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1:魔女
投稿者:
ま
どこの国か、いつの時代かもわかりませんけれど、こんな話があります。
ある街中の一軒家の二階の窓辺に、物憂そうに佇んで、外の往来を眺めて いる美しい女性がいました。その人の名前は、まあ何でも良いのですが、日 本の名前のほうがイメージが湧きやすいでしょうから、理沙、という名で呼 ぶことにしましょう。 理沙は、そうやって外の往来を、それからそこを行き交う人々を、見ると もなく見ているうちに、その人々の中に、自分に目を向けている男を発見 し、その男の顔をよく観察すると、はっと息を呑みました。 その男は、60秒前くらいから、そうして家の中にいる理沙のことを見て いたのでした。男の名前は、これもまた何でも良いのです。斉藤、とでも呼 んでおきましょう。斉藤は、目を細めてみたり、首を傾げてみたりしなが ら、理沙の顔を確認しているようでした。そして、理沙がふと斉藤のほうに 顔を向け、驚いたような表情を見せると、斉藤も同じく驚いた顔をして、何 を思ったか、慌てて理沙の居るその家に近づき、ノックをすることもなく戸 に取り付くと、鍵がかかっていなかったらしく、そのまま中に飛び込んでい きました。 斉藤は階段を探し、二階に駆け上がろうとすると、階上に、先ほど外から この家の二階の窓辺にいた女性、理沙がいるのを見ました。 「理沙お嬢様!探しましたぞ!」 「ああ、斉藤!私を連れ戻しに来てくれたのね!」 二人はお互いの姿を確認すると、そう叫んで、抱き合いました。 「その通りです。さあ、旦那様も奥様もお待ちしております。帰りましょ う!」 「嬉しいわ。まさか、またあなたに会えるなんて。ああ、でも、なんという ことでしょう。私は、帰ることができません」 斉藤は、理沙のその言葉に当惑しました。理沙を元の家に連れ帰るため に、さんざん探し回って、ようやくここに辿りつき、本人もさぞ帰りたがっ ているだろうと確信していたのですから、無理もありません。 「何を仰る。私とともに帰りましょう」 「私もそうしたい。けれども、それができないのです。この家には、魔女が います。私は、あの日から、その魔女に囚われているのです」 あの日とは、二年前、理沙が何者かに拉致された日のことです。理沙の家 の使用人だった斉藤は、その日以来、主人の命令により、世界のあちらこち らを探し回っていたのでした。 「魔女ですって。馬鹿な」 斉藤には、理沙の言っていることが理解できませんでした。 「本当です。私が、二年もの間、つながれもせず、鍵もかけられていないこ の家に、どうして留まっていたと思いますか?その魔女の魔術によって、ど うしても外に出るのが恐ろしくて、何が何でも帰りたいのに、外に出る勇気 が起きないのです。外に出るくらいなら死んだほうがましだとさえおもうの です。何か、精神に作用する術を、常にかけられているようなのです」 俄かには信じがたい話でしたが、確かに、二年も、自分だって容易に入れ たこの家に留まっていることは、そんな理由でもなければ納得できませんで した。 「しかし、それならば、私が無理にでも連れ出せばよいでしょう。そんなこ とは気持ちの問題で、実際に拘束されているわけではないのだから」 「ええ。そうね。そうしてほしいわ。でも、きっと駄目。ここから一歩でも 外に出たら、生きていける自信がありません」 「そんなことはただの思い込みです。魔女だかなんだか知りませんが、暗示 にかかっているだけだと思います」 「でも」 理沙は泣き出しそうな顔をして、下を向きました。斉藤は、理沙を慕って いるのですが、これには苛立たずにはいられませんでした。二年もかかっ て、苦労して、やっと見つけたのに、外に出るのが恐いなどと、我儘にも似 たことを言われて、易々と諦めるわけにはいきません。 「あなたは、いったい、帰りたくないのですか?」 少し語調を強めて言うと、理沙は怯えた顔をして、斉藤はすぐに後悔しま した。 「もちろん、帰りたいわ。お父様とお母様に会いたい。でも、あの、魔女か らは、どうしたって逃れられないわ。あなたは、あの魔女の恐ろしさを知ら ないから」 と理沙は言うと、とうとう涙があふれて、両手で顔を覆ってしまいまし た。 「その魔女は、どこにいるのです」 「今は、外に出ています。いつもなら、もうすぐ」 理沙は顔を覆ったままそこまで言うと、急に顔を挙げて、 「大変!もうすぐ、帰ってくる!斉藤!逃げて下さい!見つかってしまった ら、大変です!」 と叫びました。斉藤は少し驚きましたが、すぐに気を取り直し、 「もうすぐ、帰ってくるのですね?ならば都合がいい。私が、その魔女を殺 します」 と言って、懐から拳銃を取り出しました。 「そんなもので勝てるかどうか…。それは恐ろしい魔女なのですよ」 自信を持って取り出した拳銃なのに、理沙が案外、信用していないので、 斉藤は、いささか焦燥しつつ、 「必ず勝てます」 と言いました。しかし、理沙をここまで怯えさせる、魔女、という人知を 超えた存在に、不安を感じずにはいられませんでした。 しばらくすると、魔女が帰ってきました。顔中しわだらけの、背の低い、 一見すると普通の老婆でした。 魔女は、斉藤を見ても格別驚かず、ただ不機嫌そうな顔をして、 「何だ?お前は?」 と言いました。 「私は、お嬢様の使用人だ。お嬢様は返してもらうぞ」 「そうかい。だが、返すわけにはいかないね」 「ならば、これでどうだ」 斉藤は、拳銃を抜き、銃口を魔女に向けました。 「貴様がお嬢様にかけている術を解き、大人しくお嬢様を返せば、命だけは 助けてやる。さもなければ、貴様を殺す」 斉藤は、出来る限り凄んで見せたつもりでしたが、魔女は全く動じず、落 ち着き払っていました。しかし、次に魔女の口から出た言葉は、案外、拍子 抜けするものでした。 「野蛮な男だね。そんなら、連れて帰るがいい」 斉藤は思わず理沙と顔を見合わせました。理沙も、目を丸くしていまし た。斉藤は、発砲せざると得ないだろうと思っていたのでした。ところが、 魔女の返答がそのようだったので、意外と命が惜しくなったのかもしれな い、と考えて、理沙の手を引き、銃口を魔女に向けたまま、ゆっくり玄関に 向かいました。魔女は、不敵な笑みを浮かべています。 玄関に立ち、戸を開けようとした斉藤は、どうしたことか、そこで動きを 止めてしまいました。いったん深呼吸をして、また開けようとしましたが、 また同じことになるだけでした。斉藤は、驚愕の表情を浮かべ、気違いのよ うになって叫びました。 「なんてことだ!お嬢様を連れて外に出ることが、とてつもなく恐ろし い!」 斉藤はすでに、魔女の術中に陥っていたのでした。理沙はそれを察し、絶 望しました。背後から、魔女の汚い笑い声が聞こえます。 「ひっひっひ。どうした?連れて帰るがいい。その勇気があったらな」 「くそっ」 斉藤は再び魔女に銃を向けました。 「やはり、貴様は殺すしかないようだ。どのみち、お嬢様を拉致した罪は死 に値する。今ここで貴様を裁いてやる」 「お前ごときに私を殺せるかな?」 「何を。ピストルに心はない。弾丸は必ず貴様の心の臓を打ち抜く」 斉藤は、引き金にかけた指に力をこめました。ところが、不思議なこと に、弾丸が発射されるまで引き金をしぼることができないのです。 「しかし、そのピストルを操るのは、お前の血が通った、その指だ」 斉藤は、手や腕のみならず、全身に力をこめて、引き金を引こうとするの ですが、どうしても思いを遂げることが出来ませんでした。しかも、そうし ているうちに、その拳銃でもって、自らを撃ちたい衝動さえ起こってきたの でした。斉藤は、それも魔女の仕業だと思いましたが、それとは関係なし に、その衝動はずんずん膨れ上がってきました。 自分を撃ちたい!その思いが我慢できなくなったかならないかというとこ ろで、斉藤は家を飛び出しました。理沙を置いて。独りで。 後に残された理沙は、どこか虚ろな表情をしていました。 「身の程知らずめ。さあ、理沙、とっとと準備をおし。今日も、お客はたく さんくるんだよ」 と魔女は言いました。理沙は、涙をこらえるためか、固く眼を閉じ、拳を 握り締め、 「はい」 と震えた小さな息を漏らしました。 薄暗い、10畳ほどの広めの部屋には、大きなベッドと、背もたれのつい た洋風の椅子と、それに腰掛ける理沙と、その前に立って、怪しげな呪文を 唱えながら、理沙に手をかざしている魔女がいます。 理沙は、椅子に座りながら、俯いて、眠ったようになっています。 魔女は、呪文を唱え終えると、部屋の外に出ました。するとそこには、1 0人の男たちがいました。 「準備は出来たよ。時間は二時間。10人じゃ足らないかも知れないが、そ れ以上はあの子の体がもたないからね。それじゃ、楽しみなさいな」 男たちは、ぞろぞろと部屋の中に入っていきました。 部屋の中では、理沙が全裸になってベッドの上に安座していました。理沙 は、男たちを見ると、ふふと笑って、脚を開き、陰部を露にしながら、 「いらっしゃい」 と艶かしく囁きました。 すると男たちは、我先にと理沙にむしゃぶりつきました。唇を奪うもの、 耳をかじるもの、乳房に吸い付くもの、陰部をなめるもの、その他、とにか く全身を、男たちはなめましました。 それからは、もう、なんと言ったら良いのか、滅茶苦茶です。どろどろ、 ぐちゃぐちゃです。男たちは、かわるがわる理沙の陰部に突っ込み、口にも 突っ込み、手に握らせ、胸に挟み、理沙は、それをげらげら笑いながらし て、もっともっと、とか、美味しい、とか、気持ち良い、とか言って、男の 上にまたがったときなどは、激しく腰を振りまくって、それはそれは、清楚 な令嬢の姿はどこにもなく、ただの娼婦、いえ、とびきり淫乱の娼婦そのも のでした。 顔に、口に、手に、胸に、腹に、背中に、尻に、そして中に、射精され て、2時間経ちました。 「はいはい。時間だよ。今日はもうお終いだよ。金さえ払えばまたやらせて あげるから、またおいで」 魔女はそう言って、渋る男たちをせきたて、追い返しました。 その様子を窓のカーテンの隙間から見ていた男は、斉藤です。斉藤は、理 沙が嬲られているのを見て、当然、助けたく思いましたが、無策のまま飛び 込んでは、先刻と同じことになるのは明白で、それどころか、次こそは殺さ れるかも知れぬ、と考えたので、血が出るほど下唇を強く噛んで、思い留ま るしかありませんでした。理沙が、自らすすんで卑猥な行為をしているよう なのは、それも魔女の仕業であろうと確信しました。けれども、あまりに凄 惨な光景に、とても最後までは見ていられず、口惜しさに地団駄踏みつつ、 その場を立ち去らずにはいられませんでした。 文は雑だし、前置きばかりでエッチシーンが少なくてすみません。続きも 考えてはいますが…。
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2006/01/14 17:42:44(cf4Q/bLE)
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