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1:女課長、雅美の憂鬱
投稿者:
ミキ
某有名下着メーカー企業に勤めて20年が経つ。
黒木雅美、43歳は中間管理職の課長に昇進していた。 仕事柄、社員の大多数は女性が占める企業だが、その3割ほどは男性である。 雅美はその数少ない男性社員、特に部下の男性からは密かな憧れの対象になっている。 頭の回転の良さ、独創的な発想力は数々のヒット商品を生んできた。 何より雅美の持つ美貌は派手さのないヘアースタイルとナチュラルメイクが引き立たせ、独身を貫いているからか身体の線が崩れてもいない。 女性らしい身体のラインは男性社員には、嫌でもそのままセックスシンボルになっていた。 同性の社員、特に部下からは否応なく自分たちの目指す女性像なのだった。 人生で一度はベッドを共にしたい………。 男性の部下の深層心理の奥にそんな願望を抱かせる雅美だが、プライベートを深く知る者はいない。 複雑な家庭環境で育ったためか、反動でグレていた次期があった。 男性経験は中学生で覚え、高校生の頃にはすでに膣でのオーガズムを迎えられるほどになっていた。 敏感な体質だったとはいえ、少し大人びた見た目とその頃からのルックスの良さから求める男たちは引けを取らず、雅美はそのたびに身体を重ねた。 身体だけを求めめられていると理解はしていても、寂しさを埋める為には自分が必要とされることがその時は大事だったのだ。 時には一度に数人を相手にしたこともあった。 いつの間にか習得したフェラチオのテクニックは男たちを喜ばせ、同時にクリトリスをこれでもかと舐められ、吸われた。 口が空席になることはなく常に誰かのペニスで埋まり、両の乳房を吸われながら膣には絶えず入れ替わり誰かのペニスが挿入され続けた。 オーガズムを迎えては叫び、射精をされてはすぐに次のペニスが挿入され、またオーガズムに身体を震えさせた。 雅美の荒れた生活を誰もが嫌悪し、立て直そうと何人かの大人が動いてくれたが、所詮は形の上だけだった。 それでも本気で向き合ってくれた教師が1人だけいた。 そうでなければ今の雅美は、存在しないだろう。 教師といっても男性だ、雅美は彼を試した。 それまでの大人は所詮は男で、みんな雅美の身体を喜んで貪ってきたのだ。 その日も男たちに凌辱され、雨の降る夜を傘もささずに街を彷徨っていたところを探してくれていた男性教師に保護されたのだ。 彼は独身にも関わらず、自宅のアパートに雅美を連れて帰った。 今なら一発でアウトだろう。 彼は雅美を風呂場に押し込め、その間に女性用の下着と感嘆な衣類を買い求めてくれた。 温かいご飯を用意もしてくれ、その晩は泊めてくれた……雅美に指一本も触れず。 雅美は着ているものを全て脱いで彼の布団に潜り込んだ。 結果は雅美の思っていたようにはならず、叱ってくれたのだ。 10代にして既に魅力的な女性の身体になっていたが、拒絶されてしまった。 それまでも同じような男はいたが、女の味を少し味あわせただけでオスになった。 雅美は自分という存在を知らしめる為に、乳房だの性器だのを男性教師の顔に密着させた。 ほら見たことか、彼のペニスはパジャマのズボンの上からでも分かるほど、見事に勃起していたのだ。 だが彼は悲しみを宿した目で、雅美を抱きしめただけだった。 ーーー寂しかったよな、苦しかったよな……… やっと自分を受け止めてくれる大人に出会ったと思った。 雅美は彼の腕の中で泣き崩れ、その夜は同じ布団で心から安心して猫のように眠った。 その日から雅美は変わった。 教師に1から勉強を教わり、半年後には成績が上から数えられるほどまでになったのだ。 男たちとは学校を卒業するまで距離を置いた。 ある日、雅美は男性教師から多額の金を渡された。 車を買い替えようとして貯めた金だから疾しいものではないと、そう言っていた。 彼は雅美の目から見てもくたびれた軽自動車に乗っていたので、受取れないと返したが、頑として彼は受け取らなかった。 その金は雅美が将来、幸せになるための一番最初の切符だから、と。 あの夜、雅美の身体を見た土岐から教師は決めていた。 雅美の女性器は、10代のものではなくなっていたのだ。 彼は美容整形病院を探し、人知れず雅美に手術を受けさせた。 雅美は自分の性器を真剣に見たことはなかったが、修復された自分のそこを見て改めてあまりにも醜かったことに気づいた。 いつか絶対に返すからと彼に言ったが、お前さんが幸せになればそれで良いと、男性教師は笑うだけだった。 今の会社に就職して3年、まだ薄給だったが必死に金を貯め、雅美はネクタイのプレゼントと返済金を持って彼に会いに行った。 少し歳を重ねた彼は、笑顔で雅美を迎えてくれた。 彼の後ろには素敵な伴侶がいた。 優しい旦那様に聞いていたのだろう、彼女も快く雅美を迎え入れてくれた。 お茶をご馳走になり、小一時間だけ雅美は生徒に戻った。 いくつになっても彼は先生で、雅美は生徒になれる幸せを彼はくれた。 ネクタイを渡すと2人で喜んでくれたが、金を差し出すと突っ返されてしまった。 分かっていたから雅美は誠心誠意、彼に伝えた。 伴侶の手前、借りていた金を返しに来たことにして、彼も察してその体で話を聞いてくれた。 これは自分が前に進むためだから、筋を通させて欲しいと。 すると頑なに受け取ろうとしなかった彼は、目に涙を浮かべて、こう言った。 ーーーまったく…もう立派七大人になりやがって… 金を受け取った彼をみて安心して雅美は、彼らに見送られてその場から腰を上げた。 彼がいなければ今の自分はいない。 これで目的の一つは果たせた。 雅美が生きる目的と言い換えても過言ではない。 そしてその一つが叶ったなら、もう一つの目的をと思っていた。 だが素敵な女性がいるのを見た瞬間、雅美の目的もとい夢は、砕け散った。 彼にずっと好意があったのだから………。 雅美は彼に救われてからというもの、男性に触れていなかった。 その美貌から接近してくる男性は後を絶たなかったが、心にはいつも男性教師がいた。 あの幸せそうな2人を見たら、壊すなんて出来るはずはない。 もう寂しさを倦める為に馬鹿な真似も出来ない。 毎日のようにセックスに明け暮れていた身体は、セックスから遠ざかるほどに火照り、彼を思い浮べてはひとり慰める日々だった。 彼の腕に抱かれる日を夢見ていたが、もうそれは永遠に叶わない。 心にポッカリと穴が空き、放心する雅美に変化が起きたのはいつだったろう。 ある朝、通勤電車で吊り革に掴まる雅美の尻に、誰かの手が触れていた。 その日から毎朝その手は、雅美に触れてくるようになった。 何度振り払ってもその手は執拗に、雅美を追いかけてきた。 不覚にも呼び起こされるのを感じてしまった。 パンツスーツだったが、股の下を往復する指があまりにも上手だったのだ。 こんなところで………そう思うと背徳的な気持ちが収まらなくなる。 雅美の反応を楽しむかのように、敏感な位置を探り出して指先が股の付け根を触ってきた。 そんな日々は30歳半ばを過ぎて、もう我慢なんて出来なくなってしまった。 タンスの引き出しに眠る数種類の性の玩具では、もう抑えるのは限界だった。 雅美はある朝、珍しくスカートに足を通していた。 鏡の前で最後まで躊躇したが、パンツに履き替えることなく玄関の鍵を締めた。 何も考えない様にしながら歩くと、見慣れた駅が見えてきた。 雅美は、改札を通過していった………。
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2024/07/30 18:18:57(nf3GhVwW)
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