時期に辞めたがったのか合 点がいった。木村は、あられもない白井の姿を見て愕然とした。白井の驚 愕、羞恥、恐怖も、並大抵でなかったはずだ。水谷は、木村を誘惑した。と いっても、自らの体でなく、白井の裸の肉体を利用して。木村は操り人形の ように、下半身を露出し、白井ににじり寄った。白井は泣いて、やめろと懇 願したが、木村も水谷も、聞く耳を持っていなかった。木村は白井を犯し た。水谷はずっと、後ろから白井を押さえつけていた。木村は、射精する と、一目散に逃げ出した。水谷は笑って、平然と眠ってしまった。白井は、 泣きながら、後始末だけはどうにかして、あとは倒れこむように寝てしまっ た。 白井はそれだけ話し、わんわんと泣いた。僕は白井の体を抱きしめた。白 井は僕の胸に顔を埋めて泣き続けた。すると、何か言いたかったらしく、 「理性が……」 と言ったが、言葉は続かず、後は泣くばかりであった。しかし僕は、その 一言で白井の言わんとしたことを理解できた。水谷に本気で抵抗できなかっ たのも、木村に体を、精神的には許さなかったにしても、肉体的には許して しまったのも、白井の淫乱な一面が、理性を欠如させてしまったからに違い なかった。いや、そういう性質を持っていなかったとしても、そういう場合 には、動物の本能として仕方ないのかもしれない。それは判然とはわからな い。が、白井の言いたいことはきっとそのようなことだろうと思った。 僕は、白井の話を聞いても、彼女を責める気にも憎む気にもならなかっ た。告白する白井を可愛いとさえ思った。どだい、白井は何も悪くない。そ う思うのは水谷とのことを聞いたときと同じだ。違うのは、水谷のときは、 白井の心境を疑わないではなかった。が、今度は、そんな気は全く起こらな かった。むしろ、今までの白井の態度、様子の原因が、そこにあったのだと わかり、そうして、それでは仕方なかったと思えたから、今度こそ本当にす っきりした。あと僕がすべきことは、白井を慰めることのみだと思った。白 井の体は、汚されたには違いないかも知れない。それはとても残念なこと だ。しかし、誰よりもそのことに傷ついているのは、他ならぬ白井本人であ る。その傷は、僕ごときがどんなに頑張っても、完全に消えることはないだ ろう。けれども、少しでも痛みを和らげることができるのならば、どんな努 力も惜しまない。僕は、そう決意した。 「よく話してくれたね。もう大丈夫だよ」 思い上がったような台詞で、我ながらいやになるが、他に適当な言葉を知 らなかった。僕は白井を抱き締めながら、背中をさすった。白井は一層激し く泣いた。 「隠しててごめんなさい」 白井は泣き声の中に、ようやくそれだけ言った。僕はとにかく、こうして ずっと背中をさすっていてやりたいと思った。 そうしてそれから、白井は、すぐに元通り元気、というわけにはいかなか ったが、少なくとも、絶望的な気配はなくなった。笑顔にも、明るさと自然 さが戻った。白井は後で、僕に嫌われて、離れられるのが恐ろしくて、打ち 明けたい、打ち明けなければと思いつつ、できなかった。自分の体が汚れて いるのが気になり、それを僕とのセックスで少しでも浄化したくて、殊更に 誘惑した。そういうときは、もう自分でも何を考えているのかわからなくな った。そんなことを話した。僕は、やはり信頼されきってないなあと、ちょ っとだけ残念に思ったが、僕が彼女だったら、きっと同じ心境になっただろ うと思ったから、そこまで落胆するほどでもなかった。 高校三年生。十月。白井と付き合い始めてから、三年の歳月が流れた。一 時はどうなることかと思ったが、僕らは相変わらず馬鹿なカップルである。 交際開始の記念日に、僕らは思い出の、懐かしい、井の頭公園を散歩した。 秋の紅葉を観賞しながら、改めて、手を繋いで隣を歩いてくれる恋人がいる ことの幸福を感じた。これまでにあった色々なことを思い出すと、一層その 想いは強まった。僕らはいつかのベンチに腰掛け、そこで僕は、三年経った 記念と称して、白井に指輪を渡した。小遣いをはたいて買ったものだが、本 物の宝石をあしらった指輪に比べれば玩具のようなものであった。けれど も、気持ちは溢れるくらいに込めた積もりだ。その気持ちが伝わったのか、 白井は涙ぐんで喜んでくれた。僕は白井を見つめた。白井はやはり美しい。 が、少しやつれたかもしれない。夏の事件による心労からくるものだとした ら、可哀想だ。元の、どこから見ても健康的な白井に戻ってもらうために も、彼女を支えていこう。僕は、細くて綺麗な指にはめたリングを、無邪気 に見せ付けるようにする白井を見ながら、そのようなことをしきりに思い続 けた。 一つだけ、どうしても釈然としないことは、水谷が、どうして白井に接近 し、無暗に白井を傷つけ、辱めたのかということであった。水谷に何の得が あったのだろうか。どう考えてもわからなかった。が、それでもよかった。 殺人を犯す人の心理を解し得ないのと同じ道理で、僕に水谷なんぞの心理が 理解できるはずがなく、理解したくもなかった。畢竟どうでもいいことであ った。全ては終わった。だから、読者も要らぬ詮索をせぬがよい。
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2006/10/27 22:10:51(TqPVZ1q9)
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