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1:ありゃま!<8>
投稿者:
庄司
週末の土日は、松原さんの部屋ですごした。
そして、月曜日の朝、玄関に腰をおろすと 「おれ、加藤さんから、早めに朝の打ち合わせしたいっていわれたんで、先 に行きますよ!」 「わかったわ、いってらっしゃい!」 朝に見送られるのがこんなに気分がいいとは知らず、鼻歌まじりに靴をは いていると、松原さんが、何かいいたそうにしていた。 「何か心配ごとでもあるんですか?」 おれが、顔を上げていった。 「野田くん、あのね・・・・・・やっぱり後で話すわ」 松原さんは、途中までいいかけて、話すのをやめた。 「・・・・・・そうですか」 あまり気にもせずに靴を履くと、部屋を出て会社に行った。 社に着くと、警備員室に入り、制服に着替えた。 <加藤さんはまだか・・・・・・> 着替え終えモニター席に座ると、深夜のモニタービデオをチェックした。 チェックをしながらメモをとっていると、ドアが開いた。 「おはよー野田くん。ずいぶんとまた、早くきたんだね」 「おはようございます、加藤さん。どうしたんです?そんなに慌てて」 「ああ・・・・・・あっあのさ、松原さんら総務課の三人、今日で会社辞め るらしいよ!出勤途中のうちの女の子が、噂してたからね」 <あの三人が、会社を辞める?こんな中途半端な時期に?> 不思議に思って、加藤さんに、打ち合わせが終わったら総務に顔を出して きてもいいか相談したら、あっさり了承してくれた。 打ち合わせがすんで、加藤さんに礼をいうと、二階の総務課を尋ねた。 「失礼しまーす」ドアを開けると、松原さんら三人は、もくもくと後片付け をしている。 「あら、野田くん、おはよう。どうかしたの?」 最初に、池上さんが振り向いておれにいった。 「今さっき、加藤さんに聞いたんですけど、みなさん会社辞めるって本当な んですか?」 おれは、三人を見渡しながら聞いた。 「情報が流れるのってあっという間ねえ」 「ほんと、ほんと!あたしたちがいなくても会社が潰れるわけじゃないしね え。せいせいしてるんじゃない」 池上さんと相原さんが、淡々と話している。松原さんが、おれのそばにき ていった。 「黙っててごめんね。会社にこのままいてもこれ以上することもないし、わ たしたちの役目は終わったの。それでね野田くん、あとで社長室にあいさつ しに行くから、わたしたちと一緒に行ってくれないかな?」 <そうか、そのことを朝いいたかったんだな> 「なぜですか!」 おれは、真相がわかりたくて、わざと松原さんにきいた。 「それはね・・・・・・池上さん、相原さん、野田くんに教えもいいかな」 「まだ早いわ」 二人とも首を横に振りながらいったが、顔は真剣そのものだった。 「そうね、社長室に一緒にくればわかるでしょうね・・・・・・きっと」 松原さんは、笑顔でおれにいった。 <いったい何がわかるんだ?わたしたちの役目はもう終わった・・・・・か 松原さんたちは、何を考えているんだろうか> 謎だけが、おれの頭にこびりついた。 昼の休憩時間になると、三人がおれを呼びに警備員室に入ってきた。 「野田くん、行くわよ。加藤さん・・・・・・野田くんをちょっとお借りし ますね」 「あっどうぞ。みなさん辞めるんだってね。なんか寂しくなるなァ」 加藤さんは、本当に寂しそうな顔でいった。 「何で、おれも一緒じゃないとだめなんですか!」 一番後ろで、しつこく食い下がると、池上さんがいった。 「野田くん、あなたもここ辞めたいんじゃないの?だから!わたしたちに任 せておけば大丈夫だから」 おれは、何がなんだかまるっきり意味がわからない。 三階に着くと、三人は顔を見合わせてこくっとうなづくと、ノックをして 社長室に入って行った。三人に続いておれも入った。 社長室に入ると、祐美子が薄ら笑うようにキッとこちらを睨んだ。 一番後ろにいたおれにも気づき 「あーら、野田くんまで一緒なのォ、あなたたちが、その男をかわいがって るって噂は本当だったのねえ、アッハハハハ」 と、冷たく笑って、いった。 「そんな、野田くんはあなたが無理やり連れてきたのでしょう」 松原さんが、おれをかばっていった。 祐美子は、松原さんをにらみ返すと 「笑わせないでよ!この男が、のこのことわたしについてきたのよ!変ない いがかりはやめてほしいわ。あなたには、この男をかばいたがる本当の理由 を話してもいいのよ、松原さん」 「・・・・・・・・! 」 松原さんは、ぴくっとすると口をつぐんだ。 <どういうことだ、本当の理由・・・・・・> 祐美子は、おれの顔を見て、話し出した。 「野田くん・・・・・・あなたと松原さんは遠縁にあたるのよ。そうよね松 原さん?」 「・・・・・・・・・」 松原さんは、絶句した。 それを知った、池上さんと相原さんが、松原さんの背中をさすりながら 「そうだったの・・・・・・野田くんを心配していたのは、そういう理由が あったからなのね」 二人が話すと、松原さんの目から大粒の涙がこぼれ落ちた。 おれは、その場で呆然と立ち尽くした。 <おれと松原さんが遠縁って・・・・・・そ、そんな、まさか> おれは、頭の中が、真っ白になった。 「野田くん、あなたは母親の旧姓も知らないの?」 にやっとして、祐美子はいった。 「あっ!」 と、おれは小さな声で叫んだ。 「思い出したようね、そう、あなたの母方の性は「松原」に間違いないわよ ねえ。両親が亡くなって、あなたの母方に預けられたのよ。ふふふおどろい た?」 祐美子は薄気味悪い笑みを浮かべながらいった。 「どうして!あんたなんかが、そんなことまで知っているのよ!」 池上さんは激怒して、祐美子に食いついた。 「あなたたちのことなら、すでに調査済みよ、アッハハハハ」 祐美子は高笑いしながら、自分に酔いしれている。 目を真っ赤に腫らせた松原さんが、叫ぶようにいった。 「そうよ!その通りだわ!父は、父は、会社をあなたの父親の会社に乗っ取 られ、借金を苦に、母と心中したのよ!その時の中心にいた人物が、あなた の父親だったはずよ!小さかったわたしは、母方の親戚のおばに預けられて 育ったわ。そのことをおばの口から聞いたとき、あなたの父親をゆるせない と思った。だからあなたに近づいて、同じ大学に入り、あなたに誘われてこ こにきたのよ!」 過去を思い出し、泣きながら松原さんはいった。 祐美子は、表情を変えず 「ふん、だったらどうしたのよ。お父様に言えば、あなたたちくらいどうと でもできるのよ」 「残念だけど、消えてもらうのはあなたのほうよ!」 松原さんは、涙を拭ってからいうと立ち上がって祐美子を見た。 「何ですって?わたしが何をしたっていうの?」 「脱税と着服よ!」 「・・・・・・・・・」 今度は、祐美子が絶句した。 「あなた、ここ三年多額の所得を隠しているわね、それと、社員の給料をピ ンハネして、カラ伝票を起こして、かなり着服しているはずだわ」 自身満々に松原さんはいった。 「な、何を根拠にそんなことを・・・・・・・いい加減なこといわないでほ しいわ。まったく」 「証拠ならあるわよ!」 池上さんと相原さんが口を揃えていった。 「ほら、これが興信所で調べたあなたの実態よ!」 と、まるで印籠を差し出すかのように、調査報告書を祐美子に突きつけ た。 「あッ・・・・・・・・・」 それを見た祐美子の顔から、血の気が引いていくのがみんなにわかった。 「もうすぐ検察庁から捜査員がきて、くまなく調べるでしょうね。興信所か ら報告書ができたときいたとき、すぐに検察に送ってくれって頼んであるか ら、もう時間の問題よ」 池上さんはうれしそうに、笑っていった。 「あ、あなたたち・・・・・・」 祐美子は、苦虫を潰したような顔で口惜しがっていった。 そして、がくんとひざが落ち、放心したまま、窓の外を見ていた。 警備員室に戻ると、加藤さんにいった。 「加藤さん、短い間でしたけど、お世話になりました」 「えっ?野田くん、君までやめちゃうのか?」 「はい・・・・・・」 「そうか、じゃ元気でな」 おれは、警備員室から外に出ると、三人が待ち構えていた。 「おめでとう、野田くん。晴れて自由の身ね」 「はァ?その言い方変じゃないですか?まるで、刑務所から出てきた「元犯 罪者」みたいじゃないですか」 「それもそうね!アハハ、おかしいーハハ、ごめんね野田くん」 おれが横でふてくされていると、三人は解放感からか、いつまでも笑って いた。 おれも背伸びをして、深呼吸をすると解放感を久しぶりに味わうことがで きた。 「野田くんは、これからどうするの?」 池上さんが、おれにきいた。 「まず、家に帰ってじっくり考えます」 「それがいいわね」 「松原さんのことはどうするの?」 相原さんが、横から口を挟んでいった。 「もちろん、ちゃーんと考えてますよ」 「どういうふうに?」 「ええ、家に帰って松原さんのこと話します。もう知ってますけどね、うち の両親。ゆるしてもらえたら、松原さんさえよければ、一緒に住みたいと思 ってます」 「・・・・・・・」 松原さんが、顔を真っ赤にしてうなずいた。 「おめでとうーお二人さん」 池上さんと、相原さんが手を叩いて喜んでいた。 「でも、同棲するのにいつまでも「松原さん」はないでしょう」 池上さんが冷やかした。 「あっそうですね・・・・・・・何て言えば」 「松原さん下の名前「聖美」だから、そう呼んであげなよォ」 相原さんがおれの背中を突き飛ばしていった。 おれは胸が熱くなったが 「じゃ、じゃあ・・・・・・聖美、おれと一緒に住んでくれないか?」 「はい」 一言そういってうなづいた。
2006/04/22 19:36:02(4rf8w8DX)
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