内ひろきは平成１８年１０月にテレビに復帰した。社長は芸能界の厳しさを
教えるために、グルナイのメチャイケ女子プロレスに出演させた。内は謹慎
中のボクシングジムでのトレーニングと少し太った体で登場した。いつもは
男の観客ばかりなのに、この日は内君ファンで会場は超満員となり、女の匂
いがムンムンと充満していた。

「メチャイケ女子プロレスファンの皆さん、こんにちは。解説は北斗晶さ
ん。ゲストに内君と噂の菊間ゆきのさんをお迎えしています。お二方、今日
はよろしくお願いします。
「よろしくお願いします」
「実況はわたくし塩野和夫でお送りします」
「内君の復帰ですが、相手はベテランの井上貴子選手です。この試合をどう
見ますか？北斗さん」
「全然話にならないんじゃないですか？こんな試合を組んだこと自体、笑っ
ちゃいますよね」

「カーン！」
「さあ、試合開始。内君、猛然と貴子選手に襲いかかった」
「触るんじゃねえよ！このスケベ！」
「井上選手の張り手にひるむ内君」
「おーと。いきなり貴子選手のブレンバスターだ！」
「内君、したたかに腰を打った」
「これは効きましたねえ」北斗が笑いながら言った。
「貴子選手、ホールに行かず、内君の髪の毛をつかんで立たせ、卍固めを決
めた！」
「内君、苦しそうです。あれ？顔はニヤけてますよ。これはどういうことで
しょう、北斗さん？」
「貴子の左足が内君の顔の上に乗ってるのがうれしいんじゃないですか？」
「まーあ。あの浮気者！」菊間は怒った。
「何喜んでるんだよ！この変態！」
貴子は内を突き放した。
「変態なら痛いのもうれしいだろう」
貴子は内にスープレックスを何度もかけた。内は腰をしたたかに打ち、戦闘
不能になった。
「貴子選手はどうしてホールに行かないんでしょうか、北斗さん？」
「徹底的に痛めつけるつもりなんでしょう」
「あー。貴子選手、内君のパンツに手をかけて一気に下ろした！」
この瞬間、内君の仮性包茎のオチンチンは会場の内君ファンの目にさらされ
てしまった。
「いやー」
「何すんのよ！私たちの内君に」
黙って内君のオチンチンにじっくり見とれるファンもいた。
貴子はファンの声を完全に無視し、内に吊り天井をかけた。哀れにも内君の
オチンチンは高々と晒されてしまった。こうなると写真を撮り出すファンも
いた。
「内君、ギブアップか？」
「イ、イエス」
井上貴子の楽勝となった。
菊間は怒りにふるえた。自分にしか見せたことがない（と内が言っている）
オチンチンを満員のファンに見せてしまったのだ。
試合後、菊間は内に電話した。
「何よ！あの無様な姿は！しかもあたしだけの大事なオチンチンを人に見ら
れて」
「仕方ないだろう。相手がやったんだから」
「だけどうれしかったんじゃないでしょうね？」
「恥かしいに決まってるだろう。それよりこんな復帰になってしまって社長
がどうするかだよ」
「そうね。それが心配だわね」

社長は何も言わず内を勘違いジャニ８に戻した。勘違いジャニ８は関西出身
者ばかりで、歌と踊りのほかにお笑いも少しやっている。社長はこの番組で
オチンチンを出したのは、ナイナイの岡村だけだということを知っていたの
だ。
「内にはこれからはお笑いもやってもらう。この試合はいいイメージチェン
ジになる」
それが社長の読みだった。

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