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ありゃま!<6>
カテゴリ: 官能小説の館    掲示板名:シナリオ 官能小説
ルール: エロラノベ。会話メインで進む投稿小説
  
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1:ありゃま!<6>
投稿者: 庄司
 おれは、松原さんら三人のおかげで、祐美子の過去を知ることができた
が、松原さんに秘密がばれ、しかも、松原さんと寝てしまった。     
 でも、松原さんの心遣いに感動した日でもあった。
 その後も、松原さんや池上さん、相原さんが親切にしてくれて、度々弁当
なんかも差し入れしてくれていた。

 すっかりと秋らしくなり、余裕があるうちに珠美さんの店に行こうと、予
約の電話をかけた。 
「もしもし、ファインスターですが・・・・・・・」
「あの・・・今週の土曜の八時に、珠美さん指名したいんですが」
「お客さん、たいへん申し訳ないんですが、珠美さん先月限りで辞めてしま
いまして・・・・・・」
「えっ?辞めた?」
 おれの声が若いと感じた店員が
「お客さん・・・もしかして野田さんじゃないですか?」
「ええ・・・そうですけど」
「やはり!珠美さんが、野田さんから電話があったら伝言しておいてくれ
と」
「伝言ですか?」
 おれはがっしりしてきいた。
「はい・・・いきなりやめてごめんなさいと、だけ」
 店員が申し訳なさそうにおれにいった。
「そうですか。わざわざすいませんでした」
 気落ちしたまま電話をきった。
 <でも、携帯の番号も教えてなかったし、連絡のとりようがないからなあ>
 お礼もいえなかったおれは、口惜しさで震えていた。

 会社に出勤しても、警備員室でぼーっとモニターを眺めていた。
「ん?野田さんどうしたんだ、ぼけっとして」
 加藤さんが、警備員に入ってきておれにいった。
「ああ加藤さん。何でもないですよ、ハハハ」
「あっそう。女にでもふられたのかと思っちゃった、アハハハハ」
 加藤さんの言葉に、年配の人はさすがだなあと、感心しながら警備員室を
出て、見回りに行った。
 珠美さんが、急に店を辞めてしまったショックで、仕事に身が入らず長い
一日になってしまい、ただぼんやりと立っているだけだった。
 残業は加藤さんだったので、定時で会社を出ると
「なーにしょぼくれて歩いてるのォ」
 後ろから池上さんが、おれの背中をドンと押していった。
「ああ・・・お疲れです」
「んん~何かあったァ?」
 池上さんは派手なカッコでにこにこしながらいった。
 池上さんは、既婚者にしては、ピンクだの紫だのと、結構派手好きな人
だ。
「加藤さんにもいわれましたよ。そんなに元気ないように見えますか?」
 池上さんが、繰り返し黙って頷いている。
「景気づけに一杯やらない?」
「いやあ、今夜は遠慮しておきます」
「あれえ?松原さんがいないとだめなのかなァ?」
 池上さんが、わざと茶化した。
「そんなことないです。洗濯物溜まってるんで、そろそろ・・・」
 ごまかすようにいったが
「そんなの休みの日にできるでしょー」
 池上さんのつっこみは厳しく、断れない状況になり
「じゃあ、少しだけ・・・・・・」
「それでよろしい。じゃ行きましょー」
 池上さんは、おれの腕を掴むと、つかつかと歩き出した。

「ここ、ここ」
 池上さんが看板を指差すと
「洋風居酒屋 みゆき」の看板があった。 
「ここ若い人に人気があって、安くておいしいのよ」
 池上さんが自慢げにいった。
 店内に入ると
「やっほー!こっちこっち!」
 相原さんが、おれたちに気づき手を振りながら呼んでいる。となりには松
原さんもいた。
「なんだ、二人ともいたんですか」
 ほっとしていうと
「池上さんに待っててもらって、わたしたち先に来て、席、確保してたんだ
けど、びっくりした?」
 松原さんが、事情を説明してくれた。
「ええ、ええ、焦りましたよ!池上さんどこに連れて行くんだろう?ってハ
ラハラしました」
 おれが冗談まじりにいうと
「アハハハハ、おっかしいー、池上さんそんなに迫ったのォ」
 二人とも、涙まじりに大笑いしていた。
 池上さんは真っ赤な顔をして、二人を見て笑った。

「ここはねえ、カクテルがおいしいんだからー」
 相原さんの常連の店らしく、この店のおすすめをおれに教えてくれた。
「あのう、今夜は、おれがおごりますから」
「いいわよー無理しなくったって」
 三人が、口を揃えていったが
「いつもいつもご馳走になってるから、たまには・・・」
 おれがそういうと
「悪いわねえ・・・・・・・」
 池上さんが、意味ありげにいうと
「あなたがいうと、全然伝わらないのはなぜ?」
 相原さんが、冷めるような目で、池上さんにいうと
「アハハ、アハハハハ、おかしいからやめてー」
 松原さんが、お腹を抱えて笑っている。
 その光景を見たとき
 <くよくよしてもはじまらないか>
 そう思うと、自然に元気が出てきて、三人に、改めて感謝した。

 飲んで、食べて、笑って、すっかり酩酊状態になると
「そろそろ帰らないと、旦那に怒られちゃうぞー」
 と、池上さんが言い出すと
「そうねえ、そろそろお愛想しましょうか」
 松原さんがみんなにいって、お開きになった。
 外に出ると肌寒くて、肌着にトレーナーくらいだと寒いくらいだった。
「ごちそうさまー!わたしたちは、旦那様が待ってるので帰りまーす!お二
人は、ごゆっくりどうぞー」
 池上さんと相原さんは、そう叫ぶと、二人肩を組んで、帰っていった。

「わたしたちも帰りましょうよ」
 二人は、並んで歩き出した。
 しばらく沈黙が続いたが・・・・・・・。
「野田くん、わたしの家に来る?」
「いいえ、この前はいきなり失礼なことしたんで、帰りますよ」
「そんなこと気にしなくていいのに・・・・・・・残念ね」
 松原さんが、ポツリといった。
 それから、また、沈黙が続き、家の方向にむき、別れようとすると
「野田くんは、年上の人嫌い?」
 松崎さんが、突然、おれにきいた
「どうしたんですか?いきなり」
「ううん、ただ・・・きいてみただけ」
「特にこだわってはないですけど」
「そう、ならいいわ。おやすみなさい」
 にこっと微笑んで、松原さんは帰っていった。

 翌日の朝、池上さんが、おれを備品倉庫に呼び出した。
「野田くん、昨日の晩、松原さんの家に行かなかったんだって!」
 池上さんが、怒り気味におれにきいてきた
「はあ・・・・・・何でですか?」
 おれが、きょとんとすると
「もう、馬鹿ねー!せっかくわたしと相原さんで気をきかせたのに、女に恥
かかせるなんて・・・・・・女心わかってないんだから野田くんは!」
 えらい剣幕で、池上さんが、まくしたてた。
「・・・・・・・・」
 <あっ・・・・・・松原さんのあの言葉は、そういう意味だったんだ>
「気づいたみたいね、やっと」
 ため息まじりに池上さんがいった。
「おれみたいな男を気にいってくれて、ありがたいんですが」
「何かあるの?彼女がいるとか・・・」
「そんなんじゃないんです」
「じゃあ何なのよ」
「自分自身のけじめつけてからじゃないと」
「どういうこと?わたしには、わからないけど」
「あの、松原さんには、わかることなんですけど」
 おれがそういうと
「ふーん、松原さんがわかることなら、わたしも、もう、口を挟まないわ」
 池上さんは、しぶしぶ納得したみたいだった。
「すいません。池上さんや相原さんにまで・・・・・・」
 おれがいいかけると
「いいわ。ただ松原さんのことは、ちゃんと考えてね」
 柔和な顔に戻った松原さんは、そういって部屋を出た。
 <松原さんがおれのこと・・・・・・・                
 でも、まだやり残したことを片付けないと、おれには>

 その日は残業で遅くなったが、改めて、松原さんを訪ねようと、家にむか
うことにした。
 アパートの前まで来ると、松原さんの部屋には、まだ灯りがついていた。
「コンコン、松原さん・・・・・・野田です」
 部屋から、松原さんが出てきた。
「あら、野田くん、どうしたの?」
「どうしても、松原さんに話があってきました」
「じゃあ、あがって」
「すいません。連絡もしないでいきなりきて」
 松原さんは、首を横に振って、おれを部屋に入れた。

 松原さんは、おれにコーヒーをいれてくれると、黙って座っている。
 たぶん、何がいいたいか松原さんはわかってると思い、自分から話した。
「あの、昨夜はすいませんでした。松原さんの気持ちを粗末にしてしまっ
て・・・・・・申し訳ないと思ってます」
 おれは、松原さんに、頭を下げた。
「池上さんにきいたわ。いいのよ・・・・・・わたしわかってるから」
「いや、でも・・・・・・・」
「社長のことでしょう?」
 おれは絶句した。やっぱりあの晩、全部話したみたいだ。記憶と葛藤して
も、やはり、思い出せない。
「おれ・・・・・・・」
 おれが、口ごもると
「知ってるっていったでしょう、何もかもね・・・・・・・
 おなたが復讐を考えていることや、それがすめば、会社を辞めることも」
 はっきりと、松原さんがいった。
 <そんなことまで話してたのか、酔ってたとはいえ>
 今さら後悔しても、おれは唇をかみ締めながら考えていると
「それでも、それでもあなたが好きなの!年下とか、同情なんかじゃなく
て・・・・・・ただあなたが好きなの、それだけなの」
 突然の彼女の告白に、おれは戸惑ったが
「おれも・・・・・・・松原さん!あなたが好きです!でも、でも・・・・
 あの女、あの女はゆるせないんです。のこのこついて行ったおれが悪いん
ですが、あの目を見ると、どうしても・・・・・・・」
 そういうと、口惜しさで涙がにじみ出た。
「そんなこと・・・・・・抱いてわたしを・・・・・・」
「だめです!今、あなたを抱いたら・・・・・・・そんな資格は、今のおれ
にはできません」
 
 目覚まし時計の「カチ、カチ、カチ」という音だけが、静かになった部屋
で鳴っていた。
 
 
2006/04/21 21:10:35(RKqBaP.a)
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