思い切ってあの部屋を訪ねる決心をし、電車に乗り込んだのですが下車駅が
近ずくにつれ私の心は再び揺れていました。
「私は今何をしょうとしてるの・・だめ！・・行ったらだめ！行けば又同じ
過ちを繰り返す事になるのいよ！」
そんな思いが胸をかすめたのです。
「アナタはそれを求めているの？　そうなの？」
「わからない・・・わからないの・・」
そんな心の中の葛藤を繰り返していました。そして気がつくと私は彼の部屋
の前に立っていました。中に入るのをためらっていました。今ならまだ間に
合う。このまま引き返せば傷はこれ以上広がらずに済む。そう・・やはりこ
の部屋に入ってはいけない・・そう思ったのです。私は引き返そうとしまし
た。そして身体を返した時でした。横に息子が立っていました。
彼は私を見ると大胆不敵な感じでニヤリと微笑んだように感じました。
「来たんだ？・・」
「・・・・」
「来ると思ってたよ・・絶対にね。」
「勘違いしないで！　そう言うことじゃないの！」
私は何故か息子のその言葉に対しむきになって否定しました。
「此処に来る事親父に話してるの？」
私は首を振りました。勿論夫には話してはいません。彼はドアを開けると
「入りなよ、それともこのまま帰る・・それでも良いよ。俺は。」
息子のその自信タップリな言動に口惜しさを感じました。何か私の心の中を
見抜かれているような怖さも感じたのです。
部屋の入ると息子はいきなり押入れを開け、中から蒲団を引き出し始めまし
た。
「何してるの・・何をしているのよ！・・やめなさい・・そんな事しに来た
んじゃないわ・・止めなさい！」
私は息子に向かって言いました。でも息子はその行動を止めようとはしませ
んでした。奥の６畳の部屋に蒲団を敷き終えると、息子は私のところに来る
といきなり手を掴みました。そのまま私を延べた蒲団の方へ引張って行った
のです。
「やめなさい！　離しなさい‥離して！」
とうとう蒲団の上まで連れてこらました。そしていきなり私の着ている物
を・・
「判ってるんだよ・・して欲しくなったんだろ？　そうなんだろう？　母さ
ん！」
「違うの・・そうじゃないのよ・・貴方と話をしたいの・・こうゆう事じゃ
なくて・・」
私の言葉は空しく部屋の中に吸い込まれていくようでした。
｢お願い・・だめよ・・だめ・・」
私は見る見る内に下着姿に剥かれて行くのでした。
「じゃなんで親父に内緒で来たんだ・・言えない事をしに来たんじゃない
の？」
息子は私の気持をズバリ読んでいるようでした。私の抵抗はそこまででし
た。
「そうなんだろう？　母さん？」
「判らないのよ・・私にもわからないのよ・・なんでなのか・・」
「じゃ・・今から教えてやるよ・・俺が！」
私は息子と顔を見合わせていました。彼の蒲団の上で・・。

Tweet